Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。36ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849505152535455565758
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849505152535455565758
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849505152535455565758
>> カレンダー表示
>> 通常表示
701.  友子の場合 《ネタバレ》 
本作がコメディ?とんでもない!大オカルトですよ!超ホラーですよ!軽妙なBGMと効果音、コメディ然とした演技に騙されてはいけません。よくよく観れば、本作は身の毛もよだつ恐怖譚である事が判ります。それでは確認してみましょう。まずはプロローグ。ひょんなことから、主人公はこっくりさんに参加します。そこで示された「呪い」のメッセージ。そう、全ての惨劇はこっくりさんの呪いによって引き起こされたのです。主人公の荷物にも、この事が示唆されていました。父のおつまみ「ちーちーかまかま」は、「血~血~鎌、鎌」と聞こえるし、マンガ本『タッチ』は主要人物が死ぬ縁起の悪い話。リリアンは絞首刑の縄の暗示でしょうか。だって長さが45(死後)メートルですもの。ちなみに主人公のお泊り道具一式をアナグラムしたところ、実に奇怪な文章が浮かび上がったのです!“ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ~”(長いので省略しますが、大変危険ですので検証はしないように。)バッグは血を連想させる朱色。おびただしい量の荷物は、彼女が背負ったカルマの重さでしょうか。3時間に1本のローカル線で迂闊に下車し、乗り遅れるアクシデントも常識では考えられません。げに恐ろしきは、高校生の分際で芸者をあげてのドンチャン騒ぎ。おまけに美人女将から「松葉崩し」のレクチャーを受けるなんて、うらやまし過ぎる!てか、ふざけるなッ!!青少年にあるまじき行為です。末恐ろしいったら、ありゃしない。これがホラーでなくて何でしょう。極めつけは漁船を使った拉致及び人身売買!恐怖のせいか、友子の顔面が歪んで見えます。まさに悪夢。イッツ、バッドドリーム。この純然たるホラーをコメディに偽装した監督の手腕を、自分は高く評価したいのだ!
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-09-28 17:57:26)
702.  上島ジェーン 《ネタバレ》 
このロングコントの見所は、上島のグダグダ感タップリの言い訳です。ですから何だかんだで最後の最後まで上島には海に入らないで欲しかった。で、サーファーたちは荒れ狂う海に挑んでいって、最後は揃ってご臨終と。こんなオチで如何?
[DVD(邦画)] 4点(2010-09-25 19:35:05)
703.  ラスト・ブラッド 《ネタバレ》 
いきなりですが問題です。推定年齢400歳の“少女”と“老婆”、インパクトがあるのはどちらでしょう。もちろん答えは前者。「400歳の少女ってどんだけ?夢見る少女で~いられちゃったの?相川七瀬もビックリって、ね、オイッ!」とハライチ風のツッコミまで出来てしまう。後者は、「ババア粘ってるなあ」の一言で終わりますもの。冗談はさて置いても、主人公の見た目は若い方が好ましい。東洋人の少女がセーラー服を着て日本刀を振り回すという基本設定のうち、「少女」というファクターは意外と重要ではないかと考えます。無理してセーラー服を着せるから、コスプレか企画モノのAVに見えてしまう。ここはひとつ、日本の新進女優を推薦したい。キュートなルックスで見事な殺陣をこなす佃井皆美嬢はいかがでしょう。童顔だしセーラー服もイケますって。フレッシュですぜ、旦那。一方、敵役の小雪は適任でした。小雪は日本人女優の中でも1、2位を争う“物の怪顔”だと思う。もちろんイイ意味で(対抗は片桐はいりと浅野温子)。大ボスのわりに出番が少なかったのが残念でした。オリジナルのアニメ版は残念ながら未見ですが、ストーリーに中身は無いし、CGの質も芳しくなく、実写化の必然性を感じません。『プラネット・テラー』のような黄色味がかった映像は観辛いです。 
[DVD(吹替)] 3点(2010-09-13 20:49:25)(笑:2票)
704.  キャタピラー 《ネタバレ》 
手足と言葉を失った夫とその妻の介護生活。この構図自体は老親や乳児の世話とあまり変わりません。また戦争でなくとも、身体機能を失う事故は起こりうること。この夫婦の特殊性は、夫が軍神と崇められていること、彼が精神の拠り所を軍功に求めていることにあります。確かに介護する側は報われない。2人は心で繋がっていないのだから。問題の本質は、夫婦の人間関係が破綻している事にあります。戦争の罪を問いたいのならば、戦争が夫婦を引き裂いた、あるいは夫の心を変えてしまったという状況が必要です。しかし戦争が変えたのは彼の見た目。下劣な内面は出征前からのことでした。現地の女を暴行したトラウマも彼自身の責。問題の全てを戦争の責任に転嫁するのは筋違いです。戦争は憎むべきもの。その主張に異を唱える日本人は皆無でしょう。でも的外れな批判や論理のすり替えは、事の本質を見誤らせます。ラストも本筋とは直接関係のない原爆投下の映像と反戦歌でした。正直、反戦映画として質が良いとは思えません。ただ、大女優「寺島しのぶ」が汚れ役を演じ、国際映画祭で主演女優賞を受賞したという作品のネームバリューと付加価値は侮れません。大人は肩書きに弱いのです。成人向け反戦映画としてこれから有効利用されていくことでしょう。作品制作の経費等を考慮すれば、費用対効果は高いと言えそうです。結果的に監督の意図した効用のある映画になっているのかもしれない。でもね…。『おっぱいの出る映画に悪い映画はない』という個人的信条に照らし合わせ、今回は寺島しのぶの素敵なおしりに+1点進呈させていただきます。
[映画館(邦画)] 6点(2010-09-10 21:14:46)(良:2票)
705.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 
“反目しつつも認め合うライバル関係”は、ルパンと銭形、トムとジェリーを例に出すまでもなく、ドラマ等でお馴染みの設定。根底にあるのは両者の信頼関係です。果たしてママチャリたちと駐在さんの間に絆は生まれたのでしょうか。ひたすら馬鹿なイタズラを繰り返す悪ガキ一味に対し、本気の反撃を見せる駐在さん。子供じみた仕返しは、ママチャリたちと同じ土俵に立っている証。本来なら褒められた対応ではありませんが、こんな大人が一人くらいいてもいい。まるで兄と弟のようです。社会人になる一歩手前のモラトリアム。今だけ、ちょっとだけ、彼らに甘えさせてもいいかなと。ただ、クライマックスのエピソードには異を唱えたい。あの花火は子供たちに打ち上げさせてはいけなかった。絶対に。取扱免許所持の有無や窃盗か否かの問題ではありません。生死に係わるから。ママチャリたちの心意気は買う。優しい男はカッコイイ。ただ、それと危険な行為を許してしまう事は違う。大人の厳しさを教えることが本当の友情だと思いました。ぜひとも駐在さんには彼らにバケツで水を浴びせて欲しかった。「目を覚ませ!ばかもん!」と。甘さの中に辛味が効いてこそ「イイ話」は際立つと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2010-09-04 21:38:19)
706.  イキガミ 《ネタバレ》 
近年、邦画で大流行している「泣ける映画」とどう違うのか分り難いです。“ギターを弾きながら歌う魂の歌”も“愛する人に捧げる角膜”も、何処かでみたようなエピソード。確かに感動的なお話ではあるけれど、オムニバスの中の1篇では扱いが軽い。それよりも、監視社会や国家繁栄法といった本作のウリとなる奇抜な設定部分を掘り下げて欲しかったと思います。「時が来るのを待て」という意味深な台詞を吐いた上司、洗脳が完了していないであろう劇団ひとり。反管理国家の火種らしきものが見えたところで終わりでは、どうにも不完全燃焼です。主人公の派手なレジスタンス活動を期待する訳ではありませんが、彼の苦悩と葛藤そして“足掻き”をもっと観たかった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-08-26 04:26:15)(良:2票)
707.  デコトラ★ギャル奈美 《ネタバレ》 
砂浜や河原で「お宝」を探すのが好きでした。砂に埋もれたキレイな貝殻、石ころの中のガラス片。一般的な価値はなくとも、子供の自分にとっては紛れも無く宝物でした。大人になった今、B級映画鑑賞に精を出しているのもその延長という気がする。膨大な凡作駄作の中から、自分だけのお気に入りを見つけ出す楽しみ。果たして本作はどうだったのか。2分で考えたプロット、2時間で仕上げた脚本、演技指導にかけた時間はゼロ。そんな雰囲気プンプンのザッツB級映画。いやC級以下か。それは間違いない。でもまったく駄目ってワケでもない。少なくともエロは頂戴した。結構な美乳を揉みしだいてもらった。そして何よりキャラ設定が気に入った。無理してつっぱてる主人公、そんな彼女にホの字のダサ男。ちょっとお馬鹿な弟子志願。愛せるタイプのキャラが揃っていると、難があってもイライラしません。主人公の弟子になりたいサセ子の必死さ、奈美とダサ男の初情交の甘苦さ。一瞬垣間見える心震わす何かに、道路に落ちている王冠くらいの“キラリ”は在った気がする。それだけに結末を安易なお涙頂戴にしてしまったのが残念でした。サセ子が、ただ可哀想な人になってしまった。処理しきれないドラマに手を出すくらいなら、平凡な人情喜劇の方がずっといいのに。カーチェイスシーンの使い回し、子供も騙せないふざけた展開、安普請もいいところです。でも受け入れてしまえばそこそこ楽しめる。人間の適応力に感謝したい。住めば都。口に入ればご馳走です。何十億円もかけた超大作に文句が言いたくなったら、肥えた目をダイエットしましょう。キャビアに飽きたら、とびっこ食っとけってね。本作はそんな映画です。
[DVD(邦画)] 4点(2010-08-23 20:49:58)
708.  悪夢のエレベーター 《ネタバレ》 
当初、観客はエレベーターに乗り合わせた第三者でした。誰かに感情移入した状態ではなく、いわば5人目の乗客。一歩引いた立場ゆえ、状況を客観視する余裕がありました。そう、マンションのエレベーターに閉じ込められたくらいで生きるの死ぬの嘘くさい。最初のサプライズは不発でした。そういう意味では、視点が主役に固定される“ネタバレその後”が本作のメインと言えます。マンション管理人への致命的な誤解、そして事件の黒幕について、知れば知るほど、事態が悪化するほどに、観客は主人公と共に恐怖の渦に巻き込まれていく仕組みです。でも自分はコチラも大丈夫でした。冷静でいられた。それは主人公に共感できなかったから。所長は“いい人”過ぎました。例えば、助手が言うように愛人の自殺など放っておけばいい話。でも彼にはそれが出来なかった。ラスト走り出したのも、これから黒幕が引き起こすであろう次の悲劇を防ぐため。我が身の保身よりも、人命を優先して考えられる男です。繰り返しますが、主人公はいい人だった。しかるに彼は、管理人を2度にわたり殺しました。混乱したから。勘違いしたから。そういう言い訳は確かに出来ます。でも人間って、そうじゃないだろうと思う。切羽詰ったときに出るのが本質です。1度目は過失だとしても、2度目のスパナは覚悟の一撃。今更管理人が目撃者じゃなかったら、どうだと言うのでしょう。事件隠蔽を図るなら、どのみち奴の口は塞ぐ必要がある。主人公の中途半端な善人ぶりに、というより人物造詣のリアリティの無さに、自分は感情移入できませんでした。
[DVD(邦画)] 5点(2010-08-02 20:44:57)
709.  あんにょん由美香 《ネタバレ》 
序盤のインタビュー、中野貴雄監督の言葉が耳に残りました。『林由美香は2度死ぬ』。これは『007は二度死ぬ』を引用したもの。One life for yourself and one for your dreams.誰からも忘れ去られたとき、人はもう一度死ぬ。氏の解釈が合っているかどうかは別にしても、妙に納得しました。女優だからこそ2度死ぬ。いや2度死ねる。フィルムに自己の存在証明を焼き付けられる者のみに許された名誉の死。でも見方を変えれば、思い出してもらう度に生き返るとも言えます。林由美香は野郎どもの心の中で永遠に逝き続け、生き続け、イキ続ける。なんかスゴい。それにしても面白いのは、これだけ多くの関係者のコメントにもかかわらず、彼女の人となりがほとんど掴めないこと。単純に監督の力量不足?それとも、それが林由美香という女優の魅力?自分には分かりません。でも本作製作のきっかけが、監督が彼女に言われた一言「松江くん、まだまだだね」だとすれば、前者の理由のほうが“微笑ましい”。自分は林由美香というピンク女優に思い入れはありません。でも観終えて彼女との距離が近づいたような、少しだけ好きになったような気がします。林由美香への愛と情に包まれた優しいドキュメンタリーでした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-27 18:54:52)
710.  幼獣マメシバ 《ネタバレ》 
小動物をアイテムにしたゆる~い癒し系物語を予想していましたが、いい意味で裏切られました。それなりに真剣な引き篭もり脱出(救出)大作戦。現代版オリエンテーリング式“母を訪ねて三千里”でありました(だから母子再会の地はアルゼンチンじゃなきゃいけない)。お目当ては佐藤二朗の怪演。コチラは存分に堪能しました。爆笑こそありませんが、終始ニヤニヤしっ放し。シリアスにも、コメディにも寄り過ぎない絶妙な距離感を楽しみました。主な難点は2箇所。ひとつは役者の声が聞き取り辛いこと。自宅DVD鑑賞だったのですが、ずっとボリューム全開。そもそも佐藤のクセのある発音自体が聞き取り辛い側面はあるものの、そういう事で片付けたらいけない。他作品ではストレスなく佐藤の言葉は聞き取れる訳ですから。演技指導と録音の技術力でなんとでもなると感じます。物語的な不満は、もう一歩踏み出した結末でも良かったという点。あのエンディングでは、子はまだお釈迦様、いやママンの手のひらの内。「じゃあ、ぼくはもう行くでござる、うん」の一言があれば、尚良かった。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-18 19:41:06)(良:1票)
711.  ひぐらしのなく頃に 誓 《ネタバレ》 
『ひぐらしのなく頃に』の続編であり解答編となる本作。主人公を前原圭一から竜宮レナに代えて、事象の裏面を照らします。ただし一筋縄ではいきません。「わたながしの儀式」当夜の惨劇までの流れは前作を踏襲していますが、その後の展開はまるで違う。パラレルワールドの様相。前作の種明かしを期待していた観客としては戸惑うばかりです。しかし劇中最後のアナウンスで、遂に謎を解き明かすヒントが提示されました。“火山性の有毒ガスで村は全滅した”。これですべての謎の説明がつく。有毒ガスに侵され死にゆく村人たちがみた悪夢が、事件の真相と解します。のどを掻き毟るのは息苦しいから。自らの死に気づいていない(受け入れらない)村人たちの思念は、何度も何度も同じ季節・同じ時を巡っている。前作は前原の、本作はレナの、心の闇が創り出した妄想の世界。それぞれの恐れ、疑念、願望が発露しています。ただし行き着く結末だけは変わらない。どんな過程を経ても最期には死が訪れる。いわゆる無限地獄。そんな中、救いがあるとすれば、彼らが前向きであること。若者たちは迷い苦しみながら、友情を頼りに逃れられぬ死と戦っていく。前作からの謎、毎年“一人は死に、一人は行方不明”の解釈について。ここが呪縛霊の世界とするならば、消えた人間は幽霊じゃない。“一人は生還し、一人は成仏した”と読み替えられないか。だとすれば、この地獄にもいつか終わりが来るはずです。ひぐらしのなく頃、頑なな心を捨てた者から、オヤシロさまの“呪い”で魂を解き放たれる…。前作と本作では幾つかの相違点が存在しました。制服のマイナーチェンジ、大石刑事の配役交代。これら不具合は通常の続編であればマイナスです。しかし本作に限っては結果的に物語に深みを与えています。前原のフィルターを通した世界とレナのそれでは、感じ方・捉え方が違うということ。前原にとっての大石刑事は「杉本哲太」、レナにとっては「大杉漣」だとしても不思議じゃない。そもそも他人と世界を共有することなど不可能です。みな孤独に悩まされている。でも、だからこそ、人は共に生きたいと願うのだと思う。前に進むことの出来ない村人たちは哀れです。でも死を待つ身なのは、私たちとて同じこと。輝ける青春の日々の中、永遠に居続ける彼らが、少しだけ羨ましい。
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-15 20:54:26)(良:4票)
712.  怪談新耳袋 劇場版 《ネタバレ》 
全八話の短編で構成されているオムニバス映画。各話に関連性はなく、起承転結を有している物語から、シチュエーションの提示のみで終わるものまで様々です。気になったものだけピックアップしてみます。『約束』叔父の長期出張中に、豪邸の留守番をすることになった主人公。家主との約束は「呼ばれたら返事をすること」。確かに1日に1回、何処からか「○○さん」という女の呼びかけが聞える。もしこれがリアルな肉声だったら、怖すぎてすぐに逃出したと思う。でもくぐもった電子音のような響きゆえリアリティが無い。恐ろしい状況を受け流してしまう主人公の気持ちが理解できました。声の主のビジュアルも含めて、自分はコレが一番面白かった。『視線』は堀北の美少女ぶりが際立つ一編。暗いけど。物語はオーソドックスながら、“視線の怖さ”を感じることが出来ました。『ヒサオ』は烏丸せつ子の一人芝居。オチは想像できましたが、途中アンフェアなシーンが挿入されていたのが残念。影ならOKですが、実体を映してしまうのはダメだと思う。各話10分程度なので、サクサクと観られるのはイイですが、オチの無いものはちょっとモヤッとします。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 19:38:10)(良:1票)
713.  守護天使 《ネタバレ》 
寺島しのぶ、佐々木蔵之介、柄本佑は出色の出来ばえ。文句なしの見事な人物造形でした。俳優が本職でない日村や主演の竹山も持ち味を発揮してくれました。本作に見応えを感じられるのは、役者の頑張りがあったればこそ。これで脚本がスマートだったら傑作に化けたのではないかと。作品の体裁は、ラブサスペンスコメディ。ハラハラ、ゲラゲラ、最後にキュンがお約束。ところが、どうにもお話の波に乗れません。最初のつまづきは、竹山の恋に説得力が無いことです。“たまたま電車で見かけた気になる女子高生が、自分にも親切にしてくれた”だけでは、動機としては物足りない。現実逃避の恋愛だとしても、観客が彼を応援したくなる仕掛けが欲しい。サスペンス要素もイマイチです。連続女子バラバラ殺人なんて、コメディには荷が重い。汐里ちゃんが暴漢に拉致されてから居所を発見するまでの時間は長過ぎました。結果的に無事ならOKという話ではありません。手をこまねいていた時間は、自らの無力さを知らされる時間。辛いです。新聞配達員を捜索に使うアイデアは良いのですから、繋ぎの努力を主人公にさせて欲しかった。クライマックスは竹山がヒーローだと判明する場面。胸のケイタイはカラータイマー、被ったポリ袋はウルトラマンのボディの見立てでしょう。でも、ちょっと判り辛い。やはり芸人の正装は素っ裸。白ブリーフ一丁で勝負して欲しかった。そもそも何故竹山はウルトラマンが好きなのか説明が欲しい。自分の採点基準では4~5点相当が妥当。でも最後の最後で、うっちゃられました。「あの人は私の初恋の人です」。嫁の告白に涙しました。現実にはこんなクサイ台詞を吐く人などいない。でも物語的には、この台詞以外考えられない。難病の子供の守護者は汐里ちゃんで、汐里ちゃんの守護者は竹山で、そして竹山の守護者は嫁さんだった。みんな誰かに、護り護られ、恋し恋され、生きている。グッときました。終わり良ければ全てよしってことで。まあ結局は、寺島しのぶがオイシイところを全部持っていっちゃったワケなんですが。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-09 21:21:38)
714.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
織田がポリスに銃を向け、天海を逃がした件には疑問が残るものの、それ以外の脚本はそんなに悪くないと感じました。織田主演の映画の中では、上々の部類に入るかと。でもイマイチ物語に入り込めないのは何故か。“渋い”というよりは“辛気臭い”、“優雅”というよりは“カッコつけ”という作品の全体像。これは織田の演技が醸し出している雰囲気だという気がする。『県庁の星』でも感じた事ですが、彼の演技は観ていて楽しくない。当たり役の青島刑事、『振り返れば奴がいる』の司馬はホントにイキイキしているのに、どうしてなのか。キャラの色がハッキリしていない役には向いていないのかな?本作の場合は、輪をかけて天海が上手くありません。脇役は豪華なのに仕事を与えてもらっておらず勿体ない。キャスティングが上手くいっていないような気がします。配役が変われば、随分と印象の変わる映画ではないかと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-07-03 21:28:02)(良:2票)
715.  252 生存者あり 《ネタバレ》 
物語で起こる奇跡には2種類あると考えます。努力等を拠り所とし必然性を含むものと、そうでないもの。本作で提示される奇跡は、全て後者に該当します。いわゆるご都合主義。この奇跡で導かれる結末には真実味がありません。どんなハッピーエンドも“嘘っぱち”に見えてしまう。つまり観客の意識の中で、しおりちゃんは助かっていません。地下鉄構内ではぐれてしまったこと、プレハブから確実に非難させなかったこと、実に2度に渡りこの夫婦は子供を死なせていると言えます。もちろん両親を責めることは出来ません。過失といってもほんの僅か。しかし、その些細なミスで子供の命は失われる。親に必要なのは子供の命を守るための絶対的な使命感だと思う。何よりも、誰よりも、子の命を優先させること。必然的に命に順序が付けられます。廃駅崩落時の退避において、主人公はレスキュー隊員としては正しい判断をしました。ヘリからの救助を受ける際もそう。彼は我が子よりも怪我人を優先させようとした。レスキュー隊員の鑑だと思う。心から尊敬するが、親としてはどうなのでしょう。母親は訴える「救助を待っている家族はあなたたちに頼るしかないの」。ある隊員はつぶやく「女房子供を残して死ねるか」。指揮官は諭す「レスキューは全員が無事戻ってきて初めて成功なんだ」。どの想いも、どの考え方も間違っていません。でも全てを満足させるのは難しい。本作が出来の良い感動作ならば、素直に感動して終わりだったかもしれません。不出来だからこそ、本作が抱えるテーマの本質が浮き彫りにされているのだとしたら、下手な映画も悪くない。
[DVD(邦画)] 5点(2010-06-30 20:49:50)
716.  純喫茶磯辺 《ネタバレ》 
ブラマヨ小杉ではありませんが『俺の気持ちもてあそぶやん!』と大声で叫びたい気持ち。前半は小気味いいギャグを連発し観客の心のガードをガラ開きにさせておいて、中盤以降グイグイと監督お得意のエグいのを入れてくる。親父、娘、ヤリマンの切ない気持ちが入り乱れる修羅場の最中、わき腹をくすぐる『もしかしてあなた九州の人?いえポルトガル人です』を放り込んでくる監督の悪ノリぶり。もう、大好きだ!!もちろん意地悪いだけでなく、ちゃんと物語のツボを心得ているのもニクイ限り。田舎へ帰るというヤリマンからの手紙。親父はやせ我慢でそ知らぬふり。そこで一旦、代わりに娘を走らせておいて、(走るのはお前じゃないだろう!と観客に突っ込ませておいて)きっちり親父を走らせるお約束。くぅ~泣かせるねえ。でもこの恋を成就させないのが監督の流儀。心得ていますよ。1年後のシーケンスは本来ならいらない。でも監督は観客に甘い幻想を抱かせることはさせない。キッチリ落とし前をつけ、それでいて一歩前へ進ませる。純喫茶磯辺は失敗だった。当然の成り行き。でもだからと言ってあの喫茶店が無かった人生を考えてみると寂しい気がする。痛い経験も、恥ずい思い出も、死ぬ手前になりゃみんな同じ宝物。何も無いより100倍は得でしょうよ。誰の心の中にだって、純喫茶磯辺は眠っているんじゃないかな。とくに思春期あたりに。自分の場合は当分鍵を掛けておきますけども(笑)。それにしても監督は役者の長所を引き出すのが滅法上手い。宮迫は味出しまくりだし、仲や麻生の肩の力の抜け具合が絶妙でした。愛すべき人物に囲まれた物語は観ていて最高に気持ちいいです。楽しかった!(注意)本文中にあるヤリマンとは麻生久美子嬢のことであります。念のため。
[DVD(邦画)] 9点(2010-06-27 19:11:38)(良:2票)
717.  告白(2010)
最後の場面。生徒Aと対峙した森口先生の表情が、頭から消えません。押し殺してきた幾つもの想いが、今まさにこの瞬間、渾然一体となって発露した。壮絶な心情はある種の美しさを伴い、観客の心を打ち抜きます。先生が口にした最後の言葉が本作の全てだと思う。これほど重い軽口を聞いたことがありません。たった一言の皮肉に、どれほどの意味が込められているのか。その真意を量れるかどうかで、本作の評価は変わると思う。
[映画館(邦画)] 10点(2010-06-24 19:54:02)(良:2票)
718.  ハイキック・ガール!
ノーCG・ノーワイヤーでリアルアクションの魅力を世に知らしめたタイ映画『マッハ!!!!!!!!』同様、本作でも生身の格闘アクションが存分に楽しめます。ベースとなる格闘技は空手。やはり本物の空手家の動きは役者のそれとは一味も二味も違う。実戦空手の凄みを堪能しました。ただし演出は良くなかった。これでもかと反復される格闘シーケンス。同じ組み手を何度も見せられます。意図は判りますが、くどいと逆効果。スゴイものほどサラリと流すのが粋だと思う。エフェクトを使わなくても“魅せられる”レベルにあるアクションを誇っていただきたい。格闘シーンの素晴らしさに紛れていますが、物語の薄さはかなりのもの。ペラペラです。脚本はほとんど仕事をしていません。次回以降の要改善ポイントかと。『芸者VS忍者』の佃井皆美、そして本作の武田梨奈。邦画アクション部門に期待の新星が次々と現れてきたのは嬉しい限り。これからどんどん名前と顔を売って、お客の呼べる女優になってください。『芸者VS忍者』と同じく、+1点のおひねり込みで7点献上。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-21 20:48:04)
719.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 
“スポ根感動作にあらず、教師と生徒の信頼関係と教育論を説く映画なり”と言われれば、確かにその通りなのだと思う。でも、だからと言ってバレーボールがどうでもいいとは思わない。勿論おっぱいも。厳しい特訓と手に汗握る試合が無ければ物足りないし、妄想シーンでいいからおっぱいを頂戴したい。それでこそ、この恥ずかしいタイトルに価値が出ると思う。なつかしの歌謡曲+スローモーションのコンボでハイライトシーンをデコレート。確かに“感動的”ではあるけれど、本物でない事にすぐ気づいてしまう。何故なら感動の裏付け=説得力が無いから。あの子供たちがどんなに上達しようとも、2軍とはいえ強豪チームと互角に渡り合えるとは思えない。それほどまでにバレーボールでは体格がモノを言います。新加入の1年生だけでもいい。長身キャラを配する気配りが必要でした。彼に攻撃を任せて、その他は徹底してボールを拾い捲る。そんな戦法ならば(実際に勝てるかどうかは別にしても)説得力は生まれたと思う。説得力の欠如は、バレーだけでなくおっぱいにも当てはまります。先生はおっぱい星人が目の色変えるお宝をお持ちでないといけない。実際のところ綾瀬は巨乳です。でも、物語上ではその表現が極めて弱いと感じます(せめて先生登場シーンは白ブラウスじゃないと!)。いろんな思惑があっての事と推測しますが、先生からお色気を排除したのは間違いでした。体裁は良いけれど、腑抜けた物語になってしまった。説得力とは、上手に嘘をつく力。すなわち観客を物語に向き合わせる技術。本作はその部分の意識に欠けていたと思います。(以下反省と謝罪)公式戦で不戦勝をあげた時のこと。「よっしゃ~!!これで最低でもブラおっぱいは頂戴したわ。いや、生パイは無理だとしても絆創膏一丁とかイケるんじゃね!てかむしろエロいわ。汗だくのォ~先生がァ~恥じらいながら~」と妄想全開でのたうち回ってしまったことを、ここに深くお詫びいたします。
[DVD(邦画)] 5点(2010-06-15 18:51:54)(笑:2票) (良:2票)
720.  テケテケ2 《ネタバレ》 
(核心部分のネタバレあります。未見の方はご注意ください。)囲碁でAを打ってからBと打つべき局面で先にB、次にAと手順を逆にすることを「手順前後」と呼びます。これは、ほとんどが悪手です。結果的にAとBを打つのだとしても、その順番には意味がある。手順はモノの筋道であり、指し手の理念。冒頭で前作のヒロインがテケテケに殺されるのですが、これが酷い手順前後でした。“赤色の露見→テケテケに襲われる”と“テケテケに襲われる→赤色の露見”では意味が異なります。インパクトのあるのは後者。でもそれでは道理が通らない。案の定、前作で取得した重要なルール「赤色を身に着けていると襲われる」が本作では無視されてしまいました。これでは続編として立つ瀬がない。もっとも、そんないい加減なところも都市伝説らしいと言えますが、それなら伝説の面白解釈をもっと頑張って欲しかった。襲われる人間の名前に着目したのは良いとしても、肝となる「呪文を唱えると助かる」の解釈を放棄したのは失敗です。何故男の呪文は効かなくて、女子高生の呪文は効いたのか?是非真相を知りたい。仲村みうの上半身が不自然に起きていた時点で、その後の展開は予想されたものの、“何故そうなるのか”は不明。名前が似ていたから?それだけ?ちゃんと肉付けすれば面白くなりそうな題材なのに勿体ないです。前作に比べて殺戮シーンが増えたのはエンタメ的にプラスですが、被害者がみな無用心で緊張感が希薄なのはマイナス。さらに女子高生ボスの殺され方が一番のお楽しみなのに、どう殺されたのか判り難いのもマズかった。前作は「悪くなかった」、本作は「良くないな」という印象。「アートポート製作の2部作は右肩下がり」という法則が自分の中で出来つつあります。1作目しか観ていない『クレーマー』シリーズの2作目も確認のために観てみようかな(苦笑)
[DVD(邦画)] 4点(2010-06-09 18:09:09)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS