1. 薔薇の名前
《ネタバレ》 どこを切り取ってもブロンズ色の荘厳な背景。少し暗い映像に目が疲れはしたが面白い映画だった。皆さん書かれているように、作りは探偵が謎解きをするミステリーなので思ったほど難解な映画ではなかった。しかし軸にあるのが歴史深きキリスト教なので、予習をしておいた方がより深く頷けるかな。中世の修道院を舞台に、中年の格好良さ満開のショーン・コネリーが凛々しく謎に切り込んでいく。長老や異端審問官も異様な空気を持っていて雰囲気は満点。微妙なトンスラがちょっと惜しいC・スレーターも若さいっぱいながらあの世界にちゃんとはまっていた。謎の結末に拍子抜けする人もいるだろうが、それほどまでにキリスト教が人の心の奥底に染み渡り、ヨーロッパ治世に欠かせないものとなっていたことに改めて驚愕する。「勉強になるなァ」と思わず漏らしてしまうような映画。 [DVD(字幕)] 7点(2006-06-04 02:22:15) |