1. ぼくのエリ 200歳の少女
《ネタバレ》 エリとオスカーの外見の対比、雪景色と血の惨劇の対比がとても美しい。自分自身の記憶でもそうだけれど、二人くらいの年齢の内面ってバランスがおかしくてどこか夢の中を歩いているような危うい部分がある。思春期の入口に立った彼らの雰囲気、それが画面によく出ていた。「こんな自分を受け入れて欲しい」と言う永遠の12歳と、旅立ち生きる覚悟をした少年。二人はあの後どこに行ったんだろうと考えると切なさがこみ上げてくる。血まみれの悲しいキスシーンには完全に参った。 [映画館(字幕)] 8点(2010-11-16 17:01:56) |
2. あこがれ美しく燃え
《ネタバレ》 第二次大戦下のスウェーデンが舞台。多感な時期の少年が主人公で、学校の臨時教員とだんだん深い関係をになっていく…というのが主なストーリーです。面白いのは、教師の飲んだくれの夫を交え、妙な三角関係が出来上がるところです。この夫婦、何が原因かはよくわかりませんが冷めたところがあり、傷を持ちながらお互いを敬遠している感じであまり好きになれませんでした。対する少年は家族の不幸を乗り越え、教師との関係を自分で断ち切ります。心の成長を遂げしっかりと二本足で立つ少年に比べ、教師が哀れに見えました。同情は無かったですが。かなり前に見た映画ですが、今でも印象に残っているのが、主人公に想いを寄せる少女が「スウェーデン標準語講座」のようなラジオ番組を聴くシーンです。どこの国にもあるんですね、こんなの。すごく熱心なのが可愛かったです。 7点(2004-02-17 20:37:01) |
3. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
北欧の深い緑の中で、ちょっとませたイングマル君が思春期の日々を送るお話です。少し悲しい境遇を持っているけれどそこで沈みきらず、新たに暮らし始めた町での細かなエピソードひとつひとつで、イングマル君は素敵な表情を見せてくれます。とにかくこの主人公の表情が宝。牛乳をひっかけたり、ガラスを突き破って落ちたり、いろんな場面で文字では表現しがたい(ああ…スイマセン)とてもヨイ顔をします。他のガキンチョやちょっと個性的な大人たちも、お涙頂戴ではないさらっとした物語の中でそれぞれいい味を出していました。「・・・・・よりボクの方がマシさ。」と時折自問自答する多感な少年。いっぱい悩みましょう。でなきゃ大きくなれません。 8点(2004-02-14 03:44:40) |
4. ロッタちゃん はじめてのおつかい
ロッタちゃんロッタちゃん、おしゃまな生意気お嬢さん。このくらいの年齢の子どもが、なんだかとんでもない事を言ったりやったりするのは万国共通ですね。この映画が単なる子ども向きとして終わっていないのは、出てくる大人たちが、ちゃんと彼女の視線まで降りてきて彼女に接しているから。愉快だけどハラハラするような行動を、手を出さずに見届け、やさしく包んでいるから。だからただのドタバタにならない。敬服します。 7点(2004-01-30 19:19:47) |
5. 奇跡の海
《ネタバレ》 真っ白で純粋すぎる主人公の愛を、ひどく不快なプロットで浮き彫りにした映画。主人公以外の人間の罪、そしてその自意識の無さに私は憤慨しっぱなしだった。鐘の音、あれを聞いたのは亡骸になったベスではない。夫ヤンなのだ。罪人の心をあっさりと 救うラストを見届け、ビデオを速攻で返却しにいった覚えがある。大憤慨だった。 1点(2004-01-30 19:11:03)(良:2票) |
6. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
各シーンに沢山間をおいて、そこでトホホホ、という感じの笑いを誘う、実にカウリスマキらしいやり方。合わない方も多いと思いますが、私はなんだかんだ最後までトホホホ、と見てしまいました。あのトンガリ頭最高です。バスとかに乗ったら前の人突っついちゃうよね、あれ。触ってみたい。 6点(2004-01-25 17:33:54) |