1. 戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH
《ネタバレ》 清水崇マジすかね。 というのが正直な感想で。 こんなことでいいんでしょうか。 壊れてますこの作品。 う~ん話の整合性をつけろとかそういうことではなく、全体的に質が低すぎる。 時間と空間が入り組んだ話を見せるということはそれはまあそれでいいのだが、あまりにもひどい脚本(子供以外のセリフが全部舞台調)あまりにも安い美術、安いCGまで使っちゃって、なおかつ役者もなあ…子供とお母さん以外の役者は全部ダメだろ。演技のつけ方(つけたのか?)もひどいではないか。全員棒読み。妹だけは演技過剰。 ひどい。Jホラーの質はだいぶ上がったと思っていたけどこれはひどい。めちゃめちゃ輸出を意識した作りだがとても世界に出せるレベルではない。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2011-10-09 00:47:16) |
2. 絶対恐怖 Booth/ブース
《ネタバレ》 この内容だったら、全然お金かけてないと思われるが、お金使わないわりにはそれなりによくできました、というべきでしょうか。 これは脚本がよくできていて、DJが精神的に追い詰められていく過程を、ブースという密室の中でうまく表現していると思う。投稿者との電話のやりとりをするたびにどんどん状況が悪化していく、というのもなかなか新鮮なアイディアだ。 自分勝手な今風の若者を、一人称で(主人公の目線から)描き観客に提示することにより、「今どきの若いもん」への反面教師的意味あいも持たせていると思う。 ただ、海に落ちた小島聖が生還したうえニュースを読みに登場する、というのはいくらなんでもリアリティが無いしご都合すぎ、新人アナの鋭すぎる突っ込みにも違和感あり。この話の場合は、もっとリアリティにこだわって欲しかった。ディレクターや構成作家との疑心暗鬼のやりとりはけっこうスリリングで良かったんだけどなあ。 あと…日本髪で着物の女性を出して観客を怖がらせようというのは、安易すぎると思う。ラストはもう少し工夫したほうが良かった。やはり、低予算のわりにはまあ…という程度の出来。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-11-20 15:57:13) |
3. 洗濯機は俺にまかせろ
《ネタバレ》 80年代を背景とした作品だという。そのころ確か、世の中はバブリーな景気にあふれていた、ように記憶している。「新しければ新しいほど良し」「高価なものほど良し」という価値観が、乱立する各種新店舗や、ビルや、都内にあふれる外車にもあらわれていた。と思う。 この映画には、ツルピカした新しいものや、ゴージャスなものが、全く出てこないし、人間もそうだ。そういう確かな美意識に裏打ちされ、新しいものを慎重に排除して、作られている。 で、出てくる人は誰も彼もなんとなく貧乏な雰囲気で、「バブルはどうなっていたのか?」とも思うのだが、そういうリアリティを求めた映画ではないんだろうたぶん。 富田靖子も「きれいな人だから」では全然なかったし、ラブシーンとて不発。各登場人物も、裏ビデオで拘留とか借金まみれとか不景気な話が続く。 では「ツルピカしたものやゴージャスなものが無い状態を楽しむ」以外に何かいいところがあるのかというと…なんていうか筒井道隆の木崎を見ていると、「過去に自分の知っていたいろんな男性(恋愛感情の有無問わず)」のことを、筒井が何かするたんびに思い出してしまった。「そうそう、こういうこと言う(男って)」「そうそう、こういう態度とるよね(男って)」。 木崎っていうのは、「次にこうする(言う)だろう」という予想をことごとく裏切らないやつなんです。木崎ってのは、いわば「男の最大公約数」なヤツ。「ザ・普通の男」。 ほのぼのしてていいんだけれど、私はこれはわざわざ映画にしなくても、という気もする。TVドラマで充分な内容ではないだろうか。なぜ映画化したんだろう…?というくらいドキドキも発見もない映画。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-11-10 20:14:09) |
4. 贅沢な骨
《ネタバレ》 これはまさに…私は岡崎京子「Pink」を思い出しちゃった。 けど、「Pink」は「資本主義対個人の戦い」が狙いだったのだが、「贅沢な骨」は違う。 ホテトルやってても平気なふりをしている、という点は同じだが、「Pink」の主人公は本当に罪悪感が無かったし、「自分の持ち物のうち、売れるものを売る」という形で資本主義を攻略しようとしていたのだった。対して、「贅沢な骨」のみやこは…「あたしは不感症だから体売っても平気だからいいの」だ。 「不感症の女がセックスしても、セックスしたことにはならないから、していないのと同じだから、売春したって平気」。そこに、さきこを養ってやるという義務を追加して、彼女がホテトル稼業を営む状況が成立している。よって、新谷による開眼後の売春は苦痛を伴うものになり、営業後の口直しに新谷にまとわりつく…ということになっていく。 「Pink」にも3人の共同生活が描かれ、メンバーはホテトル嬢と腹違いの妹と作家志望の青年である。そして…彼氏の作品が受賞して金が入るという「偶然の幸運」という動機によって売春をやめ、お約束のように「南の島へ旅に」出ようと水着を選ぶが、出発当日彼氏は車にはねられ死亡。知らずに空港で待つ元ホテトル嬢。 が、行定監督が犠牲者に選んだのは、ホテトル嬢のほうだった。変態電車男に首を絞められて死んだのだろう。もちろん、自分から「締めてくれ」と要求したに違いない。 どうも監督は「汚れているとはどういうことなのか」ということを言いたかったらしいのだが、そうであるならば、性描写がちとしつこすぎたように思った。エロシーンが映画の邪魔をしている…と私には思えるくらいだ。 この3人を見るかぎり、日本はなんてひねくれた希望のない国なのか…という気がする。ここにいるのは「法」とか「奉仕」とか「道徳」とか「理想」とは無縁な若者たちだ。それが、今の日本の若者の雰囲気である、というふうには…私は認めたくない。20何年生きてきて、共通の話題が古いバンドの曲のことだけとか、3人同時に楽しめるのは他人に花火を投げつける時だけ、とか、あんまりにも情けないと思うなあ。それでいいのか。それが〝時代の空気〟か。 私は「Pink」は認めるけど、「贅沢な骨」の空気感は支持しない。この映画は、外国の人には見てほしくない。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-10-04 13:49:08) |
5. 千年の恋 ひかる源氏物語
《ネタバレ》 まかりまちがってもこれを日本国外へ出してはならぬ。(丹波哲郎でお願いします) …ちょっとぐらいはまじめに書いとこう。まあ完全に「舞台」である。そしてリアリティは大河ドラマ以上にゼロ。渡辺謙みたいなワイルドな公家がいるわけないだろ、とかなんで清少納言が森光子、とか以上に耐えられなかったのは、「帝様」「源氏様」「○○の上様」なる非常識な呼び方じゃあ。天皇は「おかみ」、皇族なら「宮」、それ以外は職名で呼ぶに決まってるだろうが。(奥さんは単に「上」とかでしょ)誰が誰だかハタ目にはわからんというのが当時の朝廷なり公家社会じゃあ。こればっかりはダメ。全部現代語による劇(昔の大河ドラマであった)にしたいなら、いっそのことそうしてくれたほうが良かった。かろうじてまともに評価できるのは「源氏物語」が中宮彰子の教育(?)のために書かれたという「新解釈」くらい。それさえ大間違いと思うが。それから天海以外の女優さんが誰も「ハッ」とするほど美しく撮れてない。天海の一人勝ち状態。そんな雅な天海でさえ、「男のずるさ」は演じきれていない。「光源氏」を際立たせるためにはナミの男優じゃダメだからさあ、という製作者の皆さんよ、誰かを忘れていませんか。そう、日本が世界に誇るおしょうゆ顔の美男子 及川光博を。光源氏やらせてあげたかったな。本人もそう言ってるし。 [地上波(吹替)] 3点(2006-01-03 18:20:22) |