Menu
 > レビュワー
 > ESPERANZA さんの口コミ一覧。40ページ目
ESPERANZAさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2254
性別 男性
年齢 77歳
自己紹介 団塊の世代 映画鑑賞歴50年以上 見た映画はおよそ3000本?

1960年~1985年頃はよく映画を見に行きました。その後2000年頃までは忙しくほとんど映画を見なかったのですが、DVD登場とともにまた見るようになりました。最近はメモと記憶を頼りに昔見た映画のDVDを探して懐かしんでいます。

ESPERANZAとはスペイン語で、「希望」の意味です。夢や希望、感動を与えてくれる映画は好きですが、むごたらしい映画や命を粗末にする映画は嫌いです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
>> カレンダー表示
>> 通常表示
781.  秋刀魚の味(1962) 《ネタバレ》 
嫁にやりそびれて嘆き、嫁にやってしまって悲しむ・・・。 小津監督の映画の中で、唯一映画館で見ることのできた映画。少年の頃見た思い出は、他の映画と違って淡々とした感じで、花嫁さんが大変きれいだったということくらいで、監督の名はもちろん、俳優さんや女優さんの名前すら知らなかった。 後にテレビやDVDで2度3度と見ているうち、なるほどこれが「オズワールド」というものかと、次第に映画の良さに引き込まれていった。 軍艦マーチに乗って敬礼をするシーン、同窓生が集まり酒を酌み交わすシーン、瓢箪先生の何とも言えぬ酔っぱらいシーンなどなど・・・、すべてが絵になる映画だと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2011-04-10 10:12:35)
782.  波の塔 《ネタバレ》 
原作は過去七度もテレビドラマ化された松本清張の代表的長編小説である。政財界に纏わる汚職事件を描きながら、それに絡む人妻と青年検事の許されぬ愛を描くという松本清張にとっては甚だ異色とも言うべき作品である。 しかしながらこの映画は、テレビのメロドラマの枠を超えているとは思えない。原作にほぼ忠実であり、大切な要素は網羅されていると思われるのに、なぜ・・・。 ひとつはミスキャスト、有馬稲子のヒロインはともかくとして、津川雅彦の検事はあまりにも若すぎて未熟だと思う。それに映画の展開、あまりにも原作をなぞっているだけで平坦すぎ、感動も何もない。これでは・・・。
[DVD(邦画)] 3点(2011-04-08 16:35:01)
783.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
男のシンクロに抵抗感があって、「スウィングガールズ」より見るのが遅くなってしまった。 青春の感動・爽快感は「スウィングガールズ」の比ではなく、日本アカデミー賞など数多くの賞に輝いたのも頷ける。そうか、妻夫木聡もこの映画で脚光を浴びたのかと今更になって感心する。 映画は、女子高と文化祭が同じ日であったことが幸いして、鮮やかな幕切れとなる。
[DVD(邦画)] 8点(2011-04-08 08:33:43)
784.  陽はまた昇る(2002) 《ネタバレ》 
「陽はまた昇る」といえばヘミングウェイか谷村新司と思ったら、NHKのプロジェクトXだった。 「窓際族が世界規格を作った VHS・執念の逆転劇」は2000年から始まったシリーズの第2回の放送であり、感動のドキュメントとして私の記憶にありありと残っている。 だからどうしてもこれと比較してしまって点数が落ちるのだが、もしプロジェクトXを見ていなかったら、あと1点か2点は上がっていただろう。 VHSかベータかの勝負という観点だけでなく、日本の科学技術の飛躍的進歩という観点に立てば、ぜひ見ておかなければならない映画だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2011-04-08 02:55:07)
785.  八つ墓村(1996) 《ネタバレ》 
原作小説、野村芳太郎監督、TVドラマ、そして市川崑監督と見たが、それぞれに特徴があり、これはこれで良いと思う。どの監督が映画・ドラマを作るかで力点が変わってくるのは当然のことだ。 市川版では終盤の鍾乳洞のシーンが簡素化され、達也が母親を慕う場面がないのが残念。それに犯行動機も異なったものになっていて、浅野ゆう子が鬼のような形相に変化することもない。それは逆に野村版のホラー的な要素が消えて、自然に近いものになっているとも言える。
[DVD(邦画)] 5点(2011-03-21 19:07:18)
786.  八つ墓村(1977) 《ネタバレ》 
原作を読んだ後、映画を見た、そしてTVドラマもリメイク映画も。その中でやはりこの映画が一番印象に残る。 原作を読んだのは映画を見たほんの少し前である。だから、犯人はおろか筋書きもしっかり覚えていたはずなのに、映画に中に吸い込まれていった。 「たたりじゃ」という言葉が流行したように、戦国時代の落ち武者の怨念をしっかり強調している。また大詰めの小川真由美の形相への変化などすさまじいものがある。32人を殺傷した山崎努の要蔵にしてもしかりである、 横溝正史原作の映画は、「犬神家の一族」の評判が良かったにもかかわらず、パスしてしまい、この映画や「獄門島」の方が先になってしまった。しかし、原作の小説はこの「八つ墓村」がきっかけであり、横溝シリーズはまる基となった。
[映画館(邦画)] 7点(2011-03-21 12:59:48)
787.  日本沈没(1973) 《ネタバレ》 
戦後最悪の自然災害となった東北関東大震災から10日がたった今、3.11以前も以後も変わらずに映画レビューを書ける自分の環境に感謝しつつ、亡くなられた方被災に遭われた方々に対し、謹んで哀悼の意を表します。 今回の災害はまったく人ごとではないし、予想外ですむことではない。私は当然のことながら、若い時に見たこの映画を思い出さざるを得なかった。この映画は単なるパニック映画ではない。人間ドラマであると同時に、日本人いや世界の人に向けた警告のメッセージなのだ。 この映画の最大のポイントは、日本が全滅という危機に陥ったらどうするのか、あるいは陥る前にどうするだと思う。この映画制作時には「何もしない」という選択肢も大きな意味を持っていたが・・・。 ある政治家は今回の大災害を「天罰」と言ったが、そうではないと思う。日本がいや世界が、いかに自然を粗末にし、甘く見たかだろうと思う。 大地震が起きれば津波も起こる、心配なのは原子力、発電所はもちろんだが、世界に何万発とある原爆と実験場、それは大規模地震でも本当に大丈夫なのだろうか。 何かあっての予想外ではすまされない、阪神淡路の大震災、東北関東大震災、ぜひとも教訓にしたいものである。 そうだ、キリスト前の大昔にも「ノアの箱舟」という教訓があったのでは・・・。 
[映画館(邦画)] 7点(2011-03-21 01:58:58)(良:1票)
788.  日本海大海戦
本来戦争は悲惨なものであり、あってはならないはずだが、この映画にはそういったところが少しもない。 日露戦争では、数多くの死者が出た。その中には上官の命令に従って突撃し、敵の機関銃で蜂の巣のように弾丸を受け散っていった者も多い。  また少数の艦隊で、ロシアのバルチック大艦隊を破ったのも、まさに幸運だったはず。そうした「犠牲」や「幸運」というものをまったく考えず、「勝った、勝った、万歳」をしていると、ひどい目に遭うのも当然のことである。  日本を軍国主義の方向へと導いていった日露戦争、それを美談や英雄視することによって、悲劇はますます大きくなるのだ。  この映画は「明治天皇と日露大戦争」の後にすぐ見たこともあり、甚だ良くなかった。明治天皇の扱いはいくらかは小さくなったが、戦争を肯定し、東郷平八郎他を美談化することによって、日本の軍国主義、右翼化が進んだのではないかと思う。 
[DVD(邦画)] 3点(2011-03-20 13:37:32)
789.  明治天皇と日露大戦争
司馬遼太郎「坂の上の雲」に触発され、日露戦争や秋山・広瀬らの軍人に興味を持った。日露戦争はなぜ起こったのか、その背景はとさぐるうち、昔この映画があったことを思い出して鑑賞。 実は映画館でも見る機会はあったのだが、いかにも右翼的ということで長い間敬遠していた映画である。 映画としては良くできており、歴史的な背景や事実関係がよくわかる。その点では良い教材でもある。明治天皇が周囲の戦争一色に対し、慎重論であったこともよくわかった。しかし最後はやはり軍部に負けたと言わざるを得ない。あれだけの権威と権力があれば、戦争を回避できたのにとも思う。 また、日露戦争そのものは多くの犠牲を払い、幸運にも恵まれて勝ったというのに、「犠牲」や「幸運」は語られず、日本は神の国、絶対に戦争に負けない国になってしまった。 東郷や乃木を大スターが演じて英雄化させることなく、日露戦争全体を描いたのは評価できる。しかし、「勝った勝った、万歳」によって不幸な歴史の始まりになったことを思うと、平均点以上はつけられない。
[DVD(邦画)] 4点(2011-03-20 08:09:02)
790.  眼の壁
「点と線」に引き続き発表された松本清張の長編推理小説の映画化。ベストセラー第2弾だが、小説のできばえに対して、映画のできが非常に悪い。原作の小説を読まないで、この映画だけを見た人が、果たしてベストセラー原作の映画化だと思うだろうか。 映画「点と線」にしても原作以下だと思ったが、これはそのまた上手である。はっきり言ってミスキャスト、監督の力不足である。 佐田啓二は「君の名は」というラブロマンスには向いていると思うが、刑事や探偵のまねをして事件を追及する商社員には全くの不向きであり、女優として初出演した鳳八千代もぎこちない。その上に脚本・演出が極めて単調である。 松本清張の小説は結構読んだ方だと思うが、初期の「点と線」「眼の壁」「ゼロの焦点」あたりは読み応えがあり、大変なヒット清張ブームになったはずである。ところが映画はほとんどがダメ、小説の良さを出し切ったのが「霧の旗」「鬼畜」そして小説以上の映画になったのが、「砂の器」だと私は思っている。 
[ビデオ(邦画)] 3点(2011-03-19 15:42:08)
791.  鬼畜 《ネタバレ》 
横溝正史「八つ墓村」で怖い女を演じた小川真由美が、今度は松本清張「鬼畜」に・・・。子ども3人を押しつけ、さぞ怖い女かと思いきや、押しつけられた岩下志摩はそれ以上に怖い女。この二人の間に挟まれれば、緒方拳ならずともどんな男だって形なしである。よくぞこれほど怖い女を二人も相手にしたものだ。 しかし元はといえば、この印刷屋のおやじのふがいなさである。二人の女性は元はこういう怖い女ではなかったろう。それがこっなったのは「あんたがだらしがないからさ。この甲斐性なし」という二人の女性の声が聞こえてくるようだ。 それと反対に、何度も捨てられそうに必死についてくる男の子のいじらしさ・・・。しかし自分が崖から突き落とされ、九死に一生を得た後は、「この人は父ちゃんじゃない」と永遠の決別をする・・・。まさにいたたれない瞬間であった。 映画の好きずきは別として、良くできていると思うし松本清張映画では「砂の器」と並ぶ名作だと思う。緒方拳はともかくとして、岩下志麻と小川真由美の二人の女優は迫力のある核心の演技と言えるだろう。
[映画館(邦画)] 9点(2011-03-19 05:49:08)
792.  青春の門(1975) 《ネタバレ》 
青春の門はこの映画が最初で、この後自立編を見て原作も読んだ。原作は筑豊編に始まり、自立編、放浪編、堕落編・・・と続くのだが、それぞれが上巻下巻と分かれる大作である。途中であえなくダウンしてしまった。(映画も自立編制作で終わっている) 小川真由美、北大路欣也のテレビドラマ版、リメイクされた松坂慶子の筑豊編も見たが、やはり最初に見たこの映画が何といっても素晴らしかった。 吉永小百合の伊吹タエ、仲代達矢の伊吹重蔵の好演が光る。それに較べると子役が中心だったこともあり、田中健の信介、大竹しのぶの織江の印象が薄い。 香春岳は異様な山である・・・というナレーションで始まるが、この映画を見た後私は筑豊を訪れる機会があり、実際の香春岳も見ることができた。仲代達也扮する伊吹重三は、ダイナマイトを巻き付けてこの炭坑に潜ったのかと思うと感慨深かった。 鋳物の街川口を舞台にしたキューポラのある街も良かったが、その時の少女ジュン(吉永小百合)が、母親タエを演じたのだ。そうか監督は同じ浦山桐郎と知って納得。 蛇足ながら、この映画でなくリメイク映画の頃だったと思うが、山崎ハコが歌う「織江の唄」が流行した。その歌は大変せつない歌で、歌を聴く度に映画を思い出さずにいられなかった。
[映画館(邦画)] 7点(2011-03-18 12:12:00)
793.  この子の七つのお祝いに 《ネタバレ》 
怖いそして悲しい映画と言えば、この映画の右に出る映画があるだろうか。「私とあなたを捨てたお父さんは悪い人、きっと復讐してね」と毎晩毎晩言って聞かせ、七歳の誕生日に自殺してしまった母親。またその言葉を信じ復讐一筋に生きた女。 この二人を演じた岸田今日子と岩下志麻、まさに狂気の世界である。「この子の七つのお祝いに」と言う童謡が、私のトラウマに変ってしまった・・・。 松本清張の「鬼畜」にも似た見応えのある映画、岩下志麻さんという女優さんは美しくもあり、演技力抜群の素晴らしい人だと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2011-03-18 10:39:10)(良:1票)
794.  路傍の石(1964) 《ネタバレ》 
私は子どもの頃に、映画「路傍の石」を見たが、この映画ではない。制作された年代からすれば、おそらく1955年の映画ではないかと思う。(路傍の石は戦前1回、戦後3回制作されている) 以来数十年、ようやく探し求めたのがこの1964年版のDVDであるが、極めて重要な「汽車が走ってくる鉄橋の枕木にぶらさがるシーン」が割愛されている。このシーンがあるからこそ、次野先生の自分自身を大切にせよという「吾一とは我は一人だ」の意味が生きてくると思うのだが・・・。 しかしそれを除けば、さすがに文部省推薦映画らしいできばえである。「奉公」とか「辛抱」などという言葉を知らぬ世代にはぜひ見てほしい映画である。
[DVD(邦画)] 7点(2011-03-17 22:15:34)
795.  トラ・トラ・トラ! 《ネタバレ》 
陰謀国と無謀国の戦争がどうして起こったのか、なぜ回避できなかったかはこの映画ではほとんど説明不可能のように思える。 昔見た時は、日米合作で双方の国の立場を互角に表現した良い映画だと思っていましたが・・・ 今になってみれば、米国の楽観的な態度や日本の非道さが目立つと思う。またそれが眠れる獅子を起こし、米国の「パール・ハーバーを忘れるな」の反日感情を高めてしまった。 前半部分は、私たちが知っておかねばならない重要なエピソードもたくさんあるように思われる。しかし、それが短時間で余りにも断片的に流れるために理解するのが難しい。省略せずにもっと丁寧に時間をかけた演出が必要だと思う。(ハル・ノートに対する対応や戦争回避の外交など)逆に後半の戦闘部分はほとんど不要なくらいだ。
[映画館(字幕)] 6点(2011-03-17 21:34:20)
796.  恍惚の人
私の死んだ父よりも年若い森繁久彌が、私の父よりもずっと年上の痴呆老人を演じた映画。おもしろい映画とか良い映画の範疇ではなく、身につまされる映画であった。怖い、見たくないというのが実感、しかし見なければならないというような、いわば使命感みたいなものでみた。 森繁久彌の演技は、演技にはとうてい思えない。また高峰秀子の献身的な嫁、原作の小説はもっともっと切実なものであろう。今の私では到底読むことができない・・・。 老人ホームや介護問題などが少しずつ現実となっていった時代、この映画をどう評価してよいのかわからない。 なにぶんにも、見てからずいぶん年数が経っているので、再度見てみないと点数はつけられないのかもかもしれないが、とりあえずの点数ということで7点。
[映画館(邦画)] 7点(2011-03-16 09:01:06)
797.  あゝ野麦峠
この映画は勤務先の高校生を引率して見に行った映画です。(歳がわかるなあ) 映画好きの教頭先生の尽力で、この頃は毎年学校をあげての映画鑑賞をしていたのですが、当の生徒たちも私の方が感動してしまったことをよく覚えています。 明治初期の富国強兵の世の中にあって、貧しさ故に娘を売らなければならなかった親の辛さ、そして女工になった娘たちのつらさが痛いようにわかる映画です。今思えば、大竹しのぶさんだけでなく、原田美枝子、友里千賀子、古手川祐子といった蒼々たる若手女優陣が出ていたのですね。 何としてももう一度見てみたい映画の筆頭です。 
[映画館(邦画)] 9点(2011-03-15 21:03:43)(良:1票)
798.  点と線 《ネタバレ》 
中学生の時数学の先生が松本清張の「点と線」について話して下さった。たぶん図形の問題から脱線してその話になったのだろう。私は非常に興味を持ち、本を買い求めた。その後ゼロの焦点や眼の壁など、松本清張の小説にのめり込んでいくのだが・・・。 映画を見たのはずっと遅く、砂の器公開よりも後だったと思う。しかしポイント(14番ホームから16番ホームが見える4分間など)はしっかり覚えていたので、見る時すでに懐かしく感じたくらいだった。 映画では謎解きに終始しているが、加藤嘉の老練な刑事役、花沢徳衛の果物屋の店主、高峰三枝子の安田の妻が良い味を出している。山形勲の安田は恰幅が良すぎたかな。 小説に較べると映画はいまいちだと思う。
[ビデオ(邦画)] 6点(2011-03-12 11:09:05)
799.  あゝひめゆりの塔 《ネタバレ》 
和泉雅子と同年齢で映画少年の私には、キューポラのある街や泥だらけの純情などの映画は見たが、この映画だけは見る気がなかった。それは子どもの時見た「ひめゆりの塔」があまりにも衝撃的でトラウマ的な感覚を持っていたことと、吉永小百合・浜田光夫のいわゆる日活ゴールデン・コンビとひめゆりの塔のイメージでは、遠くかけ離れたもののように思えたからだ。 ようやくDVDの時代になって初めて、この映画を見た。前半部分に対馬丸という名前が出てきたのにはびっくりしたが、学生の頃すでに知っていた「対馬丸事件」(貨物船の船底に学童疎開の子どもと引率の先生方を乗せたまま、米軍に撃沈にされた事件、これ一つをテーマにしても一つの映画が作れる)や10.10沖縄大空襲をさらっと流したのにもまたまた驚いた。 さらに沖縄の悲劇は、米軍の無差別攻撃や防空壕に隠れた者までも毒ガスで殺すという悲惨なものとなり、生き残った者も青酸カリ入りのミルクを飲んだり、手榴弾の信管を抜いて自決した。映画に出てくるような「命を粗末にしないで」とか「あなただけは生き延びて」が言えず、「お国のため命を捧げる」「鬼畜米英に身を汚されることなく、純潔を守る」が当たり前の時代があったことを現代の若者にも伝えたい。その想いが感じられる映画であった。 
[DVD(邦画)] 7点(2011-03-11 17:06:57)(良:1票)
800.  ひめゆりの塔(1953) 《ネタバレ》 
小学校の教師をしていた私の父は、映画好きであったにもかかわらず、このような戦争映画を見に、私たち家族を連れて行くことはなかった。おそらく戦争中の悲しい苦しい体験をしていたからだろうと今になって思う。 ということで、私が見たのは小学生の頃、親戚に連れられてではないかと思う。映画の内容も、登場人物も誰が誰だかもわからず、いくつかのシーンしか覚えていない。その中で、置き去りにされていった兵士やこども女学生たち、機関銃や爆弾で無差別に殺されていった沖縄の人たち、つかの間の明るい太陽の元でキャベツでバレーボールをしていた女学生たち・・・。ただひたすら負傷兵のお世話をし、逃げまどう。 大人になってDVDで見ると、ああこんな映画だったのだということが思い出される。 今もなお沖縄は米軍基地によって悩まされ続けているが、このような悲惨な現実も知らず、沖縄の人は「ゆすりたかりの名人」と言っている人がいると思うと、本当に悲しくなる。 この映画は、戦争を知らない私たちが一度は見ておかなければならない映画だと思う。
[映画館(邦画)] 9点(2011-03-11 11:12:54)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS