1. 肉弾(1968)
《ネタバレ》 ○反戦をここまでコミカルに描いた作品もそう巡りあうことはない。○画面のほとんどを寺田農が占めていたが、目が離せないほどの熱演だった。○軍国主義を否定していた主人公だったが、彼もそれに教育された人間だった。結局彼にとって戦争は最終的に仲間のためだったのだから。○ドラム缶の中で知らぬ間に終戦を迎え、そのままそこで最期を迎えるなんて。○寿命の話から本題に入るオープニングは見事だった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:51:12) |
2. 日本のいちばん長い日(1967)
《ネタバレ》 ○なんと濃厚な2時間半。恥ずかしながら知らないことも多く新鮮な感覚で見ることができた。○結末は分かっていながらの緊張感。畑中演じる黒沢年男の無鉄砲で実直な演技があってこそえもある。○厚木基地の話が若干浮いた印象ではあるが、各登場人物が存在感があり、見る者を引きつける。○日本にとって大きな節目を迎えた日から68年。戦争とは何か、いろいろと考えさせられる。 [DVD(邦画)] 9点(2013-08-16 13:23:27) |
3. 人間の証明
《ネタバレ》 ○今作の数年前の砂の器を思わせる構成。お涙頂戴も含めて。○どう見ても尺が足らないだろうという展開。○松田優作もいまいち。俺流でやってやろうという意気込みが役柄含めて空回りしている印象。 [DVD(字幕)] 3点(2013-01-06 20:59:03) |
4. 人間の條件 第三部 望郷篇
《ネタバレ》 小原のエピソードと妻と過ごした一夜のエピソードは見事。梶の顔が徐々に人間じゃなくなっていくような恐ろしくも悲しい表情になっていく様を仲代達矢が熱演。後半の吉田の話から少し微妙だった。 [DVD(邦画)] 8点(2008-11-04 09:59:48) |
5. ニッポン無責任時代
《ネタバレ》 時代と無責任という言葉のマッチングが絶妙。一見おちゃらけ映画だが、この映画におけるテーマ性は非常に面白いし、的を射ている。それに植木等の個性は素晴らしい。まさに俳優とは個性だな。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-25 16:20:30) |
6. 二十四の瞳(1954)
《ネタバレ》 戦争を知らない自分としては、これほど時代を反映した作品を観られただけでも満足。離島の小豆島までじわじわ戦争の波が押し寄せてくる描写がとてもリアル。特に当時の教育はとても怖い。子供の命を惜しんだだけで赤と見なされるとは恐ろしい。さすがに子供たちの死ばかりを見るのは苦しかったが、観て良かったと思える映画だった。 [DVD(邦画)] 8点(2008-10-04 22:53:05) |
7. 人間の條件 第二部 激怒篇
《ネタバレ》 1部に続きこの2部もかなりの完成度である。前作に続き映画として日本の悪態をしっかり映しているのは変わらず評価できる。そして、植民地支配という根本的な矛盾の上に正義を見出さなければならない苦労がひしひしと伝わってくる。1部に比べかなり暗く、理不尽な現実の描写が胸をえぐる。そして難しい役どころもある中、主要キャストは見事な演技をしている。 [DVD(邦画)] 9点(2008-05-19 00:58:04) |
8. 人間の條件 第一部 純愛篇
《ネタバレ》 人間の條件というタイトル以上に日本人による日本人批判が目を引く作品。何のためらいもなく捕虜を殴る日本人を堂々と描いている。こんなシーン他ではお目にかかれないと思うのでそれだけでも評価できる。そして、タイトルでは第一部純愛篇とあり、梶の奥さんはなんて素晴らしい女性なんだと思わせてくれたのだが、やはりこのタイトル以上のものが目立っており、純愛篇と一口に言えるものではないと思う。それでも、支配と暴力、正義に嘘など戦争という状況をうまく描き、これ一本だけでも非常に見応えのある作品だと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2008-02-08 23:30:34)(良:1票) |