1. 決断の3時10分
《ネタバレ》 グレンフォードの何という存在感! 西部劇にロバートデニーロが出たら、こうなるって感じデス。 最後まで観ると、あれ?ホントにこの人、悪い人なの?って思う。 やっぱり、敵も人間がスゴイって感じを描いてくる。 だから西部劇は面白いって唸るんだよなぁ・・ 西部劇の懐の深さを思い知る一本! リメイクも観てみたい。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-17 00:58:59)《新規》 |
2. ブラッド・イン ブラッド・アウト
《ネタバレ》 若い頃のギャングが、その後どうなるかを描いた映画。 「ワンスアポン~」の現代版ヒスパニック版である。 メキシコギャングと言えば、過激な「シティオブゴッド」を思い出す。 その血をひくヒスパニックたちも凄味がある。 興味深いのは、若い頃はひ弱な感じのハーフが、刑務所で頭角を現し、とうとう 世話になったボスまで殺して、トップに上り詰めるのだ。 そして、若い頃のリーダーが、警察側になり、彼と対峙するようになることだ。 ここが、いわゆる古典のギャングものと違う。 ドラッグ戦争ものである。ドラッグ戦争の映画といえば「トラフィック」「ボーダーライン」等々・・ 刑務所ものとしては「ショーシャンク」「父の祈りを」「デッドロック」等々・・ ハックフォードの作家的でない映像が、よりリアルに劇を引き立たせる。 [DVD(字幕)] 8点(2024-05-12 19:38:15) |
3. ビクター/ビクトリア
《ネタバレ》 ゲイのミュージカルに、女装した謎の美声の美少年。 それが「サウンドオブ~」のジュリーアンドリュースなんですね! つまり、ボーイッシュな女性が、女性のフリをする美青年のフリをするという 倒錯した世界らしい、こんがらがった役どころを演じています。 面白いのは、そんな美少年をほっとけない、ギャングとも渡り合う実業家が出てきてから。 ホントに男なのか、風呂まで覗いてしまうんですね。 二人は結ばれてからが大変。 ゲイとは取引できないとかギャングにすごまれたり、笑ってしまう展開がミソです。 最後は相方のゲイ、ビクトリアがビクター役に扮し、笑いで包まれて、終わり! センス良い美少年ぶりに、品のいい80年代のアメリカ映画を感じます。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-11 22:20:51) |
4. カード・カウンター
《ネタバレ》 スコセッシとポールシュレッダーのコンビである。 二人のコンビと言えば、「タクシードライバー」である。 あの映画も、ベトナム帰還兵のトラウマが描かれていたが、 本作も、軍での尋問に耐える姿が、映画に出てくる。 非常にカジノの蘊蓄や軍の尋問のことなど、 台詞に出てくる興味深い内容が面白い。 前半はそれで話を引っ張り、 後半、カジノで儲けた金で青年の未来を買おうとするが、 青年は復讐に人生をかけ、殺されてしまう。 それをギャンブラーが、代わりに上官を殺してまた刑務所もどり。 そんな話なのだが、 話の進行が、新しい。 出てくる建物、セットすべてが洗練されていて、 今までの生活臭のある映像ではない。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-04 01:12:15) |
5. スイート・チャリティ
《ネタバレ》 シャーリーマクレーンの傷ついても傷ついても、愛を求める女が よかった。 ハスキーボイスがカワイイ。 何よりボブフォッシーの振り付けが、カッコイイ。 ダンスと言えば、今の若者にはオリンピック競技のブレイキンだろうけど、 昭和生まれの自分には、こんな振り付けがセンスの出発点。 非常に今観ても、映像的に刺さる。 ダンスの一瞬一瞬が、絵にしたくてしょうがないくらい、痺れるのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-27 21:24:34) |
6. ラスト・アメリカン・ヒーロー
《ネタバレ》 ニューシネマの佳作。 コロシアム風のカーアクションは、アメリカならでは・・ そして、そこで名を鳴らして、カーレースへと乗り出す主人公。 苦い女性との思い出は、いかにもバッドエンドなニューシネマ。 実話と知って、驚き。 ジェフブリッジスの若い頃が堪能できる。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-18 00:02:30) |
7. ブロンコ・ビリー
《ネタバレ》 才色兼備のソンドラロックとの共演が多かった頃の映画。 女性にモテモテだったイーストウッドだが、ロックを見捨てておけなかったんだろうね・・ その辺の男女のギクシャクからラブラブになる様子がこの映画で描かれている。 (ネットで調べると、イーストウッドの実人生の女性観が「え!?」ってことが分かる) 彼らにとって青春の一本。 いよ~、お二人熱いねって感じです。 カウボーイハットが似合うイーストウッド。 カウボーイハットアメリカンの今を描いた「運び屋」や「クライマッチョ」も好きな作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-14 00:25:56) |
8. ロブスター
《ネタバレ》 今、話題の鬼才、ヨルゴス・ランティモス。 とにかく寓話とかのレベルを超えて、ぶっ飛んでる。 何とか意味を見出そうとすれば、結婚して真人間になる難しさを描いた映画か・・ カップルにならないと動物にされるホテル。 そこから脱走した、独身を愛するグループ。 しかし、そこには、恋愛とか絶対禁止という厳しいルールがある。 最後、二人は真人間のカップルになれるか、という場面で終わる。 その為には、男も失明しなければならない。 これは、周りが見えないと、愛は成就できないという意味か? エンディングで、波の音が聞こえる。 ああ、彼のなりたかった動物は、ロブスターだったか・・ [DVD(字幕)] 6点(2024-04-13 19:56:55) |
9. 黒い罠
《ネタバレ》 オーソンウェルズは、スゴイ! ヒッチコックのやりたがらない、女性に手を出す展開も、やってのけてしまう。 多分、当時は、かなりショッキングなものだと思う。 やり手の悪徳警官に対する正義側が押され気味なところが怖い・・ 悪のキャラは今観ても斬新。 臆病なモーテルの管理人をはやしたてるチンピラの様子は、タランティーノが影響受けてるんじゃない? そもそもオーソンウェルズみたいな俳優、その後いないっしょ!? 白黒の構図が見事で、アメコミの漫画を見ているよう。 多分、アメリカの漫画家も、この映画を観て手本にしたのでは? 大友克洋の「アキラ」のジュークボックスは、ここからかな? [DVD(字幕)] 7点(2024-04-12 22:58:10) |
10. ギャンブラー
《ネタバレ》 アルトマンの映画鑑賞にはコツがある。 群像劇の名手なので、サイドエピソードも主役級のドラマ性があるのだ。 だから、メインストーリーが曇りがちである。 だが、本作、群像劇ではなかった。 ギャンブラーなどと言うタイトルなので、マックィーンの「華麗なる賭け」のような内容と思いがちだが、 経営の話だった。 明治頃のアメリカの経営話は、怖いねぇ・・汗 暴力でケリをつけるお国柄だったんだね。 日本のヤクザ映画みたいなことを企業がやってたら、そりゃ、ビビりますって。 ラストは、ニューシネマらしい締めだった。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-10 01:19:53) |
11. コールガール(1971)
《ネタバレ》 名作として有名な作品。 当時、コールガールの心情を的確に捉えた映画が少なかったからだろうか・・ ジェーンフォンダのアップが多い。 アメリカ人女性の顔のつくりが分かる。 漫画家大友克洋の女性は、この映画のジェーンではなかったか・・ 彼の漫画を思い出した。 [ビデオ(字幕)] 7点(2024-04-05 21:47:32) |
12. 天国の日々
《ネタバレ》 テレンスマリックは、静かな口調で、きれいな映像で語る。 野心のために、(素直になれないために?)、自分の彼女を金持ちの嫁にやる。 そこから、「天国」の日々が始まる。 もう汗を流して働かなくていい、そんな「天国」。 日本では、明治から大正に代わる頃のお話。 西部劇の世界が終り、アメリカンドリームを実現せんとする若者たち。 だが、人間も甘くないし、自然も甘くない・・(イナゴの大発生を描いたアメリカ映画って、他にある?) [ビデオ(字幕)] 7点(2024-04-01 15:41:20) |
13. ローズマリーの赤ちゃん
《ネタバレ》 有名な映画である。 「ワンスアポンアタイム・イン・ハリウッド」でも描かれた、アノ事件の始まりでもある。 (詳しく知りたい方はネットで) さて、この映画が有名なのには、理由がある。 ニューシネマの傑作なのだが、旦那が信用できない妻というものが描かれ始めた頃である。 それ以前にも、ヒッチコックの「断崖」などあったが、 世の中にポルノがあふれ、男女関係に不安が生じ、それが社会不安にまで発展していく頃の映画だからだ。 もっと言えば、1957年のアメリカの連邦最高裁のロス・アルバート事件で 「エロいから悪いって法はないだろ」と判決が下され、そこからポルノ文化が発展していくのである。 実は、それまではアメリカは、世界でも有数のおカタイ国だった。 ここから、一気に崩れていくのである。 ※立花隆「アメリカ性革命報告」より 男女関係の乱れ、つまり、それがこの映画の「悪魔」なのかもしれない。言い過ぎか・・(笑) ポランスキー自体が、その悩ましい不安定な内面の中から作品を創り出していたのだ。 アノ事件は気の毒と言うしかない。 ローズマリーの赤ちゃんとは、自分のことだったのかもしれない。 [DVD(字幕)] 8点(2024-03-24 22:40:46) |
14. 素晴らしき日
《ネタバレ》 ニールサイモンの脚本。 ニールサイモンといえば、「グッバイガール」でお馴染みのラブコメ。 90年代のニューヨークが舞台。 テンポよく現代劇に仕立ててる。 ミッシェルとクルー二の、いい女といい男の感じのいい話。 [DVD(字幕)] 7点(2024-03-23 23:09:13) |
15. グラスハープ/草の竪琴
《ネタバレ》 大人VS子どもの「ぼくらの7日間戦争」を思い出した。 トムソーヤの国で、これをやられると、こっちの方が元祖かなぁと思ってしまう。 秘密基地あるあるで、終始、顔がほっこりしてしまう。 今の子は、ネットばかりで、こういう世界は、どんな風に感じるんだろう? [DVD(字幕)] 8点(2024-03-20 23:51:10) |
16. ブレイズ
《ネタバレ》 評価のついて回らない、女好きの実力派を演じさせると、 とかくポールニューマンは渋い! いやぁ実話なんですね。 アメリカらしい話だなぁ。 政治家とストリッパーの愛の話。 ちょっと失礼かもしれないが、 野村監督とサッチーを思い出した。 曲者には、裸一貫で生きてる女性の方が相性がいいのかもしれない。 (サッチー、失礼!汗) [DVD(字幕)] 7点(2024-03-14 22:05:49) |
17. マレーナ
《ネタバレ》 そして少年は大人になる・・ それじゃ銀河鉄道999じゃないかよぉ・・ そうか!メーテルのモデルは、マレーナみたいな 夫が戦争に行ってる未亡人(?)だったのかもしれないね・・ トルナトーレ、見事! [DVD(字幕)] 7点(2024-03-08 14:42:19) |
18. プレタポルテ
《ネタバレ》 アルトマンと言えば、群像劇。 彼の代表作の、「ナッシュビル」のファッションショー版。 有名映画評論家の双葉氏は、年度のベストテンに「ナッシュビル」は入れてないが、本作は入れてた。 どちらが好きかは、好みが分かれそう。 さて本作。癖のあるキャラクターが、動き回る。 群像劇の名手だけあって、謎めいた人物も忘れない。 しかし、アルトマン、ラストにただの群像劇じゃないとこを見せつける。 究極のファッションは?なんてことをラストに持ってくるのだ。 目が点になった(笑) [DVD(字幕)] 7点(2024-02-17 21:34:40) |
19. スパニッシュ・プリズナー
《ネタバレ》 詐欺の映画。 騙されまいと思ってても、途中から、誰が正しいのか分からなくなる、よく出来た映画。 安っぽいアクションもなく、大人の夜の時間にピッタシの映画。 まぁ、美味い話はないのですね。 きれいな女性が、自分から誘ってくるわけがない!!!!(断言)(笑) [DVD(字幕)] 7点(2024-02-08 23:28:53) |
20. バファロー大隊
《ネタバレ》 これは、異色西部劇。 騎兵隊の軍法会議の法廷ものである。 劇中、ジェロニモはもういないとか言ってたから、 時代的には1890年前後の西部劇。 巧いよね、ジョンフォード。 黒人差別をテーマに、話を見応えあるものにしている。 西部の町に、あのような裁判をする集会所があることも新鮮。 [DVD(字幕)] 8点(2024-01-31 01:33:01) |