1. 残菊物語(1939)
映画という芸術に対するひとつの回答があるような作品です。ひとつは、やはり構図ですね。例えば絵画における構図を思い浮かべると良いのかもしれない。名画が名画として成立しているのは画家が描き出す構図空間の見事さによります。映画でも同じです。主役、脇役、背景をどのように配置するかで全てが決まってしまう。そして、もうひとつが空間と観客の一体感です。例えば舞台演劇における役者と観客の一体感が良い例です。舞台では、常に観客が現実に起こっている状況の目撃者になっています。これを映画で実現するには長まわし以外にありません。空間が移動し役者が現実の時間と同時進行で動く状況が続けば、観客は今起こっている目撃者としての立場から、見事に中に入っていけるわけです。というわけで、すごい作品です。音声が聞き取りづらい点があったが、親切に字幕入りだった。って、英語の字幕じゃわかんないだろう。 [映画館(字幕)] 10点(2005-12-04 22:32:42)(良:2票) |
2. 座頭市(2003)
所々、やや控えめなギャグが入っているけど、雰囲気を壊さない程度に笑える。最後のダンスはサービスだから、途中、色々感じた複雑な気分を立て直すには結構効果があります。悪人の正体がばれていく過程はなかなかだが、いかんせん市が強すぎる。やられる気がしないから、ハラハラもしない。淡々と斬っていくけどやたら血は飛んでる。その感覚を狙っていたのかもね。危うくやられそうになり「俺がやられたら終わっちゃうよ、あぶねえ、あぶねえ。」みたいなシーン期待したんだけどな。 [地上波(字幕)] 7点(2005-11-07 18:27:26) |
3. 三十三間堂・通し矢物語
う~ん、やっぱり田中絹代にします。すみません五十鈴さん。私は何を言っているんだろう?長谷川一夫がかっこいいなあ。徐々に明らかになる人間関係と勝負の時を迎える盛り上がり。展開が絶妙です。後を引かないでさらっと終わるラスト。しかし鮮烈な印象。丁寧な描写が光る名作だ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-19 00:37:58) |
4. サラリーマン忠臣蔵
日本人は、忠臣蔵が好きだから、ストーリー展開はすんなり受け入れられるでしょう。まあ、当時のサラリーマンの生活も、実際はともかく、納得できる感じです。あだ討ちをどんな設定にするのか、興味がもてました。これで、続を観ない人はいないでしょう。東宝の豪華キャストがみんなサラリーマンというのも見所か。 6点(2004-10-24 22:11:39) |
5. 三大怪獣地球最大の決戦
キングギドラの出現は衝撃的でしたね。怪獣としては秀逸でした。手がなくて頭が三つ。しかも羽があり、金色に輝く。地球の3怪獣との対決にしたのが惜しまれる。限界だったのかもしれない。怪獣をいっぱい出して、安っぽくなったと感じたのは正直な気持ちです。ゴジラもラドンもモスラも、単独で活躍した名作があるのに、キングギドラだけが無いのが悔やまれる。ドゴラなんかもあるのになあ。 8点(2004-09-25 22:23:47) |