1. 長くつ下のピッピ
小学校の学級文庫で、長くつ下のピッピをはじめ、ドリトル先生やムーミンなどを読んだ時、目の前にキラキラと輝くファンタジーな世界が広がったものですが、いま読むと、あの時の感動はいったいどこへ・・・。 この映画も、子どもの心を持っていた頃に見たら楽しめたのかな? 大人が初めて観るにはさすがにちょっとキツイかも・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-11-14 09:06:11) |
2. シュトロツェクの不思議な旅
《ネタバレ》 あまり利口とはいえない人間にとって、社会は刑務所よりも厳しい環境なのかもしれませんね。 夢を求めてアメリカへ・・・というあらすじから、もう少しワクワク感のある映画かと思ったら、どんよりしたトーンでパッとしない、最後はもう救いようのない結末でした。 踊ったりピアノを弾いたりするニワトリは、当時の社会の象徴なんでしょうか。生きるために踊り続けなければならない、それができなかったシュトロツェクは社会に抹殺されるしかない・・・という皮肉なのかもしれません。 でも、彼らがアメリカにやってきた時、そして一人で立ち去ろうとした時のギラギラした夕焼け空、それに合わせた音楽など、印象に残るシーンも多く、映画としてのクオリティは高いと思いました。 ところで、アメリカの競売人ってみんなあんな感じ? あれは笑いどころなんでしょうか?(笑) [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-08 16:46:23) |
3. 暗殺の森
《ネタバレ》 原題のIl conformistaとは、「順応者・同調する者」というような意味らしいです。つまりこの映画の主人公も、子供時代の特殊な体験から「自分もみんなと同じでありたい」という心理によって、ファシストとなり、結婚もしますが、決して心から望んだわけではなく、所詮は代償行為。「普通・みんなと同じ」ということと「流される」ことがイコールであると思い込んじゃった人の悲劇です。 行動の動機が「逃れたい」という心理で、思想に裏打ちされたファシストではないため、体制が崩れれば自分の支柱もなくなり、心から魅かれる女性に出会っても最後は見殺し。一度壊れた冷たい心の温度を「青」という色で表現したのかなと思います。その対極として、この映画に登場する「赤」は、殺された女性の顔など、人間らしさの象徴のように感じました。ですが、自分にとっては、むしろ「白」が印象として強く残っています。精神病院の白、森に降り積もった雪の白など、この映画の白は、とても怖かったです。 女性同士のダンスのシーンも、主人公の対極のひとつとして描かれたようにも思えます。女性同士でタンゴ、最初、周りの人たちから好奇の視線を向けられますが、そんなことはお構いなし。そういう態度が人々を惹きつけ、最後は主人公の男性を包み込んでしまいます。タブーを犯した者は異質とする主人公と、自由であることの美しさで人々を魅了する女性二人との違い。これって、ファシスト政権下のイタリアと、自由の象徴・パリを表していたのかも。 自分には、ファシズムや当時のイタリアの時代背景に対する知識がなかったため、理解することはできても実感することはできず、映画として消化し切れない部分も残ってしまい、ベルトルッチ監督の傑作と評されている作品だけに、ちょっと残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-27 20:41:16) |
4. 東京画
《ネタバレ》 東京物語も小津作品も観たことないし、ヴェンダースという人も知りませんが、彼が小津のことを相当好きだったということだけはわかりました。印象としては、小津かぶれの外国人が東京にやってきてビックラこいた、という記録映像で、でもそれが意外と面白かったです。小津に関わった役者やスタッフのインタビューだけなら、おそらく途中で観るのをやめてました。80年代の東京を、まじめなのかジョークなのかわからないくらい滑稽に描いたフィルムについついひかれました(もちろん本人はマジメに作ったのでしょうが)。普通なら、当時の東京の様子を見せられても特に興味を示さないと思いますが、ちょっと違った観点から見せられると面白いものですね。パチンコ屋、ゴルフ練習場、食品サンプル、竹の子族など、このように紹介されると笑ってしまいます。特にタモリ倶楽部のオープニングは爆笑でした。アメリカ文化がどうのこうの等、なにやらメッセージ的な意味を伝えようとしたのでしょうが、これを観て「小津映画を通して現代の日本文化の堕落と精神性の変化について考察した映画」みたいなことを思う人っているんでしょうかねぇ??? [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-03-16 20:08:03) |
5. 都会のアリス
上質でセンスあふれる作品でした。二人の関係が少しずつ深まっていく様子が、ジワ~と心にしみていくようでした。そしてアリスがどんどん可愛く見えてきて、ラストは切なかったです。ハリウッド的なゴテゴテした装飾がなく、シンプルな中にもメッセージがぎっしりと詰められていて、作り手のセンスを感じました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-16 21:07:25) |
6. そして誰もいなくなった(1974)
原作は読んでいないので、普通に「こういう話か」と思って観ていました。「サファリ殺人事件」に比べたら、よくできている方だと思いますよ。 [ビデオ(吹替)] 6点(2011-07-10 00:16:26) |
7. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 ジャスミンとブレンダが初めて出会うシーン、最高に素晴らしいカットで、このあと、ストーリーがどんなマヌケな展開になろうが許せてしまう、そう思えるほど印象的できれいでした。コーリング・ユーがこんなにも似合う映画、もう2度と出てこないと思います。 [映画館(字幕)] 10点(2011-07-05 00:17:46) |