4. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
《ネタバレ》 ラストまできわめて現実的な内容なのにそれをやさしく包み込むような美しいピュアな画面作りがよかったです。ストーリーは家庭に問題を抱えた少年が自分なりの哲学や周りの人々によって、悲しみから解放されて故郷での生活に見切りをつけるまでの話、と考えながら見ていました。火事のシーンは「火遊び」と火事の対比になっている?母親が病気になったとき「お母さんを元気付けないとだめだ」と考えてしまった事が少年の最大の悲劇だったのでしょう。少年の時折見せるどうしようもない失敗がちょっと痛々しかったけれども、それでもすぐに立ち直るところがほほえましいです。ラストの少年の哀しそうな表情が徐々に笑顔に変わっていく演技もとてもいいです。街の人々が喜び合う中、そういった喧騒に見向きもせずにサガと仲良く眠る様子が街に完全に溶け込んだことを意味しているような終わり方(?)で印象的でした。ただ、子供嫌いの人はやっぱりイングマルをうっとおしく思うでしょうね。スウェーデンに子供が主役の映画が多いのはリンドグレーンの存在が大きいのでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-11-13 17:00:28)(良:1票) |