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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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381.  ロイドの要心無用 《ネタバレ》 
キートンがアクション、チャップリンがストーリーならハロルド・ロイドは勇気です。 普通の人間が「やったらやれるんだ」と勇気を振り絞って奇跡を起こす・・・そんな様子に私は惹かれます。 終盤のあの有名なシーン。 実際にビルを自力で登ってしまうんですもの。分かっていてもハラハラします。 だって登った時計台から3回も落ちたジャッキー・チェンとかいう人がいましたからねー。「プロジェクトA」で人間卒業しちゃった。 ロイドもいつ落ちてしまうのかとドキドキでした。 ロイドの勇気に拍手です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:41:17)
382.  エイリアン 《ネタバレ》 
人類と異星人(エイリアン)の最悪のファースト・コンタクトを描いた傑作。 単なるパニック物に終わらず、人類が宇宙に拡がっていく開拓という名の「侵略」。 「本当のエイリアンはどっちだ」という作品だ。 スピルバーグの「ジョーズ」におけるテーマと似ている。 人間が生活を拡げる過程において蔑ろにした自然。 住処を追われた動物は、やがて人々のテリトリーに「戻って」来る。 この映画のエイリアンは「侵略者」と呼ぶには相応しくない。 正しく言えば「報復者」と言っても良いだろう。 自分たちの領域を犯そうとする者への・・・。 エイリアンを「生物兵器」として利用しようとしたのは人間なのだから。 まあリプリーたちにして観ればとんだトバッチリだがな。 宇宙空間という「密室」、他の生命に寄生して成長する化物、逃げ場のない恐怖・・・一人、また一人消えていく命。 最初この物語は「群像劇」だったが、生き残った者がこの物語を動かす「主人公」となる。この二段構え。 そして仲間を殺された者が抱くのは復讐心・・・恐怖を乗り越える人間の恐ろしさと強さ! 終盤もまた「二段構え」の死闘。 作り込まれたセットと言い、今見ると時代錯誤な装置も巧みな演出で違和感を感じず楽しめる。 これぞ娯楽映画よ。  エレン・リプリーは好きなキャラの一人だ。 仕事を最優先にする傍ら、誰よりも仲間思いの熱い女性。 男勝りな勇気と行動力、悲鳴をあげながらもエイリアンと戦い抜いた気丈な女性像。 猫の「ジョーンズ」のためにもう一度戻って来る姿・・・そこに惚れた。  エイリアンに「糞野郎...糞野郎・・・糞野郎!!!!!」と言いながらダスト・シュート&止めの一撃! 女戦士エレン・リプリーの誕生である。  「テルマ&ルイーズ」でもそうだったが、リドリー・スコットは「ケツ」で女を語る。  良い女は尻もビューティフル。 二段構えのある映画は本当に面白いです。「駅馬車」しかり「黄金狂時代」しかりしかり。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:34:30)(良:2票)
383.  キッド(1921) 《ネタバレ》 
「犬の生活」の進化版とも言うべき傑作。 病院から出てくる赤ん坊を抱いた母親。彼女は頼るはずの子供の父親に“忘れられて”しまい、子供を育てる余裕もないほど追い詰められていた。腹を痛めて産んだ子供を育てたい母性、それを守るために愛する我が子を手放し他人に託さなければならない自分の無責任さ、不甲斐なさ、無力さへの葛藤。 いや、一番の原因はテメえでタネを蒔いた事も焼き捨てちまうようなクソ野郎の方だ。 母親も後悔先に立たず、イスで彼女が祈る間にも運命は赤ん坊を車から引き摺り下ろしてしまうのだ。普通の映画ならあの強盗2人が情が移り赤ん坊を引き取るなんて展開も面白いだろう。だが、さらに一難を経る事で赤ん坊は運命的な出会いを果たす。 上空からゴミが捨てられる日常、まさか赤ん坊まで上から捨てられたのかと勘違いしても無理は無い。 チャップリンも面倒くさいからではなく情が反応する故に赤ん坊を他人に任せようとしてしまう。だが預けられる母親も赤ん坊一人に手一杯、押し付けんじゃねえやと傘でメッタ打ち。オマケに警官が睨み付ける。この作品の警官は結果的にチャップリンと赤ん坊の絆が深まるような事しかしない。それを知らない警官は幸か不幸か解らない。 チャップリンはいっそ下水にでも捨てちまおうか、なんて一瞬思うがやっぱり赤ちゃんは可愛いくてしょうがない。情が移り「ジョン」という名前を付けて大切に育てる覚悟を決める。 月日が経ち成長したジョンと共に行う窓をめぐる“仕事”の日々。悪いと解っていても食わせるためだ背に腹は変えられない、後は父ちゃんに任せろと言った具合にせっせと治しては一緒にジョンの面倒見てくれそうな嫁探し。でも警官の人妻には手を出すなよ。 生活は貧しくても、寒くたって良い。一緒に食事をして過ごせる小さな幸せさえあればいいのだから。 一方で成功を収めた母親の捜索や街の住民との親子喧嘩、迫り来る保健所の恐怖と二重三重に絡んでくるドラマ。 愛するわが子のために警察を振り払い屋根の上を駆け抜けるシーンは熱い!ジョンも悲しそうな顔で“父親”を叫び続ける。 宿での別れ、深い哀しみが見せる“天国”の夢、悪魔のささやきと夢の中まで追ってくる警官の悪夢。いや、彼は悪夢からチャップリンを救い出すキューピッドだったのかも知れない。昨日の敵が今日の友となる瞬間の感動。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:26:00)
384.  チャップリンの殺人狂時代 《ネタバレ》 
「殺人狂時代」はチャップリンが最後まで悪党として生をまっとうした久しぶりの作品だ。オーソン・ウェルズの原案というのも面白い。 実際はチャップリン自身が実在の殺人鬼アンリ・デジレ・ランドリューやウェインライトというモデルを参考にしたのだが、ウェルズの問いかけがなかったらこの作品は生まれなかったかも知れない。 金と命を奪って逃げての繰り返し、その過程にも限界が来てやがて大騒動になっていく。 ブラックユーモアに富んだギャグ、殺しの狂気に染まった男の闇の部分。 そんな殺人鬼にも魔が差したのか、偶然出会った女性の殺しをやめてしまった。 「逮捕されて夫も家族も失ったわ」同じ犯罪者としての同情か、己の運命を予期しての考えか。 実に四つの人間になって機関車で行き来する主人公アンリ・ヴェルド。嘘の上塗りと殺人、だがそんな生活にも限界。一度ほつれた糸はどんどんと崩壊していく。完璧な筈だった殺人計画は次々と失敗しオマケに世界恐慌にヒトラーまで出てきた! 「独裁者」でもヒトラーDisり足りないのねー。デジャブ? 新聞の記事を写すあたりなんか「独裁者」そのものだ。  全てを失い、そんな時に巡り合った「再会」・・・己の運命を受け入れるヴェルドゥ。  処刑前のセリフが考えさせられる。 「One murder makes a villain; millions a hero. Numbers sanctify(一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する)」・・・奴隷廃止を訴え続けたベイルビー・ポーテューズのセリフ。 小説や戯曲に精通したオーソン・ウェルズが取り上げ、チャップリンが言い放つ。 それを殺人をテーマとしたコメディ映画で言うというのが凄い。 虐殺によって帝王になったヒトラーを初めとする多くの英雄(殺人者)たち。 それに比べたら自分の殺しなど“アマチュア”に過ぎないと言う。 現実のチャップリンもまた、劇中のヴェルドゥのように多くのものを失っていた。 戦争に反対した姿勢は「赤狩り(レッド・パージ)」に弾圧され、苦楽を共にしたスタッフの多くも戦争を通して亡くなった人間が多い。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:21:50)
385.  荒武者キートン 《ネタバレ》 
バスター・キートンの最高傑作というと「将軍」や「セブン・チャンス」も挙がりますが、ストーリーの随所でアクションが炸裂する「荒武者」を私は推します。  単なるコメディ映画として片付けるにはもったいないほど練られたストーリーとアクション。 首が折れても撮影を続行するようなクレージーな俳優はキートンとジャッキー・チェンぐらいです。  昔から争い続ける二つの家。 同士討ちから始まるファーストシーン、時が立ち家の再興をかけて故郷に戻る主人公。 キートンというと無表情が売りですが、笑わずとも表情豊かなしぐさはとても魅力的な存在です。 犬と戯れるキートンは可愛いです。  しかし故郷に戻ってみれば爆破される家、電車で中を深めた娘も、実は父親が争っていた家の娘だった。 争う宿命にある男を愛してしまった娘・・・キートン映画はコメディである事を忘れるような設定のオンパレードです。  主人公は負けずに暗殺の危機をのらりくらりとかわして行きます。 爆走、馬、汽車泥棒、断ダイブに滝における「救出劇」! キートン渾身のアクション、今見ても思わず思わず拍手してしまうほど凄味があります。 「セブン・チャンス」の鬼神の如き爆走といい、キートンは本当に凄い人です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 00:30:22)
386.  拳銃王 《ネタバレ》 
ガンファイターの孤独を描ききった名作。 私が西部劇を見直すキッカケとなった思い出深い作品です。 ヘンリー・キングというと「頭上の敵機」のような戦争アクション、「慕情」のようなドラマが素晴らしい作品がありますが、本作は人間ドラマを軸にした西部劇。  後にフレッド・ジンネマンが「真昼の決闘」という似たようなテーマの作品を撮りましたが、やはり「拳銃王」のドラマには及びません。  本作はアウトローとして名を挙げ無敵となった男の孤独をテーマにしています。 賞金首として保安官、仲間内からも命を狙われ続ける主人公のリンゴオ。 どんな敵も早撃ちで葬ってきたこの男ですが、ある日「別れた妻とよりを戻そう、もう人を殺すのはやめよう」と無性に故郷に戻りたくなりました。 死と隣り合わせの毎日、いくら人を殺めても満たされない心・・・リンゴオは故郷に癒しを求めます。 グレゴリー・ペックの人間臭い演技がたまりません。 「白昼の決闘」における悪童といい、西部劇におけるペックは野性的な魅力を感じられます。 そんなリンゴオですが、街に戻っても既に賞金首として知れるリンゴオは「危険な人物」か「賞金」にしか見えません。 何処に行っても命を狙われる宿命・・・それでもリンゴオは昔の仲間や街の人々との交流を経て「普通の人間に戻りたい」と努力を続けます。 リンゴオが時折見つめる時計。秒針を観客に見せないのが良いですね。リンゴオにしか解らない焦りと苦悩を感じられます。  殺し合いからの解放、わだかまりがほどけていく夫婦・・・リンゴオの「殺し」が冒頭で終わっている部分も印象的です。 しかし運命はリンゴオの死がまっていました。 いくらリンゴオ自身が変わっても、彼を「賞金首」でしか知らない者は絶えず命を狙いにやって来る・・・残酷なものです。 それでもリンゴオは一瞬とはいえ、本当の人間として生をまっとうしたのかも知れません。 悲しい結末でしたが、その生き様は強く胸を打つ映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-28 03:06:10)(良:1票)
387.  飾窓の女 《ネタバレ》 
フィルム・ノワールの傑作。 フリッツ・ラングのドイツ時代の美術がアメリカ映画で活かされた良い例です。 「飾窓」とは元来ドイツを始めとするヨーロッパで産まれた物。  フリッツ・ラングは「M(エム)」でフィルム・ノワールが誕生するキッカケを作ったようなものですが、ラング自身もアメリカでいくつかノワールの傑作を撮っていることに注目です。  この「飾窓の女」は普通のサラリーマンが抱いた「夢物語」。 飾窓に映る絶世の美女の絵。 それが突然目の前に現れる! そんな彼女と関わる悪夢のような時間・・・犯罪、証拠隠滅、警察やマフィアまで絡んでくるスリルな展開・・・ラストの結末には賛否が分かれると思いますが、私はハッピーエンドに終わってよかったなーと思います。  それでもこの作品に不満が残る・・・という方にはこの作品の姉妹編と言える「スカーレット・ストリート」。オススメですよ。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-28 02:45:40)
388.  汚名 《ネタバレ》 
「カサブランカ」のバーグマンは余り好きになれないが、それ以外のバーグマンはわりかし好きだ。  「サラトガ本線」でコメディやってる姿は可愛いし、 「ガス燈」の燃えるような瞳・今まで騙していた男に向かって罵倒&放置プレイでゾクゾクしたし、 「イタリア旅行」も悪くないが、ヨーロッパにおける最高傑作は「秋のソナタ」の円熟期! ただ、若い時の彼女の最高傑作を1つ挙げるとなると個人的にこの「汚名」だ。  ヒッチコックの十八番とも言えるロマンス・サスペンス作品。 ベン・ヘクトと最強の布陣なのだが・・・インパクトのあるようなアクションはそれ程なかった。 うーむ、このメンツだと「海外特派員」や「レベッカ」のような凄まじいクライマックスを迎えるだろうと否応なしに期待しちゃうよコレは。  まあそんな事は抜きにしても本作は面白かった。 ベン・ヘクトの確かな脚本で最後まで見れるし、三角関係絡みのストーリー、そしてヒッチコックの凝りに凝りまくった演出!  これを元にした「M:I-2」なんかあったね。トム・クルーズがノリノリの奴。あれも充分傑作だと思うが、個人的には「汚名」の方が好き。   ストーリーは酒に酔っ払うパーティーで語らう男女のシーンから始まる。 父親の起こしたトラブルで「売国奴」呼ばわりされ酒浸りの日々を送るアリシア。 「白い恐怖」で見事な演技を見せたイングリット・バーグマン。 それを励ますようになだめる色男デヴリンを演じるケイリー・グラント。  オッサンみたいにベロンベロンになるバーグマンが可愛い。つうか運転さすなよ(爆) いつ事故るかヒヤヒヤもんだ。 今の時代なら飲酒運転で豚箱か棺桶行きです。  そうこうしている内に目覚めたアリシア、だがデヴリンはFBIの捜査員だった。 父親がナチスのスパイであり、婚約していたセイバスチャンはナチスに繋がる男だった。 グラントはその繋がりから彼女にナチス残党の居所を探らせる。 アリシアが戻って来ると喜ぶセバスチャン、自分に声をかけたデヴリンに惹かれるアリシア・・・。 一見冷たいデヴリンだが「やるかやらないかは君次第だ」と言えば「僕だってやらせたくないんだ!」本当は心配でしょうがないデヴリン。 じらすね~。 鍵を巡るやり取りなんか「お見事!」としか言えない。 無粋なセリフを徹底的に廃したやり取りが素晴らしい。 ワインをパリーン・・・てアンタFBIが何してんだよ(笑) ワインの「中身」は幸か不幸か怪我の巧妙。 セバスチャンをごまかすためにアリシアに強引にキスするダヴリン。 セバスチャン涙目。 その後の「異変」に気づきしょんぼりしょげかえるセバスチャンの顔がまた・・・。 クロード・レインズの演技が凄いんだが。 つうか煙草を冷静に吹かすババアカッコ良すぎ。 アリシアに迫る危機。 睡眠薬を飲まされ視界が歪んでいく演出・・・セバスチャンたちの影が不気味に重なる・・・懲りすぎだぞヒッチコック(超褒めてる)。 さあアリシアがピンチだ!白馬の王子ことデヴリンは敵地に乗り込む。 堂々正面、アリシアを抱きかかえて外に出て行くデヴリン。 デヴリンもまたアリシアを愛していた。 諦めるセバスチャンの姿がまた良い・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-28 02:14:51)
389.  捜索者 《ネタバレ》 
個人的にフォードの西部劇は「リバティ・バランスを射った男」が一番好きなのだが、この「捜索者」もフォードらしくないからこそ面白い。 イーサンは一見するとコマンチ(主にスカー)たちに対する復讐心に染まったキチガイ野郎だが、本当は自分のせいでデビーが捕らわれてしまったという責任感で自分を押し潰そうとしていた。 自分達が敵の罠に嵌ってデビーたちの家族を、デビーに地獄を見せてしまった。元々混血児として育ったマーティンはともかく、物心ついた頃にはコマンチ族と同じ習慣の中で生きてきたデビー。果たして彼女は日常生活に戻っても以前と変わらぬ生活を送れるのだろうか。それとも差別に苦しむのではないか。イーサンが最初に彼女を殺そうとしたのは、そういった事績の念があったからだろう。 そもそも、イーサンがただの差別主義者なら混血児のマーティンはとっくに殺されているだろうし(それどころか5年も一緒に生活を共にしていた)、他のインディアンたちとの公益なんてありえない。 イーサンがデビー(インディアンと共に過ごした存在)、マーティン(インディアンの混血児)、そして彼女を迎え入れる人々の“架け橋”として潔く去っていくシーンもそれを静かに物語る。 イーサンは自分が“戦争で死に損ねた過去の存在に過ぎない”という事を知っていた。そんな男に正義など何処にもない。表情もデビーに見せたあの笑顔以外はほとんど悪党面だし。戦場で消耗品に徹しきれず生き延びてしまった負い目、悲劇を繰り返してしまった重圧。それを解って去っていく。虚しい。 でもどうにか、一つだけでも何かを、誰かを救えたのかも知れない。少なくとも一緒についてきたマーティンは逞しく成長したし(嫁を殴り合いで奪い返す)、マーティンとデビーの再会もそうだし。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-24 13:25:05)(良:1票)
390.  レザボア・ドッグス 《ネタバレ》 
タランティーノ最初の傑作映画。 シンプルなストーリーを複雑に混ぜ合わせ、パズルを組むように謎が解けてくる面白さがストレートに伝わってきた。 ファーストシーンのタランティーノ特有の長回し。 ウィットに富んだセリフで始まり、黒服の男たちが勇み足で出て行く魅せるオープニングに繋がる。 その後は無意味な会話が長すぎたりしてダレる箇所も幾つかあるが、要所要所で強烈に魅せつける場面も多かった。 それがかったるい字幕なしで再見したら、不思議と退屈せずに楽しむ事ができた。やはりこの手の映画は字幕なしに限る。ハワード・ホークスの傑作「ヒズ・ガール・フライデー」とか。 さらには犯罪者と警察、強盗の犬と警察の犬たちの会話を挿入していく話の厚み。 初期のタランティーノはこんなに情があったのかと改めて感心した。 会話で説明しすぎな場面も多かったが、想像力が膨らむ巧みな長回しはグッド。 刑事としての使命感を背負いつつ、犯罪者として容赦なく「役」を演じなければならない葛藤・・・ラストシーンの壮絶さも手伝い、中々見応えのある作品となった。キューブリックの「現金に体を張れ」を思い出す見事なジグソーパズル。 俺としては後年の「ジャンゴ-繋がれざる者」や「トゥルー・ロマンス(トニー・スコット監督)」「イングロリアス・バスターズ」の方が好みだが、やはり完成度ではこの映画が一番だろう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-24 13:14:34)
391.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
前作「レザボア・ドックス」も長ったらしい言い回しで眠りかけたが、眠気を吹き飛ばすような映像、強盗団に感情移入してしまった捜査官の苦悩や孤独との戦いといったシンプルかつ一貫したストーリーがあって面白かった。 スタンリー・ドーネンの「いつも2人で」やキューブリックの「現金に体を張れ」からの流れを組むジグソーパズル感覚。 他にもトニー・スコットと組んだ「トゥルー・ロマンス」は最高にクレージーで面白かったし、00年代のタランティーノは最高だね。  が、俺にとってこの作品は退屈さを吹き払うような破壊力を最初感じられなかった。 最初20分は最悪だったぜ。せっかく喫茶店のダルい会話から一転、けたたましいオープニングで何をしてくれるのか・・・そしたらまたチンピラのクソッたれな会話を始めやがった! 他のタランティーノ映画ならハワード・ホークスのコメディ映画みたいに会話でゲラゲラ笑わせてもらったが、どうもこの作品はゴダール映画の退屈で無意味な会話を聞かされているような気だるさを感じた(「はなればなれに」や「女は女である」のような無邪気でハッピーで楽しい会話じゃなくて)。 Fu●k youはコッチのセリフだっつーの。子守唄みたいにダラダラダラダラ喋りやがって。Fuc● YOUの子守唄。 戸田奈津子のファッキ●クライストな字幕もうんざり。おかげで字幕なしで映画を楽しめるようになったよありがとうよ。 俺は沈黙を余儀なくされた。1時間の仮眠を経て、リベンジ。  そしたらどうよ? ブッチが出る辺りから少し会話に弾みが出るし、ミアとヴィンセントの軽快なダンスや洒落たやり取り、生きるか死ぬかという瀬戸際で繰り広げられるギャグのリバーブロー(酷い人体蘇生を見た)、それに何といってもブッチのエピソード! 彼女と脱出しようとして思い出して遭遇してマジでダイ・ハードで日本刀でチェストオオオッ! 敵対した筈のウィリスとアッー!されちまったヴィング・レイムスの眼と眼が逢う~瞬間~利害一致で意気投合して俺の腹筋は木っ端微塵に吹き飛んでいた。 無粋なセリフの無い、コミカルで爽快な暴力とアクション。やっりぱタランティーノは口より手を動かしている方が面白い。 そしてラスト、聖書の文句をもう一度垂れるセリフが良い。無意味な言葉が、回を重ねる事でようやく意味を持つ瞬間。 きっともう一度見たら、そこに退屈さは感じないだろう。だってタランティーノですし。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-24 13:10:05)
392.  愚なる妻 《ネタバレ》 
「グリード」に並ぶシュトロハイムの傑作。 「今時サイレント映画すら見ていないなんて話にすらならない」と言われて鑑賞。私がサイレント映画に魅せられた最初の映画でした。今の時代に無いエネルギーと狂気。 最初は淡々としたストーリー展開ですが、終盤にかけての追い込みは素晴らしいです。 カラムジン伯は様々な女性に手を出し騙くらかすような男で「騙される女が悪い」という筋金入りの悪党。他の登場人物たちが善悪で片づけられない人物像を見せるのに対し、このカラムジンだけは最後まで悪党として生をまっとうしました。「嘘泣き」の場面なんかそれを極めてます。鏡を使ってまで着替えを覗くなどド変態です。サイレント時代からこんな映画があるとは・・・。散々悪事を重ねていくカラムジン。しかし騙された事を知った女のしっぺ返しが凄いこと。火を付けられたり、挙句には襲おうとした娘の父親に返り討ちに遭う・・・因果応報という奴でしょうか。カラムジン伯の恍惚の表情で私の腹筋は破壊されました。恐らく今正に襲いかかる・・・というところでガツーンと殺られたのでしょう。或る意味幸せな最期です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-24 12:48:11)
393.  ターミネーター2 《ネタバレ》 
前作の「ターミーネーター」は殺戮マシーンという恐怖に徹した恐ろしさがあったけど、本作はその殺戮マシーンが「心強い仲間」になってくれる。  オマケに襲い来る敵は前作より最強凶悪の敵だとさ。  最高の常軌の逸し方じゃないか。  スピルバーグの「ジョーズ」を2部作にしてより濃くしたような面白さ。  「ジョーズ」は鮫に怯えるパニック映画から鮫の恐怖に打ち勝つヒーローものになるが、 「ターミネーター」シリーズは襲い来る恐怖と殺し合うだけじゃなく、恐怖を味方に付けお互いの立場を理解し、絆を結んでいくという力強い内容が醍醐味でもある。昨日の敵は今日の味方。   昨日の敵は今日の味方。  襲い来る暗殺者、 頼りになるスーパーマン、 そんなスーパーマンがピンチだ! 今度は守られる側がスーパーマンを助ける番だ! それに応えてスーパーマンは必ず戻ってくる! 何度でも。 このシンプルを極めた面白さ。  きめ細かなメカニカル描写、 質感のある映像美、 そして人間とロボットの立場を超えた絆・・・最高じゃないか。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:44:23)(良:1票)
394.  散り行く花 《ネタバレ》 
「東への道」と真逆の空気が漂う映画。後年の「東への道」の主演陣が「散り行く花」と共通している。 スタートダッシュが素晴らしかった「「東への道」」と比べると、この作品は少し退屈だ。退屈だが、丁寧な人物紹介とシナリオの巧みさ、衝撃的なクライマックスに目を見張る傑作だ。 最初はイエローマンの登場。 とある中国、外国の水兵なども訪れる賑やかな街。修行を終えた一人の中国人(どう見ても中国人て顔じゃありません。本当にありがとうございます。もしかして混血児とか裏設定有り?)が、いま師の最後の教えを受けて旅立とうとしている。 異国への憧れ、夢や希望。水兵の喧嘩を仲裁する姿にはまだ希望が溢れている。 それを打ち砕く異国の地での生活。表情は光を失い、せまい部屋の中で阿片漬になっていた。演奏者たちの爪の不気味さ。様々な肌・顔立ちの人間が入り乱れる。  続いて登場するバトリング・バロウズ。 酒を飲みボクシングで憂さ晴らしをし、情夫にうつつを抜かすダメ親父。気に入らない奴は娘だろうが当り散らす。 阿片窟にいた女がバロウズとの接点を持つ。運命はイエローマンとバロウズたちをやがて引き合わす。  最後に登場するバロウズの娘。 帽子を被り、家に帰るのが嫌そうな暗い表情で座り込む。過去を回想し、唯一帰れる安らぎのない空間へと入っていく。 帰ってくるなり机を叩いてどなりつける父親。「笑ってみやがれっ!」の怒声に、口に指をあてて無理やりの、偽りの笑みを作ってみせる。泣きそうな表情で。彼女は笑う事を知らないのだ。彼女は何度も偽りの笑みを作らされる。  そんな彼女とイエローマンの邂逅。倒れた彼女を見て蘇る“以前の自分”、異国で初めて彼に訪れる“春”の花。彼女の表情からも初めて本物の笑みが浮かぶ。  そんな至福の一瞬が、無理解な父親の一撃で粉々に散ってしまう残酷さよ!すれ違う二人、悪魔の微笑み、恐怖で歪む表情、打ち砕かれる家具、剥ぎ取られ床に打ち捨てられる衣服、霧の街に消えていく叫び。 異変に気づき絶望に暮れる表情、ドアを閉めるが逃げ場のない密室、最後の望みをかけて拳銃を握り駆け出す男、扉を打ち砕く斧の恐怖、狂ったように叫ぶ女、砕かれる板、振り上げられる鞭・・・。 あの瞬間の表情が本当に綺麗でさあ。透明な眼差しというか、何とも言えない表情で・・・何度見ても泣いてしまう。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:40:36)
395.  白昼の決闘 《ネタバレ》 
再見。やはり何度見てもいい。 西部劇というよりは、「風と共に去りぬ」を彷彿とさせるロマンス、愛憎劇。  ほんとに凄まじいというかアホらしいというか、原題/邦題の通りクライマックスの「決闘」で物語は締めくくられる。  ただ、同じキング・ヴィダーの西部劇「星のない男」「テキサス決死隊」といった作品がアクションの充実した作品だったのに対し、本作は終盤までドラマで魅せる。 今までのヴィダーのファン&セルズニックが制作という事で期待した人も多かっただろうね。まあ俺は純粋に哀しい恋愛映画として楽しめたけど。2時間40分はあっという間だった。  戦後におけるモダニズムの錯綜、混血女性への人種的偏見、それを超えた恋、縄張り争い、哀しき殺し合い。 雄大なスケールに多くの登場人物、それが一人ずつ死んでいくって過程が切ない。制作のセルズニックは残酷な三角関係を撮らせたらピカイチだな。まあ監督に指名されたヴィダーが怒るのも無理は無いくらい色々問題点もあるけど。  冒頭の高らかに踊るヒロインを打ちのめす悲劇と銃声、一触即発を物語る馬が押し寄せる瞬間の緊張(派手な戦闘にならなかったのがやっぱりマイナスに見られたのだろうか)、酒場で引き起こされる銃撃と殺人、リリアン・ギッシュの母親として女として耐え続ける凛々しさ、なんといっても岩場における決闘。  「愛しているからこそ私が殺してあげるの」と恋人だった男の暴走を止めるため、馬にまたがり、ライフル片手に断崖の上に送る視線と狙撃、一撃! 俺はこういう映画に弱いのです。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:36:40)
396.  スター・ウォーズ 《ネタバレ》 
SF、西部劇、時代劇・・・あらゆる映画への愛に溢れた記念すべき第1作。完成度では「帝国の逆襲」や「ジェダイの復讐(帰還)」を挙げる人もいると思う。俺は第三部の畳み掛けが一番好きだ。 が、やはりこの作品無くして「スター・ウォーズ」は語れないだろう。  俺にとっての幸運はBSの再放送で「スターウォーズ」の旧三部作を小学生の頃に見れたという事。ガキだった俺は純粋に全シリーズ楽しんで見れた。本当に良かったと思う。 新3部作もリアルタイム。 だが大人になると色々なものに衝突する。捉え方も360度違うものになっちまった。それでも面白いものは面白いし、感動するもんだよ。  シンプルを極めた、王道を王道で踏破する娯楽映画の代表だね。 いきなり戦闘場面から始まる古典的かつ最上のファーストシーン、 「メトロポリス」を彷彿させる洗練された美術、 見た目は下手物、動けば実に活き活きとしているアニマトロニクスの実在感。 魅力的な登場人物も面白い。 純粋な少年のルーク。血が繋がらなくとも家族の愛情を知っている優しさに溢れた青年。「捜索者」のイーサンのように憎しみと葛藤しながら成長していく姿が力強い。 悪党と義侠心を貫くハン・ソロのカッコ良さ、 男勝りなレイア姫の気高さ、 長き修羅場をくぐり抜けた者としてのケジメを払おうと戦うオビ=ワン、 人間のように感情豊かなC-3POとR2-D2、 宿敵ダース・ベイダーのベールに包まれた底知れぬ魅力などなど。  心の強さを反映する武器「ライト・セーバー」での打ち合いは手に汗握る。光が触れた瞬間から勝負が決まるようなジリジリとした攻防がいいね。  ウィリアム・A・ウェルマンの「つばさ」等あらゆる航空映画を思い出す宇宙空間での戦闘。 迫力は元の航空映画たちには及ばないが、それでも音楽やセリフの応酬、銃撃でどんどん盛り上がる戦いはやっぱり興奮する。これぞゴリ=オシ。  ラストの決戦の破壊力、主人公たちの戦いの終結を称えるエンディングも良かった。 色々粗はあるけど、粗探しも映画の楽しみ方の一つ。むしろそれすら“娯楽”として楽しませてくれるのだからっ!
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:31:28)
397.  奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 
実在したヘレン・ケラーが三重苦を乗り越え“軌跡”を起こすまでを描いた作品。 もう本当に魂を揺さぶられるというか、心と体のダイナミックなぶつかりあいが舞台劇という狭苦しさを感じさせない。 ベッドで愛する我が子を突然襲う“異変”、愛するが故に悲痛な叫びをあげる母親。 物心付いた時から聞こえない、見えない、喋れないという“闇”の中をもがき続けるヘレン。唯一残された“触感”だけがヘレンを支える。 へレンが闇の中でもがくようなオープニング、常人にはヘレンの行動が奇異に見え、事情を知る家族ですら家庭崩壊寸前まで追い詰められる。 何もしてやれない悔しさ、もどかしさ。どんなに避けんでも娘には届かない…そんなヘレンの心を開こうと列車に揺られてやってくるサリヴァン先生ことアン・サリヴァン。 彼女もまた眼の病気を乗り越え“奇跡”を起こした人だった。彼女は不安と恐怖で闇に閉ざされたヘレンにかつての自分を見る。彼女は唯一彼女に残された“触感”を信じ、それにぶつかってぶつかってぶつかりまくりヘレンを救おうと尽力する。サリヴァンは真っ先に「あなたは言葉を喋れる」と信じてくれた。 水をぶっかけられたら水をぶっかけ返して“教え”、殴られたら殴り返し“教える”。 家を破壊せんばかりに野獣の如く、癇癪を起こした子供のように暴れまわるヘレン、それをねじ伏せるサリヴァンの闘い。そこまでするのもヘレンを信じているから。互いに髪や服を乱し、料理まみれになって。 ヘレンも徐々に不安からサリヴァンへの怒り、憎悪、哀しみを打ち明けサリヴァンを“信じる”ようになる。ヘレンにとって今までここまでしてくれる人はいなかっただろう。真正面から自分とぶつかってくれたサリヴァンに心を開き始める。 ヘレンに幾度と無く刻まれる“手話”、そして感触。その積み重ねがヘレレン「W...A...T...E...R...!」と叫ばせ三重苦を打ち破る。 ポンプを動かし、水に触れ、大地を踏みしめ、樹を掴み、段差を叩き、ベルを鳴らし、母、父、そして“先生”たちとギュッと抱きしめ合う瞬間の震えるような感動。 ああ、人と解り合えるって、こんなにも素晴らしい事だったんだなあって。人を愛する事、自分を愛していてくれた事に気づく事の大切さ。こんなにも良いもんなんだな。それを魂で理解する瞬間。ヘレンにはとてつもない喜びだったと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:22:22)(良:1票)
398.  怪物團 《ネタバレ》 
「三人」「知られぬ人」から続くトッド・ブラウニングのサーカスもの。この「フリークス(怪物團)」は間違いなくブラウニングの最高傑作でしょ。  この映画には様々な身体的特徴によって差別され、それを跳ね返しながら生きてきた人間たちがひしめき合っている。彼等にスポットライトを当てたブラウニングの手腕、そして本当の怪物は「人間の心」だという事を教えてくれる素晴らしい映画だ。  肉体の繋がった双子の姉妹、腕だけで地面を駆ける男、脚だけで生きる女性、胴と頭を使って生きる男、女と男の間で揺れる者、吃音に苦しむ男、豊かな髭を持つ女、るいそうを芸に活かして生きる男、鳥のように生きる女などなど。  題名を引き裂くように現れる一人の男、狭い空間に押し込められ、それを見てある者は凍りつき、ある者は悲鳴をあげる。映画は見世物にされた者が何者なのかを語り始める。 サーカスのブランコで微笑む女性、それに羨望の眼差しをおくる小さな紳士と淑女。 垂れ幕の外に向けられる笑顔、内側ではドロドロした情念が渦巻く。女がわざと落とした上着を拾い、律儀にかける。彼は彼女を愛していたが、普通の人間たちと偏見の眼で見られる者たちの間にある心の壁。 サーカスの座長はそんな人々を暖かく迎え入れてきたのだろう。それを人々は奇異な眼を向け、嘲笑う。あのパーティー気分だった幸福なシーンを、彼女の言葉が凍りつかせる戦慄・失望。解ってくれる人は良い理解者になり、解らない人は一生解らない。  その魂を裏切った者たちへの復讐戦!雷雨が降り注ぐ中を走る馬車、それを包む不穏な空気。ギャングのように守る者たちの頼もしさ、走り続ける馬車に侵入する衝撃、ナイフ!雨は彼らの仕事を応援するように周囲を遮断する。復讐者が迫りくる恐怖…を応援してしまうクライマックスの畳み掛け。  完全版と編集された版では結末がかなり違う。彼らが和解するシーンがあるか無いかでまったく違う後味なので。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:17:40)
399.  見えざる敵 《ネタバレ》 
リリアン&ドロシー・ギッシュ姉妹の初々しさ。人差し指で顎をクイッとあげる仕草。 女が気に掛ける“穴”、室内で髪がなびきカーテンが揺れ動く理由、姉妹の髪が風でなびく姿が本当に可愛い。  電話が呼ぶもの、葉っぱに囲まれた中で迫るもの・断るもの、手を引いて家に戻った瞬間から奔る戦慄、窓から引き入れ侵入し、密室に閉じ込められ、穴から突きつけられる“恐怖”。 突き付ける側も気が気でないのか酒をあおぎたくなる気分のようだ。姿を見られないためにあの穴に固執するのだろうか。  「穴を防げばいいじゃん」とか「腕を掴んでやれ」とか思うかも知れないが、突然得体の知れない物体から味合わされた銃撃の威力を物語る“音”。それを体験した本人にしか分からない恐怖が彼女たちを震わせているのだろう。なんせ目の前に迫り気を失ってしまうくらいだからな。だが、恐怖を前に倒れた家族を抱え庇う健気さよ!  出入りを繰り返すシュールな光景、銃撃が知らせる凶事、疾走する車のスピードを殺すように突き出される遮断機(手動)、動き始め回転する橋、戻されるもの、戻って来て“突破口”を開くもの、吹き出し充満するもの、駆け付けるもの、受け入れるもの。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-27 01:35:40)
400.  ドリーの冒険 《ネタバレ》 
茂みの向こうから駆けて来る少女、それを見守るように現れるその家族たち。 変な壺?を売りつけて来るオジサンを突っぱね、それに盗んで返答しようとして家族のお父さんにひっつかまり殴られ追い返される。  妻の静止を振り切る横暴な夫、親娘の無邪気なバトミントン?テニス?、眼を放した瞬間に背後から襲い掛かる報復者!  野の中を走り丘の上へ登り下っていく「おっかけ」、閉じ込める隠蔽、捜索、馬車をブッ飛ばす逃走。カーブを曲がり、水辺を突き進んだ瞬間に“さらわれ”流されていく流転。ガバガバじゃねえかおめえの馬車!  後の「東への道」では氷漬けになり“動かない”はずのものが砕け流れ始めるスリルになる。 向きを変え、小さな滝を降り、どんぶらこ、流れ着いた先で釣り上げ、駆け付け、抱きかかえるもの。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-27 01:33:27)
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