381. 虞美人草
《ネタバレ》 現存する溝口健二作品の中でも、特にマイナーな本作のレビューを、簡単ながら書いてみたいと思います。 本作は夏目漱石の小説『虞美人草』が原作となっています。 夏目漱石の原作の方は未読ですが、元々、夏目漱石は好きなので比較的興味を持って本作を鑑賞することができました。 本作は1935年の作品ですが、他の1930年代の作品と比べても特に保存状態が悪いです。 常に“暴風雨の状態”で映画を観ることになります。 セリフも当然聞き取りにくく、部分的に字幕で補われたりしています。 ただ、戦前や戦時中の溝口作品のほとんどが戦火で消失してしまっていることを考えれば、現存しているだけでも有難いわけです。 本作の数少ない巷のレビューを読む限り、かなり評価の低い作品であることが分かります。 しかし、個人的には普通に楽しめました。 理由としては、この時代の溝口作品にありがちな、「女が男のために一生懸命に尽くし、男だけは成功して、その女はむごいことになってしまう」というパターンとは異なるものだったからです。 もちろん、本作『虞美人草」の骨格的なストーリーは、原作の夏目漱石の小説によるところなのでありますが、私は当の夏目漱石自体を元々好きなわけで、その点も本作を楽しむことができた所以かと思われます。 ただ、巷の解説によれば、三宅邦子演ずる藤尾という女性が、最後に自殺をするらしいのですが、本作ではその最後の大事な部分が欠けてしまっているのです。 そういう点から見れば不満を多少感じなくもないですが、古めかしい日本文学が好きな私にとっては、意外にも普通に楽しむことができた溝口健二作品でした。 [ビデオ(邦画)] 6点(2021-06-05 19:14:27) |
382. 双生児
塚本晋也監督作品。最初はホラーだと思って観たのだが、意外にもヒューマンな映画だった。「江戸川乱歩」原作の小説を、映画化した作品なのだが、江戸川乱歩が大好きなので、かなりツボにハマった。だけど、冒頭のウジ虫が這う映像は、勘弁。ほんの2,3秒の映像だけどね。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-05 19:13:15) |
383. 白痴(1999)
「文芸大作」という触れ込みだったので、重厚で陰鬱な感じを期待して観たのだが、少々、期待外れ。妙に近未来的な設定が成されており、好きになれず。前半の30分辺りの雰囲気は良かったのだが・・・CGとか、奇妙な時代設定とかはどうでもいいから、もうちょっと真正面から「文芸大作」の映像化に挑んで欲しかった。何事も「期待し過ぎてはいけない」というのを学んだ作品。 [DVD(邦画)] 3点(2021-06-05 19:12:30) |
384. 119
まんま、消防署とその隊員についてのお話なのだが・・・映画にする程でもないんじゃないか?といった趣の作品だった。浅野忠信の登場シーンもそれなりに多いのだが、存在感が希薄で、うまく彼を使い切れていない感じ。もうちょっと彼の魅力を引き出さなアカンやん!竹中直人監督!! [ビデオ(邦画)] 6点(2021-06-05 19:11:58) |
385. PARTY7
石井克人監督作品。“鮫肌男と桃尻女”のノリを更にパワーアップさせた感じの作品。思わず笑ってしまったシーンもいくつかあったが、個々の俳優の個性というか魅力がうまく出せていない感じだった。その辺は不満が残った。だけど、浅野忠信の着ているオタクちっくな服装は最高だった。浅野忠信の二枚目役が好きな婦女子の方は必見です。 [ビデオ(邦画)] 6点(2021-06-05 19:11:21) |
386. 埋もれ木
つい先日、渋谷の映画館にて鑑賞。本来、映画の最中に、絶対に寝ない私であったが、限界に達した。睡魔との闘いであった。なんとか寝ないで最後まで観たが、マジでしんどかった。これほど退屈な映画は、他に記憶がない程。方々からイビキが聞こえてきたり、途中退席者が続出したりと、違う意味で「価値」のある作品。不眠症でお悩みの方は、是非、DVDをご購入下さい [映画館(邦画)] 2点(2021-06-05 19:10:46) |
387. SURVIVE STYLE5+
レンタルするのに、とにかく苦労した一本。こんなことなら去年、映画館で観ておくべきだったかな。スタイリッシュでスピーディな、いまだかつてない邦画。音楽や映像の切れ味は抜群。それだけに、もう少し短めなら、更に切れ味とスピード感が増したかも。豪華キャストも見どころの一つ。そして豪華キャストでありながら、浅野忠信を十分に堪能できる作品でもある。浅野忠信の、“顔のゆがみ”が素晴らしい。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-05 19:10:18) |
388. バタアシ金魚
最近、また観たりもしたが。正直、一度目に観た時は、「彼」が浅野忠信だとは気付かなかった・・・ 二度目に観た時は、出演していると知った上で観たので当然気付いたが、すごかった。この「イガグリが・・・」って感じ。 内容は、「・・・」。妙に、この作品の筒井道隆がムカつくのは私だけか?! [ビデオ(邦画)] 5点(2021-06-05 19:06:15) |
389. アカルイミライ
「これが噂の黒沢清監督作品かー」とか思ったが、自分には合わず。 ただし、浅野忠信は孤高の存在だ。 [ビデオ(邦画)] 3点(2021-06-05 19:04:59) |
390. PiCNiC(1994)
Charaと浅野忠信が結婚するキッカケとなった作品。有名な、「地球最後のキスシーン」は、観てるこっちが恥ずかしくなるくらい、Charaの浅野忠信に対する溺愛ぶりが伝わってくる。 [ビデオ(邦画)] 6点(2021-06-05 19:03:02) |
391. インディアン・ランナー
《ネタバレ》 世の中では理解されない男。 だがその男を、たった一人の弟として愛する兄。 兄弟でここまで愛情を注げるって、なかなか出来ないこと。 バックに流れる音楽と映像が、とても心地よい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-05 18:42:15) |
392. ある映画監督の生涯 溝口健二の記録
溝口映画ゆかりの人達が、次から次へと39人も登場する。 本ドキュメンタリーは、 1.溝口作品の出演者達を、映画以外では知らない 2.溝口作品の出演者達の、その後の姿を全く知らない 3.溝口作品を沢山観たことがある の3つの条件を満たしていれば満たしている程、楽しめるに違いない。 それ以外の人が観ても、何てことのないドキュメンタリーか、もしくは、ただ単に古い人が沢山出てくるだけの退屈なインタビュー映像集になってしまうだろう。 また逆に、現在を起点に考えれば、本作は30年以上も前の作品となるわけで、現在は大半が亡くなられた人達ばかりでもある。 そういう点で考えても貴重なインタビュー集なわけで、特に宮川一夫、川口松太郎、依田義賢、増村保造等の映像を観れたのは良かった。 さてさて、本作を観る上で個人的に一番楽しみにしていたのが、溝口作品ゆかりの女優達のその後の姿をおがむこと。 特に、木暮実千代、山田五十鈴、入江たか子辺りのインタビュー映像は楽しみで仕方なかった。 39人のインタビューの中で、一番衝撃度が高かったのが木暮実千代。 『祇園囃子』でその妖艶さに打ちのめされた私は、すっかり木暮実千代の虜(とりこ)になった。 そして本作で60歳近くになった彼女と“再会”ができるわけである。(実際は、既に『男はつらいよ』で晩年の彼女を観ていたのだが、全く記憶にない) それはとても怖くもあったが、同時にそれ以上にわくわくもした。 そして、『祇園囃子』の過去の映像の直後に、“その後”の彼女が登場・・・ おぉぉぉ・・・・ うーん・・・ これが正直な感想。 でもとても嬉しかったのも事実。 何故なら他の女優達の“その後”が、妙に神経質っぽかったのに対して、木暮実千代のインタビューの受け答えは、とても明るかったから。 “妖艶さ”の面影は消えていたが、親しみやすいマダムな感じで、これはこれで楽しめた。 しかし、インタビューをした監督の新藤兼人さん、「祇園囃子は力の抜けたいい写真でしたね」って、それはないんじゃないの?? それを聞いた木暮実千代も、同意しかねていたではないですか! もちろん悪い意味で言ったのではないだろうけど、個人的には溝口作品の中で一番好きな作品なだけに、木暮実千代同様、私も同意しかねますねぇ~ [DVD(邦画)] 8点(2021-06-03 21:39:14)(良:3票) |
393. Strange Circus 奇妙なサーカス
《ネタバレ》 本作は全体的にエロティックであることはジャケットから容易に分かるのだが、同時にかなりグロテスクでもあった。 そしてまた、不快感を際立たせるあざとい演出が随所に散りばめられている。 その為、観ていて単純に不愉快になることがしばしばであった。 ただ、話の展開としては、終盤にちょっとしたどんでん返しがあり、それなりに楽しめる。 芸術的な部分を押し出しているのかと思いきや、案外、単純な娯楽作品であったりするわけだ。 そういう意味でも、もっと映像的に洗練させて欲しいと感じた。 グロテスクな場面にしても、ただ単にグロテスクなシーンを挿入すればいいといった感じで、実に作りが雑。 まったくリアリティがない。 最後の方で、とある人物が両手両足を切断されて“だるま状態”で監禁されているシーンが出てくる。 これと似たシーンは、三池崇史監督作品『オーディション』にも出てくる。 “麻袋からダルマ男がにじり出てくる”シーンである。 両作のこの“だるまシーン”のリアリティや恐怖感や面白さを比較すると、圧倒的に本作よりも三池監督の『オーディション』の方が上である。 本作を鑑賞して細部の作りの雑さを感じたと共に、三池崇史の凄さを再認識することができた。 そういう意味では、有意義な作品だったのかもしれない。 [DVD(邦画)] 4点(2021-06-03 21:36:03) |
394. 元禄忠臣蔵 前篇
《ネタバレ》 誰もが知っている『忠臣蔵』を、溝口健二が撮った。 それが『元禄忠臣蔵(前篇・後篇)』だ。 前篇と後篇合わせて、怒濤の224分! しかも私、恥ずかしながら『忠臣蔵』そのものが初体験。 そんな私に果たして本作の224分が耐えられるのか?! まずはオープニングから。 溝口作品を観るに当たっての楽しみの一つに「オープニング」がある。 特に溝口作品の中でも、時代劇系の作品はオープニングがカッコイイことが多い。 本作は超大作ということもあり、予想通りのかっこよさ。 大体この時代のオープニング・ロールって短くてアッサリ気味のものが多いのだが、本作は違った。 長い長い。 しかも重厚でかっこよすぎ。 しょっぱなから大満足である。 そして本編のはじまりはじまり・・・ しかしいきなり問題発生。 『忠臣蔵』のストーリーを私はほとんど知らなかった。 しかも本作はフィルムの保存状態が悪くセリフが聞き取り不能な部分が多数あったのだから致命傷。 そしてかたぐるしい文語調の昔言葉。 さっぱり分からないのだ。 しかも冒頭から浅野内匠頭が吉良上野介を切りつけてしまうというシーンから始まり、『忠臣蔵』のストーリーを知っている人なら難なく理解できたであろう場面が、その時の私には全く理解できなかったのだ。 結局、前篇が終わるまでストーリーを把握しきれず終了。 このまま後半も終わってしまったらどうしよう・・・という不安に襲われつつ、後篇へ。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-03 21:34:47)(良:1票) |
395. 元禄忠臣蔵 後編
《ネタバレ》 前篇は、かたぐるしい公の場での出来事が中心であったが、後篇はうって代わって人情劇に。 これが功を奏したのだ。 比較的、分かり易いセリフが増えたせいか、物語に入っていくことができた。 特に討ち入り後の切腹前のシーンは素晴らしかった。 一同は切腹を前にして落ち込むどころか宴会を始める。 死を前にしていくら覚悟を決めたお侍とはいえ、心中穏やかではないはず。 それとも、あだ討ちをしてあとは切腹という制裁を待つだけだから、立派なお侍として気は晴れやかなのか? どちらかは分からないが、とにかくこの宴会シーンの表面的な騒がしさとその裏に潜む哀しさの対比がとても良い。 死を覚悟した男達の、鬼気迫る宴会シーン。 これは見応えアリの必見シーンだ。 大石内蔵助を演じた河原崎長十郎と、富森助右衛門を演じた中村翫右衛門の二人。 これが何とも素晴らしかった。 『人情紙風船』(山中貞雄)でも共演したこの二人。 本作でも、あの時と負けず劣らずの素晴らしい演技。 特に河原崎長十郎の理屈くさいセリフの数々が、妙に説得力を発揮していて、十二分に引き込まれた。 ところで、本作は最近いっせい発売された溝口健二のDVDをレンタルして観たもの。 それらのDVDには、付録として新藤兼人のインタビューが収録されている。 新藤兼人は本作『元禄忠臣蔵』で“建築監督”を担当していたせいか、他作品に比べ、本作へのインタビューの受け応えはかなりの熱の入れよう。 そして、その話の内容も非常に興味ひかれるものであった。 本編もそうだが、この新藤兼人のインタビューも必見である。 特に驚いたのは、本作の予算。 なんと、当時の映画5本分の予算が本作の江戸城松の廊下のみに使われたというのだから驚き。 国家予算から出ていたとのこと。 これは膨大な数字だが、本作であのセットを見れば間違いなく納得するはず。 はっきりいってズッコケます。 あれを映画のためだけに作ったとは・・・ いくら国家予算とはいえ、溝口健二やりすぎです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-03 21:33:59)(良:1票) |
396. キル・ビル Vol.1(日本版)
《ネタバレ》 主演はハリウッド金髪女優ユマ・サーマン。 あんまりハリウッド映画を観ないので、初めて知った女優。 金髪が印象的で、しかもタフな感じも印象的。 そしてセクシーで、美人。 ただ30歳を超えているせいか、アップになると多少・・・な感じがあるにはある。 だけど、とにかくカッコいい! 中盤からラストまでずっと続くレストランの様な場所でのアクションシーン。 これはつまらなかった。 Vol.1のメインな部分だけにうーん。 Vol.1の冒頭の黒人女性とのアクションシーンの方がよっぽど楽しめた。 冒頭の黒人女性との対決シーンと同じく、女性同士のガチンコ対決シーンだが、両方ともスピード感という点でかなり楽しめた。 本作では“多数対一人”というアクションシーンよりも、これらのガチンコ対決(1対1)の方が出来が良かったように思う。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-03 21:33:17) |
397. ユリゴコロ
《ネタバレ》 ところどころ強引な部分はあるが、よく出来た話ではある。 殺人鬼として生まれたしまった主人公も可哀想でもある。 一部の過激な描写は不快感が残った。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-06-01 02:55:58) |
398. 太平洋ひとりぼっち
《ネタバレ》 なんや!普通に成功して終わりかいな!(インチキ関西弁風) むくみ始めた頃の裕次郎を、たっぷり堪能できます。 それ以外は特に見どころはありゃしまへん。 [インターネット(邦画)] 5点(2021-05-31 23:51:56) |
399. 憂鬱な楽園
ホウ・シャオシェン監督としては珍しい「現代」を舞台にした作品。 彼の作品といえば、「過去」や「想い出」を映像化したものがほとんである。 「現代を舞台にした作品を撮るのは苦手」と、ホウ監督自身もインタビューの中で語っている。 実際、彼の作品の中で広く一般的に評価を受けている作品は、「過去のある時代」が舞台となったものばかりだ。 逆に現代を扱った『珈琲時光』などは、高い評価を受けているとは言い難い。 (もっとも、私が一番好きなホウ監督の作品は『珈琲時光』だが。) 「現代の東京」を描いた作品が『珈琲時光』ならば、「現代の台湾(台北)」を描いたのが本作だ。 私としては期待しないわけがない。 本作の撮影担当は『夏至』のリー・ピンビン。 クリストファー・ドイルの映像も個性的で大好きだが、リー・ピンビンの映像もそれに勝るとも劣らないくらい素晴らしい。 リー・ピンビンの撮る映像はドイルと比べれば控えめな印象はあるものの、透明感があって瑞々しさに溢れており、とても美しい。 “熱帯の緑鮮やかな台湾をリー・ピンビンが撮っている”というだけで観る価値のある作品である。 そして音楽。 メニュー画面にも流れている、この作品の「テーマ曲」がある。 その他、車で郊外へ飛ばすシーンや、バイクで山をぐんぐん登るシーンなどで使われている。 テクノ調の曲なのだが、本作を見終えた後もかなり耳に残っていた。 元々、テクノ調な曲が好きってのもあるけど、テーマ曲に関してもかなり気に入った。 映像と音楽が自分の感性とぴったり合っていて、観ていてとても心地良かった。 途中、「置時計」がかなり長い時間をかけて撮られているシーンが出てくる。 ストーリーとは全く関係のないワンシーンなのだが、とても透明感があって美しかった。 それも印象的だ。 しかし、ストーリーはなんてことはない。 だらだらと台湾のチンピラの生活が描かれているだけだ。 でもそんなことはどうだっていい。 ホウ監督の映画でストーリーを追ったっていいことはない。 台北の夜景、熱帯の緑鮮やかな風景、美しい置時計に、美しい女性歌手、そして強引に挿入されるテクノ音楽。 そしてそれらとコラボするリー・ピンビンの創り出す映像世界。 そういったものを楽しむべき作品である。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-31 22:51:01) |
400. ニライカナイからの手紙
綺麗な映像の数々ではあるが、そもそも実際の“竹富島”という島の光景自体がとても綺麗なものなので、これは“そのまま美しく撮れている程度”にすぎない。 つまりは、映画作品として考えるならば、もっと美しく撮れていなければ不足なのではないだろうか。 語弊はあるかもしれないが、“現実の美しさを過大に表現した映像”を期待していたのだ。 そういう観点からすると、“映像”に関して言えば、いまひとつというところだろうか。 しかし、もっと問題だったのは、映像以外の演出レベルに関してだ。 現地の人を採用し、リアリティを出したであろうことは容易に推測がつく。 しかし、もう少し演技指導をつめて欲しかった。 それに、あまりにも子役の演技がひどすぎるのも難点。 子役といえど、最低の演技レベルはクリアーしていて欲しかった。 そして、何と言っても一番問題なのは、“竹富島”を舞台にするシーンが前半の40分で終わってしまうことだ。 2時間近くある上映時間の中で、“竹富島”を舞台に繰り広げられる時間帯は、最初の40分だけなのだ。 その後は、主人公が東京に渡ってしまう為、主な舞台は東京になってしまう。 これは、普通の作品ならば、別に何も問題とするところでないであろう。 しかし、この作品を観ようと思った人達は、きっと“ジャケット”やその“タイトル”から、“美しい竹富島でのおはなし”を期待し、この作品を選んだに違いない。 なのに、この時間配分は一体・・・ 出来栄え的には難点の多い本作ではあるが、“竹富島の美しさ”と“そこに住まう人々の素朴”さ、そして“その独特なる文化”を伝える作品であるという点において、非常に評価できる作品であると感じたからだ。 “竹富島”が好きな方、“竹富島”に行ってみたいと思っている方には、是非オススメしたい邦画である。 そして、主演を演じた“蒼井優”であるが、特別に美人であるとか、演技が上手というわけではないが、独特の魅力を持った女優さんだと思った。 今後の彼女の活躍に期待したい。→映画『フラガール』でブレイクしたようですね!おめでとうございます! [DVD(邦画)] 6点(2021-05-31 22:48:29) |