1. 魔王
個々のエピソードが全体の物語を形作るのではなく、それぞれが独立した何かを表してる様に感じた。また、通常「鬼」と訳される“ogre”を「魔王」とした邦題も良く解らない。魔界で「オウガ」は下っ端で、RPG等では言わばザコキャラです。この映画のジョン・マルコビッチもナチスというボスキャラに仕える小鬼に過ぎない。そして、彼が良かれと思ってさらって来た少年達も、いつの間にか小鬼へと変わっていた。この時初めて、彼は自分のしてきたことを知るのです。たぶん聖書に精通してないと、この寓意性が解らないんだと思う。従って、私にも良く解りませんでした、5点献上。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-11-15 00:08:39) |
2. マン・オン・ザ・ムーン
アンディ・カウフマンというコメディアンには全く馴染みが無く、この映画を通じて初めて知りました。活躍(?)したのは70年代中頃から80年代前半とのこと。これは日本で言うと、「8時だヨ!全員集合」すら俗悪番組とされた時代に、たった一人で、本気とも冗談ともつかない「めちゃ×2イケてるッ!」か、悪意を持って素人をコケにする「ロンドンハーツ」的なお笑いを実践してた感じでしょうか。そう考えれば、いくら先進的なアメリカン・ショー・ビジネスでの話としても早すぎる。没後20年近くを経て、ようやく彼の目指したお笑いにコンセンサスが醸成され始めた感じでしょうか。彼が自分の人生そのものをヤラセの冗談にしてしまったのは解りましたが、映画はそこから何を導き出したかったのかが今一つ解りませんでした、5点献上。 5点(2005-03-08 00:18:35) |
3. マニトの靴
本国では8人に1人が観たという、ドイツ製のコメディ西部劇。たぶん本家アメリカでは、いくらコメディでもこの内容を現在映画化するのは不可能っぽいし、ドイツ語を喋るガンマンとインディアンってのも、それはそれでシュールなんですけど、私にはとても笑えなかったし、ちっとも面白くなかった。出てくるのはオカマネタを基本とした今更な小ネタばかり。この程度で楽しめるとは、これも真面目なお国柄故なんでしょうかねぇ…、3点献上。 3点(2005-01-16 00:07:22) |
4. マーサの幸せレシピ
確かにこの邦題から私が受けたイメージと実際の中身には相当な乖離があった。しかも神経質でカウンセリングを必要とし、「食べることが嫌いな」、そして多分「食べてもらうことにも喜びを見出せていない」女性シェフ(腕は良いらしい)が主人公ときては、親を亡くしたとはいえ四六時中ふて腐れた子供共々、そこに私を幸せにしてくれるレシピなど見つかろう筈もない。本来ならリナと交わることにより、人間として、女として、そして料理人として一皮も二皮も剥けていくマーサを描くべきなのに、どうも彼女に成長は見られない。彼女の出したラストの結論にも私的には疑問です、5点献上。 5点(2004-05-25 23:09:02) |
5. マップ・オブ・ザ・ワールド
言うことを聞かない幼い娘達、家事に協力的でない夫、問題ばかり発生する仕事場。子供を持って働いている女性なら誰もが経験しているストレスの波状攻撃。そんな主人公を、預かっていた親友の娘の溺死という悲劇が襲う。これは世界が一変してしまう取り返しのつかない出来事を乗り越え、改めて私的世界地図(a map of the world)を描こうとする女性の再生のドラマ。自らの罪の意識を見つめ直せる場所が、冤罪で収監された刑務所であったという皮肉。最悪の人生だと思えた日常が、本当は幸福な毎日であったという皮肉。不幸の中でしか幸福を認識できない人間の愚かさを痛感します。役者は一流だし良い映画ですが、個人的にドラマが弱く感じたので、スミマセン、6点献上。 6点(2002-11-10 16:34:45) |