1. 男はつらいよ 寅次郎子守唄
寅さんは、「とらや」にさえ近づかなければカッコいいんだ。とらやが鬼門なんだよ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2025-01-11 21:27:43) |
2. ビッグ・マグナム黒岩先生
《ネタバレ》 どのように面白がったらいいのか、わからない。暴力シーンやレイプシーンが見るのが苦痛。令和のコンプライアンスに耐えられるものではない。つまり、不適切にもほどがある。しかし、不良学生がメチャクチャしつつも、教師に答案に100点つけろと要求するあたりは、昭和の良識のほほえましさでもあるよね。お前さん方、テストの点などどうでもいいのではないのか。 [DVD(邦画)] 2点(2025-01-06 19:40:23) |
3. 掟(2024)
《ネタバレ》 石丸伸二氏のことを描いた映画であることを標榜しているにもかかわらず、違う人物の名前で制作されている。ドキュメンタリーではないし、再現VTRでもない。現実と併走した「フィクション」なんです、と。その上で、ブラックユーモア溢れる映画エンタメとか言って、いくらで言いつくろえるように作ってある。■つまらないというのではなく、ひきょうな映画なんだよ。奥山和由氏を見損ないました。 [インターネット(邦画)] 1点(2025-01-06 05:05:48) |
4. 侍タイムスリッパー
《ネタバレ》 めちゃくちゃ好きだ。なんて愛らしい映画なんだろう。「ちょんまげぷりん」みたいで、「蒲田行進曲」みたいで、でもやっぱり「カメラを止めるな!」みたいで。■なんで「カメ止め」を彷彿とさせるかと言えば、彼の作が盛り上がってたころに、ちまたで言われていた「映画愛」を感じるところですよね。時代劇が好きで好きでしょうがないのだろう、と。これだけ殺陣シーンを固唾を飲んで視聴したことはなかったぞ。■主人公の高坂が、わりにすんなりこの状況に順応していくところも良かったし(性格が良くて頭が良い)、風見の中打ち上げでのあいさつ。トップランナーとして業界全体を盛り上げようとする気概に、おもわず映画館でワタシも拍手したくなりました。「すべる落ちるネタ」って、令和にやっても面白いんだな(しかし、演じる人が微妙にやりにくそうなのがうまい。メタっぽい感じ、え、コレやるのって言ってるような)。■きっとこの世にはタイムスリップしてきたお侍さんがもっとたくさんいて、一生懸命世の中支えてくれているんですよ。そうだといいな。 [映画館(邦画)] 10点(2024-11-28 16:43:41) |
5. ルックバック
《ネタバレ》 見終わった今、率直にいうと気持ちをもてあそばれてしまった感じです。好きなシーンはたくさんある。京本(天才)に認められたことが分かった藤野(秀才)がスキップしながら帰るシーン。お互いの能力を信じ合える13歳の二人。町に出て、賞金で豪遊(5000円)するシーンとか、ほんとにうらやましいなあと思いました。しかし。■進む道が分かれた二人は、必ずまたどこかで出会うのだと想像していましたが、こんな別れですか。前半がすばらしかったから、”あのとき出会わなければ良かった二人”なんて妄想は、ワタシにはあり得ないんだけどなあ。■なにかもっと深い覚悟がありそうな作品ですが、ワタシにはこの点です。【追記】「京本死んだの、アレ、ワタシのせいじゃん」。なんという傲慢な。京本の主体性を踏みにじる言葉。ここをどう理解したらいいのかわからないのです。藤野には、京本に対しては畏れのようなものを持っていて欲しいのだ。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-11-24 20:26:36)(良:1票) |
6. 教祖誕生
《ネタバレ》 地下鉄サリン事件前の作品。たけしが本作を作るに当たって、オウム真理教のことが念頭になかったはずがない。■「やっと、神の影が見えたと言うことかな」。終幕近くで、司馬(たけし)がそうつぶやくわけです。集金のために利用していたかと思いきや、実は彼も神を希求していた、ということなのだと思います。つまり、司馬は上祐史浩だったと。しかし、何かそれまでにフリがないとカタルシスはない。何か、物足りない。■宗教者の日常を描いた作品としては、森達也氏の「A」が抜群に面白いわけで。とはいえ、本作が、ドキュメンタリーである彼の作に何となく雰囲気似てるのはすごいなと思いますね。 [DVD(邦画)] 6点(2024-11-03 05:55:13) |
7. 首(2023)
《ネタバレ》 本作の信長は、人は惹きつけられずにいられないような部分があってしかるべきだったのだと思うが、なんせ狂人一辺倒。■たけし演じる秀吉が一番のワルになるのだろうが、相変わらず覇気のない演技。監督だけやってればよかったのに。■いやしかし。たけしに現場を仕切る力は残ってるのだろうか。本作の現場も、たけしを支える黒田官兵衛や秀長がいてからこそであったような気がする。■好きなシーンは、大竹まことと木村祐一の差し違えのシーン。 [DVD(邦画)] 4点(2024-10-24 17:24:26) |
8. 拳銃と目玉焼
《ネタバレ》 「8万円のカメラと750円のライトで撮った」という予告編を視聴後に見ましたが、言われなければ気づかない。腕のあるチームが作ったのだろうことが、忍ばれます。■ほんとうに寡黙で地味な主人公のことが、すごく気になる。気持ちを入れ込んじゃう。本作のために出てきた人かとおもいきや、かなりキャリアのある役者さんだったのね。■ハーレーで彼女の元に彼を連れて戻った主人公が、「正義のためでなく、~○○~」と言い切ったシーンが、最後まで弱ヨワのシローだったからこそ胸に響く。そうだよ。そんなもの(正義)のためになんかに、必死にはなれない。■あそこでバスッと切ったエンディングにはシビれましたが、エンドロール後もありますんで、そこ見ないでこのサイト見ている方は、一応チェックおすすめです。 [DVD(字幕)] 7点(2024-10-14 13:15:30)(良:1票) |
9. マミー(2024)
《ネタバレ》 うーん。率直に言えば面白くないし、好きでもないのだけれど、なんだか異様な雰囲気はある。事件の真相に迫るというのがメインの筋ではあるのだけれど、それよりも有名死刑囚の「ファミリーもの」という側面が強すぎて。保険金詐欺の部分については、もう繕おうともしないわけだな、林健治氏は。家族からマミーと呼ばれ、教育熱心ではありつつも、そんなことの片棒かつでいたのだな、真須美氏は。また、若手監督のいっちょコレで当ててやる感が強すぎて。カメラの停止を要請されても、画角を変えて撮り続ける。取材先からNGを喰らい続ける姿は「青春もの」のようなのだが、林家の皆さんはなぜOKをだしたのか?自分たちの主張の場が欲しかったのだとは思うが、であれば健治氏の不用意な発言はなんなんだ。■眠れない夜に、時々思い出してしまいそうでイヤな気持ちになる。 [映画館(邦画)] 4点(2024-09-21 16:12:02) |
10. 人間魚雷回天
《ネタバレ》 うーん。脱出装置はなく、1.5tの爆薬とともに出撃すれば、敵艦に体当たりするかそうでなければ自沈するしかない、「鉄の棺桶」とよばれた回天の絶望を考えると、本作で開陳されるエピソードはピンとこないですよ。神風(航空機)による特攻よりも狂気が深いことを考えると、前夜のデートや最後の酒宴なんて想像の範囲のセンチメンタルというか(ひとでなし)。作中、朝倉少尉の「僕達が死んで行くのは、無謀な戦いを無謀なものだと気付かせるためなんです。」というセリフはメチャクチャなんだけど、志願する兵士のメチャクチャなメンタルを多少なりとも理解できるセリフ。オレは何を見たがっていたんだろうとも思うが、大津島であったことはこんなんじゃないだろうと思っています。■回天の攻撃成功率は、2%(神風は10%程度)だったとのこと。わたしゃ、最後の出撃は、4人全員失敗してこそこの映画の価値と思っています(どんどんひとでなし)。 [DVD(邦画)] 4点(2024-08-26 20:24:12) |
11. 名もなき人々の戦争
《ネタバレ》 一番印象に残るのは、沖縄戦でのエピソード。投降を促しにきた仲間を、日本兵が3人がかりで惨殺したのを見て、アメリカ兵がありとあらゆる銃弾を打ち込んできた、と。日本兵と戦うアメリカ軍の恐怖に思いを馳せました。▪️こいつらにだけは、もう二度と戦争をやらせてはならないという強い恐怖から生まれたのが、日本国憲法なのではないか。▪️もうはっきり言うが、こんなに自国民を大事にしない「システム」があの時勝たなくて本当によかったと思っています。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-08-25 20:19:58) |
12. 正義の行方
《ネタバレ》 長い映画なのだけれど、がぜん物足りない。NHK福岡も事件発生時の報道現場での当事者であったはずなのに、当時の担当者が出てこない。悔恨があるなら、まず自らを省みるべきでは。そして何よりも、久間三千年氏の声が聞こえない。外に対しては、あまりメッセージを発しなかった人だったようですが、本作スタッフなら、久間氏の声を拾っていたでしょう(手紙でも、なんでも)。実際には、群像劇だったのだろうし、いろんな正義があったのだと思う。もっと混沌としていた良かったのではと思う。なんか、「福岡県警パート」長すぎない?もっといろんな人、出して。■「正義を相対化する作業が、ジャーナリズム」って本当だろうか?そんな傍観者的でいいの?もっと批判的であってほしいのだが。□八丁峠の森、時々挟まれる電車の風景などがキレイなのはサスガ。 [映画館(邦画)] 5点(2024-08-17 21:52:50) |
13. 死体の人
《ネタバレ》 やさしい映画だなあ。オラは好きです。主人公の奥野瑛太氏は、ワタシ、ノーマークでしたけど、「もっと見てみたい!」と切実に思いました。烏丸せつこさんも、久しぶりに見たなあ。もっと出てきてほしい。きたろう氏の父親役は、すごく滋味深いのでした。よかった。なお、臆することなく、3巻ぶんもあるのなら、もっとガッツリ「ニュー・シネマ・パラダイス」をやればよかったのにと思っています(広志ダイジェスト)。 [DVD(邦画)] 7点(2024-08-15 20:23:44) |
14. アイアム・ア・コメディアン
《ネタバレ》 前提として、ワタシ、村本さんの漫才(漫談も)は好きですし、そのありようも好きです。であっても、本作の感想は、ようするに「現役芸人のドキュメンタリーはヤボである」ということです。同じ系統の映画である「テレビで会えない芸人」の一口コメントでも同様のことを書きましたが、本作は、村本さんにとってプラスなのか? 本作が村本さんが引退されたのちに公開されるならいいんですよ。しかしいま、こんな舞台裏をみせられても。本作での村本さんは自己陶酔が強すぎて好きではありません。今度、ネタを観るときに、本作で得た情報はじゃまになりそうなんですよ。村本さんが好きなら、村本さんのネタだけ観ればいいんだと思った次第です。■あるいはそれでも、芸人さんが主体のドキュメンタリー映画を取るならば、オチがあってしかるべきではとも思います。本作であれば、実はお父さんは、亡くなってはいなかったとか(エンドロールで談笑してたり)。芸人なら、最後にツッコマれてなんぼでは。いやいや、一体全体どこまでがホントなのかわからん、みたいな。 [映画館(邦画)] 4点(2024-08-04 13:46:12) |
15. ヤジと民主主義 劇場拡大版
《ネタバレ》 どうかと思うが、面白い。係争中の二人(山岸さん、桃井さん)はだんだん事態が面白くなってきてるんじゃないか。支援者や反対者が増えるにつれて、問題に注目が集まるようになって。あの現場での孤独(回りは傍観者的でヒイてた、笑ってたとも)を思えば。□裁判は、最高裁まで持ち込まれた。注目し続ける。お二人を応援しています。■しかし、ワタシが怖いのは、(おそらく動員だとは思うが)映画の冒頭、現場で「安倍総理を支持します」というプラカードもっている善男善女です。もう、教祖巡行ですよね。よくあそこで声を上げられたよと思うが、その場の恐怖に駆られた悲鳴のような声だったのではと思っています。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-07-28 18:13:49) |
16. 君たちはどう生きるか(2023)
《ネタバレ》 どうせ、私たちの生きるのは、大叔父の作ったシンプルな原則で理解できるような世界ではなく、眞人が選んだのと同じ、猥雑で不幸なことばっかりのこの世界だ。どう生きようとも、そこで生きるしかないのだ。なんちゃって。 [DVD(邦画)] 7点(2024-07-26 21:09:24) |
17. ジャッジメント・ナイト
《ネタバレ》 「奥さんが見えてます」。主人公もこれから警察の事情聴取必至だと思いますが、めでたしみたいな終わり方をするのですね。なんかアドベンチャー映画を見たような気になってます。なので、「ヤンキーなグーニーズ」と評してみたいと思います。 [DVD(吹替)] 2点(2024-06-23 13:35:53) |
18. 映画 ○月○日、区長になる女。
《ネタバレ》 歩く(または走る)後ろ姿がカッコいい。アンドレ・ザ・ジャイアントを見るような図抜けた感じ。なにかを託してみたい気持ちになる岸本聡子氏。映画としては、岸本陣営からだけの描写であり、敵役の動きがなかったのが残念だよね、と思ったのですが、しかし。選挙戦を終え、そして当選の第一報を受けたときに岸本氏の表情を見て、ワタシ、涙がブワッと沸いて出ました。こんな複雑な表情になるのか、と。見に行ってよかった。【追記】「童夢」(@大友克洋)の女の子が、大人になったみたいでもあるな。 [映画館(邦画)] 8点(2024-06-14 14:39:53) |
19. 新・男はつらいよ
《ネタバレ》 事情によりハワイに行けなかったから、旅行の期間中、とらやで身を潜める。カッコ悪いのを隠そうとするのが、一番カッコ悪いんだよ。これが、旅行社の営業である登をかばってのことでもあれば、まだしも。昔はこれで笑ってたんだろうけど、いろんな身の上の人を見てきた今の私にはホントに親戚は大変だなと思ったり、「お兄ちゃん、かわいそう」なんて甘やかすサクラが悪いと思ったり。寅さんの観客にふさわしくないワタシなんだと思います。 [DVD(邦画)] 3点(2024-06-12 11:48:13) |
20. 男はつらいよ フーテンの寅
《ネタバレ》 これはすばらしい。□寅がみっともなくないのがいいんだ。□湯の山温泉の宿を去るとき、いないお志津さんに別れを告げたりなんかしちゃって、相当カッコ悪く、だいぶつらいはずなんだけど、ひょうひょうと歩く幹線道路のシーンがカッコいいんだ。□染奴の父・清太郎に切った仁義の美しさ。□旅先のシーンが多い本作を見て、寅さんの調子がおかしくなるのは葛飾柴又の疑似家族と過ごしているときであり、本当に寅さんは旅の空にこそいる人なんだと思いました。□前作の甘ったれたクズから一転。本作では、カッコ悪いけど、かっこいい。ワタシの好きな寅さんの原点は、この森崎東監督の寅さんだったのね。渥美清が楽しそうなんだよ。 [DVD(邦画)] 9点(2024-05-29 03:08:43) |