1. 1900年
《ネタバレ》 まあとにかく景色というか自然が綺麗。 そしてカット割を細かくするのではなく長回しで役者と背景をじっくり撮ってくれてるので、奥行きや季節の空気感など非常に感じられて見ていて楽しいです。 地主と百姓の息子。立場は違うけど奇妙な友情、時に衝突しながら、最後は共に天に召される展開は、時代が違えばもっと違った形の友情を育めたのではないかと思うばかり。原題の「20世紀」の犠牲になった若者たちという感じです。 まあ、現代からすれば、社会主義も大概じゃね?とは思うばかりですが、それはやはり自分の住む国を基準に考えてしまうからでしょう。 長らくDVD化されませねしたが、確かにこれは児ポ法に引っかかってもおかしくない描写もあり、非常に複雑な立場だったんだな、とは思いますが、残虐性や卑猥さもこの作品には必要だと思います。20世紀を生き抜いた彼らの証として。 5時間越えの作品ですが、内容も濃く、長さを感じさせない作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-01-07 02:19:01) |
2. パリ、テキサス
《ネタバレ》 ストーリー運びはスローテンポ。加えて美しい画とスライドギターの名手、ライ・クーダーの劇半がとても心地よい作品。 物語に共感できるか、と言われると、自分勝手な男女に振り回された弟夫婦などがとにかく不憫で、そこの決着はつけないのか?という感じですが、そもそも話の主体がそこではないので、これでよかったと思います。 親子の溝を道の両脇で表した演出や、ミラー越しに映る自分の影と彼女の顔を合わせて「決して交われない存在」を表した演出なども素晴らしかったですし、ラストも、拗らせ男の彼なりのケジメ、ととらえられたので、よかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2021-12-19 14:51:36) |
3. リサと悪魔
《ネタバレ》 トランプをめくりながらのオープニング・クレジットは個人的に結構オシャレ感があって好きです。 全体的にふわっとした作りで、なんだかよくわからないうちに道に迷い込み、なんだかよくわからないうちに人が死に、といった感じで終始モヤモヤする作りではあるのですが、屋敷内の不気味な雰囲気や追いかけられている際のカメラアアングル、ラストの飛行機内での演出などなど雰囲気出てるな〜と思えるシーンがたくさんあったり、実はミイラ化した死体だった!なオチのつく元妻のくだりなどなかなか不気味に思えるシーンもあったりしたので、おまけして6点。 追記で、何度もダンナを弾き続けるあのシーンは最早ギャグの域に達していると思います。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-07-22 01:09:47) |
4. ブリキの太鼓
大人の汚い世界を知って3歳の時に成長するのやめたオスカルの解説と共に、淡々と物語が進んでいきますが、時にはグロテスクでもあり、また時には滑稽でもあり…冷めた演出も手伝って、なんか自分たちの生きる世界全てが馬鹿馬鹿しく思えてくる映画でした。 8点(2005-03-25 23:10:25) |
5. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 僕はこういうロードムービー、ヒューマンドラマが大好きです。砂漠のど真ん中にある寂れたカフェ。そこに一人の女性がやって来ることによって徐々にそこに温かみが戻ってくる。砂漠ののどかな風景と心地よいBGMが一層この映画に温かみを加えています。初めは、ラストに少し不満があったんですけど、良く考えたらあれこそ最高の終わり方です。もしあそこでイエスといってしまったらこれまでの作品と同じ殆どマンネリ化した作品に成り下がっていたでしょう。久しぶりに良い映画に出会えました。 8点(2004-02-03 00:36:08) |
6. アギーレ/神の怒り
次々と仲間を失いながら自分の野望に突き進んでいく主人公。結果、隊は全滅、最後の一人になってまで自分の理想に燃える主人公をいつ終わるともなく写しているラスト・ショットが特に印象深い。 6点(2003-12-11 00:35:56) |
7. 戦争のはらわた
いやはや、なんともけったいな邦題を付けたもんだ。そこらに埋もれてるB級ホラーじゃあるまいし“はらわた”はないんでないかい?どうも日本の配給会社はこうした意味不明な邦題を付けたがる癖があるようだ。しかし、この映画に至っては、はらわたという聞いていてあまり気分のいいものではない言葉を使うことによって、戦争の内包する残虐性だの邪悪性だのを表現したかったのであろうし、戦争映画として、本作は正に完璧なまでの完成度を誇っている。“シンドラーのリスト”に代表される殆どの戦争映画で邪悪の象徴のように描かれているドイツ兵の視点から物語が語られる本作は、登場するドイツ兵はみな人間味に溢れ、どちらかが善でどちらかが悪といった描き方ではなく、“殺らなければ殺られる、だから生き残るために殺す”という、戦争本来が持っている不条理な条件を時には悲惨に、時には激しく描いている。冒頭、そしてエンディングで流れる“小さなハンス”も、一見すると場違いな音楽に聴こえるかも知れないが、無邪気さゆえの残虐性というのが痛いほどに伝わってくる。手軽に見れる戦争映画といえば、“プライベート・ライアン”などの作品になるだろうが、真の戦争を描いた作品といえば間違いなくこの作品であろう。 9点(2003-10-23 00:47:36) |
8. ネバーエンディング・ストーリー
《ネタバレ》 ※2021年更新 ロード・オブ・ザ・リングやハリー・ポッターなどが登場するまでは不動のファンタジー映画だったんじゃないかと思います。 特撮は今見ると確かに違和感がありますが、リマールの歌うテーマソングとともにまるで空を飛んでいるようなオープニングをはじめ、ファンタージェンの世界観はどれも好み。 ですが、欲を言えばもう少し尺を長くしてファンタージェンの世界と道中の出来事をじっくり描いて欲しかったかな、という感じです。 ただ、アトレイユ役のノア・ハザウェイと幼心の君役のタミー・ストロナッハの美少年/美少女っぷりは今見ても凄かったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2003-05-25 22:10:39) |