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称えよ鉄兜さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 112
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自己紹介 アメリカ在住

名前の由来は赤塚不二夫先生の作品(天才バカボン)からです。 実際金属フェチでヘルメット持ってますけど

配点分布をみると8点がピーク。 高得点評価が多い。 これは好きな映画の評価が多いから。 つまらない映画のことはあまり書かない。

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1.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
原作は知らないのだけど、少々予備知識があった(宣伝で大体のあらすじは分かる)状態で観賞した。 違和感が多い。 何かすっきりしない。 確かに面白いが、しかし煮え切らない感じ。  舞台は現代、2010年ころか。 主人公たちの学生時代は、その10年位前、2000年くらいかな。 そんな時代の学生たちはビートルズを聴いたりしたのだろうか。 聴いてもおかしくはないけど、ビートルズの解散時期にポールがどうしたとか熱く語り合うような熱烈ファンだったりしたのであろうか。  古い黄色のカローラ。よく覚えていないけど、相当古いよね。 たぶんほとんど初代に近いくらいの車種じゃないか。 そしてあのコマーシャルソング。 1970年代じゃないか? 今の30代の人ってそんな古いコマーシャルを覚えているのか、ってまだ生まれてないじゃない。  それとも舞台設定は1980年代くらいなのだろうか。 だったらあんな携帯電話は存在しない。 原作ではどうなのだろうか。  日本の首相暗殺とか現実味のない話を本当らしく描くならその舞台設定などは徹底してリアリティを追及しないと破綻してしまう。 映画として成立しない。   街中で警官が拳銃をいきなり撃ったり、黒服のおっさんがショットガンを撃ちまくるというのも、まー映画だから良いけど、ショットガン、撃ったらもっと反動があるんだからもう少し本物らしく撃ってほしかった。  あと、相変わらず無意味無駄な映画の効果音。 銃を持ち出すたびにカチャカチャさせる。 いい加減やめてほしい。 メモ用紙とかを動かしただけで大仰な紙の音を付け加えるのも相変わらずだけど。 実にくだらない。 この映画に限ったことではないけど。  犯人に仕立て上げられた主人公がわけの分からぬまま逃げ回る。 面白くなる要素が詰まった話だ。 しかしこの映画では煮え切らない。 わずか2日間で友人、通り魔、芸能人、同僚などさまざまな人が主人公を助ける。 それも命に関わるような危険を冒して。 そんなに都合よく次々と助けが得られるのか。 そもそもマスコミが犯人だと決め付けて報道しているのだ。 普通の人ならその情報に影響されるだろう。 2年も前にちょっと助けた芸能人が彼を助ける。 なんだそりゃ。 どうやって連絡したんだ。  それにクライマックスの花火の打ち上げ。 どうやって短期間にあんな大掛かりな準備をしたんだ。  そんなこんなでどうもすっきりしない映画である。 
[ビデオ(字幕)] 5点(2014-10-02 03:07:47)
2.  ゲド戦記 《ネタバレ》 
作品を見る気になったのはNHKの「ふたり」という番組を観たから。  いまだにそうだがとにかく酷評が多い作品だ。 原作者も怒ったと漏れ聞く。 しかし「ふたり」で描かれた親子の確執を見てどうしても見たくなった。  考えてみれば原作者が納得しない映画作品というのは少なくない。 目立つ例ではスティーブンキング原作のシャイニング。  鑑賞は英語版と日本語オリジナルの両方。 英語版はディズニーだけあって声優が豪華。 ティモシーダルトン、ウィレムデフォーなど。  いきなり監督でこれだけの作品を作り上げたのはすごい。 父親が宮崎駿だし、ジブリ作品だし比較されるのは仕方がない。 でも明らかに宮崎吾郎作品に仕上がっている。 父親の過去の作品と見紛うようなシーンが多いのだがこれは父親の影を追い続けた息子の精一杯の父への思いなのではないか。  声が良い。 菅原文太の声を聞いていてあの顔が浮かんでこない。 田中裕子の声が良い。 実に雰囲気のある声。 特にクライマックスのぼそぼそとつぶやく声にはしびれた。 これが宮崎吾郎の演出によるのだとしたら大したものだ。 恐らく宮崎駿の映画だったら全然違う声質、演出になるだろう。  音楽も良い。 スコットランド民謡的雰囲気も入って映画の風景と合っていた。  話の展開は直球的演出だが無理になんでも説明しようとしていないところに好感が持てた。 テーマが単純明快なのも良い。 吾郎監督かなり勉強したのだろうと思う。  冒頭でいきなり父を殺す主人公アレン。 父宮崎駿がこれを見ていったい何を思ったろう。 なぜ父を殺したのかの具体的説明はない。 下手をすると単に説明不足、不完全燃焼という形で受け取られるのだが、この映画ではなんでも説明して解決ということではなく疑問を余韻として残すというように収まっているように感じた。  人物の動きにも優れたセンスを感じた。 とても自然な動きだし構図もよく考えられている。 剣の構え方も良かった。  少し持ち上げすぎなのかもしれない。 でもいきなり監督でこれだけの作品を彼は作り上げたのだ。 才能ある監督だと思う。 父親とは違う作品を作れる。 しかし宮崎駿の息子じゃなかったらそのチャンスは与えられなかったのは確かだし、ジブリだからできることなのかもしれない。 だからどうしても父親と比べられてしまうのは仕方がない。 これは宿命だ。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-07-25 06:31:00)
3.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 《ネタバレ》 
過去に何度も映画化ドラマ化されてきた。 彼を研究した本も数知れず。 今更山本五十六をわざわざ映画の主人公に据えるのか?   内容は今まで知られてきたいわゆる通説から逸脱しない凡庸な造り。 しかも細部での間違いが多い。 「真実」などと銘打つのなら考証をしっかりしてリアリティをもっと増す努力をしてほしかった。 例えば上官の部屋に入るとき、「失礼します」などと言って入ってくる。 軍隊では性、官位を名乗り「入ります」だと思ったが。 食事のシーンも山本長官がみんなとどんぶり飯を食っている。 全般でどうか知らぬが少なくとも艦隊司令部の士官は良い食事だった。 和食でも塗り物の立派な食器を使ったし洋食はフルコース。 もちろんナイフフォークですべて給仕付きで粛々と食事をした。 親しみを抱かせるための演出なのかどうか知らないけど(単に無知なだけかもしれない)、題名に「真実」などと入れた映画にしてはあまりにもお粗末。  他にも冒頭海軍省かどこかの門前で陸軍歩兵の分隊が銃を構えて威嚇するシーンがある。 陸軍と海軍の対立を表したつもりか何か知らぬがあんなくだらない演出を入れるべきではない。  真珠湾作戦で第二次攻撃をするべきだったか、ミッドウェイ作戦で島攻略が主眼か米太平洋艦隊撃滅が目的だったのか。 両作戦の司令だった南雲中将の判断というのが歴史の中で問われてきたが、この映画では両方とも永野軍令部総長が南雲に入れ知恵をしたことになっている。こんな話は聞いたことがない。   ミッドウェイ戦では敵機襲来までの時間が何分前などとわかっているがあり得ない。   全てがこんな調子、演技にしても別に感銘を受けるようなものはなく、とにかくなんで今山本五十六の映画を作ったのだろうと思うのみ。 三国同盟に反対していたこと、真珠湾攻撃の(作戦としての)成功、最前線での悲劇的な戦死と日本人の琴線に触れまくりの対象、海軍善玉イメージがあるので戦後70年を通じて英雄視されているが、そろそろそういうステレオタイプの見方は改めるべきだろう。  別にことさら悪く描く必要などはないが、もっと客観的に事実を踏まえて赤裸々に描いてほしかった。 昔ならいざ知らず今はもっといろいろな事情が明らかになってきている。 そういう意味で残念だし、特に題名に「太平洋戦争70年目の真実」を付けたうえでこの程度の映画しか作れないという日本映画界に失望する。 
[ビデオ(邦画)] 3点(2012-03-27 06:43:16)
4.  真夏のオリオン 《ネタバレ》 
みんなひょろっと背が高くて潜水艦乗りには見えないのはおろか軍人にもまったく見えないというのは時代の流れで日本人の体格が変わったのだから文句言っても始まらない。 もう受け入れるしかない。 それにしても軍服似合わなさ過ぎ。 というよりもっとぴったり合った衣装を用意してあげれば良いのに。 だぼだぼでまさに借り物という感じだった。  回天をうまく映画の中で生かしていてクライマックスのトリックなんかなかなか感心したけど、実を言えばあれはありえないことだ。 回天は母潜水艦の甲板に設置してあるだけだから乗り込んだり操作したりするにはまず浮上しなければならない。 潜水中に発艦は不可能。 でもそれを言ったらこの映画は成立しなくなってしまう。 製作する側だってわかっていてあえてうそをついたと解釈したい。 それともみんなそんな事知らないだろうと高をくくっていたのか。  そういったことにはとりあえず目をつぶって(本当に目をつぶったら映画を観られないけど)、これはおとぎ話なんだと思ってみれば良い。  [追記: 浮上して乗り込みというのはごく初期のことで後には交通筒と言う通路が設置されて潜水中にも移乗可能になったそうなので、これは「ありえる」設定でした。 とはいえやはり基本はおとぎ話的作品という思いは変わらない。  戦争映画だけどほとんど人が死なないのが良い。 艦長が海軍軍人らしからぬ口調だけど玉木宏らしくて良い。 実は指揮者になりたかったんだ、なんて冗談で言っていたけどこれは「のだめカンタービレ」を意識してるんだろうな。  米軍側の演出もみんなまともな台詞で良かった。  最近の潜水艦戦争映画ではへっぽこだったローレライを思い出すがこちらのほうがずーーーっと好ましい。 特撮もずっとましだった。  昔の映画としては当然ながら「眼下の敵」を思い出す。 「真夏のオリオン」は明らかに「眼下の敵」の影響を多大に受けている。 さまざまなエピソードが使いまわされている。 製作側も「眼下の敵」が「真夏のオリオン」の原点であると書いている。  希望ある終わり方をしてくれたのが何よりも後味が良かった。 だからこそおとぎ話として受け入れられる。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-03-23 23:48:20)(良:3票)
5.  きまぐれオレンジロード/あの日にかえりたい 《ネタバレ》 
原作のマンガも、アニメも見たことないので純粋にこの映画単体での評価になる。 1988年の作品ということで、いろいろ懐かしい。  いまどきキスしたくらいでどうということないのだが20年前はそんな感じだったのか。 なんかこっちが気恥ずかしくなるというか。 不思議な感覚だ。 CDが出てくるが当時は発売されてから数年、まだまだ普及のレベルには到達していない。 物珍しかったろう。   Wikipediaできまぐれオレンジロードのことを読んでみたけど、恭介って超能力者だったの? この映画ではそんなことはまったく出てこなかった。 まどかってスケバンだったの? この映画では全然そんな感じじゃない。   原作のことをまったく知らないで観た事でかえって純粋に映画単体での評価が出来ると思う。 それがいいかどうかはわからないけど。 原作知らないで見る人はあまりいないだろうし。   三角関係、高校生の恋愛感情などなど結構楽しめた。   まどかはずるい、何にもしてないのに。 いや、してるか。 祭りの夜に浴衣を着て電話した。 これは男にとってはかなり強烈な印象だろう。 でもキスも許さなかった。 普通あの状況なら寝るところまで行っても不思議じゃない。 やっぱり1988年だからか。 それともそういう展開は許さない作品だったのか。   恭介はまどかが好きなんだからひかるの努力なんてのはどうにもならない。 でも、どっちも好きで良いのにと思う。 ひかるがあんなに好いてくれるんだから好かれたままでいれば良いのに。   というわけで終わり方がやや不満である。 そこまでかたくなにひかるを拒絶しなくたっていいのに。 
[ビデオ(邦画)] 5点(2011-07-20 03:35:23)
6.  日本沈没(2006) 《ネタバレ》 
さまざまな酷評を目にしたが、やはり自分で観ないとわからない。 小松左京原作の映画化2度目なのだが、1973年版とは明らかに違う展開、演出。 しかしながらこれはこれで楽しめる。 独立した作品として完成された映画だと思う。  確かに草薙君は神出鬼没だし、俯瞰シーンの特撮はやや興ざめだし、特に最後の爆破シーンはお笑いとしか言いようが無いほど低レベルのCGだし、無理やりな設定で話を盛り上げているのは確かだ。 せっかく掘削船を使って爆薬を設置したのに最後の起爆剤の設置には潜水艇でもぐらなければいけないなんてありえない。 それに引退して展示されているふるい潜水艇を整備するまもなく使うなんていうのもありえない。 そんなことするくらいなら諸外国に協力を求めたほうが早いし確実だろう。 実際掘削船は外国からかき集めたじゃないか。 だけどそれで映画が楽しめなくなるわけではない。 無理やりな設定はありがちなもの。 そもそもの日本が沈没するという設定自体が無理やりだ。 十分に楽しめた。 1973年版と比べてはいけない。 同じ原作だがこれはまったく別の映画だ。  
[ビデオ(邦画)] 6点(2011-07-20 03:26:43)
7.  GANTZ
前半のネギ星人、田中星人退治の辺りまでは大変面白く引き込まれた。 しかし後半の戦いは全くいただけない。 かなり迫力があるシーンが続くのだが、必然性がまったくないのだ。 一発で相手を爆破できる強力な武器を持っているのだからさっさと撃てばいいのに。 これは田中星人との戦いでもそうだったがこれは事実上初めての戦いでビビッて体が反応しなかったという言い訳はできる。 しかしそれ以降の戦いはまったく話を長引かせる演出のためにわざと撃たないという感じ。 じれったくていけない。 しかしなんで毎回違う星人なんだ。 そんなにたくさん種類があるのか。 頭数が少なすぎやしないか。 なんてことは考えちゃいけないんだろう。  後半のじれったさはいかにも残念だが、なかなか面白い作品ではある。 次回作が見てみたい  (原作コミックは未読、内容も知らず)
[ビデオ(邦画)] 6点(2011-07-17 07:48:15)(良:1票)
8.  男たちの大和 YAMATO
あまり感情移入が出来ない映画であった。 部分的にぐっとくるシーンはある。 だけど全体的に感動するかというとちょっと興ざめ気味。  戦闘シーンはレイテ沖海戦と沖縄特攻の2度出てくる。 よく出来ている。 悲惨さは良く伝わる。 しかし敵戦闘機が当然ながらすべてCGで動きがかなり不自然。 飛行機の飛び方を良く理解していない人がCGを作ったようだ。 さらに実写とのからみがないのでどうももどかしい。 実物大大和のセットはさすが。 いまいち迫力に欠けるがそれでもセットには見えない。 良く出来ている。 でもやっぱり躍動感に欠ける。 要するに船に乗っている感じが出ていない。 大海原に出ているという感じがしない。  またCGの大和もこぎれいすぎて違和感がある。 CGの完成度に難がある。  仲代達也演じる元大和乗組員、海軍軍人だったくせに最後の敬礼が陸軍式。 戦時中のシーンではみんな海軍式敬礼をしていたのに。 これにはかなりがっくり来た。 歳とって忘れちゃったのか。   エンディングで長渕の歌が流れる。 なぜ長渕? 演歌だ長渕。 これで泣けって言うのか長渕。 昔から日本の大作戦争映画はなんか変な歌がついて来る。 なぜだろう。  それにしてもこの湿っぽい展開はやはり日本人の特性というものなのか。 大和の特攻は制海権、制空権を持たない大海に航空機護衛も無い状態で飛び出していった、沖縄到着の可能性は無い自殺行為だった。 目的は(艦に)死に場所を与えるためだった。 しかし日本人はこういう話が好きだ。 先の大戦の悲惨な負け振りはこの日本人の気質がもたらした。 それが日本人を日本人たらしめている根幹に関わるゆえいまだに日本人はこの手の悲壮感あふれる話が好きなのだ。   愛するものを守るために死にに行くのだということを表現しようとしているようだが(特攻隊員の手記をエピソードに組み入れたり)、表現に芸が無いというか、あざといというか。 この手の話は昔から映画のねたにされてきているのでそのまま同じ事をされても素直に心に入ってきにくい。 ようするに演出の問題だろう。 もっと抑えた演出のほうが心に響くというものだ。 艦隊生活の描写もおざなりでとにかく感情移入しにくい作品だった。 
[DVD(邦画)] 6点(2011-01-13 07:00:34)
9.  アポロ13 《ネタバレ》 
製作者、出演者の熱い思いが伝わってくる。 壮大なアポロ計画のどこかを切り取って映画作品にするとするともうこのアポロ13しか考えられない。 11号は確かに歴史的イベント。 でもあまりにも大きすぎる。 みんなが知っている。  A Successful Failureといわれたアポロ13号の事故。 11号による人類初の月着陸でピークを迎えたプログラムは引き続き12号の成功、そして13号と人々の興味は急速に失われていったが、3人の宇宙飛行士の命が風前の灯になった大事故によって注目を集めることになったのはまさに皮肉なことだ。 13と言う不吉な数字、直前の飛行士交代、そして事故、とにかくドラマティックな話盛りだくさん。 映画化に最適の題材。  NASAの協力を得て飛行機内部にセットを作って自由落下状態で撮影すると言う前代未聞の試み。 そうとう大変な作業だったと思うがこの映画の完成度を一つ高い次元に押し上げたと思う。  宇宙船内で飛行士同士の言い争うシーンがある。 密閉された小さな空間。 その外は宇宙、逃げ場は当然無い。 しかも事故によって最悪の環境だし無事に帰れるかどうか判らないというものすごいプレッシャーの中、感情的にいらだつのもありそうな話だが現実は違った。 爆発が発生した直後の通信でも彼らの口調は常に冷静だった。 ただモニターしている心拍数が通常から倍くらいに飛び上がっていた。 これは映画でも描かれている。 誰も助けにいけない宇宙空間での爆発事故だから極度の緊張で心拍が上がるのが生身の人間の自然な反応。 しかし彼ら宇宙飛行士はあくまでも冷静に行動した。 超人的に強靭な精神力。 だから映画にあったような言い争いは無かったという。 でもあれくらいのシーンがあったほうが映画としては確かに一般受けは良い。 こんな具合に少しハリウッド的な演出はあるが、鼻に付くほどではない。  この映画の後トムハンクスはスピルバーグと組んでFrom The Earth to The Moonと言うアポロ計画全体を描いたミニシリーズ完成させた。 このシリーズの中でも当然13号の事故は1エピソードを割いて描かれているが地上の人々の反応を追うと言う全く違う視点で描かれ見事な対比を見せている。 映画と違って地上の視点で描かれているので宇宙船内のシーンが全く無い。  From The Earth to The Moonという偉大なるミニシリーズに昇華したことを考えるとこの映画の存在はとてつもなく大きい。 
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 10点(2010-12-08 06:23:18)
10.  世界で一番美しい夜 《ネタバレ》 
160分という長尺の映画。 時間的に余裕があるせいかゆったりとした流れで話が始まっていく。 いったいどうなるのか、どんな話なのか、そんな不安が最初はあったが、徐々に話の中に入り、楽しみながら観終えた。 なかなかの力作と言う感じ。  登場する女性たちが不思議な魅力を放っている。 単に綺麗だとかそんなことではなく、不思議な雰囲気。 それとはまた別に月船さららの裸の美しいこと。  話の内容は他愛ないと言ってしまえばそれまで。 ばかばかしいにもほどがあるともいえるが、まじめに描いている。 愛は世界を救うみたいな感じだけど、抽象的な愛ではない。 もっと現実的な性交だ。  最後にちょっと説教くさい感じになるのが興ざめなのだが、そこで終わらないで漂流した島での三上寛の歌まで持っていったのは良かった。  主人公水野一八の末路やらなんやら、要するに寓話のようなお話。   ところでここで照子役の月船さらら、シメコ役の美知枝といった重要なキャストが載っていないのはなぜでしょう。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-10-23 16:56:14)
11.  252 生存者あり 《ネタバレ》 
252人生存者がいるということかと思っていたら、全然違った。 前半の洪水シーンはなかなか迫力があって感心した。 でも超巨大台風の発生から日本上陸までがやたら短くてだれも備えをしていないのが不自然だ。 気象庁(なのかな)ですら全く状況を把握していない。 普通あれだけでかい台風が赤道近辺で発生して北上してきたらみんなもっと防災体制を敷くだろう。 雹(ひょうってこんな字だったのか。)が降るのは良いとして、なんであんなに巨大な津波が来るのか。 しかもいきなり。 あれだけ大きな災害なら少なく見積もっても数万人単位で死者が出たと思うんだけど、肝心のレスキュー隊員が身内を救うことだけに尽力を注いでいる。 ちょっとしらける展開だった。 最後の救出シーンの演出はいろいろ詰め込みすぎで興ざめ。 しかし伊藤英明演じる主人公っていったい何者? 超人ハルクですか?  子役の女の子(大森絢音)がなかなか良かったのがこの映画の一番の収穫。 
[ビデオ(邦画)] 4点(2010-01-27 13:10:48)(笑:1票)
12.  LIMIT OF LOVE 海猿 《ネタバレ》 
稚拙な脚本、稚拙な演出、そして稚拙な演技。 ってこれ、前作「海猿」のReviewで書いたけど、全く同じ感想。 いや、それがスケールアップしてる。 前作の瞬間的感動シーン(というよりつぎはぎ感動シーンか)がパワーアップしてる。 しかしここまでやるか。 突っ込みどころ満載。 煙突のはしごを上っていくシーン。 船が転覆寸前まで傾いているのになんではしごが垂直のままだ。 船に閉じ込められたまま沈没。 救出に掛かれーって、今言うんだったらなんであんなに早い時点で諦めて全員引き上げたのだ。 これはほんの一部。 いちいち取り上げていたら本が一冊書けそうだ。  きっとあんなことやこんなことをてんこ盛りにしたかったんだろう。 そのためにはどんな矛盾が生じても、ストーリーに破綻をきたしてもやむなしと思ったか、いやそもそもこれで筋が通ってるとでも思っていたか。  映画の最後に唯一のキスシーン登場。 前作のキスシーンが余りに情けなかったが、今回はどうだ。 やっぱりお子ちゃまだった。 これは恋人のキスじゃない。 ただ唇を押し付けただけだ。 そんなにいやだったのかな。 興ざめだな。
[ビデオ(邦画)] 3点(2009-12-31 13:28:27)
13.  海猿 ウミザル
稚拙な脚本、稚拙な演出、そして稚拙な演技。 瞬間的感動シーン盛りだくさん。 だけど設定に無理がありすぎ。 でもここまでベタだとある意味すごい。  唯一のキスシーン、だけど本当にはキスしてない。 ってどこまでお子ちゃま映画なのよ。 
[ビデオ(邦画)] 3点(2009-12-31 13:08:39)
14.  沈まぬ太陽
途中休憩が入る3時間を越える作品だが、よくまとめたと思う。 確かに登場人物は多いし映画で描いている時間軸が長いし、各個人の内面に迫るようなシーンはあまりなかったがそういう説明的な演出がなくても十分に想像で補える。 原作を読んでいなければ先入観無しに勝手に登場人物を解釈できる。 あるいは読んだ上で予備知識を持って観るのもまた良しだと思う。 鑑賞後やり切れぬ思いだけが残る。 日本航空の体質、それに関わる政治家官僚の醜悪さ。 これが日本の本質なのかと思うとどうにも。。 もちろん映画では国民航空という会社名だしエンドクレジットで劇中の会社人物は実在のそれとなんら関わりがないと免責説明をしている。 だがこれが日本航空とそれを取り巻く人間の話であることは明白だし、フィクションではあっても事実を元にしていることも周知のこと。 関西に230人もの未亡人を一気に生んだ。 この台詞はあの墜落事故の大きさ辛さをあらためて再確認させるに足るものだった。 だが有名な「遺書」を映画の中で扱ったシーンはあまりにもお涙頂戴的な安易な演出でまったくいただけない。 最初のシーンは良い、激しく揺れる(ダッチロールという言葉、当時ほとんどの人はこのとき始めて聞いたろう)機内で遺書を書く。 それだけに留めて置けばよかったのだが棺の前でその遺書を息子に読ませるという余計な演出を加えてしまった。 あまりにもわざとらしくて少々しらけた。 そんなことしなくてもあの遺書のことはみんな知っているわけだし十分心に響いているというのに。 それにしてもあれほど会社から、いや出世して会社を牛耳って甘い汁を吸おうとしている連中に虐げられてもなお会社を辞めない主人公というのは私には理解を超えている。 あまりに清廉潔白で人間としてありえないんじゃないか。 とてもよく出来た作品だと思うのだが、CGの質の悪さが作品を貶めているかのようだ。 なんなのあの安っぽい不自然な飛行機のシーンは? 素人が自宅のパソコンででっち上げたかのようだ。 役者の出演料で予算を使い切ってしまったのだろうか。 海外に外注すれば良いのに。 飛行場からの単純な離陸シーンですら不自然極まりない。 せっかくのすばらしい演技が台無しだ。 
[映画館(邦画)] 8点(2009-12-19 04:53:51)
15.  ゼロの焦点(2009)
なかなかに見ごたえがある作品である。 広末涼子演じる禎子が狂言回し役。 後半彼女の語りで真実が明かされるのは良いのだがどうも彼女の立場では知りえない内容がかなり含まれているようで、さらにそこにいたるまでの話の流れから唐突に怒涛の説明に入っていってちょっと戸惑いを感じた。 3時間くらいの長さが許されたらこのあたりはもっとうまく処理されたかなと思う。 後半に見られる中谷美紀の迫真の演技が作品の質を高めた。 ほんと、怖かったよ。 そして薄幸の女を演じたら右に出るもの無し、日本一の木村多江。 もう涙なくして見られません(っていうのは大袈裟だが)。 CGの使い方がさりげなくてとても良かった。 とても自然な処理で映画館で一度鑑賞しただけではどこでCGが使われていたのか良く分からないが、蒸気機関車、駅のシーンなどで使われていたと思う。 日本の特撮もここまで来たかと思ったがエンドクレジットを見たら特撮処理は韓国への外注だった。 海際の崖でのシーンは逆に舞台的な大袈裟なライティングで自然さからはかけ離れていたが演出としてこれはありだろうと思う。 
[映画館(邦画)] 8点(2009-12-19 04:45:03)
16.  犬神家の一族(2006)
いったい何のためにこの映画を撮り直したのだろう。 話題作り? それ以外には思いつかない。 同じ監督、同じ主演者ということでどんな作品になるのか楽しみだったのだが、肩透かしというか、拍子抜けというか。 まるでデジャブーだ。 まったく同じ脚本同じ演出ということなのだろうか。 これなら前作をそのまま劇場再公開したほうが良かったろうに。 これは今回の出演者には大変酷な作品になったと思う。 何しろ前作の出演者と比較されること必至だから。 珠世役はやはり清楚な雰囲気を持つ島田陽子の方が松嶋菜々子より良かったし、旅館の女中も坂口良子の方が深田恭子より圧倒的に良かった。 同じギャグでも今作品ではことごとく滑っている。 それはそうだ、前作と同じなのだもの。 前作が存在しなければそれほど違和感なく受け入れることも出来たろうに。 前作を知らない人だけに見て欲しかったのかな。 でも私は前作を知っているのだ。 比較するなというのは無理な話。 唯一良かったのは音楽。 前作のテーマ曲だけを残して大野雄二以外が音楽担当というのは正解だった。 石坂浩二の金田一耕助は確かにはまり役だが、今となっては年齢的に合っていない。 ふけボロボロのシーンも若いから見ていられるのだ。
[DVD(邦画)] 3点(2009-11-11 17:42:27)
17.  レッドクリフ Part I
三国志というのは各陣営の駆け引きというか、人間関係というか、だましあい、裏切りなど謀略の限りを尽くしたどろどろした関係に魅力があるのではないか。 この作品はなんか単純化しすぎというか、勧善懲悪な展開。 アクションシーンはもうジョンウーらしいといえばその通りなのだが、要するに芸がない。 なにやっても同じ。 
[DVD(吹替)] 5点(2009-06-10 15:36:15)
18.  僕の彼女はサイボーグ 《ネタバレ》 
スケールが大きくてびっくりした。  元は韓国人向けの脚本なのだろうか、最初から日本人が演じることを考慮したのだろうか。 どうも違和感があるな。 良し悪しではなく、何か違う。  「ターミネーター」以降タイムトラベルと言うとみんな同じ演出。 想像力の欠如だ。  過去を(いや映画では現在だが)変えることによって未来もどんどん変わっていくと言うことなのだろう。 タイムパラドックスの極みだが、そもそも空想の世界なのだからこんな展開があってもまー良いか。  無理やりな展開でも全体的にうまくまとまっているが、途中のジローの田舎へのタイムトラベルだけは余分に思う。 郷愁を誘う演出で盛り上げようとしているのだが、わざとらしくてかえって興ざめ。  でもなんだかんだ言っても最後まできっちり描いてハッピーエンドにしてくれたからすっきりと観終えることが出来た。  それに綾瀬はるかはとても魅力的だった。  あれ、でもジローが最初に「彼女」に出会ったのは2007年の11月22日だよな。 そのときの彼女は生身、100年後の未来からジローに会いに来た。 なぜ彼女が来たのか、それは彼女が自分そっくりのサイボーグを手に入れてその記憶を共有したから。 でも彼女が手に入れたサイボーグはジローが後に大地震で壊れた「彼女」を修理したものだ。 つまりジローは銃撃でけがをしなかった。 でも2008年に銃撃でけがをしなければジローはそもそもサイボーグを作って過去に送り込んで自分を守ろうとはしなかった。 さらには大地震のときに100年後の未来の彼女はジローと生きることを決意してやってくる。 つまりジローは生身の彼女を手に入れたわけだ。 もう壊れたサイボーグを直す必要もない。 でも直さないと未来の彼女はジローのことを知るすべがない。 だめだ。 やっぱりタイムパラドックスは矛盾に満ち溢れている。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-01 14:32:06)
19.  リンダ リンダ リンダ 《ネタバレ》 
映画の題名になっているこの曲、いつの歌だ。 確かに聞いたことはあるが相当昔のような気がする。 などと言うことを考えつつ観たこの映画、また典型的日本映画だなこれは。  確かに韓国俳優を起用したのは良かったと思う。 いいアクセントにはなっている。 でもそれがなかったらあまりにもメリハリに欠ける映画になっていただろう。 全体的な雰囲気は良い。 決して退屈にはならないし、いい印象を残してくれた。 が、やはり演出が稚拙であることは否めないように思う。 群像劇でありながら各個の掘り下げがなく感情移入するに至らない。 だれがだれやらよくわからない。 当日、寝坊して遅れる、しかも雨が降る。 無理やりな設定だ。 でも、悪くはないね。 嫌いじゃない。 
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-12-01 14:00:28)(良:1票)
20.  檸檬のころ
青春ってみんなこんなさわやかだったのかな。 もっと生々しいし、うじうじしているし、そんなすっきりしてない。 のが少なくとも私の記憶だ。 確かに映画の中でもいろいろ悩んでいるようだが、みんなうまい具合に出口を見つけて進んでいく。 そうじゃないと映画として完結しないのは確かだが。  そんな違和感を感じつつこの手の青春映画を観ている。 榮倉奈々演じる秋本加代子と野球選手(名前忘れた)の恋愛。 なんかしっくりこない。 不釣合いとしか思えない。 いや、単に見た目で言っているんだけど。  しかし後半に向かって谷村美月が俄然光ってくる。 彼女が絡むエピソードがとてもよい。  とてもよい余韻を残してくれた。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-01 13:51:20)
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