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すぺるまさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  時をかける少女(2010) 《ネタバレ》 
走るという運動の美しさに勝る運動は映画においてはないんじゃないかって毎度のことの様に思うのだけど、やっぱりこの映画を観ててもそれはそうで、あかりが駆けると、それは何やら美しくて泣けてくるもんだ。 そもそも映画における感情とか物語とかありとあらゆるそれらの整合性にあんまし興味がない自分としては、この映画のあまりにも割り切った出鱈目っぷりが好きで、それはあかりが合格発表の時に鞄の中からありとあらゆるものをぶちまけたにも関わらず次のカットではそんなの無視して立ち上がちゃう。何を描きたいか、今何を見せるべきなのかに重きを置き、あの鞄から出したあれらどーしたんだということなど、まぁそれはジャンプカットってことで繋がるってことでいいでしょと、すっとぼける。あそこで鞄にあれらを戻すショットを入れていたなら、あかりの感情は半減してこちらに届いていただろう。冒頭からその出鱈目っぷりさが目につき、これはそういう映画なのだと納得したのだ。 そしてラストはいい。亮太が作った映画のラストショットがあかりの背中だったのに対して、この映画のラストショットは背中を見せたあとの正面、更にはクロースアップのストップモーション。後ろとは亮太からの視線、つまり過去からの視線だ。前からの視線、それはあかりのこれからを予感させる視線。つまりラストショットの彼女の素晴らしい笑顔のストップモーションは、きっと素晴らしいであろう彼女の未来を予感させてくれるのだ。つまりたったふたつのショットであかりの未来を描いている。
[映画館(邦画)] 6点(2010-04-12 01:03:49)(良:1票)
2.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
映画で人が走っている瞬間は素晴らしい。 この映画の主人公三人は、もう一度やり直したい、どうすればこの柵から抜け出せるかということをきっかけに、唐突に走り出す。 オープンカーの屋根を開けることで女の決意となった瞬間の美しさや、妻に見つかったことでの後ろめたさで狼狽する醜さや、大人に対する嫌悪感や子供であることの無力感、それらが一気に膨れ上がり映画そのものも走り出す。  そして彼らは「どこか」に向かう。家族という社会での最小単位のコミニュティから、救いがあるかもしれない「どこか」に辿り着くために外へ出る。しかし小泉今日子演じる佐々木恵が目にしたものは、海であり、海の向こうには陸だか船だかそれがあるのかもわからないくらいにまだ海が広がり続ける。 結局、三者とも、どこかに辿り着けそうで、どこにも辿り着けないのだ。 実際に存在したかもわからない橙色の光を見つめ涙したり、一度は死んでみたり、子供ながらに大人と同じ扱いを受けてみたり、果たしてそれが何か救いになるのか。 そして彼らは結局もとの位置に戻るしかないのだ。  恵は、自身を傷つけようとしている役所広司演じる泥棒に、最後に信じられるのは自分自身でしかないと言う。 井川遥が演じるピアノの金子先生は離婚するのだが、もともと他人だったのがまた他人同士に戻ったと言う。 所詮、個人は個人、他人は他人に過ぎない。自分ですらもうひとりの他人である。しかし一番信じられるのは自分でしかない。 この三人は静かに自分を信じ始めたからこそ家に帰り、お母さん役が作った朝食を食べたのだ。  確かに個人は個人で、自分の悩みなど自分で解決するしかないのだし、家族と言っても所詮は他人同士のコミュニティだ、でも違うんだよ、そうなんだけど違うじゃん、それだけであって欲しくないじゃんという、前向きな希望があの象徴的なラストシーンにはある。 それこそが救いだろう。許しや救いというのは愛の中にしかない。あの愛情に溢れた(ように見える)家族は陽の当たる中を、カーテンがたゆたうほどのそよ風に乗りながら、そうだけどもそうだけであって欲しくないじゃんというアカルイミライへ歩んでいくのかもしれないし、あるいはそうじゃないのかもしれない。  しかしながら、すべてはあの海だ。あの横一直線に光る白波と小泉今日子、そして朝日を目一杯浴びる。まるで生き返っていくようだ。
[映画館(邦画)] 9点(2008-12-31 23:59:22)(良:3票)
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