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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  愛のむきだし
いやほんと「ものすごい映画を観てきてしまった」と私も思いましたよ。インターミッションがあるなんてリバイバルで観た『風と共に去りぬ』以来です。主要人物の各エピソードを分けて見せる語り口は傑作『紀子の食卓』をさらに壮大にした感じ。それぞれのドラマは各人が別の人生を生きてきたようにそれぞれ違った色合いを持っている。そしてそれぞれの独立したドラマが絡まってゆく妙!絡まりながらとんでもない方向に向かうストーリーテリングの妙!映画は前半と後半では全く違う作品のようだ。中身はタイトルどおりに「愛のむきだし」であったが、思えば『紀子の食卓』も初期作品『うつしみ』も「愛のむきだし」だったことを考えれば、これぞ園映画と言えるかもしれない。そして『エクステ』以上にエンターテインメント映画でもある。笑えて泣ける壮大な映画は他にもあるがそれを「勃起」でやってしまう映画はそうはない。前半のアホらしい展開に脱力せよ!アクロバティック盗撮に笑え!満島ひかりの純白パンティに萌えよ!勃起したイチモツを下着越しにこすりつけるなんてことをカメラの前で堂々とこなす安藤サクラを育てた奥田瑛二に感謝しろ!そして最後は泣け!オモシロイ!!
[映画館(邦画)] 8点(2009-06-19 16:51:24)
2.  秋津温泉 《ネタバレ》 
長きにわたる大河メロドラマ、戦争が引き合わせる二人、男を愛することによってもたらされる女の悲劇、、、お話は、まるで成瀬の『浮雲』のよう。でも『浮雲』以上に男の思いと女の思いが複雑に交差し、『浮雲』をはるかに超えて女は痛めつけられる。男女の関係や物語の推移が当時の社会のメタファーに溢れ、戦後の急変する情勢とともに堕落してゆく男とけして変わらぬ女を対比するように描いてゆく。岡田茉莉子はそんなに好きな女優ではないのだが、この作品の彼女は別。終戦と男が生まれ変わったという日をピークとする希望に溢れた17歳の健康的な美とそこから時がたつごとに影をつけてゆく美。女のいろいろな美を見せてくれる。舞台となる温泉宿の描写も素晴らしく、何度も映される光の差し込む廊下や風呂場への暗い階段が印象的。風呂にひとりで浸かる岡田茉莉子の寂しい背中。癒しの温泉。そう、男にとって女はひと時の休憩所でしかなかったのだ。女に癒され、女に助けられ、そして女を傷つけてもけして気づかない。男ってヤツは・・。
[DVD(邦画)] 8点(2008-04-11 13:33:46)(良:1票)
3.  悪名一番勝負
かっこええ~!!勝新の河内弁のその言葉の荒っぽさの中に秘めた優しさと、そのキャラどおりの豪快な殺陣!田村高廣の女に向けるどこまでも優しいまなざしと最期に見せる義理人情!津川雅彦のどもりながら必死で小さな組を守る一途な思い!辰巳柳太郎の一癖も二癖もありそうな八尾の大親分ぶり!山本学のやくざ家業とは相容れないまでも最後まで自分流を貫き通す男気!どいつもこいつもええ男や~!!そして安田(大楠)道代のいつも明るくチャキチャキとしながら男を送り出し、時折見せる艶っぽい女ぶり(惚れた!)!江波杏子のええとこのお嬢さんからやくざの道を進んだ強気の顔とその中に見せるか弱さ!小川真由美の一人で亡き父の残した組を取り仕切りながらひたすら旦那を愛する一人の女でいる直向さ!どいつもこいつもええ女や~!!そしてそして忘れてならない長屋の住民たちの愛嬌と悪徳やくざたちのいやらしさ!見所いっぱい。キャラがみんな違うのに、どいつもこいつもかっこええ~!!!
[DVD(邦画)] 8点(2006-12-27 12:47:56)
4.  アカルイミライ
若者の怠惰な生活、すぐキレる性格、そして凶悪な殺人、、。親に対する息子の態度の醜悪さ、対する親の威厳のなさ、集団でたむろしては目的もなく犯罪を重ねる高校生、、。そんな描写から描かれるのは普通、現代の教育問題だったり、家庭問題だったりがテーマとして与えられ、現代社会の病巣が描かれたりするものです。そうなると、この先日本はいったいどうなるんだという不安や諦めが作品を支配するか、もがき苦しむ若者たちの悲壮感であふれた作品になるしかないはずである。しかしこの作品はそのどうしようもないひとつひとつの描写から見えないはずのほんの僅かな光を見ようとし、幻かもしれないその「アカルイミライ」を確かに画面に残した傑作だ。題材に縛られない演出をこれまでずっと観せ続けた黒沢清が、今回もネガティブな題材をポジティブな演出で観せた。殺人という、とり返しのつかない罪を犯した若者は、もしかしたら友人を助けるためだったのかもしれないという微かな光。もちろん殺人を肯定するものじゃなく、全くの闇じゃないという可能性の提示でしかない。しかしその可能性も見ようとしなければ見えないもの。擬似家族がさらに光を模索する。今の若者の凶暴性や欲深さや無気力さの原因がどこにあるかは描かない。そうなってしまった彼等は、彼等なりに生きるしかない。ラストシーンの無理やりに引き出した「アカルイミライ」が眩しかった。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-16 16:57:01)(良:1票)
5.  アウトレイジ(2010)
実は傑作だと思う反面物足りなさも感じていた。このたび続編を見てその足りないものの正体がわかった気がする。お話はほぼ喜劇といっていい。オープニングシーンのかっこよさとは裏腹に。自分より弱いやつにはとことん威勢がよく、強い者の前では小さくなる。大袈裟なまでに。ヤクザ社会を喜劇に仕立てエンターテイメントとして見せる。さらにバカヤローコノヤローと怒涛の突っ込み漫才。セリフが途切れない暴力的なまでの編集が素晴らしい。そして要所要所でかつての北野武の映画のような無常感が襲い掛かろうとする。が、そこですかす。続編はそこがもっと顕著なのでわかったんだけど、要するに、なーんか面白いのに熱くなれない的なモヤモヤの正体はこのスカシにあったのだ。そこはもしかしたら評価するべきところなのかもしれない。お話ではなく演出の妙を見よってことなのかもしれない。単に恥ずかしがってすかしてるだけかもしれないけどそれにしたってお話に従属しないってことは私が映画に求めていたことでもあるわけで。にもかかわらず物足りなさを感じてしまった身勝手な私をお許しください。
[映画館(邦画)] 7点(2012-10-30 14:26:25)
6.  ああ爆弾
奇抜である前に面白い。というか奇抜さがこの映画の中で全く破綻することなく溶け込んでいるので奇抜とも言い難い。洗練されている。勢いがある。これぞ娯楽映画。ミュージカルってリズムと役者の動きとカット割りが合ってないといけないんだけど、そんな繊細な仕事を感じさせないバカバカしさもいい。怒涛の展開はそこに音楽がなくともこの映画自体が音楽のよう。つまり時代に関係なくいつまでも楽しめる映画。これぞ娯楽映画。
[DVD(邦画)] 7点(2011-06-24 16:36:32)
7.  赫い髪の女
トンネルを歩いて抜ける一人の女、ダンプが横を通り過ぎる、女の髪が舞う、タイトルがデーン!むちゃくちゃかっこいいぞ、このオープニング。映画の大半はセックス。一日中部屋にこもってセックスって、性欲満点の若造でもあるまいし・・。しかし若かりし頃のセックス三昧にみられる陽気はここにはない。相手を思いやるようなセックスというよりも何か、不安とか寂しさとか、そういった負の何かを紛らわすとか忘れるとかあるいは何かから逃げるためのセックス。やるせなさ満開のセックス。エロさよりも痛々しさが勝ってる。どしゃぶりの雨が途方もなく似合う。夜な夜な響くシャブ中女のおぞましい声は自分もそうなり得るのだという不安を煽ってる。これは原作にもあるのだろうか。あるならば車谷長吉は「赤目四十八瀧心中未遂」で中上健次と同じ方法で地獄の存在を見せようとしたのかもしれない、などと映画とは関係のない思索にふけってみる。
[映画館(邦画)] 7点(2011-02-16 14:58:47)
8.  秋日和 《ネタバレ》 
小津の映画は基本喜劇のものが多く、これもその類。2年後の遺作となった『秋刀魚の味』のような3人のおじさんたちがシリアスなドラマを真面目顔で喜劇にしてしまう。杉村春子のように岡田茉莉子が快活にこのおじさんたちをギャフンと言わせるのがまた面白い。ところが単に笑ってばかりもいられない。完全喜劇じゃないので娘は結婚しても母はしない。披露宴後の「母一人の図」がなんとも寂しい。『晩春』の母娘バージョンだが、「父一人の図」の寂しさとはちと違う。父のそれは運命。しかしこの映画、母の場合は母が自ら「母一人の図」を選んでいる。世の常に習う父とは対照的にまるで何かに反抗するかのような、あるいは何か決心したかのような強さを秘めた「母一人の図」。この一癖がただならぬ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-09 17:40:12)
9.  赤線地帯
女5人それぞれの全く異なるキャラクターを描き分け、5人ともがそれぞれのカタチで社会に翻弄されてゆく姿を見せてゆく。赤線が舞台というなかで、最も肌を露にする京マチ子にも人気ナンバー1の若尾文子にも艶っぽさは見当たらない。ところが病気の夫と赤子を抱えて疲れきった表情をして生活臭がプンプンのうえにあえてメガネをかけさせて艶っぽさを排除したかのような木暮実千代が妙に艶っぽい。『祇園囃子』のような艶っぽさじゃなくてもっと生々しい艶っぽさ。結婚を決意して赤線から逃げ出そうとする女に対し、木暮実千代の夫が「こんなところに帰ってくるなよ」と送り出すのはいいが「こんなところ」「最低の場所」といった言葉が執拗に繰り出される。自らの病気のためにその最低の場所に女房を働かせに行かせておいて。病気とはいえ、なんとも身勝手で情けない男。ラーメン屋のシーンでも二人の立場が象徴的に描かれている。5人ともに降りかかるそれぞれのドラマがきっちりと描かれ、その一つ一つが当時の社会と女性の立場を露にしているのだが、溝口監督はその中でも木暮実千代のシーンを重要視して撮っているような気がしてならない。それほどに木暮実千代は誰よりも不幸なドラマを持たずして誰よりも不幸な境遇にあり、誰よりも現実に生き、誰よりも強く描かれている。だから艶っぽくて美しいのだと思う。溝口健二の遺作。溝口の現代劇をもっと見たかった。
[映画館(邦画)] 7点(2008-03-05 12:57:30)(良:1票)
10.  赤い天使
舞台を戦場にしているのにエッチなほうにエッチなほうにもってゆくのがなんとも嬉しいのだけど、若尾文子って増村作品に限らずけっこう艶っぽいイメージのわりにおっぱいとか絶対見せないでやんの。あるんだろうけど私は見たことない。まあそれは置いといて、エッチな描写もしつつも、戦場の過酷さには一切手を抜いていなくて、暑苦しく誇りっぽい画面に展開される荒っぽい手術シーンや機械的に感情無く死体と怪我人を振り分けるシーンや体の一部を失くした軍人たちが呻き声とともにひしめき合う画づらの圧倒的な悲壮感とグロテスク感は凄まじいものがある。だからこそ若尾文子のまわりだけがまるで異空間のようになる軍医と看護婦のメロドラマがなんともいえない気色悪さを出していてかえって魅力的なのだと思う。後半の「西はいやです」「上官からの命令だ」「いやです」とかコスプレシーンの気色悪さといったら!なんといっても増村監督が後にテレビでやった「スチュワーデス物語」のノリですから。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-26 11:16:41)
11.  愛と希望の街(1959) 《ネタバレ》 
へったくそな演技に辟易しながら観ていたのだが、採用試験に落ち、母が鳩を売らせたことを泣きながら謝ったときに「また鳩を売ろう」と少年が言う、その哀しい展開に惹き込まれてしまった。ラスト数分は壮絶ともいえる画が連なる。タイトルにある「愛と希望」をすっかり消し去る少年の確固たる目が印象的で、その後、鳩を撃つシーン、工場で働く少年の背中という具合に強烈に印象に残る画が押し寄せる。けして間違ってはいない富裕層の倫理観が貧困層を無視した倫理観でしかない社会の実像を炙り出す。女子高生の兄と教師の会話は、格差社会の問題点をわかりやすく説明しており、その説明過多な会話には残念至極なのだが、問題の根底をさらけ出したいゆえの説明は大島らしいともいえる。そしてやっぱりラスト数分が凄すぎる。
[映画館(邦画)] 7点(2007-10-01 13:55:57)
12.  暗黒街の美女
1956年デビューの鈴木清順(当時は清太郎)がこの58年製作の『暗黒街の美女』でなんと7作目。この頃のプログラムピクチャーってのはものすごい勢いで作られていたんですね。56年に作られた『悪魔の街』がキューブリックの『非情の罠』と『現金に体を張れ』を合わせたようなノワールだと思ったのだが、この作品でもマネキンが重要な小道具として登場するあたり、やっぱり見てるなと。それとも原作者のアイディアなのかな?ストーリーは、まあ無難な出来という印象だけどなかなかアイディアが効いてて楽しめる。裸をうまく隠すカメラワークやクライマックスで石炭をひたすら掻き出すシーンのカット割りが見事なリズムを作り出しているところなんか、見ていて楽しい。ただ『暗黒街の美女』というタイトルはおかしい。ぜんぜん暗黒街の美女ではなかった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-10 12:48:57)
13.  愛怨峡
前年の『浪華悲歌』『祇園の姉妹』と比べるとかなりおとなしい印象がありますが、たぶんヒロインのキャラからくるのでしょう。女が弱者である社会というのは変わりませんが、山田五十鈴がそのことに憤り反発し強がるのに対し、この作品の山路ふみ子は強がるのではなく本当に強くなってゆくのだ。溝口は女を描くのが巧いとか言われるが、その多くは女を通して社会を描いているところがある。もちろんその中で女優を輝かせ、その仕草や眼差しをしっかりと映し出しているからそう言われているわけですが、本当に女を描いているのはむしろちょっとインパクトに欠けるこの『愛怨峡』なのだと思う。私は2年か3年ほど前に映画館で観たのですが、【小菊】さんのおっしゃるようにフィルムの状態は最悪でした。物語の把握にはなんの問題もありませんでしたが、やっぱり美しく撮られているはずの女の顔に線が入ったりぼやけたりというのは残念でしかたないです。それでも紛失されたフィルムも多々あることを思えば、今この作品に出会え、美しい画面を想像しながら観ることが出来ることを素直に喜びたい。
[映画館(邦画)] 7点(2007-04-17 13:23:57)
14.  あの夏、いちばん静かな海。
主人公と主人公の彼女は耳が不自由です。凡作ならばそのことをまず説明するでしょう。彼等の家族や友人達が出てきて言葉で説明するでしょう。しかしこの作品ではそんな野暮なことはしません。サーフボードを抱えて歩く二人を見た友人はけして呼び止めずに石を投げる。それだけでわからせちゃう。あぁ、北野武はちゃんと映画を作ってるって思える瞬間です。 1回目のサーフィン大会でアナウンスを聞けなかったために出場できなかった主人公にふてくされたところがない。こんなことは聴覚障害者にとっては日常茶飯事だと言っている。と同時に彼等は孤独であり、諍いを避ける為にあえて孤独へと逃げていることを覗わせる。サーフィンを通して、仕事仲間のささえを描きながら、孤独から脱却してゆく主人公をカメラは静かに追っていく。彼女とのシーンでは言葉を交わせないゆえの勘違いが映されるが、それ以上に言葉が無くても通じ合えるということを描いてゆく。様々なことを静かな映像に語らせる。素晴らしい映画だと思います。悲しい結末なのになぜか癒されます。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-13 13:30:43)(良:4票)
15.  アフガン零年
新聞でこの作品の記事を目にしました。主演の少女に悲しい表情を求めるのに監督が悲しいことを思い出すよう進言したところ、少女はぽろぽろと涙を流し何度も撮影を中断したと。その姿を見て“嘘は描けない”と希望を感じさせるエンディングを悲しいエンディングに変更したと。幼い少女がこれまでの人生の大半を空爆から逃げまどう人生、そして抑圧と恐怖の人生を送ってきたという事実を涙ながらに読んだ。そしてその後に本作を見た。当然、記事のことが頭から離れず少女が映し出されるたびに泣けてきた。新聞の記事を含めた感想であり、映画単体での評価ではありませんが、監督の“アフガンの悲劇を世界に知らせたい”という想いは伝わりました。自分の人生を自分で決められない世界を、変更されたエンディングが一番如実に物語っていると思います。「おかしい」「間違っている」ということがわかっていても泣くことしかできないお香屋の少年は監督自身を投影した存在なのかもしれない。
7点(2005-01-31 12:01:03)
16.  AKIRA(1988)
映画「AKIRA」ファンなら誰もが知ってるこの作品の最大の特徴は口の動きである。普通、アニメのしゃべる時の口の動きは単にパクパクしているだけなのだが、これは違う。例えば「あ」という発音をする時と「い」という発音をする時の顔の筋肉の動きは当然違うわけだが、この作品はアニメーションでそれを無視せずにやっちゃうんだからホントに凄い。(海外で吹き替えしてたら意味ないけど) そしてそしてその映像よりもさらにインパクトがあるのが音楽。ストーリーは...うーん..正直、原作ファンとしては「えっ これがアキラ?」と拍子抜けした。まあでも、原作でもアキラが初めて登場したとき「えっ こいつがアキラ?」って思ったけど。金田や鉄雄よりかっこいい奴を勝手に想像してたもんで。
7点(2003-11-07 19:30:26)
17.  悪の教典 《ネタバレ》 
これの文庫本のあとがきを三池監督が書いてるんだけど、そこでハスミンのさらなる活躍を見たいと続編を要望している。で、この映画の最後に「to be continued」って。これも貴志祐介へのメッセージなんだろうな。おもろいなあ。さて、映画。最初、ハスミンを伊藤英明ってどうよ、と思ってたんだけど納得。傍目には良い先生であることのエピソードをいちいち描かなくてもこれまで善良な役しか演ってないというこちらの固定概念も含めて「顔」ひとつで表現しちゃってる。エクセレント!原作から何人かの登場人物、いくつかのエピソードをバッサリ切り捨てているのも潔い。要は生徒を殺しまくるクライマックスさえ見せればよい、そこにいくまでの最低限の辻褄さえ合えばよい、そんな感じ。ニューヨーク時代を夢で回想するシーンが全く要らないのだけど、ここは既に売られている「悪の教典 序章」DVDへと誘うために必要なシーンなのでしょう。ある程度商売に徹した作品なのは三池のわりにはえぐくない殺しのシーンを見ても解かる。それでも残酷なシーンになればなるほど活き活きとしているのは三池ならでは。もう端折って端折って実に小気味良い。何故皆殺しなのか。原作では心の声が説明するのだが映画では生徒が尋ねても何も語らずただ淡々と殺しまくる。そしてそのときのハスミンはどこかセクシー。三池のハスミンへの偏愛を感じた。
[映画館(邦画)] 6点(2012-11-12 14:28:14)(良:1票)
18.  赤目四十八瀧心中未遂
見る前から綾を寺島しのぶが演じるってだけでそりゃないぜ!とも思ってたんだけど、映画は原作とはまた違ったオリジナル「赤目四十八瀧心中未遂」であった。堕ちてゆく男が行き着く先として兵庫県尼崎市出屋敷周辺のいかがわしい土地(映画ではそこまで明確じゃなかったかも)を選ぶ。阪神尼から出屋敷一帯のいかがわしさは今でもその名残を残してはいるものの原作の舞台となる時代とは雲泥の差。映画が時代を現代にしたのはロケーションの問題もあったのだと思うがそのせいで原作に漂う「堕ちるところまで堕ちた」感が数倍落ちている。先に原作とは違うオリジナルと書いたがストーリーはほぼ忠実になぞっている。でも作品の印象は全く別モン。描こうとしているものが違うのだろうと思う。原作はひたすら地獄を見せていた。最底辺で生きるという地獄を主人公の男に見せていた。綾はどんなに美しかろうがそこからは抜け出せない。その最底辺の人の一人でしかない。一方映画はこの世の地獄そのものではなくそこで強く生きる女を見せている。男は「闇」を覗いてしまうのではなく「生」を見るのだ。この場合の綾に寺島しのぶはあまりにもピッタリはまっていた。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-25 16:01:10)
19.  赤い文化住宅の初子 《ネタバレ》 
主人公の生活状況は極めてきつい。だけど映画にはそのきつさがない。原作漫画を知らないのでなんとも言えないんだけど、このどこかのん気な空気がタナダワールドなのかなと。この状況で全く荒まない女の子が実に不自然で、ちょっぴり荒みぎみの兄に対してかわいらしい声で「おにいちゃん」と呼ぶたびに非現実感が増してゆく。そのわりにロケーションを多く取り入れ屋内の光もけっこうリアル。さらに方言がいい感じにリアル感を出している。かと思ったらやっぱり漫画みたいな学校の先生とか「優しい人は危ない人」というこれまた漫画的な登場人物が出てきてどこまでも嘘っぽい。このギャップをうまくうめているのが初子のキャラ。どこかのん気なタナダワールドを作っているキャラ。最後の父親再会のドラマの抑揚とかが邪魔かな。あとボーイフレンドの純朴さがやりすぎのような気がしなくもない。作風に合ってるから全否定はしないけど。
[DVD(邦画)] 6点(2011-07-29 17:57:38)(良:1票)
20.  アマルフィ 女神の報酬
なにやらワケありな緊迫感を持った男と女が突然映される。すでに物語は動いている。言葉を排しているがゆえに緊張は増してゆく。言葉を排しているがゆえに映される全てのものに目が行く。言葉を排しているがゆえに画面の外からの音が強調される。概要が掴めたところで唐突にタイトルロールと波の音。この映画、ただものではない。と思ったのだが、はたしてこれは私の感想なのか。通常、未見の映画について書かれているものは読まないようにしているのだが、この作品を見るよりもずっと前にこのサイトの卒業生でもある映画研究塾さんの絶賛評をすでに読んでしまっていたのだった。織田裕二をどんどん受け付けなくなってきていて、ゆえにこの作品は一生見ないであろうと思っていたからなのだが。よって私の好評は映画研究塾さんの影響下にある可能性を否定できないのだ。それほどにインパクトのある素晴らしい批評なのでぜひ皆様もご拝読くださいませ。はてさて織田裕二だが、いつもの過剰な表情と台詞まわしを排するだけで全然受け入れられた。単にそういうキャラクターである、ということ以上に演出の成果であることを確信した。サラ・ブライトマンを引っ張り出してきたりとずいぶんと無駄な部分もあるし、ユーモアの少なさも不満ではるけれど、目を見張るシーンも豊富にあるので概ねでは満足感が勝った。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-05 13:44:02)
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