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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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1.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 
音楽に耳を傾けることから全てを受け取って欲しい、ということらしく、その昔買ったクロノス・クァルテットのアルバム「冬は厳しく(WINTER WAS HARD)」にはライナーノーツが無く(日本のレコード会社は何が何でもクラシック音楽のCDにはライナーノーツを付けたがるにも関わらず)、とは言っても著名な作曲家の曲が多いので(かつ、かなり有名な曲もいくつかあるので)、得体の知れないアルバムなどということは無いのですが、そんな中、6曲目のBELLA BY BARLIGHTという曲を書いたジョン・ルーリーって人は、一体誰なんだろう。 と、当初は誰だか分らなかったのですが、それが実は、この映画の主演のヒト。そして、映画冒頭に流れるのがその、BELLA BY BARLIGHT。 得体が知れないと言えば、こんなに得体の知れない映画も無くって、映像を見る限り、いつの時代のどこの国の映画だか、まったく不明。50年代のヨーロッパとかならまだしも、まかり間違っても80年代のアメリカには、到底見えない。。。 という無国籍な雰囲気。アメリカも切り出し方によっては、こう見える、ってことなんですかね。安く撮れば風景も安く見える、という訳でもないのでしょうが、ザラついたモノクロ映像に映し出されるアメリカは、独特の雰囲気。エヴァが両手にカバンを提げて歩く姿を移動カメラが追いかけていくシーン、その背景に映るのもまた、アメリカの町なんだなあ、と、かえって斬新に見えます。クリーヴランドの街も、雪と氷に包まれたエリー湖の景色として描かれたりして。 ストーリーは、あって無いような、というより、「無い」と言っちゃった方がスッキリするかもしれません。もちろん見る側も、この見るからにストーリーの無さそうな映画に対してそちら方面の期待は持たないので、雰囲気と、ちょっとした出来事や事件を、楽しむ。 私は映画を撮ったことも無いし撮れるとも思わないけれど、これから映画を撮ろうという人の気持ちを想像すれば、おそらく、演出の真似事の第一歩として試しにやってみたいこととしては、カット繋ぎ、ということになるんじゃないか、と思ったりもするのですが、この作品ではそんな事には関心が無いのか、それともおカネが無さ過ぎてそんな余裕も無かったのか。ワンカットごとに暗転して映像は途切れ、ここまでそれが徹底されると苦笑してしまいますが、暗転中も音が映画を繋いでいたりして、意外に違和感が無い(というか、無くなる)のがまた、面白いところ。 それにしても、主人公3人が小金を手にして、結局はバラバラになってしまう、というラスト。商業映画第1作にしてすでに、ビンボーをこじらせているような。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-05-01 15:04:43)
2.  スペシャリスト(1969)
主人公が一匹狼的なガンマン、規格外の存在、世俗のゴタゴタからは一線を画した男、異邦人・・・ ってのはいいんですけど、それを象徴するクライマックスが「大量のケツ」って。 気持ちはワカランでもないけど、イマイチ見栄えがしない・・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-13 15:05:08)
3.  薔薇の名前 《ネタバレ》 
サスペンス映画の作り手としてのジャン=ジャック・アノー監督って、どうなんですかね。ここぞという場面で画面をゴチャゴチャさせるだけであまり緊迫感を感じないのですが。 しかしこの作品の魅力は何といっても、この雰囲気、中世の独特の雰囲気、宗教に縛られた閉塞感がもたらすアヤシげな雰囲気。ですね。 オカルトじゃないんだけど、どこかオドロオドロしくて、何が起きるか分からない。そして発生する連続殺人事件、その謎解きに挑戦するのが、ショーン・コネリー。このヒトが演じるとどんな役でもチョビっとだけ頼りなく見えてしまうのは、何故なんでしょうね。 火炙りの刑が進められるその向こうで発生する大火災、というクライマックスも見応えがあって、この時代背景、この舞台背景があってこその盛り上がりを見せてくれます。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-17 14:06:31)
4.  リサと悪魔
主人公がツアーの最中に道に迷い、たまたま乗せてもらった自動車の一行とともに、謎の邸宅に辿り着く。彼女は再三、別の女性と間違われるが、それは一体、誰なのか。 という謎めいた物語は、最後までよくわからんまま、だけど独特の雰囲気があって、謎が謎のまま、だからいい。唐突に殺人が繰り返された挙げ句、ある種の真相のようなものは(ある程度)明らかになるけれど、決してスッキリはさせない、あくまで謎は謎のまま。 オルゴールだとか、壊れた懐中時計だとかいったアイテムが繰り返し登場し、いかにも曰くありげな世界を作り上げてます。そして、アヤシい人間関係。彼女がしばしば間違われる「エレナ」とは一体、誰なのか。 ってのはいいんですけど、ラストの飛行機のシーン、必要かなあ。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-07-06 23:19:31)
5.  小人の饗宴
登場するのはいわゆるミゼットな人ばかり、という奇妙な映画。彼らが入っている施設に対して反旗を翻し、クルマやバイクを持ち出したり投石したり、やりたい放題の乱暴狼藉を繰り返す。 設定からは何らかの寓話かと思わせるものの、「普通ではない」状況・映像のインパクトが勝っていて、単なる“喩え話”の枠に収まらない、エゲツないまでのパワーを感じさせます。設定のエキセントリックさに負けじと、内容もストーリー的なまとまりなんぞそっちのけ、ひたすら乱痴気騒ぎが描かれて、ほんとにエゲツない。 でもやっぱり個々のシーンは寓話的。仲間の死体をつつくニワトリのグロテスクさ。暴動で持ち出されたクルマが円を描きながら庭をグルグル回り続ける様は、無軌道なようでいて、どこにも行きつくことのないアテの無い様を描いているかのような。 ラストはどういうわけかラクダが登場し、それを見ながら登場人物の一人が甲高い独特の声で際限なく笑い続ける。もしかして監督の指示でエンドレスで笑い続けさせられているのでしょうか。ホントに延々と笑い続けるのですが、人間の体はそんなに長く笑い続けるようにはできていない訳で、やがで咳込んでムセ始めてしまうのですが、それでも(監督のカットの声がかからないから?)笑い続け、ムセ続ける。笑いなんか、自由なんか、永久に続くことなんて絶対無いんだよね・・・と見てて妙にシンミリしてしまう。その光景はあくまでアブノーマルなんですけれども。
[DVD(字幕)] 8点(2019-09-28 00:50:43)
6.  風の無法者
リー・ヴァン・クリーフを筆頭とした悪党3人組。とある若造から、まんまと彼の輸送していた大金をせしめるのですが、どういうわけかその若造と意気投合した挙句、次回の輸送を警護することに。味方だと思わせて次も楽勝で強奪するぜ、ってなところなのですが、そこにホンモノの盗賊団がやってきて・・・というオハナシ。 どこかユーモラスな3人組に、コミカルな音楽が被さって、基本的に明るい内容なのですが、一方で、盗賊団とのガンファイトはなかなかの見もの。 で、ここでふと、疑問になるのが、この主人公は、スゴ腕なのかどうなのか。なにせ演じているのがリー・ヴァン・クリーフなので、もうイメージとして、このヒトはスゴ腕に違いない、と見てる側は思っちゃう。これでスゴ腕じゃなかったら、単なるヘンな顔をオッサンだもんね。しかし作中ではあまりスゴ腕を見せてくれる機会がなかなかない。実は今回の役どころは単なるケチなチンピラなのか?  いやスゴ腕なんです。なにせリー・ヴァン・クリーフ。という訳で、俳優のもつイメージって、重要ですね。むしろ我々の方から、俳優を通じて、映画に対しある種のイメージを投影してしまいますね。 という訳で、「実は主人公よりも若造の方がずっと腕が立つんじゃなかろうか」という気がなんとなくしつつも、主人公の活躍を堪能し、最後も明るく大団円。。。と思いきや、ちょっと意外な展開が待っており、ここは好みが分かれるところかも知れませんが、やっぱりこれぞリー・ヴァン・クリーフだなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-01 14:26:13)
7.  スワンの恋
こういうの見てると、オトコって本当にダメだねえ、と思えてきます。万年、中学生。 そんなジェレミー・アイアンズをぜひ、アラン・ドロンは啓蒙してやって欲しいところなんだけど、しかもそろそろアラン・ドロンに再登場願いたいなーと思ってるとそのタイミングでちゃんと出てくるんだけど、彼は彼でトホホな痴話喧嘩(?)やってたりして。 そのトホホぶりに対して致命的なまでに全く自覚が無い、ってのが、オトコのオトコたる所以だと、この映画のラストを見てると思わざるを得んのです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-04 20:43:42)
8.  ミスター・ノーボディ
途中のホラーハウスの場面なんか、実にユーモラスで、「レオーネ映画」の悲壮感と、コミカルなテイストとが、うまく同居しています。何かとおどけてみせる若きガンマンのテレンス・ヒル、そんな彼が凄腕の老ガンマン・ヘンリー・フォンダに対し、「伝説になれ」と要求する。こういう普段おどけたヤツに改まって言われると、断れないもんです。伝説になるべき男への、最後の一押し。 マカロニ・ウェスタンから手を引きつつあったレオーネ、彼は、ヘンリー・フォンダに自分を投影するとともに、テレンス・ヒルに気持ちを代弁させているのだろうか、とも思ったり。ジョン・フォード映画の常連だったフォンダが、今や、「サム・ペキンパー映画」と正面から激突し、西部劇の終焉を我々に見せつける。 ラストの独白はやや蛇足気味にも感じるけれど、一つの時代の終わりを感じさせる味わい深さがあります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-17 09:28:46)
9.  バロン 《ネタバレ》 
ホラ男爵のお話を上演している舞台に、ホラ男爵ご本人がやってくる、というお話。つまりこの映画自体がまたホラ話になっている、というメタ構成。しかもそのホラ男爵のホラ話は、現実世界に飛び出してきて、この映画の視点ともいうべき少女を引き連れ、あり得ない冒険の世界へと旅立っていく。 だけどその冒険の物語もまた、気がついたら男爵のホラ話にすり替わっていて、ついには現実とホラ話の境界も曖昧になっちゃう。だいたい、いくら大真面目に自分の体験談を語ってみせたところで、「私はその時、死んだんです」だなんていう自己言及には、それはそれはもう危険なパラドックスのニオイがプンプン漂ってます。 ま、こんなデタラメな映画がこんな大規模なセットで大金かけて作られ、存在している、ってコト自体が、一種のパラドックスなんでしょう、なあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-05 09:00:51)
10.  パリ、テキサス 《ネタバレ》 
ひと続きの物語ではありますが、何となくオムニバスのようにいくつかのオハナシから成っていて、緩やかながらも構成のまとまりを見せています。 まず最初に、行方不明の4年の間に心を閉ざしてしまった男に対し、彼の弟が何とか心を開かせようとする話。それから、自分が行方不明の間、弟に育てられたわが息子と久しぶりに対面し、何とか親子の関係を修復しようとする男の話。そして最後に、男が、別れた妻の姿を追い求め、接点を持とうとする話。この漂浪の男を中心にこれらの物語が展開した後、最後に妻の方へスポットライトが移り、男は再び漂泊の身として消えていく。 この物語の移ろいそのものが、いかにも寂しい孤独感を出しているのですが、実際、ここで語られているのも、孤独な人たちが、他者とのかすかな絆に何とか縋り付こうとする物語であったりします。 男と妻を描く場面では、二人の間はガラスで隔てられており、それでもなお、二人は何とかこの映画の中で、同じショットの中に二人の姿を収めようと、さまざまなポーズをとる。この場面における抑制された情熱、静かでありながら深く印象に残るクライマックスです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-18 08:15:35)(良:2票)
11.  ガンマン大連合
一体どこが大連合なのやら、というのはさておいて、これは出色のマカロニウェスタン、シビれます。フランコ・ネロ演じる主人公ヨドは武器商人、彼がメキシコ革命軍のモンゴ将軍から受けた依頼は、トーマス・ミリアン演じるヴァスコとともに、サントス教授なる人物を連れ帰ってくること。このサントス教授という人、非暴力主義を唱えつつも、メキシコ革命において勢力の一角をなす人物で、シンパがいたりする。という訳で、ヨドとヴァスコのつかず離れずの関係に、さらに教授シンパのオネーチャンが絡み、そしてさらには、彼らを付け狙うジャック・パランスの、これでもかというくらいワルそうな顔。さまざまな人物が見事に個性と存在感を発揮し、いろいろなエピソードで映画を盛りあげてくれます。いやホント、みんな、いい顔してるんです。だから盛り上がる。なぜヨドがコインを自分にくれたのかヴァスコがこだわるのも、いくつかの伏線にもなってて(あるいは、大した意味は無いともいえる)、面白いところです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 22:39:18)
12.  アギーレ/神の怒り
冒頭からの苦難の行軍シーンは、本編というより、まるでメーキング映像を観ているかのような。“リアル”という言葉では表現し切れない、ドヨ~ンとした雰囲気が充満しています。で、命からがら、何とか川べりの平坦な地を見つけたところでようやく、お芝居でも始めましょか、映画の撮影でも始めましょか、まるでそんな感じの作品なんですね。それまで大自然の前に隷属していた人間たちが、矮小な物語を語り始める。だけど大自然はどこ吹く風、まったくの理不尽さを持って、彼らを取り巻く。アギーレの野心は、人間たちのささやかな秩序を無秩序に変えていくけれど、その無秩序もまた大自然の得体の知れなさの前においては、実にささやかなもの。と言う訳で、小さな小さな人間の社会・野心・挫折、それを取り巻く圧倒的な「得体の知れなさ」、これだけでもって成立している作品です。結局のところ、彼らをとりまく“外部”が一体どうなっているのか、何が起こっているのか、さっぱりわからないけれど、その“外部”に対し「敵わなかった」「敗れ去った」と言う事だけは痛いほどに伝わってくる、という、何ともエゲツない作品であります。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-26 21:19:59)
13.  怒りのガンマン/銀山の大虐殺
ちょっとダサめのテーマ曲、どっかで聴いたと思ったら、『キル・ビル』で引用されておりましたと。という点以外にはこれといって特筆すべきこともない作品なのですが、リー・ヴァン・クリーフがいかにもリー・ヴァン・クリーフらしいアクの強い貫禄を見せてくれるので、彼のファンならば(いるとしてだが)、悪くないんじゃないでしょうか。例のややダサいテーマ曲に乗って始まる冒頭、馬車の行く手を阻む武装集団。脱獄犯を追いつめようとしているらしい。で、やおら馬車から降り立ち、彼らの中を闊歩するのが、我らがリー・ヴァン・クリーフ。一見シブいのだけど……物影に隠れ脱獄犯を待ち構える彼らに対し、横を通り過ぎるごとにいちいちしょーもないチョッカイをかけていくのが、シブいというよりまるでコメディ。と思ったら、逃亡犯の方が胸のすく小粋なアクションでその場を逃げ切り、ついにはBGMまで陽気な音楽と化し、本当にコメディ調になっちゃいます。でまあ、くだんの逃亡犯氏は、かつて町を牛耳る一家の親分を殺害したということで、その息子たちに狙われているのだけれど、本人いわく、それは濡れ衣だと。元保安官のリー・ヴァン・クリーフも、彼は無実だ、オレは真犯人を知っていると。一体真犯人は誰なのか。って、観てれば丸判りなんですけれど、勿論それでいいんです。むしろ、実は予想外の人間が犯人でした、なんていうオチだったら、みんな怒りまっせ。予想通りの展開に、予想通りの決闘シーンへ。黒ずくめの主人公に、白ずくめの敵役。ダサいテーマ曲が流れ、それなりに盛り上がるのに、ラストでコメディ調の音楽に戻ってしまうのは、本当にこれでいいんでしょうかね~~。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-18 22:54:16)
14.  オデッサ・ファイル
ごめん、乱読してた頃に読んだとは言え、驚く程記憶から飛んでしまってる、フォーサイスの原作。勢いで書いた「ジャッカルの日」の面白さ、特に後半の、ターゲットに迫り来るジャッカルと、加速度的に拡がる捜査網と息詰まる追跡劇は、映画も大いに楽しめたとは言え、興奮度では小説が数段上。と言う訳で期待して読んだこの第2作「オデッサ・ファイル」、某大な取材に基づく労作みたいだけど、肝心のストーリーが、地味といか行き当たりばったりと言うか(ということを本をパラパラめくって思い出す。ごめん、やっぱり内容を殆ど憶えていない事も確認される)。このたび、映画は初めて観ました。ははは、何だか小説よりなお若干、地味ですなあ。などと、小説の中身を殆ど忘れていた自分が言うのもナンですが。主人公のキャラクター自体が特徴が乏しくて地味。そんな主人公が、なぜこんな危険に飛び込むのかもピンと来なければ、なぜこうも危険な任務をスイスイこなすのかもピンと来ない。巨悪に挑む割にはユルい展開にも思えてしまって。なお、前者の「動機」については、最後にある真相が明かされ、小説として読む場合にはそういう「思わぬ真相」も仕掛けとして楽しめたりするけれど、映画でコレをそのままラストでやられると、ちょっとガクッときてしまう。何しろ、そこまで映画を通じて行ってきた「描写」を、「言葉」によって再度意味づけしようってんだから…。すみません、小説版はイマイチ、映画版はバカ正直で小説の欠点を補う工夫が無い。というのが私の感想です。 大御所が担当する音楽も、スバラシイまでにヘンテコでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-06 15:17:56)(良:1票)
15.  追想(1975)
舞台は第2次大戦、占領下のフランス。フィリップ・ノワレ演じる医者は、占領国になびく訳でもなく、さりとて過激なレジスタンス活動をする訳でもなく、あくまで医者という立場でヒューマニズムを貫いている。街にはドイツ兵が溢れ、不穏な空気が漂っており、医者という立場上、日々、人々の死を前にしているものの、家に帰れば妻子が待つ優しい父親でもある。しかしその彼にも、容赦なく戦争の牙が襲いかかる。疎開させた妻子に会いに向った彼は、惨殺された村人たち、そして彼の妻子の遺体をそこに見出すことになる。彼は散弾銃を手にし、妻子を殺害したドイツ兵たちへの復讐を開始する――という、なかなかに刺激的なオハナシ。妻子の遺体を目撃し、嗚咽をかみ殺すシーン、そして殺戮を前にしていながら助けの手を差し伸べようとしなかった神に決別しキリスト像を破壊するシーン。これらにおいて感情を発露させた後は、映画は主人公の感情を押し殺し、ただ淡々とゲリラ活動に打ち込む姿を描く。後半は、そのたった一人の戦いと、ふとした時によぎる過去の記憶が、交互に、容赦なくぶつかりあうように描かれていく。過去に向けられた血のにじむ傷口をさらしながら、今を生きるしかない。主人公の感情を殊更に描かなくとも、何もかもが過去へと繋がり、苦しみへと繋がる今、ひたすらに描かれる主人公の復讐する姿、そのディテールの描写が、胸に突き刺さる。―――ところで、ここで突然、どうでもいい話ですが、①上記の主人公嗚咽のシーン、「司令部に連絡しろ」と言われたドイツ兵が、日本語で「スミマセン!」と叫んだように聞こえたのですが、空耳ですかね? ②ラスト近く、水責めにあうドイツ兵が、日本語で「タスケテ!」と叫んだような気がしたのですが、やっぱり空耳ですかね?
[DVD(字幕)] 10点(2013-03-24 00:55:25)
16.  ネバーエンディング・ストーリー
この映画、いかにも子供に媚びた感じがして、昔から好きになれないのですが、まあそれを言っちゃ身も蓋もない。しかし、自分の子供たちにこの作品を見せるとなると、「ああ、子供を喜ばせるために本当に頑張ってるよなあ」としみじみ思ってしまう。この手作り感のある特殊効果が、つくづくそう思わせるのです。でもやっぱり、予想通りと言いますか、子供たちの食い付きがあまりよろしくない(『タワーリング・インフェルノ』なんてもう食いつきまくり、もう一度見せろと何度言われたか)。親の立場からすれば、「大人がせっかく楽しい映画作ってるんだから、もっと喜んであげればいいのに」とか思っちゃうのですが。まあ、冒険モノではあるのですが、エピソードの羅列みたいな面があり、その場その場を楽しく見せようとする半面、映画全体を通して引っ張っていく力は、やはり乏しいかな。あと、自分が大人になってから見ると・・・「夢を忘れちゃいけない」みたいな事言われてもさ、結局のところ、「夢を見ること」と「現実を見ること」では、子供には勿論のこと大人にとっても「現実を見ること」の方が実は難しい。まともに「現実を見る」ことができずに、夢にばかり流されている人がたくさんいる訳です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-12 11:14:52)
17.  シテール島への船出
映画の中心に置かれている物語は、まー言ってみりゃ「頑固ジイサンが帰って来て、ひと騒動」ってヤツですが。しかしこれが、まるで神話のごとくゆったりとした時間の中で描かれ、しかもその「神話」が「神話」のままでいることができず、現代社会の中で居場所を失っていく。それがもうタマランのです。かつての闘士であり今は亡命者である「父」。歴史そのものでもあり、神話でもある。また現代に生きる主人公にとっても、自らの存在のルーツとして、心の一部に巣食って離れることのない存在。その「父」、亡命先から帰ってきた「父」は、周囲から追い立てられ、この国にも居られず、亡命先にも受け入れられず、居場所を失っていく。ただ「母」だけは、その「父」にかつて捨てられながらも結局は彼を無条件に受け入れていく。美しいシーンのオンパレードなのですが、ラストシーンは涙無しでは観られない、その美しさと切なさは特筆モノ。こりゃ『シテール島への船出』というより、ほとんど“補陀洛渡海”の世界ですな。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-22 23:22:35)
18.  戦争のはらわた
かなーりノイローゼな映画。第2次大戦下のドイツ軍のオハナシ、とは言え、誰と誰が、どこで、どういうシチュエーションで戦っているのやら、はっきり言ってどうでもよくて、爆撃、爆音がひたすら続き、硝煙がひたすら流れ続ける。戦争の狂気と残酷さを描いた作品、などと言ってしまうと何だか陳腐な感じがしますが、本作の徹底ぶりはハンパじゃない。行きつくトコロまでイッちゃって、得体のしれないレベルにまで到達しており、とうとう邦題までこんな意味不明なものになっちゃいました。あははは。この映画、コワイです。
[DVD(字幕)] 9点(2010-11-17 23:42:13)
19.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
いやはや満腹感の味わえる一本。腹持ちがいいかどうかは別ですが(笑)。埋蔵金(!)を狙う男たちの物語の縦糸に、南北戦争という背景の横糸が絡み合い・・・ん?待てよ、どっちが縦糸でどっちが横糸なのかな? それはともかく、その両者が絡み合い・・・ん?いやいや、絡み合いってのもちょっと違って、どっちかというと、両者の対比、ですね。いわば規律の象徴のような軍隊、これに対し、縦横無尽に好き勝手する3人のアウトロー。内戦下という状況の影響を受けて、3人の金貨争奪戦も紆余曲折、物語はダイナミックに進む(迷走する、とも言う)が、最後に行きつく先は、まさにお約束のクライマックス、三つ巴の決闘へ。決闘前の張り詰めた空気、それは、国を二分した「戦争」という世間の騒ぎなどどこ吹く風、誰も見届ける者もいない、墓地=円形の決闘場で、3人だけの世界、しかし圧倒的なエネルギーがぶつかり合う世界。実にしびれるクライマックスです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-04-28 17:42:48)
20.  夕陽のガンマン
以前は、リー・ヴァン・クリーフのマジメくさった顔を見て、ついぷぷっと噴きだしたりしたもんですが(←失礼な)、最近ではそんなこともなくなりました。いやはや、馴れとはおそろしいもの(←ますます失礼な)。しかし、クライマックスの決闘シーンは、馴れるどころか、観るたびに興奮度が高まります。シビレる。ジーンとくる。まさに病みつきになる映画。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-11-08 22:38:15)
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