521. バッドサンタ
《ネタバレ》 コーエン兄弟が製作に絡んでいるだけに、一風変わったクリスマスもの。 子どもの夢を打ち砕くクズ男サンタとデブのいじめられっ子の交流。 この二人を含め、金庫泥棒の相棒である小人症の黒人、認知症のお婆さんなど、登場するのは一癖あるキャラばかり。 ブラックジョークが効いているのだがあまりツボにはまらず、乗り切れなかった。 コメディ要素は泣きのツボと違って人によって好みが広くバラつくし、合わないと笑えないものだから。 ラストの強引な超ハッピーエンドもどうかと。 この手の主人公は少し哀愁のある終わり方のほうがふさわしいような気がする。 [DVD(吹替)] 5点(2014-02-14 01:10:37) |
522. 必死の逃亡者
《ネタバレ》 巨匠ウィリアム・ワイラーの作品だけに期待したが、ハードルが上がりすぎたのか肩透かし気味に。 同監督の『ローマの休日』や『ベン・ハー』は今観ても色あせずに感動するが、こういったサスペンスとなると古い感じがする。 最近のサスペンスを見慣れたせいかストーリー的にハッとするところもなく、拳銃から弾を抜いた時点ではオチが見えてしまったし。 役者に思い入れがなければよくあるような展開で特に惹かれるものはなかった。 製作年を考えると後のお手本的な作品といえるんだけど。 [レーザーディスク(字幕)] 5点(2014-02-11 16:23:51) |
523. クラウド アトラス
《ネタバレ》 時代の異なる六つのストーリーが並行して描かれるが、輪廻転生をテーマにしながらそれぞれのストーリーに因果応報のような関連性をあまり感じない。 なので、見終ってすっきりした感じはなく、一人何役もやっていることもあって混乱してしまった。 解説サイトを参照して整理がついたが、見直さないと一度きりでは六つのストーリーを全部把握するのは難しい。 奴隷解放に尽力した夫婦が、違う時代でもクローン解放に関わって恋愛関係に。 かと思えば、メインキャストのトム・ハンクスの人生は、六つの時代の生まれ変わりに因果関係が認められない。 必ずしも前世の業が影響するわけでもないようで、作品を通しての規則性、法則のようなものが見出せず、「カルマ」がアバウトなものになっている。 ストーリーの整合性よりも、役者の特殊メイクによるアッと驚くような変化に力を入れたせいだろうか。 世界観はおもしろいんだけどやりきれていない感じで、時間も3時間近くあるので疲れる。 とは言え、もう一度見直していろいろ確認してみたくなる映画ではある。 [DVD(吹替)] 5点(2014-02-08 17:59:39) |
524. ライアー ライアー
《ネタバレ》 子どもの願掛けが効いて丸一日ウソをつけなくなる主人公のドタバタ劇。 いかにもアメリカ的な演出はどちらかといえば苦手なタイプの笑い。 ジム・キャリーの顔芸を含めたオーバーアクションもツボに入らず。 両親の熱烈キスは子どもの願掛けのせいと思いきやそうではなかったのが、キレイな締めくくりで巧さは感じる。 [DVD(吹替)] 5点(2013-12-19 19:33:18) |
525. リオ・ブラボー
《ネタバレ》 予定調和すぎておとぎ話のような西部劇。 多勢に無勢の圧倒的不利な状況での出来すぎたハッピーエンド。 でも、愛すべきキャラと時代劇のようなシンプルでわかりやすい勧善懲悪ストーリーが支持される要因か。 ひねりのないベタで王道の真ん中直球路線がゆるくて尺の長さを感じされられるのと、ジョン・ウェインの動きがどうしても緩慢でとても凄腕保安官には見えない。 「君を逮捕する」なんて愛の告白は、今ならコントでしか使われないセリフ。 リッキー・ネルソンが不慮の死を遂げた人気歌手だったとは知らなかった。 歌手でもあったディーン・マーティンとの歌は見どころのひとつ。 [DVD(字幕)] 5点(2013-12-09 23:31:28) |
526. 新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM>
《ネタバレ》 若き天才映画監督の傲慢さなど、キャラの描き方はうまい。 恋人を捨てるのに役者を使ってアプローチさせて出会いを演出するのが象徴的。 したたかな年増の秘書と犯人の駆け引きもいい。 ただ、新シリーズになって20分程長くなって90分余りになったせいか、少し冗長な印象を受ける。 テンポよく70分余りでまとめたほうが、このシリーズには向いているようだ。 ラストで芝居仕立てにした役者紹介の演出にも違和感。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-30 21:46:07) |
527. 新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM>
《ネタバレ》 インチキ超能力者がマジックを使って翻弄。 そのトリックを主人公が暴いていくストーリーは、後の人気ドラマ『トリック』にも通じるもので面白い設定。 ところが、旧シリーズから十年余りのブランクがあり、NBCからABCに放送局も移ってスタッフも異なるせいか、旧シリーズとなにか違う。 ラストの演出や新しい吹替えにも強い違和感。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-30 21:44:09) |
528. 刑事コロンボ/攻撃命令<TVM>
《ネタバレ》 不倫されて妻と友人を殺す犯人が陰気で魅力に乏しい。 ゲストハウスの女学生の存在も愛人でもないのでよくわからない。 攻撃ワードも口にした人間を攻撃するのか飼い主が口にして攻撃するのかごっちゃになっている。 一番おもしろかったのは、訓練所のシーンで訓練のしようがないコロンボの愛犬。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-27 23:12:56) |
529. 刑事コロンボ/美食の報酬<TVM>
《ネタバレ》 フグ毒を使っているだけに日本料理や日本人も登場するが、外国ドラマや映画に出てくる日本のイメージにはしばしばゲンナリさせられる。 食事の席に付く芸者の仕草は観ているこちらがいたたまれなくなってくる。 慇懃無礼で冷酷な犯人とコロンボが、ラストで互いに付き合いたいと思わないと反感を露に。 こうした強い反目があるときは盛り上がる回が多いのだが、今回はラストに至るまでに緊迫感のある推理バトルがなかった。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-26 20:41:35) |
530. 刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM>
《ネタバレ》 ホールドアップしている時の体と衣服の穴のズレは面白い着眼点。 でも、ルーサン警部とコロンボでは役者が違う印象で、対決が今ひとつ盛り上がらない。 もっとルーサン警部のキャラを強くしないと釣り合わない。 証拠になった空弾の指紋も唐突かつ拍子抜けでスッキリしない。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-25 19:51:04) |
531. 刑事コロンボ/仮面の男<TVM>
《ネタバレ》 二重スパイのCIAオペレーターが犯人となると面白くなりそうなのだが、それほどでもなかった。 犯人のアリバイ工作も稚拙で、口述テープに時計の針を操作したチャイムを入れるというもの。 時計の時報なんていくらでも操作できるものがアリバイ証明になるとは思えないし、案の定、ブラインドを閉める音や知るはずのない中国五輪不参加への言及から墓穴を掘ってしまった。 犯人が有能なCIAオペレーターという設定にしてはお粗末。 ラストの笑い話とやらもさっぱり。 CIAに尾行され盗聴されるコロンボは面白かったが。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-20 00:53:26) |
532. おもいでの夏
《ネタバレ》 ストーリーもキャラクターもなんてことない。 それだけに自身と重ねやすい部分はあるかも。 ホットドッグプレスでの予習や避妊具購入のドキドキなど、この年頃の男子の頭の中は世代も国境も関係ないのだろう。 憧れのキレイなお姉さんとひと夏の初体験なんて、男目線の理想を具現化したかのよう。 夫を失った時の妻としてはありえる行動なのかがちょっと気になる。 [DVD(字幕)] 5点(2013-11-10 23:54:00) |
533. エクソシスト
大きな話題になった映画で、テレビで放映されても怖くてなかなか見れなかったほど。 でも、場面場面は怖いんだけど見終わってみるとあまり後に残らないというか…。 同時代のオカルトものでは『オーメン』のほうがストーリー性があって鮮明に頭に残っている。 [地上波(吹替)] 5点(2013-11-05 00:31:38) |
534. 刑事コロンボ/愛情の計算<TVM>
《ネタバレ》 今回の犯人は息子の論文盗用を隠蔽しようとした人工頭脳学研究所所長。 その息子への愛情を利用して息子逮捕の猿芝居で所長の自白を引き出すが、なんともスッキリしないラストでしらけてしまう。 本線からは外れるが、天才少年やロボットとコロンボのやりとりがいい。 名無しの愛犬のなまけぐせエピソードもニヤリとさせられる。 ミステリーとしてはグダグダだが、感情のしがらみはわかりやすく無理なくストーリーに入っていけるし、個性的なキャラの楽しさで救われている。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-05 00:30:19) |
535. ネットワーク
《ネタバレ》 かなり前の映画だが、視聴率至上主義の弊害は今も同じ。 「やらせ」が露見するなど常につきまとう。 中立性や客観性を失い、恣意的だったり偏向してたりすると、とんでもない方向に大衆を扇動する危険性も。 テロリストの登場やラストの暗殺など誇張されてはいるものの、テレビの持つ根本的な問題を提起している。 ただ、今はそうしたテレビに見切りをつける人もいてネットや他の媒体の影響力が増しているので、当時よりもインパクトは薄れているようだ。 その社会性は別としてストーリーは乗り切れず 、W・ホーデンとF・ダナウェイの不倫シーンは興醒め。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-31 00:27:50) |
536. 刑事コロンボ/断たれた音<TVM>
《ネタバレ》 ストーリーには棋士の特性が生かされている。 抜群の記憶力で薬のリストを瞬時に覚えたり、コロンボの追及に動揺して大人数との同時対局で素人の一人に負けてしまったり。 ただ、犯人としての魅力がそれほどなかったのが残念。 殺人の動機としては弱いし、ラストの決め手も弱い。 犯人が耳が聞こえない人間と断定するには足りない気がするし、有罪とする証拠にはならないだろう。 タイトルマッチの前夜にプライベートで対戦するのもありえない。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-30 00:08:26) |
537. 刑事コロンボ/偶像のレクイエム<TVM>
《ネタバレ》 ゴシップ専門のコラムニストは強請りを常習にしていたことから殺しのターゲットかと思わせる。 その人違いで殺されたと思われたジーンは、実は秘密を知っていたため最初からターゲットで…。 紛れるようにストーリーがこみいっているので、もう少しシンプルなほうが良かった。 止まった噴水、ノーラの男装と夫殺しを推理で結びつけていくが、犯人との対決色が薄いので最後まで盛り上がりにも欠ける。 あこがれの大女優に舞い上がるコロンボは微笑ましいが。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-28 21:02:07) |
538. 刑事コロンボ/アリバイのダイヤル<TVM>
《ネタバレ》 氷を使った殺害手口は少し古い気もするが、この作品のポイントは手口よりもアリバイをめぐる攻防。 盗聴されていることを逆手にとったアリバイ作りはおもしろい。 入っていなければならないはずの時報が録音されていなかったことに気づいたアリバイ崩しは、決め手としてはわかりやすくてよかった。 ただ、それ以外に見るべきところがあまりない。 フットボールチームのゼネラルマネージーがオーナーを殺した動機がよくわからないし、コロンボが疑いをもったきっかけとなるプールサイドの真水も説得力に欠ける。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-26 20:47:32) |
539. 刑事コロンボ/悪の温室<TVM>
《ネタバレ》 トニーと叔父のジャービスが共謀した狂言誘拐も、ジャービスがトニーを殺害して供託で管理されていた遺産を独り占めする計画。 本筋はこのシリーズの中では良いとはいえないものの、初めてコンビを組むウイルソン刑事のキャラに救われている。 最新の科学捜査を知るウイルソンもコロンボの推理の前では形なしで、いいように使われてピエロ役。 真面目なハリキリボーイだが凡庸な仕事ぶりがコロンボの才能を引き立てる。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-25 22:29:07) |
540. 刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
《ネタバレ》 人気ミステリーシリーズを共同執筆している作家の仲間割れ殺人だが、スピルバーグ監督を起用したのにこのシリーズにしては出来が今ひとつ。 犯人の追い詰め方がいつもより鋭さとしつこさに欠けるためか、コロンボの存在感がなんとなく薄い。 タイプで打って引き出しに入れられた紙が四つ折りになっていたこと、死体を見つけて慌てているはずなのに手紙を開封していたことに引っかかったのは良かったが、それ以外が物足りない。 ラストは証拠もないのに犯人の自白で、消化不良の幕切れ。 コロンボは意図的に第一の犯行手口をフェリスのアイデアとして褒め、第二の犯行手口をフランクリンのものとして酷評。 共同執筆で唯一フランクリンが考え出したアイデアというコンプレックスをついたとはいえ、それで自白するのはあまりにも子供っぽくて不自然。 強請ろうとして殺された雑貨屋のおばさんのキャラは妙にリアルでよかった。 シリーズ化されて一作目だが、パイロット版の前二作のほうがこのシリーズの面白さがしっかり出ている。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-16 20:10:59)(良:1票) |