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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  怪盗白頭巾 前篇 《ネタバレ》 
・「河内山宗俊」の特典として収録されていたものを見た。  何やら怪しい算段をしてそうなオッサンと老人。 そこに障子を開き刀を上にかざしながら突入する怪盗白頭巾の一味!!  刃が空を斬り、その直後に捕り手たちが群をなして迫り来る。  白頭巾は仲間を逃がして殿を買って出る。 障子に隠れ、敵が来た瞬間に浴びせる一撃。 複数の捕り手と切り結び、斬られた敵が障子とともに倒れたりして、フィルムは終わる。
[DVD(邦画)] 9点(2017-04-24 18:42:26)
2.  ガールズ&パンツァー 劇場版 《ネタバレ》 
「可愛い女の子たちが戦車を乗り回す」という平和ボケも甚だしい…いや、そんな平和な時代を何十年と守って来た日本人にしか作れない映画の一系統がここにある。  というより、「大魔法峠」で原作以上に全方面に喧嘩上等(OPの燃え盛る国会議事堂とかの前でふざけくさったダンスを披露)なことをやってのけたあの水島努である。いいぞもっとやれ。  かつて戦場を蹂躙し夥しい都市と兵士たちを粉砕し血の雨を降らせたであろう戦車が、この作品では青春にすべてをかける少女たちを結びつけ、彼女たちの“戦車道”を創るため突き進み、身代わりになるように砲弾の雨から主たちを守り通す。   物語は、カップの底から茶柱が立ち上がる瞬間から始まる。  優雅に紅茶を楽しみ映るだけで面白い女たちの会話、銃口・砲身の向こうで轟音と土煙をあげながら平原を駆け抜ける戦車、戦車、戦車の群、それを天高く飛ぶ戦闘機の視線を通じスクリーンの向こうで歓声をあげながら見守る群衆。  蒼空の下、首に通信機を巻き、活き活きとした女たちの「前進!」の叫びとともに高らかに響き渡る音楽とタイトルバック、誇らしく刻まれたマークとともに突撃し、そんな状況でも紅茶と飯を喰らいながら不敵な笑みを浮かべる頼もしさは否応なしにワクワクさせてくれる。  砂地に密集して耐え続け、丘を駆け上がり騎兵隊の如く押し寄せ、ゴルフ場の森林から市街地・海岸線まで車輪跡を刻み、ドリフトし、エスカレーターや石段を降り、扉がせり上がる駐車場から現れ、海から上陸し、砲身を振り回し、ガードレールに火花を散らせ、地面をえぐり、弾痕を刻み、信号を薙ぎ倒し、砲撃で市街地を破壊し、看板ごとぶっ飛ばされ、ぶつかり取っ組み合い、横転し白旗と爆炎をあげる戦車たちの激突。 スコープ越しに確認する敵影・撃破、敬礼、突貫、玉砕、いや散ったらダメだろ、窓の外の蝶々、戦車乗りたちの視点で追い回す戦車同士によるチェイスのスピード、発砲禁止区域が物語る「ルール」のあるスポーツとしての闘争、狂喜乱舞する観客。  アニメーションという世界で荒唐無稽・やりたい放題・自由自在・縦横無尽に描くことを楽しんでいるアクションを見るがいい!「車両が頑丈」の一言じゃ済まないくらいの大爆発から生還するたくましさ、激しい風の中でも露出を防ぐ鉄壁スカート、瓦礫と化した水族館からひょこひょこ出てくるペンギンたちの雄姿!くだらないことで悩んでいるのがアホらしくなるくらい痛快だ。  25分に及ぶ戦いの後は、風呂場で汗と涙を流し健闘を称え鋭気を養う。   失われる居場所と宣告、荷造り、居並ぶ戦車と乙女たちに空から舞い降りる“助け舟”、青春を謳歌した箱舟との別れ、失われゆく士気、流れ着いた先に贈り届けられる「存在意義」。  ボッコボコでもパイプイスの山に埋もれようと何度でも立ち上がり続ける戦車魂、のどかな田園を駆け泥と愛情にまみれた想い出、復活をかけた「せいやくしょ」、居場所を取り戻すための約束。  戦車に通れない道はない、道がないなら創るまでよ! 74式戦車「作用」、昨日の敵は今日の盟友、戦いを通じて結ばれた戦車乗りたちが転校・制服まで揃え駆けつける一大決戦。これぞ正に王道って展開が大好きだ。   多勢に無勢だろうが最後の一両まで戦い抜く殲滅戦、雲の下に拡がる平原から高地、長くうねり続く道、乃木希典「203高地はイカン」、森林、丘を奔る風、飛来する轟音と黒煙に覆いつくされる恐怖、降りしきる雨と殿(しんがり)、別れを意味する“日本語”での挨拶、森の中にいた砲撃の正体、ユーリー・オーゼロフ「ヨーロッパの解放」よろしく琴の弦を弾くように戦車が空を飛び、その戦車がまたカタパルトの要領で味方を射出し、少しでも隙間があれば瓦礫の中を突っ切り、柱で翻弄し、線路の先に向って飛び込みぶちかます!   籠城によって迷路と化す遊園地、何も無い水辺が予告する奇襲、蘇るスティーヴン・スピルバーグ&ロバート・ゼメキス「1941」の観覧車先輩がブチ破る包囲網、戦車版「機関車トーマス」、偽装し、建物をぶち抜き、「荒野の七人」さながらの音楽と追撃時の平行移動(ジョン・スタージェスが炸裂させたジョン・フォードを髣髴とさせる馬のアクション)で西部の街を走破し、誘い込み、道が狭けりゃ自らを削り、橋の下からどてっぱらにぶちかまし、ジェットコースターを駆けめぐり撃って撃って撃ちまくる。  積み上げられた土嚢、砲撃を思いとどまらせるもの、無言で交わされる指示・視線、頂上からトンネルまで走って走って走り、空を揺れる船、砕け散る椅子、一撃によって爆走しぶつけられる決着!
[DVD(邦画)] 9点(2017-01-09 22:25:32)(笑:1票) (良:3票)
3.  火宅 能「求塚」より 《ネタバレ》 
イジー・トルンカに師事した川本喜八郎が、極限まで極めた人形アニメーションの傑作。「鬼」や「道成寺」等も必見だ。  能の「求塚」を題材に、人形、草、火、水、そして光と影が生物のように蠢めいていく。  ナレーション、霧の中の道を歩く旅人の脚、ふと編笠をあげて横を見ると、若い娘たちが談笑しながら農作業に精を出していた。 一本一本ものを取り、仕事仲間に微笑むような素振り。一本一本ものを取り、仕事仲間に微笑むような素振り。樹木といった風景は素朴な絵柄で描かれる。  セリフもナレーションによって語られる。  霧の濃い薄野原、ふと振り向くとその奥から現れる謎の女。 光の無い眼、不気味な黒髪がたわみ、男は薄をかきわける脚と彼女に吸い込まれるように誘われる。  項垂れた冷たき表情から、精気に満ちた過去を女は「告白」し始める。 籠の中で跳ねる鳥、木の下で眼を閉じ想いを馳せる者、馬に乗り木の枝を首元に差し込みながら想う者、桜の木々を飛び回る鶯。  迫り来る男たちの表情・視線、それに軽く挨拶をし流すように去っていく。恐ろしいが故に流してしまう。  口を開けたまま何を祈っているのか、両手で顔を覆い悩み、蝋燭の火が文を焼き尽くし、火の玉となってぶつかり合う男心、その間で揺れる乙女心。  吹き荒ぶ風、女を賭けた狩り、射抜かれるものから流れ出る鮮血が川を流れ、恐怖と哀しみが黒い影となって女の顔を覆う。  霧の中へ揺れ消えていく羽衣、闇夜の塚の前で抱き合う憎しみを超えた者たち、互いに抜き放ち、接近し、空間を真紅に染め上げる。  祈る者に近づく火の玉、火の玉は白い化身となって接近する。  漆黒の空間で輝く白装束、華、鮮血に染まった男たち、火の鳥は黒くなり、ついばみ血まみれにし何もかも焼き尽くす。  断崖に押し寄せる波、投げ出される命、海の底にまで拡がる火炎地獄。 強すぎる愛が、暴走する火炎となって愛した者に襲い掛かる哀しさといったらない。  白く美しい乙女は、最後まで両手を合わせて祈りながら去っていく。まるで相談を聞いてくれた旅人に礼を言うように…。  まばゆい夜明け、赤く染まる大地。
[DVD(邦画)] 9点(2016-09-04 05:38:34)
4.   《ネタバレ》 
「簪(かんざし)」。題名にもそう書いてあるのに肝心の“簪”はまったく映されない。 「按摩と女」を思い出す部分が多い。林道を歩くシーンからはじまりとにかくテンポが良いし面白い。夏に見たくなる傑作だ。特にスリリングなリハビリ風景は見物だ。  芸人?たちがズンチャカズンチャカ賑やかに歩いてくる。ロングショットで捉える視線、日差しが照りつける真夏の暑さ、林道の日陰の涼しそうな様子。  宿についてマッサージをしてくれる按摩目当てで人々もお祭り騒ぎ。きゃっきゃっきゃっきゃとうるせえww そういえば冒頭で語り合う二人というのも「按摩と女」だった。あの映画は按摩の男が二人、この映画は普通の女性が二人で、按摩は完全な脇役だ。 せっかく静かに本を読んでたのに騒ぎで怒るお父さん。 他の人は「賑やか」「五月蠅い」「景気が良い」「派手」と様々な捉え方、このやり取りを何回もやるのが笑える。「また怒られちゃった」    何度もかけられる電話、届く手紙、リハビリ風景。  フロントへの電話、女たちに独占されてやって来ない按摩さん、男どもの風呂浴びは水浴びのようにも見える(しかし野郎の入浴シーンばっかりだ)、「情緒が足の裏に突き刺さる」怪我。 「退屈しのぎに喋りたい」とはまさにこの映画を表すような一言。何かと五月蠅い父親。  簪の主から手紙、パーマに簪とかww まだ見ぬ女性に期待を寄せる男ども、なんつーデリカシーの欠片もない会話。よくもまあ奥さんがいる前でこんな会話をできるなコイツらわ。しかも美人の嫁の前で。 情緒的イリュージョンw  笠智衆と田中絹代の演技が本当に良い。嫌味ったらしくないというか、くどくないというか。清水宏の映画は良いなあ。「みかえりの塔」の笠智衆も良かった。  なんだか見合いでもさせるような雰囲気、足をひきずる男を手を取ってエスコート、服の違いで時間の経過を伝える。 リハビリに付き合う女性、木を目指す男を傘をさして不安そうに見守る女の視点。子供たちの声援、音楽までムードを引き立て無駄にサスペンスフル。松葉杖を置くのはどれくらい歩けたかを一目で判断するため。  子供たちの嫉妬が可愛い。木登りで距離を置く子供たちの主張をしっかり聞いてやるのが良い。男の姿がないので杖はしっかりと渡したらしい。 静かに囲碁をたしなむ、絶対に来ない按摩、幾度も書かれる手紙、いびきの競争とか五月蠅いことこの上ない。それを応援すんなww  「いびきかぁ五月蠅いなあ」 おまえが言うな。  朝の河原で体操、洗濯、水浴び、リハビリ再び。怪我でまだまっすぐに出来ないが、力強く大地を踏みしめる脚!   後半は戦争の足音が近づいているのが会話で語られる。 髪を下して涼む姿がちょっと色っポイ。こうして見るとおばさんてほど老けてないんだよね。まだ若々しさのある女性って感じ。  傘をさして原っぱで会話、日陰、「日に焼けた」と差し出す腕、何処か不安げな横顔は彼女を追うという男がここに来ないかどうか感じているのだろうか。 河に駆けられたまがりくねる橋、おじさんのリハビリを実況、意外と速い流れの上で必死にバランスを取る、見守る方も駆け寄りたいのを我慢する。どうしてこんなにもスリリングなリハビリ描写なんだろう。  男を女がおぶる力持ち、不安定な岩場を歩く脚。余計にスリリングだ。按摩にまで実況せんでいい! 隣の部屋では別の女性がすやすや寝ている、待ちくたびれた友人の艶かしさ。どうして着物はこんなに色っポイんだろう。  洗濯ものを取り込みかがんで泣き出してしまう、涙は顔を洗って拭う、冒頭の騒いでた娘たちが隣の部屋にまで来て「うるさあいっ!」お父さんのいびきもうるさあいっ!! 小声で「えい」と可愛い脅かし方。  クライマックスを飾る階段でのリハビリ。時間経過、一段一段確実に上っていく脚、大分まっすぐになってきた、リハビリの終わりは彼女との時間の終わりでもある。階段を一緒に上らず見守ってしまった心の距離。  一人寂しく男がリハビリをした道を歩いていく後姿・・・。 
[DVD(邦画)] 9点(2015-07-12 14:01:36)
5.  からくりの君 《ネタバレ》 
うおお~まさかまさかこの作品のレビューページがあろうとは、いやはやありがたい。登録して下さった方、本当にありがとうございます。  さて、藤田和日郎の「からくりサーカス」の前身となった短編を元に作られたこの逸品。 藤田のアニメ化は「うしおととら」もあるが、この「からくりの君」は作画も演出もキャストも最高。 冒頭の忍たちが死地から脱する場面、彼等を追う化物を一刀両断する謎の鎧武者は、巨大な葛篭から“ばこおおんっ”と飛び出す。それを糸によって操る可憐な少女。ギャグシーンの可愛さもあって本当に可愛いっす。オマケに水浴びのシーンは作画陣の力の入れようもありエロい。藤田の作画は可愛いが熱血すぎて色気にやや欠けるが、アニメでは動き、仕草で男の勲章をばこおおん(ry 野郎共の鼻に力入れすぎな気もする。  「HELLSING」のウォルターのピアノ線でも思ったけど、あれでまったく糸が絡まないのがスゲえ。つうかスゲエ欲しい。 もっと凄いのが、いくら当時の日本人女性が は い て な い とはいえあんなダイナミックに股をグワッと開いて恥じらいが無いというか男らしいというか。  そして綺麗だった若本こと若本規夫の素晴らしい演技、1回はヤケになって欲情するが、事情を知って“仇討ち”に助太刀する義理と忠義の漢! 人形たちのダイナミックな戦闘、流麗な作画、最後まで高密度で面白かった。これで「からくりサーカス」のOVAシリーズやんねえかなあ・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-26 21:39:10)
6.  COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉 《ネタバレ》 
大規模なバイオテロ事件をめぐりビバップ号の面々がシリーズ随一の賞金首・ヴィンセントを追う。  エレクトラvsスパイクのモップによる徒手空拳、「マクロスプラス」を思い出すソードフィッシュのドッグファイト、フェイのおっぱ(ry  スパイクもワケ有りなモジャモジャ頭だったが、ヴィンセントはもっとワケワカメでヤバイ奴。  ヴィンセントがフェイを強姦しなかったのはナノマシンの後遺症で息子がアウトか単なる美学か女に興味がないのか脚本家の都合(ry  近未来では余計に全時代のクラシック・コレクションと化したているであろう複葉機がガンガン飛んでフィナーレを締めくくる。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-22 23:47:00)
7.  蒲田行進曲 《ネタバレ》 
深作欣二の最高傑作は「軍旗はためく下に」や「代理戦争」「暴走パニック 大激突」辺りだと思うが、この映画も初めて深作ワールドを味わった思い出深い作品だ。  映画ではなく「映画」を劇中で演じるシステムの人情劇。 「嘘の世界をいかに本物に魅せる」かが堪能できる。  冒頭の“夜”を創り、幕末の志士達が殺し合う戦場を再現する場面。  舞台の上を駆けるようにノビノビと演技する俳優陣。 日本映画の斜陽化が顕著と言われた時代だったらしいが、登場人物たちの顔つきを見ているとそんな暗いイメージが湧いて来ない。役者魂とやらが全力で伝わって来る。  軽妙なリズムに合わせて青春、性交、ヴァイオレンスにストーリーを進めるやり方は流石。  ピカピカの汚しも何も無い衣装に身を包む主役、 ボロを被りながらも、主役を盛り上げようと必死に食らいつく脇役やモブ。 そこにスポットを当て対比させる話が面白い。  ジェームズ・ディーンをDisりにかかるシーン。さすが深作怖いもの知らず(褒めてる)。 「人一人殺すぞ~!」と子供のように眼をキラキラ輝かせる監督。 この映画の時代設定は、日本映画が黄金期だった1950年代~60年代だろうか? この頃はこういう事サラッと言える監督がいっぱいいたんだろうなあ・・・。  そして命懸けの「階段落ち」。 それを実際にやり遂げた俳優の伝説を元に作られたそうだ。 それをやれば生きるか死ぬか。だけど女房食わせるためなら死んでやらあ!そんな覚悟が伝わる迫真の演技!  ちょっと気合の入りすぎた雄叫びも多々あるが、そこが「これ映画だから!」と全力で唄うこの映画の魅力であろう。  だって「仁義なき戦い」の監督だし。 「マジに受け取ってんじゃねーよバーカ!」と監督が問いかけているような気がする。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-20 22:05:30)
8.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 
この映画はまず「戦国時代の姫君と三人の悪人が、黄金を背負って敵中を突破する」という筋を知っていないといけない。 何故なら、肝心の主役格の悪人と姫君が登場するまでに30分も時間がかかるからだ。 それまでは戦場で手柄を立てて出世しようと勇んで出てきた太平(何やってんの平八)と又七(万造、侍を目指す)たちの愉快なコンビによる波乱万丈な場面を追うことになる。 予備知識無しで見た人は「そうか又八たちのユニークな物語なのかー」と勘違いするだろう。 いや実際そうなんだけどさ。 最初から太平たちを主人公として見るか、宣伝通りに雪姫と真壁六郎太を主人公として見るかでかなり見方が違ってくる。 そしてようやくメインの六郎太と雪姫の御登場だ。 メインディッシュとデザートが次々出るように流れがガラッと変わる。 又八たちは脇を支える漫才コンビとして立ち位置を変えてくる。 宣伝を見てきた人は「待ってました!」と思い、予備知識無しの人は「悪そうなサブキャラが出てきたなー」と思う。 そしてようやくジャケットの人物が誰なのかが判明する。 別のDVDの雪姫と六郎太のツーショットのジャケットならともかく、又八たち4人が居並ぶジャケでは判断がしにくいだろう。むしろそれが狙いの一つなのかもしれない。 泥にまみれながら懸命かつ愉快に生きる又七たち、利用しつつも結構思いやりのある六郎太、そして泣きっ面が最高に怖いが、本当は心根が優しく芯の強い、寝顔が可愛い太股のエロゲフンッゲフンッ男前な雪姫。 個性豊かだ。 特に六郎太の馬上での迫力満点な追撃、無駄に長いが見応え充分の決闘(あまりに長かったので「椿三十郎」のような一瞬の決着が生まれたのかも)。 しかし、ラストはどうなのだろう。 前には処刑台、後ろには脱出口! 兵衛の槍の唸りで二人を解放。 「志あるならば続け!」 颯爽と駆け抜ける雪姫、雪姫の侍女をヒラリと乗せ駆ける六郎太。そして兵衛の「裏切り御免!」 普通こういう場面は最高にカッコイ筈ずなのだが、好敵手との決闘を咎められて顔を鞭打たれた兵衛。 元々気遣いがある男ではあるが、「おまえの上司はカスだ!あたしそんな事しねーし!あーあー、どうせ死ぬんだ、直前まで遊べて良かったー!」なんて言われて同情してしまう兵衛。それでいいのか兵衛。何故だろう、何処か釈然としないのだ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-13 18:44:00)(良:1票)
9.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
未公開シーンは絶対見ろ-シリーズ最高傑作 日本が誇る「ゴジラ」に並ぶ最高の怪獣「ガメラ」。 ガキの頃のトラウマばっかりだが今見るとしょせん作り物。 だが、その作り込まれたメカニックや模型、破壊的なまでのストーリーは見応えしかない。 CGはチャちだが、月夜に舞うイリスの美しさ、ガメラとイリスの壮絶な死闘がそんなチャちさを感じさせない迫力! 仲間由紀恵もアボーンッ。 東宝はどんだけ東京と京都を火の海にすりゃ気が済むんだ! ちったあ自重しろよ(褒めてる)!!  だのにあれだけ重要な伏線を全部未公開シーンにぶっ込むたぁ、一体どういう神経してやがる。 幼少イリスはキモカワイイ。頭部の可愛さだけは異常。 熊涙目。触手プレイまでしちゃって覚醒。夕陽をバックに触手を拡げるシーンの禍々しき美しさ。イリスも勃(ry ギャオスの生々しさ、ガメラの容赦のなさ。 子供を守った“ように見える”だけなんだろうねえ。 いいかっ!「ゴジラ」の自衛隊が頭おかしいだけなんだよ(褒めてる)! この「ガメラ」だって航空自衛隊の回避能力はおかしい(賛辞)。 毎度生き残る大迫さんも色々おかしいです。  腹の次は腕を吹き飛ばすラストバトル。  ガメラ「俺たちの戦いはこれからだ!」  
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 00:27:05)(良:1票)
10.  彼女と彼(1963) 《ネタバレ》 
まず、左幸子が若くて可愛い。初々しい彼女と、ヒゲ面の野性的な伊古奈との対比が効いている。左幸子はとにかく誰にでも優しい、伊古奈もまた粗野ではあるが本当は優しさに溢れた人間だ。東京オリンピックを前にした年、百合丘を舞台に穏やかな昭和ノスタルジーに浸れる作品。
[映画館(邦画)] 9点(2014-05-26 19:53:12)
11.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 
原作かアニメか 皆さんどっちが好き?俺は両方とも大好きだ。原作とはまた違う終わり方が気に入っている。特に原作のナウシカのその後を考えると余計ね・・・。 だが、原作を未読の者は絶対読んだほうがいい。クシャナ殿下が最高すぎてバンジャアアアアアアイッしたくなるから。 戦争によって文明が滅んでうん千年。 再び蘇った文明は軍隊を連ね、流浪の民は自然の山や谷を守って暮らしている。 そこを飲み込もうとする腐海の森に、人間が産んだ「負の遺産」とやらが絡んでくる。 人間の愚かしさとどう向き合い、どう生きるのか。それをとことん突き詰めるのがこの映画。 荒野を歩いてくる人影は、胞子で覆われた廃墟を見つめる。真新しいかと思い拾った人形はぼろりと砕け、男は独り言をつぶやき去っていく。ナウシカの冒頭は、作品世界を観客に紹介するように人物の独り言が目立つ。それは観客への配慮でもあるし、孤独に旅を続ける自分に言い聞かせるための行動でもある。 そんな事がどうでも良くなるようなオープニングは、巨神兵と共に「火の七日間」を“語り”ながら少女が森に降り立つ姿を映す。「ラピュタ」でも似たようなオープニングだった。 巨神兵すら飲み込む胞子の森の散策、遺跡のようにそびえる巨大な王蟲(オウム)の抜け殻、武器を作るための“眼”を獲得し、それを傘にして独り言をつぶやきながら森で静かな一時を過ごす。 その静寂を破る王蟲の爆走!!一枚一枚の装甲を動かすように走るオーパーツレベルの作画、唸りをあげる布袋のギター!このシーンは何度見てもワクワクしてしまう。 この王蟲が都市の防壁を簡単に粉砕してしまうのだから恐ろしい。 その勢いを一瞬にして止めてしまうナウシカの優しさ。警戒する動物を受け入れ、それを鎮めてしまう不思議な能力を持っている。 原作のナウシカも優しいけどそれ以上にキチガイ振りと戦闘民族振りが異常(ry それ以降も大型輸送機が運ぶ“呪われた産物”、トルメキア軍との死闘、アスベルとの出会い、風の谷VSトルメキア、コルベットの戦闘、ナウシカの決死行などなど見所が多すぎる。特に戦車を奪ってそれをブッ放す、巨大ロボットに命令して大軍を焼き払うなんて漢のロマンすぎるっす。 それを女傑がやるんだからクシャナ殿下バンザアアァイッ!!!
[地上波(邦画)] 9点(2014-01-03 16:38:06)(良:1票)
12.  彼女と彼女の猫 《ネタバレ》 
1999年制作のフルver.を見た。  白黒の画面の中を四季がめぐり、ナレーションによる語り。  雨が降りしきる外、傘の下で微笑む?猫との出会い。 猫だけ漫画のキャラの様にデフォルメされ、顔がハッキリ映されない彼女の衣服はかなり描き込まれている。  髪、化粧、人間である彼女には母親のようなぬくもりと憧れ、同じ猫の彼女(コッチもデフォルメ調)にはそんな姿を嫉妬されてしまう。  空を覆う雲、カーテンを揺らす風、倒された椅子、こぼれる涙、座り込んだ姿が伝える哀しみ。  撫でてくれる手、白い息を受け止める手、扉を開き今日も出ていく。  これの続編?にあたるのが「Everything Flows」版なのだろうか。
[DVD(邦画)] 8点(2017-03-26 14:02:37)
13.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
この映画の大らかさが好きな人は、きっとカウリスマキの大らかさも好きになってくれると思う。 ただ、カウリスマキがフィンランドの町並みから社会の底辺や人々の闇も捉えるのに対し、この映画は太陽の光を注ぐように明るい、何処か陽気な雰囲気を終始貫く。  水のイメージとカモメたちのイメージから始まり、一人一人客が増えていくように、徐々にハマッていく作品だ。  地を歩くカモメ、かもめ、かもめ、かもめ。  ガラガラのレストラン、窓を隔て、女の耳に御夫人たちの噂は入ってこない。  客も来ないので居眠り、一人で泳ぐ、日課の合気道・・・よく一ヵ月も持ってたのが不思議なほど暇そうな顔で登場してくる。  「ガッチャマン」の歌を通じて出会う様々な人々、ニャロメを着た青年。頭から歌詞がスッと出てこず、止まる指。それが奇妙な巡り合わせで再びペンが入っていく歌詞。 歌が繋げる。   渋いオッサンのコーヒー講座、ちょっと怖いかもめの絵(「ムーミン」風?)、久々に食べる故郷の味に泣く、 アラスカ、タヒチ、ハモる女二人の談笑、森で花摘み、おにぎりを食べ、それを珍しそうにじっと見つめる人々。  ターヤ(Tarja Markus)のエピソードが一番面白かった。 無言でいつも店を睨み、入ったかと思うと無言で盃をグイッ、無言で見つめ合う。お?イメージ通り酒も強いのか?と思った瞬間にバッターンと倒れる。 胸にためこんでいた思いを打ち明け、帰らぬ夫の事を想いながら藁人形に釘を打ち込む。夫のTVも視界も砂嵐状態。  人魂のように揺れる電灯、サングラスで休日を満喫。ターヤもスッキリしたのか、大分女性らしい格好に。  泥棒を合気道で打ちのめす場面。この映画で唯一と言ってもいい対人へのアクション。しかしそれでもっと大きな事件が起きそうで起きない、この緩さ。  赤ん坊のようにコーヒーメイカーを大事抱きかかえる、黄金のように輝く花。  食堂もプールも孤独ではなくなった彼女の姿を映して物語りは締めくくられる。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-08 19:22:52)
14.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
本人は不本意な胸中だったかも知れないが、実際に零戦に乗って激戦をくぐり抜けたパイロットたちは愛機と死線をくぐる事をいとわなかった。 零戦に愛情を注いだ二郎の魂に、パイロットたち空に生きる人間の魂が共鳴していたからだろう。 だからこそ二郎は「諸刃の刃」の犠牲よりも、自分の飛行機を愛してくれた男たちの命を何とか助けてやれんかと叫ぶ。 座席の裏側に防弾の鉄板を設置できていたら、一体どれだけ多くのパイロットを生還させられたのだろうか。そんな二郎の願いは、物資の不足と軍部に握りつぶされる。 やり場の無い怒り、戻ってくる零戦の残骸に心を打ちのめされる日々(劇中では描かれないが、そういう虚しさがひしひしと伝わる)、そして最愛の人である菜穂子を蝕む病。 二郎の心は渇いていく。 まるで二郎に声を充てる庵野のように、仕事に対する冷静かつ、冷徹な「執念」だけが研ぎ澄まされていく。 憧れのカプローニのような飛行機をいつか作りたい。 夢と情熱を執念にかえて生きる二郎。 その強すぎる思いが、時に人を傷つけ、自身でも気づかない内に空回りする時もある。 そんな次郎を、菜穂子はただ黙って見つめる。 病に苦しむ菜穂子の横で、二郎は遠慮なく煙草を吸う。他人を思いやる余裕が心に無い次郎を、菜穂子は黙って許した。「いいわ」の一言で。 戦争が嫌いな男が戦闘機を作っている。そんな矛盾に満ちながらも、自分のやりたい事に真っ直ぐに生きる男に惚れてしまった、そんな女の「覚悟」でもある。 他人は「どうしてそんな事ができるの?信じられない?」と思うかもしれない。 解る人は解り、解らない人は一生解らない。 二郎と菜穂子の目に見えない「絆」は、その域に達してしまっていた。 戦争は終わりを迎える。 菜穂子は先にあの世に旅立ってしまったが、二郎は後に民間機の「YS-11(オリンピア)」を作った。武器も無い、多くの人々を安心して乗せられる旅客機だ。 彼の念願が自由に形にできる時代がやってきた。 二郎は本懐を遂げられたのだろうか。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-13 18:33:47)
15.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
内田吐夢の原案というのがまず面白い。内田吐夢というとどんな地味な題材もダイナミックかつ面白くしてしまうキング・ヴィダーのような名匠でした。「土」なんか農村の様子を延々と撮るような内容で「誰がどう考えても売れない」題材をヒットさせてしまいました。流石に「かぐや姫」はアイデアが斜め過ぎて没になってしまったようですが、そこに目を付けた高畑監督。 五年の歳月を駆けた作画の動きは流石です。今回の「竹取物語」は何故彼女が竹の中にいたのか?何故彼女は月からやってきた?などなど古典で語られなかったテーマについて新しい視点で描いていきます。 そうテーマは斬新で良かったのですが・・・いかんせんヒロインの性格が面倒くさい。 言いたい事があるならストレートに言えばいいのに・・・物凄く遠し、だけどズケズケとした物言い。解ったからハッキリ言ってくれよ・・・少くとも多くの人間を言葉で振り回す彼女は「罪な女」です。彼女を竹の中に閉じ込めた月の両親も真っ青です。 いやー高畑監督は良い意味でマジの「キチガイ」です。富野由悠季監督でもここまで狂ってません。「トトロ」で盛り上げておいて「火垂る」でハートフルボッコのリバーブロー・・・まともな人間がこんな凄い映画を作れる筈がありません(褒めてます)。 かなり長さを感じましたが、中々の作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-31 19:57:22)
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