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1.  百万円と苦虫女
偽悪的なタイトルだが、身構えることなく楽しめるまっすぐなストーリー 遠い昔話を思い出しているように優しく、これから始まる物語のように厳しい 最後にかじっているドーナツがとても美味しそうでした!
[地上波(邦画)] 7点(2016-12-22 11:05:15)(良:1票)
2.  リング(1998) 《ネタバレ》 
あれから18年。すっかりこちらのテレビも薄くなっているわけで、どうにも埋めがたい気持ちの隔たりと、ちょっとした申し訳なさを感じないわけにはいかない。映画の印象もずいぶん変わった。貞子の服やパーマ、こんなにきれいだったかなあ?子供時代に感じた、お化け屋敷な印象はきれいさっぱりなくなった。ホラーらしくない落ち着いた映像と趣味の良い美術、素朴な演技などは今だからこそ共感できる部分も多い。  思えば、テレビは一家だんらんの明るい象徴だった。それが核家族化により一家に一台からひとりに一台へ、お茶の間から個室へと移り変わる。ちょうど当時としてはテレビの存在が、暗闇を映す鏡のような異世界へのチャンネルとしての魔術性を帯び始めた頃合いだったのかもしれない。  「呪いのビデオを見ると一週間後に死ぬ」ホラーの題材としては一見子供っぽく感じる。しかし観客の気持ちをしっかりとつかんで離さない重厚な雰囲気づくりは見事だ。  私たちは、これ以上深入りしてはいけないような禁忌と、それでいて行かなければならないような使命感の狭間に揺れる。聞こえるのは深い井戸に眠る貞子の呼び声だろうか。貞子の登場は最後だけなのに、ずっと画面に気配が感じられるのはそのせいなのかもしれない。  ビデオの呪いを解くために手がかりを探る主人公たち。彼らはその過程で博士と志津子の悲しい関係を知る。まったく無関係な二組の夫婦だが、共鳴し、引き寄せ合うように、彼らの記憶は少しずつ重なりあっていく。  過去と現在。ふたつを結ぶトンネルの最も奥深くに彼女はいた。髪は抜け肉はドロドロに腐り落ちている。しかし不思議とそこには「恐怖」がない。玲子をここまで突き動かしてきたのは「呪いを解きたい」「まだ死にたくない」という、いわば自分勝手な動機だった。だがもはや玲子の表情に恐怖や焦りの色はない。大切な何かを思い出したかのような安堵が広がっているだけである。  まったく見ず知らずの間柄だった玲子と貞子。「他人なのに他人じゃない」今はそれがはっきりわかる。ずっと探し求めてきた貞子の亡骸を愛おしそうに抱きよせるシーンは、まるで赤ちゃんの出産場面を見ているかのようで感動した。
[地上波(邦画)] 8点(2016-08-27 21:04:41)(良:1票)
3.  渋滞
日本の年末の風物詩ともいえる「帰省ラッシュ」が大望の映画化・・・って、いったい誰が見るんだ?こんなの。  「渋滞」というタイトルから緩慢な密室劇のようなストーリーを想像していたが、本作から伝わってくるのはむしろ「動」のイメージ。あちらからこちらへの「通過」に作品の力点が置かれている。   「帰りたいのに帰れない」。そこはリンボのような薄く引き伸ばされた中間地帯を思わせる。様々な思いを乗せて夜のグラデーションの中をひた走る車が幻想的だ。  日本人なら誰もが感じる大晦日から正月にかけての神聖な空気がよくあらわれていると思う。しかしまあ、外国人がこの映画を見てもさっぱりわかんないんじゃないかな。
[地上波(邦画)] 6点(2016-01-10 23:27:51)
4.  板尾創路の脱獄王 《ネタバレ》 
監獄モノだが意外と雰囲気は明るくて気軽に見れるのがよい。 ストーリーは幅がなく直線的。主人公が超人的に描かれ過ぎていて人間らしい葛藤があまりみられないせいだろう。一直線にオチだけを目指している感じ。  演出もちょっと…。多用される沈黙シーンは逆にうるさく感じられるし、表現が全体的に説明がましくて二回目見るときはほとんど早送りになると思う。  でもオチはまあまあ笑えた。安っぽいCGを背景に抱き合う板尾と汚いおっさんの笑顔はよかった。
[地上波(邦画)] 5点(2015-12-24 13:40:06)
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