21. 六月の蛇
芸術家=塚本晋也。観る者に全くおもねらない、しかし己の技量に浸るわけでもない。「六月の蛇」に、芸術という意味での映画として、個人的には最高のカタチをみた。これをみたら、日本の他の映像作家なんぞ、うわっつらだけのテクニックで、「どう?クールでしょ?」てな感じで、ただのパクリにみえてくる。つーか、なりたい。塚本晋也に。 10点(2004-01-31 20:00:55) |
22. ラスト サムライ
《ネタバレ》 トム・クルーズ、相変わらずセレブなオーラ出まくりなのだが、日本語を口にした途端に、単なる東洋かぶれのガイジンに成り下がる。こうなるともはや立て直しがきかず、しかも武士道精神をリスペクトしつつも小雪には熱い視線を送り続けるなど、都合がいいとこアメリカ人のままなのはどうなのだろう。まるでホームステイに来たエロ留学生のようだ。なによりそれをやってるのがあのトム・クルーズだというのが笑える。このようにトムが単なる道化にしかみえなかったのが多少は功を奏しているのかどうかは分からないが、渡辺謙がいい、よすぎる。もうたくさん出てくる、たくさん喋る。それだけでも同じ日本人として喜ばしい。普段はおくびにも出さない己のナショナリズムが満たされる瞬間である。ファーストカットも彼からだし、死に際の一言は、この映画の中で真面目に鳥肌が立った数少ない場面だった。私は日本人なので、渡辺謙らの英語を聞いてネイティブな人がどういう感情になるのかは、例えこの先自分がベラベラになっても一生分からないのだろうが、とりあえず日本人役者の英語に違和感を感じることはなかった。しかしトムの「さけー!」には一気に冷めた。私としては、話にムリが生じようともトムが終始英語で演じてくれた方が、少なくともより物語に入り込めたように思う。まあそんなのありえないんだろうけど、逆にそのあたりに、この手の映画をつくる上での限界を感じてしまう。 4点(2004-01-22 18:17:02)(笑:3票) |
23. ウォーターボーイズ
《ネタバレ》 わりと何回も観たくなります。つーかストーリーとか細かいとこ超テキトー、でもそんなのどうでもいいくらいの爽快感があります。多分計算だと思うんですが、いわゆる話の本筋、マジメな部分をすごくオーソドックス、というかベタに撮ってるとこが笑え、だけど最後には自分もベタになりさがり普通に感動してしまいます。バスの後ろの席でゲラゲラ笑うとことか、頭に火がついたままスローモーションになるとことか、中学生ライクな監督の笑いがツボです。 8点(2004-01-16 08:29:26) |
24. 千と千尋の神隠し
《ネタバレ》 父ブタ母ブタがメシを食い荒らすとことか、グロくて笑えます。そりゃびっくりするわなーて感じです。そういうとこのリアルさというか変にかわいらしくしない所がいいと思います。あと、監督けっこうオッサン、というか初老ぐらいの印象ですが笑いのツボはけっこうダークというか、現代っぽくて、その辺も好きです。最後も、仰々しくなくて好きです。でも、トトロのが好きです。 6点(2004-01-16 07:57:10) |
25. 木更津キャッツアイ 日本シリーズ
《ネタバレ》 映画だからと変な冒険をせずにTV版そのまんまのスタイルできっちり2時間作ってた所に拍手。TVのをビデオに録って何回もみてそれでもう飽きたー新しいのみてーとなってた頃だったから。まあTVのスペシャルとかでもよかったんじゃんてことだけど、映画にしたってとこでひとつのネタとして成立してるかなとキャッツアイの場合。内容も、文字で書くとしょーもなく感じるんだが、映像になるとなんでこんな笑えんだろうって感じ。その辺、スパイクジョーンズ&チャーリーカウフマンに通じるところがあるのか(ないか)。薬師丸ひろこがTVよりもがんばってた、笑った。しかし、中尾彬といい、岩松了といい、船越といい、知らなきゃ全然おもしろくないよねーTVっ子のための映画だこりゃ 8点(2003-12-31 00:22:59) |
26. キル・ビル Vol.1(日本版)
のっけからよし、テンポよしで120分はあっという間。そして全身ぐったり。「キルビル」の世界すべてに共感できたわけではないけれど、隅々までもれなく見所でほんとおもしろかった。ただ、「オレは前世日本人だったと思う」と何かでタランティーノが言っていたけど、きっと前世もアメリカ人なんじゃねえかなあ、異様に日本かぶれの。 9点(2003-11-21 20:24:06)(笑:1票) |