41. にっぽん昆虫記
《ネタバレ》 内田吐夢監督の『飢餓海峡』と負けず劣らず左幸子の演技が凄まじい。 彼女の熱演なしには、本作のパワーは生まれなかったであろうことは相違ない。 男と女が情欲に流されるまま、まるで昆虫の様に生きる姿をリアリティに演出した今村監督。 『赤い殺意』と非常に似たテイストの作品だが、本作の方がパワー・リアリティ・性的描写の全てにおいて上であろう。 宗教、父娘の親密過ぎる間柄、母娘丼、売春、他人の子を身篭り「あなたの子」と騙す、チクリ、金への執着、強姦、、などなど、際どいテーマてんこ盛り。 それらを下手に飾ることなく、リアリズムに徹して描いた今村監督。 「調査魔」と呼ばれた今村監督だからこそ、リアリティを欠くことなく描くことが出来たのではないだろうか。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-27 11:48:47) |
42. 20.30.40の恋
20代と30代と40代の女性の3人のラブストーリーが平行して描かれる。 前半はあまりにめまぐるしく三者の話が入れ替わるので、散漫な印象を受けた。 しかし、だんだんと一人一人の話がじっくりと描かれる形に移行していき、途中からそれなりにハマることができた。 特別に傑作とは思えないが、それぞれの話はなかなかにしっかりしていて、それなりに楽しめる佳作である。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-03 01:39:54) |
43. にごりえ
三つの話から成るオムニバス。 樋口一葉の小説を映画化したもの。 第一話と第二話は普通の出来。 第三話はとても良い。 山村聡、淡島千景ともにいい味を出している。 最後の幕切れはありきたりだが、その裏には、理屈では割り切れない“切りたくても切れない男女の仲”という、永遠不変のテーマが横たわっている。 そう、成瀬巳喜男監督の作品に通ずるテーマが、本作の根底には流れているのだ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-27 20:25:49) |
44. 日本黒社会 LEY LINES
黒社会シリーズって、題名とは裏腹に面白くないんですよね~ 題名だけ聞くと、もの凄いアウトローで怪しい裏社会が描かれているイメージなんですが、実際観ると大したことなかったりします。 [ビデオ(邦画)] 3点(2007-10-14 17:39:27) |
45. 虹をつかむ男 南国奮斗篇
前作同様、かなり楽しめた。 『男はつらいよ』シリーズより、ある意味面白いかも。 少なくとも吉岡秀隆に関しては、『男はつらいよ』シリーズよりもらしさが出ている。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-10-14 17:37:37) |
46. 虹をつかむ男(1996)
当時、映画館で2回連続で観た作品です。 当時は入替制とかじゃなかったのかなぁ? というか、今でも映画館によっては連続鑑賞が可能なのかな?? よく分からないが、冒頭のオノデンで働く吉岡秀隆のシーンが印象に残っています。 終り方もいいですね。 [映画館(邦画)] 7点(2007-10-14 17:36:13) |
47. 二十四時間の情事
岡田英次はこういう二枚目路線よりも、もう少しズレた感じの2.5枚目がいいんでないでしょうか。 具体的に言えば、『砂の女』で惨めに奮闘する学者役ですとか。 [ビデオ(字幕)] 3点(2007-10-14 17:34:23) |
48. 人情紙風船
さすが山中貞雄の代表作だけあって、痺れる緊張感がありました。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-13 10:19:44) |
49. ニライカナイからの手紙
綺麗な映像の数々ではあるが、そもそも実際の“竹富島”という島の光景自体がとても綺麗なものなので、これは“そのまま美しく撮れている程度”にすぎない。 つまりは、映画作品として考えるならば、もっと美しく撮れていなければ不足なのではないだろうか。 語弊はあるかもしれないが、“現実の美しさを過大に表現した映像”を期待していたのだ。 そういう観点からすると、“映像”に関して言えば、いまひとつというところだろうか。 しかし、もっと問題だったのは、映像以外の演出レベルに関してだ。 現地の人を採用し、リアリティを出したであろうことは容易に推測がつく。 しかし、もう少し演技指導をつめて欲しかった。 それに、あまりにも子役の演技がひどすぎるのも難点。 子役といえど、最低の演技レベルはクリアーしていて欲しかった。 そして、何と言っても一番問題なのは、“竹富島”を舞台にするシーンが前半の40分で終わってしまうことだ。 2時間近くある上映時間の中で、“竹富島”を舞台に繰り広げられる時間帯は、最初の40分だけなのだ。 その後は、主人公が東京に渡ってしまう為、主な舞台は東京になってしまう。 これは、普通の作品ならば、別に何も問題とするところでないであろう。 しかし、この作品を観ようと思った人達は、きっと“ジャケット”やその“タイトル”から、“美しい竹富島でのおはなし”を期待し、この作品を選んだに違いない。 なのに、この時間配分は一体・・・ 出来栄え的には難点の多い本作ではあるが、“竹富島の美しさ”と“そこに住まう人々の素朴”さ、そして“その独特なる文化”を伝える作品であるという点において、非常に評価できる作品であると感じたからだ。 “竹富島”が好きな方、“竹富島”に行ってみたいと思っている方には、是非オススメしたい邦画である。 そして、主演を演じた“蒼井優”であるが、特別に美人であるとか、演技が上手というわけではないが、独特の魅力を持った女優さんだと思った。 今後の彼女の活躍に期待したい。→映画『フラガール』でブレイクしたようですね!おめでとうございます! [DVD(邦画)] 6点(2007-09-01 21:36:56) |