1. 下妻物語
どのカットも隅々までしっかり画作りされているんだけれど、私にはどうしてもこの監督の色彩感覚やセンスがあまり映画的とは思えない。 でも本作にはそのテイストさえも合っていたように思う。 オープニングから繰り出される小ネタは文句なしに笑えるし(ジャスコや尼崎、そして水野晴郎のくだりでは声をあげて笑ってしまった)、ストーリーやキャラクター造形もしっかりしており、大変楽しめた。 自分の美学をしっかり持って周囲に迎合しないヒロイン達は本当に魅力的で、二人の体当たりの演技も素晴らしく、ゴスロリが完璧にハマってた深キョンにも、淡い初恋に涙する土屋アンナにも完全にやられた。 痛快で爽快な快作。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-20 00:17:32) |
2. 地雷を踏んだらサヨウナラ
結果だけ見れば悲惨といっていいはずの若者の晩年を描いていながら、不思議なほど主人公の内的葛藤や戦場の恐怖に戦慄するシーンが少ない。 浅野演じる泰造は、一時帰国した折、家族の前で、実にあっけらかんと血生臭い戦場の様子を語る。 そんな筈がない、という人もいるだろう。実際の一ノ瀬氏はどうだったのかわからない。しかし私的には、この主人公の様にとてもリアリティーを感じた。 もしかすると一ノ瀬は戦場に身を置いてはいても「命を賭して」などというつもりは全くなかったのではなかったか。 功名心、憧憬、無自覚かもわからないが使命感などの、色々な思いが混沌としている中、押さえられない情熱に従っただけだったのではないか、などということを思いながら観た。 うそ臭いヒロイズムに流されず、浅野忠信は、実にうまく演じていて素晴らしい。 私が見た、一ノ瀬氏の写真の印象に違わない、優しさのあるいい映画だった。 9点(2004-05-13 20:57:38) |
3. 12人の優しい日本人
こりゃあ面白い。いかに日本人が議論下手とは言え、議論どころか学級会にすらなっていない前半部分は「いいかげんにしろよ(怒)」状態で観ていましたが、後半、見事にひきこまれます。最後のオチもきっちり本歌取りになっており、脚本の巧みさに唸らされます。本家ハリウッド版をこよなく愛する私としては、今まで観ず嫌いだったことを、猛省いたしました。 9点(2003-12-24 11:42:28) |
4. 春琴抄(1976)
百恵・友和の映画はほぼ全て当時劇場で観ましたが、中でもこれは特に好き。佐助の究極の愛の姿にエロスすら感じた11歳のワタシなのでした。 8点(2003-11-19 10:45:07) |
5. 失楽園
これって、日経新聞に連載していたからこそ「過激」だったし「大胆」だったんじゃないですかね?通勤電車の中で読む、というシチュエーションじゃなければ、べつにぃ~ってなもんで。 中高年(あっ私も入るのか??)は、ほんとにこんなのに憧れるんだろうか。 おまけに森田芳光は、ほんとにこんなのを撮りたかったんだろうか。う~ん謎だ。 1点(2003-11-17 18:39:47) |
6. 幸福の黄色いハンカチ
「エエ話や」的な泣かせ映画ですが、いくらなんでも、あざとさが鼻につく感じ。武田鉄矢の思い切った起用など観るべき点はなんわけじゃないけど、脇を固めているのも寅さんファミリーの皆さん、みたいなあくまで予定調和的な攻撃にはちと退いてしまうワタシなのでした。↓「竹山ひとり旅」は観てません。すいません。今度観ます。 5点(2003-05-31 15:32:43) |
7. Shall we ダンス?(1995)
いつもながら、この監督は脇役を輝かせるのが上手い。役所広司も上手い。完成度が高く大変楽しめたのですが…。内容的には「しこふんじゃった」の大人バージョン、とでも言いましょうか。。。こうも3作続けて同じテイストだと、ちと減点したくなってきます。周防監督の今後作に期待大です。 7点(2003-05-18 13:18:44) |
8. シコふんじゃった。
気楽に笑えて、ジーンと来る。しょぼいアイドルモノばっかの、日本の青春映画の中でも郡を抜いた良い作品でした。 8点(2003-04-08 11:20:09) |