1. 漂流教室
大林信者の私としては、オープニングで林泰文クンがMTBで神戸の街を駆け下りるシーンですでに名作の仲間入りです(笑)。少女が砂のシャワーを浴びるシーンは、大林監督ならではのエロティシズムがありますね。 6点(2004-05-12 08:22:36) |
2. SWEET SWEET GHOST
前半30分、いや1時間は、どんなに観るのが気恥ずかしくってもガマンをしましょう。途中でやめないでホントによかった。こんなこともあるんだねえ。この映画の中には、捨てがたいモノが相当含まれています。将来に期待です。ところでこの監督は小津の信奉者と見ました。これは「浮草」へのオマージュですね。当たっているかな。 7点(2004-03-24 17:05:26) |
3. 助太刀屋助六
晴れた日は、いつも雲ひとつない青空。まんま助六を象徴しているかのようだ。何といっても、イキがいい、ノリがいい。「助太刀屋」というだけで、悪い奴じゃないな、と誰もがわかる。それでいてワイロにちと弱いのもいい。鈴木京香が赤面ものの演技。監督の好みだ。しょうがない。首を傾げるキャスティングもある。そこはせまい日本、義理やしがらみがあるのだろうと、好意的に受け止めたい。岸田今日子のナレーションもいい。喜八テイスト満載の映像落語、野暮は言わずに堪能したい、って結構言ってるな(笑)。 6点(2004-03-24 09:56:15) |
4. Jam Films
北村龍平・・・最新の技術を駆使した映像に感服。努力は何者にも勝る。 篠原哲夫・・・無理やりカメラ揺らすのはやめて~。 飯田譲治・・・造型のオリジナリティーは抜群。カラフル&スタイリッシュ。 望月六郎・・・監督の名前が大きくクレジットされていないのは、自信の無さの表れか。 堤幸彦・・・数十個、地雷を仕掛けておいて、どれか1個踏んでくれればもうけものシステム(何じゃそりゃ)はここでも健在。ちなみに「トリック」は好きです。 行定勲・・・次の展開を読ませなかったのはさすが。きちんと収束したと思う。 岩井俊二・・・新しいノートに初めて文字を書き入れる時のような気持ち、そんな岩井ワールドは健在でした。飛翔する発想。やっぱり女性を綺麗に撮るよなあ。未見の6人のうち(岩井作品は殆ど観ている)この人の映画なら観てみたいと思わせてくれたのは、飯田と行定の二人でした。 6点(2004-03-20 16:08:46) |
5. 晩春
この映画は子供の頃に観た。うっすらと記憶に残っている場面が3つあった。紀子が銀座(?)でおじさんとバッタリのシーン。すっと脇に寄るのが大人って感じでカッコいいと感じたんだろう。あと、ガキが車を揺らすシーン。あと、杉村春子がクルッとするところ。こうしてみると、話と全然関係ないところばっかりじゃん。何を見てたんだか。 9点(2004-03-19 19:07:56) |
6. HANA-BI
8.☆様と同意見です。人の目をつぶしたり、妻を射殺したりするのは、本人にとって必然性があることなんだろうから、とやかく言っても始まりませんが、やったらやり返されることもあるという発想がまったく欠落しているように思います。きっちり借金を返済してケジメをつけてから死んでいく男の美学を描きたかったのかも知れませんが、それだって銀行から盗んだ金です。まあ、勝者の美学に貫かれたこの映画に意義をとなえればとなえるほど、自分が敗者のような気分になってくるので、このへんでやめておきましょう。 5点(2004-03-16 19:57:10)(良:1票) |
7. ノーライフキング
原作を読んだのが10年以上前なので、かなり独断と偏見が混じっていますが、自分にとってのノー・ライフ・キングとは以下のようなものでした。ゲームの中で繰り返される数万回の誕生と死。それは、0と1の羅列から生み出される只の記号にしか過ぎないのだけれど、少年たちは心の奥底で、産み、殺し続ける行為に、自らが神であることに対する不安と罪悪感を蓄積させていた。それを埋め合わせようとする無意識が造り上げたモンスター、それがNO LIFE KINGの伝説・・・。こういう気持ち、映画をつくっているオッサンたちは本当に理解してくれるんだろうか。一抹の不安を抱えながら、ビデオを再生しました。不安は的中しました。「ぼうや、ファミコンばっかりやってないで、外で遊べよ!」・・・こんなカンジで、映画は終わっていました。なんか、やる気なかったみたいっす・・・。 2点(2004-03-16 19:06:48) |
8. マン・オン・ザ・ムーン
笑わせる、というより、面白がり屋さんですね。客にさえオチを見せないんですから。実を虚に引っくり返して、周りの慌てふためく様を楽しみ、しょうがなく彼のノリに合わせると今度は虚を実に戻してしまうという、何とも複雑で破滅的な人です。J・キャリーがやり過ぎじゃないかってぐらい、やっちゃってます。ボンゴが上手いです。パイル・ドライバーも食らっています。そんな彼をマネージャー役のD・デヴィート(製作も兼ねています)がフォローしまくります。これを観ながら「オール・ザット・ジャズ」やJ・ベルーシに想いをはせました。。あと、なんちゃっておじさんにも(笑 )。 7点(2004-03-16 13:27:10) |
9. 早春(1956)
どこの会社でも、物凄い牽制球を投げる奴っていると思うけど、これはビーンボールでしょう(笑)。名優、加藤大介と、三井弘次の酔っ払いっぷりには、時の経つのも忘れて見入ってしまいました。(ここからちょいネタバレです)それにしても、不倫嫌いな筈の小津監督が、当の金魚ちゃんを一番生き生きと描いていたのには、意表をつかれました。 6点(2004-03-13 09:33:28)(良:1票) |
10. 東京の宿
ここのシーンは当時きっと、館内大爆笑だっただろうなあ、と想いを馳せるのが、小津映画を観る時の習慣になってしまった。それほど小ネタが(たぶん戦前の作品のほうが)多い。これなどは、彼の作品群の中でも人気の無いほうだと思うが、それだってもう70年近く前のものだし、テーマが現在とそぐわないのも、いたしかたないところでしょう。「何年(生)?」「〇〇!」などは、個人的にさりげなくいい感じでツボを押すのです。 5点(2004-03-12 16:03:19) |
11. その夜の妻(1930)
《ネタバレ》 この刑事さんには、転職をすすめます。 4点(2004-03-06 21:46:40) |
12. 東京の合唱
《ネタバレ》 同窓会で、一人遅刻してくるところとか、ホントにうまい。ああいう発想、どこから湧いてくるんだろう。 8点(2004-03-04 15:59:53) |
13. 学生ロマンス 若き日
サイレント初体験です。NHK-BSでは、俳優がセリフを喋ってくれるし、その時々の場面に合った音楽を、挿入してくれているんですが、あえて、音、消してみました。大変に疲れました。ものすごく集中力がいりました。与えられる情報が映像だけ、というのは、相当に、こっちの読解力が必要とされますね。途中で何度も、映画に置いていかれました。でも、とてもいい経験になりました。肝心の映画なんですが、主人公の感情の流れが、いつもの小津らしく、とても上品だな、と再認識した次第です。楽しくて、淋しい。おもしろくて、かなしい、そんな映画です。 8点(2004-03-01 15:59:39) |
14. 台風クラブ
途中で何度か、ビデオを止めようかと思った。なのに、この点数。減点法でいくと5,6点なんだけど、加点法だとこうなっちゃう。奇蹟の一発。歴史に残る一本。知り合いの死を知った日は、空が抜けるように青いというだけで、泣けてきませんか? さあ、観終わったら、元の怠惰な日常へ帰っていこう。 10点(2004-03-01 00:09:25)(良:1票) |
15. 無法松の一生(1943)
この作品がバンツマ初遭遇。まるで太陽のような人。ほとばしるエネルギー。喜怒哀楽のどれもが、奔流となって迫ってくる。強烈な父性。「無私」という言葉を久しぶりに思い出した。 9点(2004-02-24 08:18:07)(良:1票) |
16. ガメラ 大怪獣空中決戦
うーん、いいヤツじゃん、ガメラって。しかし何で平成シリーズでは、ふた言めには、怪獣の存在理由とか意味とか、理屈をこねまわすんだろうね。映画の中の現実世界で、いるものはいるんだからしょうがないじゃーん。 4点(2004-02-19 02:35:22)(良:1票) |
17. サンデイ ドライブ
お互いに1mくらいの物差しを持って、間合いを計りながら、距離を調節しあっているような、そんな感じの会話で出来上がった映画、とでも言ったらいいのでしょうか。まあ、塚本晋也氏がグサッとやるわけなんですけどね(笑)。 6点(2004-02-19 02:08:49) |
18. カンゾー先生
《ネタバレ》 クジラが印象に残った。自分には、生命力の奔流の象徴に思えた。それに敢然と真っ向勝負(クジラだけに・・・ス,スミマセン)を挑んだソノ子。カッコよかったなあ。 7点(2004-02-19 02:01:39) |
19. 私をスキーに連れてって
終始ニコニコしながら観てました。現場が修羅場だったとは、とても信じられません。スキーの楽しい部分を上手にピックアップしているから、これ観ると行きたくなりますよね。ホイチョイの提唱する遊び方って、ちと金がかかりそうだけど(笑)。 6点(2004-02-18 11:01:18) |
20. 大人の見る絵本 生れてはみたけれど
《ネタバレ》 兄弟の行動が結構エグい。彼等が学校に行かなかったり、習字で、先生から甲をもらったが如く偽造したのは、自己保身からだ。酒屋の小僧さんを買収して、いじめっ子に仕返しをしたり、活動写真見たさに、金持ちの子供に雀の卵を差し出したり(子供の間でやり取りされるあの卵は、お金の役割を果たしていた)、彼等なりの社会での地位の獲得に、実に敏感に、幼いながらもバランスを取ろうともがいている。そういった前フリから考えると、ラストの父親との和解は、あきらめや空腹から来るものではなく、気づきから来た(正確に言うと、始めから知っていた)んだと思う。自分たちの行動と、父親のそれとは、根本が同じであったことに。そしてどうやらそれは、生まれてきた以上、逃れられそうにないことに。 8点(2004-02-14 18:34:30) |