1. グランド・ブダペスト・ホテル
愉快なコメディに見えたり、切り落とされた指など残虐な面があったり不思議な映画。というより盛りだくさんな映画、何と言ってもキャストがすごい。ちょっとした脇役にまで名の知れた男優女優を使い超豪華だ。その中にあって主役レイフ・ファインズとともに活躍するのが無名の新人トニー・レヴォロリ、ムッシュ・グスタヴもずいぶん助けられているように思う。 [映画館(字幕)] 6点(2014-10-07 16:47:34) |
2. クジラの島の少女
伝統を必死になって守ろうとする祖父と、運命に立ち向かう少女の強い思いが感動を与えてくれる良い映画だった。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-06 06:39:11) |
3. クララ・シューマン/愛の協奏曲
《ネタバレ》 この映画のように、夫に代わって指揮をしたとか、クララが最後に産んだ子はブラームスの子どもだったなどとは憶測であり、記録された事実はない。しかしシューマンがブラームスと出会ってから亡くなるまでの1年足らずは、おそらくこのようなものであったろう。苦悩に悩むシューマンを支え続けるクララ、またシューマンを師と仰ぎながらも密かに彼女に思いを寄せるブラームス、これほどまで濃厚に描くことができるのは、監督がブラームスの子孫であるからだろう。 シューマンとクララの愛の物語は今まで何度も映画になったが、これほどまで真実に近く、情熱をもって描いた映画はなかったと思う。 シューマンのピアノコンツェルトに始まり、交響曲「ライン」をメインに置き、ブラームスのピアノコンツェルトで締めくくる音楽は、まさに本格的な演奏であり、クラシックファンならずとも心に残ることだろう。 ちなみにブラームスがシューマンにみてもらうため持ってきたピアノ曲は嬰ヘ短調のソナタ、私のお気に入りである。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-07 12:25:08) |
4. クリスマス・キャロル(2001)
《ネタバレ》 とても心温まるお話です。アニメながら作者ディケンズが思いが十分に伝わる映画だと思います。 美男美女のかっこいい人物を登場させるわけでもなく、派手で迫力のある映像もなく、地味でつつましい表現です。加えられているものとしては、スクルージさんのところのネズミとケイト・ウィンスレットの主題曲でしょうか。音楽は耳で聞くのではなく、心で聴くものだという表現がまさにぴったりの、心に響く曲です。 スクルージさん決して強欲な人ではなかったのです。孤独がゆえに人の心の暖かさを感じえなかった人で、それが自分を振り返らせられることに目覚めさせられるのですが・・・。とってもクリスマスらしい雰囲気の映画だと思いました。紹介してもらったTMさんに感謝。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-04 10:39:59) |
5. グッバイ、レーニン!
最初に見た時は名作と感じつつも好きになれなかった映画だった。それは母の容態が心配で嘘をつくのはわかるけども、西ドイツの難民が東ドイツに流れてくるというような事実とまったく逆の嘘が許せなかったからだと思う。 しかしそれは数年後改めて見て変わった。宇宙飛行士のエピソードにもあるが、広い宇宙からすれば地球はちっぽけな星、そこで資本主義とか社会主義などと対立したり、東と西に分かれていがみ合うなどとはほんの些細なこと。家族の思い人々の思いが通じ、皆仲良く暮らせればそれに越したことではないか。 この映画は、ベルリンの壁崩落からドイツ統一までのわずかの間に急激に起こったことを背景に、家族と家族を取り巻く人々をの笑いと涙、喜びと悲しみを実にていねいに描いている。 母親のため嘘を貫いたアレックスと嘘と解りながらそのまま死んでいった母親、亡命しても家族のことを思い続けた父親、その他の人々の様々な想い、すばらしい。ひときわ陰の功労者なのが恋人ララだと思う。 音楽もまた実にすばらしい。ヤン・ティルセンはアメリでも印象に残ったが、「グッバイ、レーニン!」の音楽はピアノ演奏を中心に実によい。名作の影に名曲有り。 [DVD(字幕)] 9点(2011-06-30 10:27:07) |