1. 秒速5センチメートル
《ネタバレ》 すべてがキラキラと美しくそして切なく輝いていた「あの頃」・・・・。大人になってしまった人間がついつい求めてしまう世界がこの作品には描かれています。 また、この作品は綿密なロケーションに基づいて作られているので、ロードムービーとしても楽しめます。 [DVD(邦画)] 8点(2009-03-16 15:07:09) |
2. 陽はまた昇る(2002)
《ネタバレ》 サラリーマン必見の作品ですね。これを観たら絶対に「よし頑張ろう!」と思う筈です。いろいろな教訓を含んでいる良作です。 ただ、ちょっとVHS側に立ちすぎていて、まるでベータが悪で、VHSが導入されて良かったみたいな風にもとれる感じがするのが、元ベータユーザーで、ベータが無残に駆逐される様を身を持って体験した私にとってはちょっと面白くありませんでしたけど。(レンタルビデオ屋に行っても、VHSばかりでベータなんて殆ど置いてませんでしたからね・・・) [地上波(邦画)] 8点(2007-11-01 18:48:23) |
3. ひまわり(2000)
《ネタバレ》 記憶の底に眠っている過去の思い出を呼び起こしてくれた作品でしたね。この作品を鑑賞しているときも、ずっと自分の小学生時代を思い浮かべてちょっとノスタルジーに浸ってしまいました。 全体的に舞台劇を映画化したような印象の作品なんですが、麻生久美子の幸薄い感じの演技が妙にリアルで絶品です。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-30 20:57:51) |
4. 光の雨
《ネタバレ》 劇中劇という手法が非常に効いていますね。連合赤軍事件という、ニュース映像と文字でしか見たことが無い出来事を演じている役者達と共に考えながら見ることが出来て非常に面白かったです。 やはり、思想というのは人それぞれ違うものだから、どんなに同じ理想を求める集団であっても、思想の統一というのは難しいんだと思います。そうなると結局力のあるものの思想が基準となってしまい、そこから離れている者を排除していくようなことになっていくんですよね・・・・・。(実際、理想を求める社会主義国家には独裁政権が生まれやすい。) しかしまあ、裕木奈江の演技が凄みがありましたね。本当に恐ろしささえ感じました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-02-28 18:51:07) |
5. ピンポン
《ネタバレ》 松本大洋の原作の世界をそのまま映画に持ってきた感じでよかったです。しかし、中村獅童の存在感・インパクトは凄いですね。ストーリーは単純ですが、登場人物のキャラがいい味出しているのでとても楽しめました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-21 22:28:10) |
6. ビー・バップ・ハイスクール(1985)
《ネタバレ》 大人気作品の映画化とは言っても、キャストは演技力未知数の人気アイドルと若手俳優、そして本物の不良少年たちばかりで、ハチャメチャかと思えば中途半端に映画的で・・・という感じなんですが、そういった事を凌駕する不思議な熱力があって、駄作とは言い切れないんですよね。 地井武男の存在感は流石という感じでしたが、それ以外でいえば「演技力?何それ」って感じなのですが、逆に作品を引き締める演技のできる役者をできる限り排除した結果、若者たちの勢いとパワーが原作の世界と相乗効果を生み出しています。 縦社会の任侠の世界とは違う自由気ままな不良の世界(ファンタジーですが)を描くために任侠映画のプロットを使い、そのズレをユーモアに結びつけているのですが、その大人の巧妙な手口に騙された不良少年予備軍も多かったんだろうなとも思います。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-08-24 00:35:57) |
7. ヒミズ
《ネタバレ》 相変わらず、昭和後期の日本映画を思わせる作風(ヒロインがアイドルだったら、まんま相米慎二作品のようです)に、これまた相変わらずの壊れた家族関係を描いた、まあ「これぞ園子温監督の映画!」という映画なんですが、この作品はとにかく全てにおいてストレートです。見ているこっちが恥ずかしくなるくらいストレートです。 家族や社会に対するストレス、不満、不適合といった様々な要素が入り混じって、内面から湧き上がる暴力的な衝動をそのまま160キロのストレートにこめてスクリーンから投げ込んできて、何度打ち返しても打ち返しても、ひたすらストレートをど真ん中に投げ込んでくる感じです。 震災関連の設定もまた、園監督が2011年の日本という状況の中で恥ずかしげもなく衝動的に使ってしまったということで、この衝動だらけの作品の方向性に合っているように感じました。 決して傑作ではありませんが、ロックコンサートのようなカタルシスを与えてくれる作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2012-09-29 00:37:05)(良:1票) |
8. ヒーローショー
《ネタバレ》 ヒーローショーのように社会は単純に出来ていないし、悪いことをしてもセーフティーゾーンに逃げ込めば守ってもらえるし何とかなるなんて世の中そんなに甘くない・・・。そんなことを、井筒監督は世の若者たちに説いているような気がしました。 後藤淳平演ずる勇気は恐らく監督自身の思いを投影したキャラクター(非常に昭和的)なんだと感じました。そして彼をもう一人のユウキをはじめとする他の若者たちの起こす騒動に巻き込むことによって監督自身が感じている現代社会そして若者たちに対する苛立ち、怒りを表現しているのではないでしょうか?なので、合う人合わない人と別れる作品でしょうね。 主演のジャルジャルの演技も悪くなかったです。特に後藤の方は男前の役ということもあって本職の役者顔負けの存在感でした。福徳はまあ普段のキャラ通りでしたんで・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-10 12:12:19)(良:1票) |
9. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 この作品の主人公に蒼井優を持ってきたのは大正解ですね。本当にはまり役だと思いました。ストーリーも、前半(海と山)は一旦枠から外れると非常にうっとうしさがつきまとい暮らしにくくなる日本社会の嫌な部分を上手く描いていて面白かったです。 ただ、後半に入るとありきたりな恋愛ドラマが主になり、ちょっとパワーダウンしてしまったのが個人的には残念でした・・・・。最後は上手くまとめてましたけど。 [DVD(邦画)] 7点(2009-04-13 16:54:04) |
10. ビルマの竪琴(1956)
《ネタバレ》 戦争がいかに虚しいものであるかが、美しい竪琴の音色や歌声と共に伝わってくるような映画でした。 ビルマの風景がとても印象的でした。ただ、白黒なんですよね・・・・。「ビルマの赤い土をどうしてもカラースクリーンに描きたかった」と30年近く後にリメイク作品を撮った市川監督の気持ちが良くわかります。 北林谷栄が、この切ない物語の中で一服の清涼剤の役割を果たしています。 [映画館(邦画)] 7点(2008-02-24 22:25:20) |
11. ひみつの花園
《ネタバレ》 絶妙な「ヘタウマさ」を感じさせる映画ですね。何というか、精緻に計算された脱力感が非常に心地よかったです。西田尚美の突き抜けた感じの演技も良かったですね。 まあ、ラストがちょっとイマイチな感じがしましたけど、不思議な爽快感が後に残るコメディでした。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-16 21:44:30) |
12. ピストルオペラ
アバンギャルドですね・・・・。しかし、根底にあるストーリーがわかり易かったので流れもつかめましたし、鮮やかな色彩やセットの芸術性など見どころが一杯あるので、「次は何がでてくるんだろう」とワクワクしながら見てました。鈴木清順監督の作品は初めてみたのですが、他の作品を見てみたいですね。発想力の凄さに感服いたしました。 [DVD(邦画)] 7点(2006-09-14 12:33:59) |
13. ひかりごけ
《ネタバレ》 極限状態に置かれた人間の姿を描いた前半部分は非常に惹きこまれるものがありましたね。特に三國連太郎の演技には凄まじいまでのリアルさを感じました。 しかし、後半の裁判シーンから急に不条理劇や安っぽい怪奇映画のような展開になっていき、結局何を伝えたかったのかよくわからないまま終わってしまったのが残念です(まあ私が原作を未読ということもあると思いますが)。正直笠智衆の裁判官役には「?」という感じでした。 [ビデオ(邦画)] 5点(2008-11-29 20:12:08) |
14. ヒョンジェ
《ネタバレ》 まあ設定は悪くないし興味深いものではありました。ただ「差別があったから」「酷い目にあったから」と言ってシージャックを起こした人物に同情的な視線を投げかけるのはいかがなものでしょうか・・・・。「確かに世間は悪い、ただ、世間が悪いといって悪いことをする奴が一番悪い」という「野良犬」(黒澤明監督)での三船敏郎のセリフを捧げたいですね。 [DVD(邦画)] 4点(2008-06-28 23:40:36) |
15. 人の砂漠
《ネタバレ》 学生時代、沢木耕太郎の本を読み漁り彼の描く世界観に影響を受けたこともあり、その中でも好きな作品である「人の砂漠」の映画化と聞いて非常に期待してたんですけどね・・・・・。あまりに稚拙な解釈にがっかりしてしまいました。はっきり言って失敗作だと思います。 学生の作品なんで仕方ないといえば仕方ないんですけどね。でも、これを映画館で上映して、客から金をとったらダメでしょう。 それと、特殊な人生を送っている登場人物たちへの思いが全く感じられず、見世物的な感じで表面的に描いているのもなんだかなあという感じですね(まあ、上から目線なのはある意味原作もそうなので若者特有の「青さ」ということで理解できますけど)。この「思い」こそが沢木耕太郎の作品の肝なんですけどね・・・・・。 あと、各ストーリーでやたらと登場人物たちへ警官や地域住民、親類等が蔑視の視線や嫌悪感、憎しみをぶつけていますけれども、実はそれこそが作り手の本音なのが丸わかりで気味が悪かったですね。「屑の世界」の反対運動なんて、あんなあからさまなことをしたら大きなニュースになりますよ・・・・。 やたらとキャストが豪華なのがまた内容の拙さを強調していますね。 [DVD(邦画)] 1点(2010-10-19 23:46:24) |