3. モモ
《ネタバレ》 原作を読んだことがあり、その時に印象に焼き付いたのは、花が咲いては消えゆく大振り子の場面と、ラストに列車内でのおじさんのお話として締めくくられるところでした。もともと大人が読んだって難解このうえない物語だと僕は思ってますが、自分が思うに、この物語は社会の搾取的なシステム構造について「自分たちがいったい誰の為に人生の多くの時間を使っているのか気づけよ」とほのめかしている話だと思っています(全然違うかもしれないけど)。けれど、この物語をそのまんま映像化したからって、さらにワケ分からん感じだなと思いました。頭よくないから、ホントのことは分からないけど、この物語の原作は文章の中にいっぱいいっぱい謎かけが隠れてるんだと思ってます。大きな搾取構造がどのようなカラクリで人々を騙しているのかってことを、いくつかの職種の灰色の人たちの登場で説明している感じもしました。喋るおもちゃのくだりなんかリアル過ぎてゾッとした程です。だから、その謎について解釈できていないと、ただ文章にある通りに映像化したって、なんにも理解できないんじゃないかなと・・・それに、自分が原作読んで強く印象に残した花咲く振り子の場面とラストの列車の場面、この映画で観た記憶がない(あったのかもしれないけど、映像として見た記憶が残ってないんです)。単に意味もなく映像化するにしても、こういうのこそCGが発達した今の時代に映像化をチャレンジして欲しいです。ふと思ったけれど、『モモ』をカーペンター作品の『ゼイリブ』テイスト交えてアレンジしたらスゴく分かりやすい映画が出来たりして(笑) [ビデオ(字幕)] 3点(2011-07-08 18:08:13)(良:1票) |