21. ハチミツとクローバー
うーん、青春とはうまくいかないもんだ。でも青春に限らず理花さんや花本先生たちも寂しげなわけから、大人だってうまくいかないもんなのかもね。それでもあきらめきれず、前へ進む努力をするしかなくて、その先に何が待っているのか、もしかすると何も待ってない可能性が高いのに、それでもそうするしか出来ない人たちの姿が良かったです。 [DVD(邦画)] 6点(2011-05-09 22:16:59) |
22. クロエ(2001)
なんだろう、この夢でも見てるようなフワフワした浮遊感。そんな中出てくる人物たちは、幸せな人も寂しさを抱え、幸せでない人も寂しさを抱えている。そんな寂しさをただ黙って受け入れ包み込むような淡い世界観。鑑賞後切ない余韻が消えません。最高でした。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-09 21:31:31) |
23. 余命1ヶ月の花嫁
実話の美談を思いっきりセンセーショナルに情動に訴える映画かと思い長い間敬遠してました。ところが実際見てみると、何気ない登場人物たちの淡々としたやりとりが抑えた演出で展開されていて好感が持てました。出てくる人たちがみんな情の深いいい人たちばかりです。悲しい話ではありますが、せちがらい世の中でこういった美談をたまに観ると少し嬉しくなります。 [ビデオ(邦画)] 7点(2010-11-15 21:50:10) |
24. 告白(2010)
長い間忘れていたけど、中学生くらいの時は確かにクラスの中にああいう集団の残酷さや、未熟さゆえの悪意といったものがあったと思う。実際は楽しいことも多くあんな殺伐とはしていなかったけど。でもこの映画で描かれてるような感覚は確かに実際あったと感じるところが怖いところです。毒にも薬にもならない映画が多い昨今、この映画はまるで毒のてんこもりです。紛れも無い久々の衝撃作でした。お見事。 [DVD(字幕)] 9点(2010-07-14 00:01:21) |
25. イン・ザ・プール
《ネタバレ》 見事なコメディーだと思いました。個人的には松尾スズキの演技と、最後追い詰められた田辺誠一の八つ墓村状態に爆笑し、その後水に飛び込むシーンのなんとも言えない清涼感とせつなさが心に残りました。間違いなく心にひっかかる作品でしたよ。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-30 22:08:58) |
26. 8月のクリスマス(2005)
韓国版未見で評価します。とにかく切なかった。エピソードの一つ一つが丁寧に描かれているので登場人物たちの心情がよく伝わってきます。また死に向かう厳しい現実とは対照的に、出てくる人々は暖かく、映される街並みの風景は少しノスタルジックで美しいです。あまりに悲しいラストですが店頭に飾られた写真で少しだけ救われた気持ちになりました。あとさすがに山崎まさよしの音楽の使い方は抜群にいいです。 [DVD(邦画)] 9点(2010-05-22 15:09:15) |
27. 好きだ、
これは実験映画といえる代物でしょう。豪華なキャストを揃えながら映すのはひたすら横顔と引きの絵。役者の演技を見ようにもよく見えません。さらにセリフが少なく間が長く、同じ構図の絵をひたすら繰り返す。変わった演出です。ただしBGMが全くないのは好きでした。結果として私が感じた印象は「もっと普通に見せてくれればすごく面白くなるはずなのに」というもの。この監督の作家性にハマるかハマらないかで評価が別れる作品でしょう。 [DVD(邦画)] 4点(2010-05-17 00:06:04) |
28. 憑神
《ネタバレ》 前半は結構面白くて話に引き込まれたし、死神が小さい女の子っていうのもシュールでなかなかいい設定だなと思いました。ところがその女の子が妙にこまっしゃくれていて実に小憎らしい。不快だなと思っていたらさらに不快なラストが待っていて唖然としました。ああいうラストにもっていくのなら、前半からもっと違う演出で話をすすめてくれないと困ります。前半は冗談半分みたいなノリなのにラストでやたら重くなるので見終わったあと気分が悪いというか釈然としないというか。さらに原作者出してダメなラストをさらにダサくしていて、見ているこっちが恥ずかしくなりました。 [DVD(字幕)] 4点(2010-05-06 00:07:06) |
29. その男、凶暴につき
これは面白い。まず武と白竜の演技。二人とも大したことは喋ってないんだけど、表情と動作と声色で凶暴で勘の鋭い人物像がよく伝わってくる。特に武のせかせかした歩き方だけでなんとなくその人間性が伝わってくるあたりは本当に見事だと思った。それから二人のボス(佐野史郎と岸部一徳)が両方冷たそうなインテリっていうのも面白い組み合わせだと思う。初監督作品ってことでどれだけ下手かと思ってみたらとんでもなく面白い。北野武って監督でも演技でもお笑いでもできるって、いったいどんだけの才能なんだと思った。 [DVD(字幕)] 9点(2009-11-18 01:24:33)(良:1票) |
30. Kids Return キッズ・リターン
誰でもふとしたきっかけで自分の才能を知り、未来にキラキラした未知の希望を抱くものだと思います。でも一方で誰にも弱点はあり、その弱点はいつになっても自分の前に現実として厳然と立ちはだかる。主人公たちのそんな体験を群像劇のように描いてあるところが面白かったです。ストーリーは淡々としてるものの監督の感性は話を通してストレートに伝わってきます。そこに北野ブルーの映像と久石穣の音楽が加わればもう映画として鉄板でしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-14 12:15:26) |
31. 容疑者Xの献身
私はガリレオシリーズの小説よりドラマ版が好きなんですが、そういう人はここでは少数派みたいですね。ドラマ版のような福山と柴崎のコミカルなやりとりや、一見オカルトに見える現象を科学で解明する、といった要素がほとんどないので「実に面白くない。」と思ってしまいました。ですが皆さんのレビューを読んで分かったんですが原作に忠実なんですね。そう言われればもう文句は言えません。明るい軽い映画を見るつもりで見始めたのが失敗だったなあ。 [DVD(字幕)] 5点(2009-09-20 19:43:26) |
32. おくりびと
《ネタバレ》 うーん。不思議な映画です。というか小粒ながらもこれは傑作なんじゃないでしょうか。主題は「ひょんなことから納棺師という変わった仕事に就いた主人公が、社長に天職と言われた通り、仕事を通して本人にとって最大のわだかまりであった父への思いが晴れることになる」といったところなので、あまり死の尊厳とかそういう難しいことを考える映画ではありません。あまりリアル志向の物語ではなく寓話的に作ってあり、映画全体が独特の浮遊感と穏やかさに包まれています。ですが寓話的に作ったからこそ、この映画は国境を越えても理解され評価されたのだと思います。おもしろかったですよ。 [DVD(邦画)] 9点(2009-05-24 00:04:22)(良:1票) |
33. スピード・レーサー
美術と映像技術は凄まじいものでした。話は子供向けのため随分甘口ですが、それをさしおいても魅せるだけの映像があります。新しい映像を見せてくれてありがとうと、兄弟監督に素直に感謝しましたよ。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2009-05-10 20:50:40) |