741. 駅 STATION
《ネタバレ》 これほどの目が眩むような豪華キャストを、こんなに見せ場のない無駄な使い方をするなんて・・・。健さんが主役なんだから、健さんだけ追っかけていればいいだろう、という程度の意識で作ってしまったのが敗因。それと、この構造で行くんだったら、最初は、主人公が離婚に至った経緯と背景を描写しないと、物語にならないんじゃない? [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-02 02:40:39) |
742. おっぱいバレー
《ネタバレ》 綾瀬はるかという人を一定時間きちんと見たのは初めてなのだが、演技らしい演技はほとんどできていないのに、フレーム内に収まっているだけで自然に目を引いてしまう、不思議な人です。で、その体型(というかバスト)をあえて強調しない撮り方をしているのはすぐに想像がつきましたが、かりにそれが目立つようにしてしまうと、映像内の主役が、先生でも生徒でもない「おっぱいそのもの」になってしまいますし、またそれを受けた生徒のリアクションや芝居も、全然別の方向に行ってしまいます。ここに出てくる生徒たちは、おっぱいという言葉1つからでも無限のパワーを構築できる、第一級の妄想力を持っているのです。なので、その立ち位置に見る側を同化させるためには、この撮り方はまったく正しい。それとやはり、タイトルを堂々とこれにしてしまったその度胸に+1点。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-29 01:41:40)(良:1票) |
743. 武士の一分
人物描写も美術関係も撮り方も、ガラスかプラスチックのように安っぽい。すべてにおいて、ひたすら無難に無難にと作ってしまったら、このようになります。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-28 02:12:32) |
744. 喜劇 にっぽんのお婆あちゃん
《ネタバレ》 ミヤコ蝶々と北林谷栄が雑談をしながら並んで歩くだけで醸し出される、このど迫力。その中でも、何か楽しいことが起こっても、その後2人は行くところも帰るところもないんだろうと常に感じさせるほどの、人格的な背景の作り込み。これだけで十分に楽しめます。しかし、市原悦子も、この中に放り込んだらぴちぴちのお姉さんなんだな。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-24 02:48:38) |
745. カルメン故郷に帰る
せっかくのストリッパーの田舎への帰省という何かの枠を超えそうな魅力的な設定なのに、何も逸脱したところがなく、ほのぼのと上品にまとまってしまっているのです。これでは面白くありません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-21 04:59:06) |
746. 四十七人の刺客
《ネタバレ》 これだけ豪華キャストで固めていながら、ほとんど生かされてないんだよなあ・・・。情報戦云々の部分も、結局ちょっとだけしか出てこないし。何がやりたくて作ったのか、よく分かりません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-21 01:07:17) |
747. 八甲田山
《ネタバレ》 ただでさえとんでもない作戦なのですから、どこでどういう考えがあってそれに挑んだのか、その状勢的背景はどのようなものであったのか、当事者たちはそれに臨むにあたってどのような思考や葛藤があったのか、というところを十分に下地として築いていないと説得力がなくなるのですが、何と、将校の一言であっさりと実施が決定し、登場人物もさしたる逡巡もなくあっという間に決行に至っています。それが第一の難点。また、せっかくの豪華キャストを投入していながら、演技や表情がほとんど見えません(脚本自体、表現でどうなるものでもありませんが)。それが第二の難点。手間がかかったであろう撮影の苦労がもったいない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-19 23:02:12) |
748. 桜田門外ノ変
《ネタバレ》 明治維新の重要なプロローグであったこの事件に注目したセンスは称賛したいが、しかしそれならば、どのような動きが積み重なってこの爆発に至ったのかという点にこそ時間をかけるべきであったし、各藩の思惑などももっと整理すべきだった。また、個々の藩士の行く末や享年などもきちんと明らかにしたところは評価できるが、それぞれの立ち位置や背景や内心が描写されておらず、登場人物として尊重されていないので、字幕以外のところに意味がない。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-12-17 00:01:42) |
749. 拝啓天皇陛下様
《ネタバレ》 もっと陰湿で救いのない展開を想像していたのですが、意外に、主人公自身が状況に肯定的だったり、ここぞというところで都合良く助かったり、かと思えば天然ぶりを発揮してコケたりと、予想外しの連続でした(トリッキーとさえいえるかも)。主人公がフラフラ歩いていくラストシーンは秀逸。つまり、見る側も、神の視点ではなく、彼と付き合いのある一般人の視点で見終えることができる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-10 04:18:24) |
750. 警察日記
《ネタバレ》 1つ1つのエピソードはありきたりとも思えるのに、それが集積したときに輝きを見せるのは、制作者が登場人物の1人1人に愛着を持ち、丁寧に扱っているからだろう。ジープを使った親子の別れのシーンは、現実の厳しさと、人間の間の優しさや暖かみを見事に凝縮している(そういったシーンはほかにもいろいろある)。そんな中でも、当時6歳の二木てるみの天才的演技力には、ひたすら驚愕。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-02 01:21:11) |
751. 隠し剣 鬼の爪
最初から最後まで、登場人物がことごとく、自分の心境や考えをいちいち全部言葉に出して喋ってしまう。ある程度前提が示されたら収まるのかと思っていたら、ずっとそのままだった。これなら、映像は全部要らないのではないか。音だけ聞いていても支障なく理解できそうだ。演技による表現が念頭に置かれていないので、俳優陣も何もすることがない。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2012-11-29 02:29:28) |
752. 台風騒動記
《ネタバレ》 このタイトルと設定から、まさか山本監督がこんなドタバタコメディを?と思いながら見始めたのですが、とんでもない。ふんわりしたコメディの中に、バリバリの市民闘争を盛り込んでいます。町長や議員連中の描写は、ほとんどおちょくっている領域ですし、人の良さそうな駐在さんも、当たり前のように思想信条調査を行ってきます。そんな中でも、何か奇跡が起こったり、突出した方法を思いついたりして物事が解決するのではなく、分岐点はたった1つ、公の場で口を開いてものを言う勇気を持てるかどうかである、というメッセージも最後にきちんと具現化されています。また、市民と為政者の対立構造という単純な構成と見せかけていながら、意外に多種多様な人物が手際よく整理されています。その中でも、野添ひとみの女先生も魅力的ですが、芸者役の桂木洋子がさらにいいアクセントを与えています。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-11-19 02:44:48) |
753. 将軍家光の乱心 激突
《ネタバレ》 中身のほとんどはひたすら追っ手をかわして逃げ続けるだけという、あっけにとられるほど単純なつくりなのですが、これだけ意地とサービス満載で間断も緩みもなく贅を尽くしたアクションの数々を見せつけられると、文句を言う気もなくなるのです。無意味な沢登り、無意味な野猿、無意味な竹藪アクション、無意味な橋爆破など、とにかくこれがやりたいという凄まじい執念が迸っていて、嬉しくなります。また、加納みゆきが頑張っているのも個人的には嬉しい。 [DVD(邦画)] 7点(2012-11-16 02:09:17) |
754. 雲の上団五郎一座
みんな楽しそうなのはいいんですが、ただ単にわいわい楽しいだけで最後まで突っ切られても・・・。ただ、横から出てきてああだこうだ喋るだけで場を全部巻き込んでしまうフランキー堺の天性のセンスは、やはり見るべきものがありました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-10-09 00:38:38) |
755. ミスター・ミセス・ミス・ロンリー
内容的には何が何だか分からなかったのだが、22歳にしてこれほど自我の表現をとめどなくあふれ出させている原田美枝子は、やはり凄い。宇崎竜童や原田芳雄ですら、いつしか組み伏せられている。 [DVD(邦画)] 5点(2012-10-07 02:27:38) |
756. 東京キッド
内容的にはどうということもないのだが、とにかくひばりちゃんのオーラを鑑賞するための作品。特に、常にピシッと伸びた背筋の力が凄い。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-02 22:45:46) |
757. ファンシイダンス
笑わせポイントがことごとく自己満足的かつ作為的で、笑いとして成り立っていないのです。そもそも主人公が何をしたいのかが定立されていないのも、作品の力を弱めています。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2012-10-02 01:44:42) |
758. お嬢さん乾杯
《ネタバレ》 日本にもこの頃からラブコメという表現が存在したことを示すという意味において貴重な作品。ラストの一言をヒロインに言わせたいための脚本ですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-09-25 02:28:00) |
759. 白昼の死角
《ネタバレ》 日本ミステリ史上に残るこの作品を、しかも映像化は困難と普通は考える内容なのに(密室もアリバイも犯人当てもなければ、手形の割引がどうのこうのとか難しい話ばかり。しかももっぱら利得目的の犯罪者が勝利してしまう)、映画として完成させた制作者の努力と執念が凄まじい。そして今年やっとDVD化されました。この快挙を盛大に祝いつつ、我を忘れて見所を列挙する。●稀代の大犯罪者・鶴岡七郎が夏八木勲って、合うのか?とここが一番不安だったのですが、さすがこの人、ぴったり人格表現まで込めた演技をしていますね。そもそも、真の詐欺師は分かりやすい詐欺師面はしていないわけで(むしろ、一見していい人っぽい人ほど、相手の警戒心が下がって実行しやすくなる)、その意味からも、案外、初手から正解なキャスティングだったのかも。英語の台詞の箇所でも同じように演技しているのも、さりげなく凄い。●宿敵・福永検事には天知茂、隅田光一には岸田森!(←出番は一瞬ですが)脇を固めるのは、日本俳優界の至宝ともいうべき巧者の面々!!九鬼善司は原作ではもっとアホっぽいのですが、中尾彬の好演によって、まともな人になっています。ここは原作以上。藤岡琢也のニセ木下は、あまりのイメージどおりっぷりに笑う。●冒頭で東京裁判の実際の映像を出しておいて(終戦直後という時代背景が重要なので、これはある種必然)、一気に原作序盤山場の隅田の自殺シーンから作品開始。この手際の良さもかなりのもの。そして、実際の詐欺の描写も、見る側に理解できるか?とかいらん配慮なしで、きちんと骨格を押さえているのが素晴らしい。あの「幽霊会社詐欺」や「大使館詐欺」が実写で見られただけで感涙。●福永検事、どうみても令状なしに勾留してるわ、さりげなく手錠付で取り調べてるわ、保釈をエサに自白取ってるわで、実はやってることは滅茶苦茶なのですが、これもご愛敬。最後、夏八木さんが、肝心のところで「刑訴法」と「刑法」を言い間違えちゃってるのもご愛敬。●高木先生、どこで登場するのかと思っていたら、そこですか。大笑いしちゃいました。でも、あの場面は作者にとっても心躍るシーンのはずで、あそこに登場できるのは嬉しかっただろうね。 [DVD(邦画)] 8点(2012-08-28 00:52:03) |
760. タンポポ
《ネタバレ》 どうですいろんな食に関するお話もとりまぜて、単なるラーメン屋成功譚ではないでしょ?という入れ込み方が作為的すぎて、かえって発想の底が透けて見えてしまうのが難点。ただ、エンディングの授乳シーンがもたらす原始的な破壊力は、作品本体のメッセージときちんとつながっており、これがなかったらつまらなくなっていたと思う。あと、個人的には、あまりにピカピカに綺麗で上品すぎるラーメン屋って、美味しかったことないんだけどな。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-27 00:14:40) |