1. 最高殊勲夫人
《ネタバレ》 誰しもが気軽に楽しめる映画です。雰囲気がちょっと『巨人と玩具』と被っているところがあります。冒頭で、若尾文子と宮口精二がキャッチボールやっているシーンがいいです。これで、若尾文子のキャラを紹介しているところが上手いと思います。お父さん役の宮口精二の演技は見ものですよ。 [地上波(邦画)] 8点(2006-12-27 21:58:25) |
2. 巨人と玩具
《ネタバレ》 ライター、テレビCM、ネオンきらきら、「売上げだ。」、「部長だ。」、「不況だ。」等々、おたまじゃくしは見捨てられ、課長の奥さん気が変に…。しつこい、しつこい、たたみ掛ける演出。高度成長期に入った企業利益優先社会の狂乱ぶりを滑稽に描いています。芸能界の悲哀や男女の結婚観も織り交ぜ、テンコ盛りなのですが、力技でエンディングを迎えています。「宇宙服」って、時代ならではですが、当然“引っ掛け”ている訳ですよね。ラストの小野道子の姿に、増村監督の優しさが出ていると思います。役者の演技に納得いかないところもありますが、勢いを感じる映画です。 [ビデオ(邦画)] 9点(2006-12-27 21:23:22) |
3. 世界大戦争
《ネタバレ》 ラストの特撮シーンは、甚だしく映画的で絶品なのですが、トドメのテロップが台無しにしていると思います。当時、時代も時代なんですが、ああいう演出は蛇足だと思います。あと、気になったのが、宝田明と星由里子の会話が、「説明」なっています。申し訳ないのですが、教育ビデオっぽいんですよね。パニックシーンは、『宇宙戦争(53年度版)』彷彿させますが、臨場感は出ていたと思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2006-12-26 21:28:13) |
4. ソナチネ(1993)
《ネタバレ》 これはもう大傑作、と私は思う。やはりプライベート・ビーチでの時間が一番印象に残るんだけれども、あの空間・時間が凄いと思う。あと、たけしの笑顔がいい。終盤の車の中で、高橋(矢島健一)へ向ける笑顔。 [DVD(邦画)] 10点(2006-12-26 12:57:53) |
5. 戦国野郎
《ネタバレ》 喜八カッティングを一番楽しめるのが、この作品だと思う。私は、彼の作品の中で一番好き。温泉地帯なのか、谷から湯気がたちこめる中を、追われる加山雄三と追っ手の中丸忠雄が対峙するところからのオープニング。チープな殺陣の後、胡散臭い中谷一郎登場、もっと胡散臭い佐藤允登場。岡本映画お約束の展開。この作品が違うのは、続いて“馬借のお姫様”星由里子、さらには“水軍のお姫様”水野久美が登場する。『独立愚連隊西へ』は、ジョン・フォードの『捜索者』のパロディっぽいところがあったが、本作は、黒澤明の『隠し砦の三悪人』のパロディっぽいところがある。ハッキリ言って、星由里子の方が、上原美佐より10倍魅力的。彼女はじゃじゃ馬だが、加山に恋をするのだ。ありがちだがこれが可愛い。加山雄三の大らかさ、佐藤允の笑顔、中丸忠雄も中谷一郎も、皆のびのび演技している。印象的な背景を感じさせつつ、三者三様の人生をみせるラストシークエンスの演出も見事だと思う。 [DVD(邦画)] 10点(2006-12-23 01:11:54)(良:3票) |