1. 魔法にかけられて2
《ネタバレ》 大ヒットした前作の15年越しの続編はまさかの配信止まりとなった。プロデューサーらがコメントを出しているが、おそらく試写の評判が悪く再撮影したことなども影響しているのだろう。 前作はそれなりの面白さがあったものの、結局主人公たちさえ幸せになればいい(フラれたエドワード王子とナンシーが出会ってすぐに結婚するという筋書きはどう考えても酷い)という作品で、悪い意味でディズニーらしい作品だった。本作はその悪い部分がより顕著になった作品と言えよう。 都会暮らしを嫌うジゼルは、家族の反対を押し切り郊外へ引っ越し、かつて暮らしていたおとぎの国の世界を実現しようとする。その後、魔法のせいもありジゼルは嫌な魔女のような人間になってしまう。その危機を救うのは、前作でフラれたエドワード王子とナンシーである。フラれたことは何のその。自分をフッた相手に対してエドワード王子とナンシーは命がけの無償の愛を提供する。 ジゼル以外の人物の大活躍によりジゼルは魔法を解かれ、みんなが幸せに暮らして終わりを迎える。結局、ジゼルの望んだ郊外での暮らしが実現し、それに夫のロバートも、彼の娘モーガンもみんながジゼルを、そしてこの郊外での暮らしを受け入れる。魔法にかけられた主人公は何もせず、周囲の人間がただひたすらに頑張り、最終的に自分のわがままが通って映画が終わる。いい年した大人の自分勝手な物語。本当にこんな物語を作りたくて作ったのか。 [インターネット(字幕)] 2点(2022-11-23 21:44:25) |
2. すばらしき映画音楽たち
《ネタバレ》 ○ドキュメンタリーであり、メイキングでもある、なかなか見られない貴重な映画であった。○一応はサイレント期から現代を巡るように、その時代を彩った映画音楽家たちが相次いで登場する。約90分と短い上映時間のため、紹介しきれなかったであろう作曲家や音楽は多数あったであろう。あの作曲家は、あの音楽は取り上げられるのだろうかと胸を躍らせながら鑑賞することができた。○取り上げられた尺的に考えると、この映画でより取りあげたのはジョン・ウィリアムズとハンス・ジマーだったな。この二人に限らずだが、彼ら一人を取り上げたドキュメンタリーを作ってほしいくらい。○なかなか出てこないなと思っていたジェームズ・ホーナーは最後の最後にジェームズ・キャメロン監督のコメント付きで登場するとは。彼にしてもヨハン・ヨハンソンにしても急逝する作曲家の音楽はもっと楽しみたかったし、これからの音楽家たちにも大いなる期待をしたい。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-28 23:17:05) |
3. Ryuichi Sakamoto: CODA
《ネタバレ》 ○本作は津波ピアノで始まる。東日本大震災の被災地で披露する「戦メリ」で観客をどっと惹きつける。○その後は、食道がんによる闘病生活からの脱出を描く現代と、「戦メリ」辺りからの映画音楽の仕事を時系列で追っていく。○「戦メリ」「ラストエンペラー」「シェルタリング・スカイ」「レヴェネナント」と各映画での監督等とのエピソードが聞けるのはうれしいところ。(個人的には、どこがどう良いのか、具体的には「シェルタリング・スカイ」でイントロの書き直しを監督から命じられ30分で修正したイントロが良かった話があったが、具体的にどう良かったのかを修正前の音楽と比べてコメントしてもらうなどできれば素人目にはありがたかったかな。○にしても何気なく聞いている映画音楽が作られている過程を少しでも感じることができるのは嬉しい。60超えた坂本龍一が良い音にめぐり逢った時に見せる少年のような無邪気な笑顔を見ると、映画を見る際に音楽にもより注目しようと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-28 23:11:33) |
4. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 ○終盤のネタばらしで「この手の映画」として受け入れられるかにかかっているような作品。○事故後に関わった人物が自分の人生で役割を演じた人物であるところはややご都合主義か。○役者陣はある好演。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-03-26 20:10:53) |
5. 勝利なき戦い
《ネタバレ》 ○死守する必要があるのかも分からない場所をただ上の支持のままに守ろうとする戦士たち。○中間管理職にあたるグレゴリー・ペックの葛藤も描かれるが、結構あっさりしている。○戦闘シーンも力を入れて、尺を使っている割にはそこまで迫力もない。○拡声器で相手の戦意を喪失させる作戦なんてあったんですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-03-25 22:00:15) |
6. グレイテスト・ショーマン
《ネタバレ》 ○これぞミュージカルという作品。あまり自身の好きなジャンルではないが、オープニングからエンディングまで歌にダンスに楽しめた。○この手の作品なら絶対に主人公に苦難が訪れるものだが、それも終盤に家族とサーカス仲間との喪失という形でようやく訪れる。それでも主人公は妻、サーカス仲間と一緒に歌って解決とあっさり。サーカス仲間については直前の火事でフィリップを助けるというワンシーンこそ挿入されているが、妻に関しては特に伏線もなし。それも含めて歌で表現なんだろうが、もう少し時間を割いても良かったのでは。○特に歌が良く、ヒュー・ジャックマンもパフォーマンスが素晴らしかった。 [映画館(字幕)] 7点(2018-03-22 23:27:12) |
7. ファイナル・カウントダウン
《ネタバレ》 ○時代が時代なので映像的なちゃちさは眼を瞑るとして、折角面白そうな設定なのに生かし切れていないな。○まずそこで終わるのかよと誰もが思うところ。何となくSFっぽく終わるけど。○主演のカーク・ダグラスもほぼ指示出してるだけでほんんど何もしていない。○しかし、チャールズ・ダーニングは政治家役が様になるね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-03-22 23:19:07) |
8. カオス(2005)
《ネタバレ》 ○いわゆる量産タイプの映画。おそらく似たような映画はいくつか見てきたであろう(はっきりとは思い出せないが)。○ジェイソン・ステイサムがこういう頭の切れたような役柄を演じているのに多少驚いた。○確かにいくつか伏線は張られていたがやや強引。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-03-12 23:11:20) |
9. コナン・ザ・グレート
《ネタバレ》 ○この世界観にハマれなかったのか終始退屈した。○アクション満載かと思っていたが、終盤にまとまってあるだけ。編集のせいか、かったるいアクション。殺されるのを待つ紳士なヤラれ役たち。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-03-12 23:08:53) |
10. The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
《ネタバレ》 ○「白い肌の異常な夜」のリメイク?再映画化?ということで期待して観たが肩透かしを食らう結果に。この時代にリメイクした意義が見当たらない。○約1時間半に凝縮されたが、前作の良いところをごっそり削ぎ落としたような印象。○ジョンと女性たちの好意ある交流を描く場面があまりにも少なく、「彼は私にだけ好意を寄せている」という感じもない。○またコリン・ファレルも男前で良い声してるんだが、イーストウッド程でもないような。ニコール・キッドマンも先生という立場、敵軍であるという立場との葛藤がほとんど描かれていない。○ただ映画が始まり、なんとなく終わった、そんな感じだった。 [映画館(字幕)] 3点(2018-03-09 23:52:22) |
11. 危険な情事
《ネタバレ》 ○グレン・クローズってすごい女優さんだなというのが一番の感想。○結局お互い様じゃないかと思わせたのがこの作品が平凡であるところ。確かにお互いの容姿や雰囲気に惹かれて一夜の付き合いというのもあるでしょう。しかし、もっとお互いが惚れざるを得ないと思わせる何かがあればもっとこの作品に深入りできたのではないか。○溺死したはずのアレックスが起き上がる場面はもはやコント。もう少し上手い煽り方がったのではないか。 [DVD(字幕)] 4点(2018-03-09 23:43:24) |
12. ダウンサイズ
《ネタバレ》 ○途中まではダウンサイズした世界での暮らしに想像をめぐらせたが、中盤以降話がどこへ向かうのかある意味先が読めない展開に。○終盤には無理矢理話を大きくしているが、もはや話が迷子状態。序盤にダウンサイズした意味はどこへやら。○ポールがオードリーに裏切られるシーンがこの映画のハイライト。○ホン・チャウも存在感あり、ポールとのやり取りも少しはニヤリとさせてくれた。 [映画館(字幕)] 3点(2018-03-05 00:41:14) |
13. シェイプ・オブ・ウォーター
《ネタバレ》 ○何となくバッドエンドを想像していたが、一応は分かりやすいハッピーエンドのファンタジー。○愛は形ないものというが、主人公を軽蔑する(女性として、話せない人として)ストリックランドが形あるもの(車や指等)を次々に壊され失っていき、最後は首を斬られるという皮肉な最期。○同性愛と人種差別は、ストーリーが進む上で必要なシーンとして組み込まれているが、ポリティカル・コレクトネスを意識したのか、ちょっと不自然。頭を撫でると髪が増えるのは…。○終盤に「ラ・ラ・ランド」的なミュージカルシーンが挿入されるが、そんな妄想に浸るイザベラをよそに、ゆで卵に夢中の「彼」には笑った。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-04 20:31:33) |
14. 15時17分、パリ行き
《ネタバレ》 ○テロ映画である以外の情報をシャットアウトして観たが、後に見た予告編はやはり観なくて良かったと。煽り方から想像するに主人公とテロリストがどう対峙するかにもっと時間が割かれていたと想像したことだろう。○無名の俳優に演じさせているのかと思ったが、まさか本人たちが演じているとは。88歳という歳にしてこの創作意欲には唸らされる。○観光シーンにやや長さを感じるが、突然起こるテロや本人たちの生い立ちから考えるに必要なんだろう。これでも削ったのだろうなと感じる場面もある。○彼らの身の回りに、銃(おもちゃでの遊び)や戦争(フルメタル・ジャケットや硫黄島からの手紙のポスター)、愛国心(アメリカ国旗)を感じさせたり、煽ったりするものや考えが小さい頃からずっと存在していた。○人を救いたいという主人公の考えがそのまま15時17分パリ行きの電車で起こるテロで体現される。変わった構成、試みの映画だが、振り返ってみてその構造の意味を知らされる。○ハリウッド映画で、実際にアメリカ人が救った話ではあるが、どこかアメリカ至上主義になりそうなところを、最後にフランス大統領の演説を挿入することでやや調和された印象。○撃たれた人やトイレ前でテロリストと格闘した人は表彰されないのかね。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-04 17:27:12) |
15. ブラックパンサー
《ネタバレ》 ○アクションシーン以外がテンポ悪く、結構しんどい。○アクションシーンもこのブラックパンサーならではのオリジナリティを感じない。電車が通ると力がなくなる??など映画内のルールがよく分からない。これはこういうものとして観るべきなんだろうが、このブラックパンサーがキルモンガーを倒す上で大事なシーンなのに。○主人公のブラックパンサーよりキルモンガーの方が存在感あり、やられてからのリベンジも変化球なく王道すぎる。○ワカンダの力を世界に共有するといって終わったが、普通に考えて悲しい未来しか見えない。 [映画館(字幕)] 3点(2018-03-04 12:25:31) |
16. 2012(2009)
《ネタバレ》 ○映画館で観れば、体験型のディザスタームービーだったのだろう。CGは凄かった。○一方でストーリーが陳腐で、面白味に欠ける。○群衆劇にもかかわらず、人物設定がありきたり。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-02-14 10:50:43) |
17. わが谷は緑なりき
《ネタバレ》 ○ヒューが主人公のようにもう少し扱われていればな。○やや散漫な印象。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-12 11:00:20) |
18. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 ○クロと疑い、それを証明するために嘘までつくシスター。その疑惑が晴らされてクロになることで困る人々。その両者の状況を時折挟まれる神父の説教が非情に示唆的で面白い。○演者も豪華で、演技合戦も見もの。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-12 00:24:56) |
19. いつか晴れた日に
《ネタバレ》 ○ただただ単調で、退屈な映画という感想に落ち着く。割と予定調和で、その意味で見ていられない展開が続く。○ロケーションが素晴らしいのが玉に傷。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-02-12 00:05:50) |
20. スペースボール
《ネタバレ》 ○冒頭からこれはヤバい映画を見始めたかもしれんと思ったが(まあ実際そうなんだが)、一応映画としての体はなしている。○元ネタもわかりやすく、アメリカ人にしか分からないコメディに比べると、日本人にも親しみやすい。ただ元ネタがわからないと地獄。○面白いかどうかで言えば普通なので、映画ファンなら一度の鑑賞で十分。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-11 23:57:42) |