Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さんの口コミ一覧
Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1619
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
21222324252627
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627
変更日付順1234567891011121314151617181920
21222324252627
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  悪は存在しない 《ネタバレ》 
うーん……まあ、比較的「難解」だと言っても許される様な作品ではあるかと思うのですが、それでも結局ナニが言いたいのかってトコロは(何となくのレベルであれば)全然伝わるって作品だったとも思うのですし、寧ろちょっと「逆に不穏な」タイトルからすれば、決してそんなに唯々ネガティブな方の何らかを描いているって作品でもない、とは確実に思ったのですよね。がしかし、個人的にはどーにも「難解さ」とゆーよりは端的な「違和感」の方がより強く感じられてムムムム……と観終わってしまったとゆーか、とどのつまりは「え、コレを言いたいってコトでOKだったすか?」みたいな、ある種の「拍子抜け」みたいなモノの方が結論的な感覚には近かったのですよね。正直、楽しんで or 興味深く観れた、とは言い難いっちゅう感じですね。  違和感という意味では重ねて、思ったより比較的分り易い(⇒特に結論部分を除いた途中経過はごく分り易い)作品であったとは思う…モノの、思い返せば随所に幾つかは少し意味・意図が判然としない「引っ掛かるトコロ」が在った様な気もしますし、なのでその辺に注意しながらもう一回観れば全然違った感想になるのかな、という気も少~ししてます(⇒なのでそのうち再見いたします)。しかし、思い返せば(そーはゆーても)映画のつくり自体はやっぱ少し分り難い=根本的には説明は不足・省略ぎみだし+あーいうシーンをあーいう「間合い」で撮ってるコトとてその意図はパッと汲み取れるモノではないと思うし+そもそも主人公が誰なのか=誰の視点で観てゆけば好いのかも終始定かにはなってなかったと思うし、だから個人的な感覚として、映画における「中身」と「手法」の両方ともが曖昧・繊細だと、掛け算して更に曖昧=「非一般向け」みたいな質感になってっちゃう…て現象にも思えて居ます⇒まあ重ね重ね、もう一回観ればその「中身」の方をより理解できて…となる可能性は全然在ると思っては居るのですケドも。
[映画館(邦画)] 5点(2024-05-17 10:51:14)★《新規》★
2.  愛の新世界 《ネタバレ》 
HDリマスター版とゆーのをGEOで借りて観たのですケド、フツーに成人映画扱いでしたよね(笑)。とは言え、主演の女優さんふたりは(若いのに)実に脱ぎっぷりが好いですし、エロっぽいシーンもごくふんだんでその辺の比率&レベル的なモノはロマンポルノその他に全く引けを取らない…と言っても好いかと思われます。しかし、その辺りのポルノ系作品との違いとして、まずは尺が長いコト、後は加えて(その長いワリにも)お話の方にも山谷とゆーか、むしろ「翳り」みたいなモノが全く見当たらない⇒全体としてメッチャ暢気なコメディでしかないってコト、だと思うのですよね。再度、主演の女のコふたりは完全なる「夜の女」なのですから、例えばロマンポルノだったら在りそーな(=在って然るべき)ネガティブな方の展開やら諸々の「悲哀」みたいなモノが影も形もねーのですよ。だから、重ね重ね、その尺の長さにこの抑揚の無いノペっとした感じも相まって、終盤手前までは流石にちょっと退屈かな…(刺激が足りないかな…)と思われたのが正直なトコロなのですよね。   ※とは言え、70・80年代のロマンポルノと比べたらそんな感じも絶対在るのですケド、丁度ポスト・ロマンポルノみたいな頃の平成期のピンク作品を(少しダケ)観てみたトコロでは、こーいう暢気な作品も多いっぽい感じは覚えました。まァそーいうヤツはロマンポルノと比べてもかなり短尺でお手軽な作品かとは思いますケド⇒またなんか「バブルの空気感」みたいなモノが根底にあるのかなって気もしてしまいましたケドね。   でも、観てたら、とあるドンチャン騒ぎの喧騒のあと、渋谷での明け方のシーンで何かそーいう「青春の翳り」みたいなモノがとうとう来そう…と思ったら、そっから先も更にドンドン突っ走ってっちゃうのですよね本作って。。がしかし、だからこそ逆にコレってたぶん、ソコで「折れない」っての(を描くの)がそもそもの目的だって映画だ…とも思ったのです(⇒挫けて堪るかこの青春!みたいなヤツだと)。またそもそも、夜の人々だからって人生に翳りが無きゃいけない…みたいな(それこそロマンポルノで殊更に好く見かけるって)価値観自体が、ある意味古臭い…てコトなんだとも思うのでして(⇒ソリャ、だってフツーに4,50年前の映画群ですからね)思えば今作に描かれるって価値観の方がよっぽど今今のソレには近いなァ…とも(実際に)思いますもんね。大袈裟に言えば、今作もまた、画一性を打ち破る…という意味での「多様性」を描いた作品なのかとも思いましたし、ソコに最後の最後までピンと来てなかった…という事実はありますケドも、でも最後の最後ではチャンと納得出来て+今更ながらにワリと共感もすら出来た…という事実を鑑みまして、ラスト10分で2点を加点してのこの評価としておきます。以上。
[DVD(邦画)] 7点(2024-04-03 01:05:46)
3.  マタンゴ 《ネタバレ》 
もう60年以上前の怪奇特撮映画ですが、意外と本質的にはホラーや特撮ものよりはハード系人間ドラマ=極限状態での浅ましい人間性の描き出し、の方がワリとメインって作品に見えてまして、その意味ではロメロの初期ゾンビ映画とかの先行作的な位置づけ…みたいな感じも覚えますかね。ドラマにせよ・特撮にせよ、今観ると多少チープ+まま娯楽映画的なつくり込みの深さ、だと思われるのも確かではあるのですが、それでもその(実は上映時間の大半を占める)ドラマ部分の陰湿な居心地の悪さとゆーのは、今作が多くの人の記憶に鮮烈に残ってるってコトのワケがいとも簡単に理解できる…みたいなショッキングな代物だったと思うのですよね。登場人物にはモデルが居るってコトらしーのですが、そーいうの関係無くとも比較的みんなキャラクターのつくり込みが上手くいってたと思いますし、演技の方も総じてソレにハマってた…とゆーのがひとつのポイントかな~と思われますかね。またもう一つ、現代社会に毒されたこの連中は結局マタンゴなんて居ても居なくても(同じ状況ならば)いずれは破滅しただろう…みたいな全体構造が在るコトにも(個人的には)一応筋が通ってたと思えたコトも含めて、今回再見してもやっぱドラマとして全体的に好く出来てるよな~と思っちゃったのですよね⇒なので1点加点しておきます。  プラスその上で、終盤はやっぱシンプルにかなり怖い・悍ましいのですよね⇒いま観直しても尚、ちょっとゾクッとしちゃいました。昔の特撮のこの感じの不快な「音」とか、あとは前述どおり(ココでも)演技のハマり様=作中イチバン印象的なのってやっぱ水野久美さんだと思うのですが、彼女が妖艶にも人間でなくなってゆく様子なぞも、やっぱ素晴らしかったと思うのですね。観てないって方は、ぜひ一度は観た方が好いかもな~と思ってしまう様な良作クラシックでありますね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-26 22:49:44)(良:1票)
4.  もっと超越した所へ。 《ネタバレ》 
コ~レは中々……話の内容・登場人物個々のキャラクター・ブッ飛んだオチの付け方+ソコでのそもそもの演出の仕方、等々、ほぼほぼ全ての個々の要素に対して共感可能だって観客の「レンジ」が相当に狭そうな映画ではありますかね。とは言えですね、個人的には、どいつもこいつもこーいう男共って絶対どっかで見たコト有ったとも(まずは)思いましたし、ソレは女性陣についてもフツーにそーであるのですし、そーいう人達が結果的に最終的に(≒なし崩し的に)このオーラスみたいなコトを延々続けてるってのも間違い無く(現実世界ですらも)見たコト有ったって確信すらできるのですよね(⇒モチロン、このラストみたいな「抽象性」を取っ払った上での話として)。だから私としては、少なくとも理解自体が全く困難だ…な~んて映画ではなかったとは思うのですし、その「難しいトコロ」を脇に置いちゃえば、単純に映画・ドラマとしては、ソコにおいての個々の演技・演出・展開運び(=4つの話を絡ませた上での語り方・順番)みたいなトコロは、実はワリとかなり出来が好かったのではないかと思ったりもしたのですよ。私は全然、意外に結構楽しくスイスイと(笑い転げながら)観てゆけたって感覚が正直強いのですよね。  特に、千葉雄大さんの扱い諸々、みたいなトコロも考慮するなら、私にはやっぱ今作は「男と女の映画」とゆーよりは、唯々「女の映画」の方だったかな…とも思われるのです(⇒その意味では結果的には、最近ごく「流行り」の…というタイプの作品と言って好いかも知れませんかね)。で、実際にオムニバスではあるのですし、だからマルッと(そーいう)テーマ的なコトを託けてやってナニかを言ってやったぜ!みたいな気になってもまるでしょーがない作品だとは(また)思うのです、がソレでも一つダケ、私には今作って結局、どこまでも真っ直ぐに「ポジティブに」終わっていったな…とはモ~思われて已まないのですよね⇒ソレはモチロン(前述どおりに)今作が「女性の映画」として恐らく完膚無きまでの「勝利」を描いているモノだからだ、という意味で、です。更にその意味では、先ほど言った「この手の」作品の中では、個人的にはワリとかなり好きな方の作品ですらありました(私が実際に最近に観たヤツの中では特に)。興味のある方は是非。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-22 09:39:11)
5.  リゾートバイト 《ネタバレ》 
伊原六花ちゃんは、こないだの『星空のむこうの国』でも秋田汐梨ちゃんと共演してましたが、別に同じ事務所とかではないのですかね。ただ、二人とも既に中々に演技が達者で、終盤の展開とか・あと「入替り」の描写なんかもまあまあ結構好く出来てたと思うのですよね(コレも前に『コワすぎ!』とかでも見たコトあるヤツではありますが、ある程度は演者の力量が無いと難しいですよね⇒松浦さんや梶原さんは言わずもがな大層な手練なんでま~ともかく)。個人的に、特に六花ちゃんは全体としてもまた中々「ホラー映え」する表情の感じ…とゆーか、もう一作品くらいはこーいうホラーでも好いから主演で観てみたい…的な感覚も覚えました。期待。  ごく序盤は、結構正統に怖がらせて来る系のホラーなのかな…て感じだったのですが、そっから先の前半は正直かな~り展開の運び方も撮り方も雑だな…って感じでもありまして、加えてこの「リゾートバイト」って元ネタが短編なので(30分過ぎからは)この後モ~どーすんねん?と思い始めていたのですよね。しかし、結果的には他のネット怪談の名作も交えながら、全体としては(前作以上に)かなりハッチャケた!作風に仕上がってまして、やっぱ予算は引き続き厳しいのだろう…てトコロも鑑みると、総じてまた今作も中々テクニカルに巧く仕上げて来たな~という感覚になりましたよね(⇒私はコレ、全然「許せる」とゆーか寧ろ結構好みな方のB級ホラーでしたですよ)。そして再び、オチの付け方が巧かったですよね(⇒コレが在るとやっぱハナシが「締まり」ますよね)。再度、ごくB級な方のホラーであるとは思うのですが、前作よりは1点高く付けておこうかと思います。サクッと観れるので(実は)ワリとオススメでありますね。
[DVD(邦画)] 6点(2024-03-20 23:26:26)
6.  シャイロックの子供たち 《ネタバレ》 
サスペンスとゆーよりはミステリ寄りとゆーか、人がバンバン死んだり殺されたりする様な事件ものではねーので最初は少し「キレ」が無い…(≒ズバリ盛り上がらない…)みたいな感覚もあったのですケド、でもやっぱ銀行業務ってあまり縁の無い世界のハナシなのでまたやっぱ妙に面白くスイスイ観てゆけるともゆーか、結果的にはかなり楽しく観切れました。この原作者の方の映画・ドラマってお恥ずかしながらほぼ観たコト無かったのですケド、多分ドレも同じ様に手堅く面白いんだろーな…と思いましたよね(今後はチョコチョコ観てゆきます)。  ただ、ソレでも部分的に少し「出来過ぎ」感も在ったかな…とゆーか、原作は未読ですが(2時間の)映画に纏め上げる上でたぶん多少調整が入ってる…ソコが個人的には少しチープにも感じられましたかね。柳葉敏郎さんと佐々木蔵之介さんの「因縁」の辺りとか、あとラスト付近でエラくテキパキと諸々が片付いてく感じは(確かに)テンポの好さは感じられますが⇒また×2やっぱ(TVドラマ的な感じに)チョイ安っぽいな…とも。 てゆーか、江島エステートの件が明るみに出てしまったのだったらば、そのワリと直後に耐震偽装物件の取引にもあの支店が一枚噛んでたってコトだって絶対バレて、そしたらソレこそ西木なんてタダじゃ済まなかったのでは…?と思ったりもするのですよね(私の気の回し過ぎ?)。重ねて、全体としては全然楽しく観れたのでソコまで気になってはいないトコロですし、何とゆーか「カネは人を斯くも狂わせるなァ…」というトコロには大いに共感も出来たコトも勘案しまして、いったんこの評価としておきます。上戸彩さんの小局風OLも個人的にはかなり魅力的に見えましたし。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-03-20 14:47:13)
7.  コットンテール 《ネタバレ》 
近しい家族の一員を喪って、でもその悲しみを残された家族全員で共有することで家族の絆を再認識する、というのは、実にありふれたことだとも思いますが同時に、実に普遍的で誰しもが共感可能な経験だとも当然に思うのです。私も本当につい最近、実際にそういった経験をした・している最中でもあって、その意味では今作にはごくパーソナルに大いに共感できる部分がありました。これもよく言われることだと思いますが、人を動かす動機になるものって、どちらかと言うとポジティブなそれよりはネガティブな方の感情であることが多い、ともやはり思っています。人生においてだって、他に例え様が無い位に悲しくて辛いことが起こった時というのは、同時にその「転機」ともなるべき最も大きな変化のチャンスである、というのも、これこそが本当に私自身がつい最近に実感し、そして実行・実現し続けていることである、と思うのですよね。  ただ、今作は構造的には上記の通りの作品ではあるのですが、特にその作中現在の時間軸においてフォーカスが当たるのは圧倒的に主役のリリー・フランキーさんなのであって、私は率直に、家族の物語というよりはリリーさんの話(=リリーさんの人間としての有様⇒それを表現する演技を眺めてゆくべき映画)だと思えていました。そして、このリリーさんの役柄というのが、作中の木村多江さんの言葉も借りるなら「ずっと自分の世界に居る人」という、また率直にやや感情移入のし難い役だったとも思うのですし、基本その彼が作品の冒頭からそれこそ自暴自棄に近いってレベルで唯々悲嘆に暮れまくっている、というのも、あくまで私の中のリリーさんのイメージからはどちらかと言うと遠い方だったかな、と思ったりはするのですよね(何か、例えそんな時でも自分も他人も、ニカッと笑う・笑える様な状況をつくってくれる、という様なイメージをこちとらが勝手に持っちゃってた…てな感じですかね)。
[映画館(邦画)] 6点(2024-03-16 22:48:58)
8.  銀河鉄道の父 《ネタバレ》 
この映画でも、クライマックスでは引用されていますが、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』って何度読んでも本当に善いコト言ってるよな…と思うのですよね。だから、根本的には彼の伝記映画である今作も、そのテーマの部分については誰しもが絶対、全く興味が無いなんて在り得ない、とも言って好い様な普遍的で手堅い題材だ…とまずは思います。加えて、今作はそれを明示的に彼の家族の「複数視点」から語る…というコトで、2時間の映画のドラマとしてもまた確実に手堅く仕上がっているとも思いますし、タイトルにある通り彼の父親=役所広司さんに対しては特に、感情移入も非常に容易で、だから全体としてもより観易い…とも言えるかと思うのですね(⇒たぶん、宮沢賢治本人というのは、こういう場合に必ずしも感情移入し易くて+2時間を眺めてゆき易い、という人物でもないのかな~とは思ってますよね)。  再度、観易く分り易く共感し易い宮沢賢治の伝記映画…という時点でその価値は十二分だと思ってはいるのです。ただ、観易い一方で(逆に必然)賢治本人に対する掘り下げや解釈は浅くなっている様に思えたのも確かで、此処は完全にトレードオフとして致し方無い部分かも知れませんかね。全体としては演者のクオリティもごく行き届いていたコトも踏まえて(⇒役所広司さんはやっぱ凄いな~とまた思いましたが、菅田将暉さんの安定ぶりも負けず劣らず、プラス森七菜ちゃんもアクセントと言うか要所で立派に美味しく目立っててこのコもやっぱ凄いな~とは思わされてしまいました)いったんこの評価とさせて頂きます。また、宮沢賢治作品を色々読みたくなってしまいましたよね。
[DVD(邦画)] 6点(2024-03-09 16:24:20)
9.  マッチング 《ネタバレ》 
内田英治監督としては、ちょっとチャレンジングなジャンル…なのかとも思えますが、ホラーと言うよりはサイコ・スリラー or サイコ・サスペンスと言うべき作品ではあって、要は謎解き要素が結構モロにメイン…みたいな感じではありますかね。ただ、それで居てホラー的にビビらせようって部分もかなり手堅く仕上がってたかな…とは思えてまして、その面の見応えも決して悪くはなかったと(まずは)思います。加えて前述どおり、より肝心なサスペンス部分についても、その「片側」の方はモ~これ見よがしに終盤手前で見当が付いてしまう…のですケド、そっから先に実は更にトリックが2つも3つも在る…てトコロに関しては意外性も高くってまま好く出来てる方だ…と完全に思えましたですよね。先に結論、再び少し迷ったりしたトコロでもありますが、先年の『キャラクター』より評点を下げるのはややフェアじゃない…的な感覚が強く在ったコトからも、一旦この点数としておきます。フツーに面白く観終われたな~と全然思える感じなのですよね⇒お暇なら是非。    ただし一応、ホラーマニアの眼からすると重ねて、それでもワリとホラー(のレベル)に見えなくない箇所も在ったってコトで、逆にその面からはイチャモンをつけたくなる部分も在る…みたいな感じなのですよね(⇒再度、謎解きが主眼の映画だとは思うので、コレは完全にイチャモンでしかねーのでありますね)。その一つは、シンプルに全体的にかなりテンポがマロいコトで、コレは所謂「ヒトコワ」系であれば(ホラーとしても)まま採り得る選択肢であるとは思うのですが、それでも一旦のクライマックスを越えた後の例の20分位については、流石にちょっと「勿体ぶり過ぎ」かな…と思ってしまったのが正直なトコロですかね⇒ホラーだったらもっとテキパキしてる方が妥当かな…的な感覚ってコトですね。  もう一つ、私が単純に(意外と)土屋太鳳ちゃん大好きだから…てコトなダケって気もしますケド、今作はこの終わり方だと流石にちょっと太鳳ちゃんを「イジメ過ぎ」みたいな感覚も在りますかね。特に、ホントにホントのオーラスを迎えても尚、彼女の恐怖=恐怖すべき状況自体がほぼ解決されて居ないっちゅーのは(少なくともホラーとしては)またちょっと頂けない…と思ってしまいます。あと重ね重ね、そもそも何よりそのラスト20分位って、佐久間大介くんの方に主役自体が移っちゃってない?て気もしちゃったのですよね。再度、もし根本的にホラーであったなら、この「途中で主人公が変わっちゃう」てのはやっぱまた非常に頂けないと個人的には考えてるトコロがありまして(⇒ダレがナニに恐怖してるのか?という一番根本的な捉えるべき「感情の流れ」が絶対的に途切れてしまうから)その意味からも流石にちょっと、オーラスのあのアップのカットだけは少し「やり過ぎ」だったのでは…て気がしてしまってますかね。太鳳ちゃん自身の演技の面でも、少~しキャラ自体においても「軸がブレてる」みたいな感じもあった様に思えて、その意味でも(特に終盤は)演技自体も多少ボヤけちゃってたかな…という気もしたりしてます。その辺りは、やや心残りになってしまってる感じではありますかね。
[映画館(邦画)] 7点(2024-03-08 16:49:32)
10.  子供はわかってあげない 《ネタバレ》 
ナンか(何故か)壮絶に勘違いしてて、ちょっと重い映画なのかって思い込んで観るのを躊躇してたのですよ(+俺トリュフォーってあんまし観てねーんだケドな~とかも懸念マデしちゃってた、つーか)。が結論的にはぜんぜんフツーに超・肩の力抜いて観れるヤツだったのですよね(漫画原作なのですね)。んでまたミョ~に尺が長いのも勘違いの原因ではあるのですケド、それも単にごく非常にノンビリとした時間(=ある夏のひととき)を描き出すのが主眼ってゆう映画だからなのであって、ですね。  全体的には多分にコメディであって、かつソレもまたオーソドックスではありつつも⇒本質的な内容の面にも比較的しっかりとしたモノがチャンと在るって言える様な作品ではありますね。が、やはりシンプルな青春映画であるが故、コレも全体的にも役者さん達の「素」の魅力とゆーのがかなり重要になって来てるヤツかな…とも思うのですね。その意味では、今作はとにかく主演の上白石萌歌ちゃんの夏らしい魅力がそのクオリティの軽~く半分は占めてるかな…と思うのです。けっこう個性的なルックスだとゆーか、とてもほっぺたがぷっくらしてるのがチャーミングでソレこそ今作のホッコリした雰囲気にはまずドンピシャだと思ったのですケド、でも顔の個々のパーツ自体は(ほっぺた以外は)好く見ると相当に美的な感じとゆーか、ややエキゾチックさも醸す様なレベルで超・美人系なのですよね。であるからして、ココぞという場面における真剣な感じなんかも(コミカルシーンの感じからすれば意外なホドに)実にハイソでキレ好くイイ感じだったな…とゆーか、そこら辺も含めて非常に高度に役にハマってたな~と思わされてしまいました(優れたキャスティングだったな~と)。彼女が多少なり気になってる…という御仁には、全力でオススメしたい作品になりましたですね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-02 11:47:04)
11.  地獄の血みどろマッスルビルダー<OV> 《ネタバレ》 
自主製作で15年掛けて2009年に完成…とゆーコトで、それでも俳優を使った主要部分の撮影は90年代中盤~2000年代初頭までで終わった⇒そこから延々編集等してた…て事情のよーです。画質が超・荒いコトを脇に置けば、確かに登場人物の感じ(ファッションとか)的にも90年代っぽい質感ではありますし、ホラー的にもそれこそ、まず全体として『死霊のはらわた』に非常に似通ってて、後は『死霊のしたたり』『ブレインデッド』とかこの頃のドイツの(キ○ガイ)連中、とかの質感にもかなり近いモノ・描写の似ているトコロを感じ取れますかね。加えて自主製作ってコトで、個人的には『鉄男』みたいな味わいもまま高度に感じられたかと思います。  重ねて、ホラーとしては90年代スプラッタのごくコッテコテなヤツ…を志向してる作品だと思うのですが、まず最初にあくまでB級としては、全く全然好く出来ている・完成度の高いジャンルホラーだと思いましたよね。モチロン「B級として」ってコトで画質をはじめそこら中の「安っぽさ」には目を瞑るとしても、構成や全体のテンポ・スプラッタの分量+過激さ・(コミカルに振った)オチの付け方、なんかからは、先に述べた完成度や纏まりに加えて監督の「信念・美学」といったモノまでごくしっかりと感じ取れたと言いますかね。やはり何より「こう撮りたくて=こーいうのが好きだから」こう撮っている、とゆーのが実にヴィヴィッドに伝わって来る、そのコト自体が大きくまず一つ、そしてそれに(個人的に結構に)共感できてしまう…とゆーのが二つ目として、それ自体はある意味「(B級)映画鑑賞」とかって次元に無い別の行為の齎す快感ではなかったか、と思ってしまいました。最近だとそれこそ『JUNK HEAD』を観た時に得た感動にも非常に近いな…と。  再度、ホラー好きにならば全力でオススメ出来る作品だと思いますので、お暇なら是非。プラス、私の観た完全版(2012年に監督が微修正を施したバージョン)のレンタルDVDだとオマケで監督のインタビューが収録されてるのですが、この短い10分強の内容がま~た非常に面白かったのですよね。こちらも是非、併せてご覧いただければと思います(正直、ココで1点アップしてます)。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-02 00:31:15)
12.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
後で調べてみると、そもそものシェークスピアの『マクベス』の映像化としても史上トップクラスの評価…というコトなのですよね。私見ですがソレは、妖婆=原作に於ける魔女と、そして浅茅=マクベス夫人の表現方式にポイントがあった様に思えています。特に浅茅について、彼女を多面性を備えた「人間」として描くより、その邪悪な権力欲や冷酷さのみをより際立たせた一種の「人成らざる者」として描く方が要点が分り易く伝わり易い、その部分に所謂「能」の方法論を取入れて、不要なモノを極限まで削ぎ落した抽象的な表現・演技として纏め上げたコトが、本作に更に高度な幻想み・幽玄みや寒々しさを付与している様に思えたのですね。モノクロで、画質も特に好くはないのですが、何処も彼処も凄い迫力だな…と思ってしまいました(こないだのジョエル・コーエン版『マクベス』にも、少なからず影響はあったのではねーかと)。  他、ラストの弓矢のシーン(+ソコでの三船敏郎の狂態)も確かにスゴかったと思いましたが、あのお城のセットがまたスゴかったですね。引きで全景を映すトコなんか、たぶんもう一生忘れられないと思います(あの寒々しさ・禍々しさ…)。正直、尺的な観易さも含めて、黒澤明でも一番最初に観れば好い作品なのではないでしょーか(『用心棒』とかも短くて面白いと思いますが、ちょっと西部劇的なノリもあるので慣れないと微妙…かとも常々思ったりしてましてですね)。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-02-27 10:45:27)
13.  ゴールデンカムイ 《ネタバレ》 
いや~評判に違わず面白いですね!原作等には全く馴染みがありませんが、そんな私でも全然フツーに楽しめましたし、諸々と「彩り」が頗る好かったという印象がありますね。アクションとしても、戦争もの・サバイバルもの・アニマルパニック⇔剣技・銃技・体術、と普通に多彩だったと思いますし、軍・(アナーキーな)脱獄囚・アイヌ、と登場する勢力も様々です。特にそのアイヌの方々に関して、色々な用語や概念の説明とかだって少なからず「箸休め」的に違った面白さを作品中に差し挿むコトが出来ていたと思いますし、映像も(アクション部分が最近の邦画準拠の”思ったより”好い出来であるコトに加えても)また特に「自然の美しさ」を際立たせた様なカットも随所で脳裏に焼き付く様な素晴らしいモノだったと思います。ラスト付近のアクションもキョウビ決して超常現象レベルの要素を入れ込んでいないにも関わらず、かなり工夫して必要に「派手」に見せ付けるコトが出来ていて、コレも優れたつくり込みだったと思いました。続編にも大いに期待します(重ねて、原作未読で映画から先に観るかを大いに迷ったのですが、率直に映画館で観ておいて好かったと思ってます)。
[映画館(邦画)] 7点(2024-02-21 01:32:10)(良:1票)
14.  湯道 《ネタバレ》 
非常に優れた一つのアイデアだ、と思うのですね。こーいうのってこの国には他にも、ホントに&フツーにたっくさん在るのだと思うのですよ(⇒例えばそれこそ、こないだの『PERFECT DAYS』のアレとか、とて)。おそらくそれは、概して単なる技術・知識の体系には留まらず、或いは実践や修行の方法論や数限り無い(成功と失敗の)経験則を含めてもまだ足りない、もっと高次の文化や伝統、場所・人の集まり、価値観・思想・美学、そして更に上のナニか、までをも包含している、それに「道」と付け加えて「可視化」するというやり方は、実にしっくりと分り易く、且つ効果的だと思うのですね。もし失われるくらいなら、とりあえずも~ナンでも「道」って言い張っちゃえば好いじゃんか!な~んて(⇒ジャンルも問わず、集団だろーが個人だろーが、誰かが一生掛けて懸命に極めて・歩んでるモノだったら全部それで好いんじゃねーか…と)。  群像劇とも言える様な言えない様な、確かに少し雑多な印象が冒頭からも強いという作品には見えたのですが、この構成は結局、そーいう非常に多様な側面を持つ奥深きとある概念、を表現するための演出上の仕掛けだったのだ…と思えば、個人的にはソコにもかなりしっくり来たとは言っておきたいです。また実に、ホッコリと文字どおり「温まる」お話の集合であったコトも含めて、心置きなく一点プラスしておきます。
[DVD(字幕)] 8点(2024-02-20 00:01:16)
15.  国士無双(1932) 《ネタバレ》 
坂本頼光氏の活弁付きで鑑賞。だから、諸々とその活弁の力だ…と言った方が好い気もしなくもないのですが、ソレでもシンプルにメッチャ面白かったですケドね!後に散々リメイク・ドラマ化されてるってコトも踏まえて、コレは流石に(時代的にも)傑作と言って好いコメディなのではねーのでしょーか。偽剣術家の片岡千恵蔵+その他の顔芸に始まり、本物と偽物の対決!におけるドタバタコメディっぷりと言い、あと伴淳のポンコツ仙人とかも(最早)個人的には笑い死にしかけちゃいましたケドね⇒こんなシュールなボケが100年近く前に既に在ったのケ?みたいな…重ねて、正直こーいうのって初体験だったので、その「活弁の力」を映画の評価としてドコまで落とし込んで好いのかってあんまし見当が付いていないのですケド、いったんフツーにこの位の評価にしておきます。観れるなら、観ておいて絶対に損は無いと思いますね。
[映画館(邦画)] 7点(2024-02-18 12:31:37)
16.  薄桜記 《ネタバレ》 
うーん、市川雷蔵カッコ好いな~~ちょっと驚きのカラー作品だったのですが、時代的にも相当に古めかしい時代劇映画で、かつ(たぶん時代相応に)色々とコッテコテ!でもありますよね。雷蔵自身も、後に他の作品で観た時よりも、シンプルに遥かに「歌舞伎」寄りの演技をしてると思いました…がソレが何やら実にカッコ好い!凄みに溢れて居る!のですよね。重ね重ね、コテコテに武士の(古~い)価値観丸出しな感じなので、やはり少しダケ「ソコまでせんでも…」みたいなコトも随所で感じられはするのですが、私みたいな小物としては(だとしても)モ~黙るしかない…みたいな凄さが在りますね。殺陣も、オーラスなんか特にそー思いますが総じて好い出来でしたよね(⇒ココに関しては、古い作品過ぎてチャンバラにSEが全く入らないのが結構に違和感ではありましたケドね⇒そーいうのって何年ごろから入り出すんすかね?)  とは言え一点ダケ、また肝心な真城千都世さんに関してはやはり率直に今一つ…だったかも知れませんね(まあ多分、ほぼ新人みたいなコトなのかとは思うのですケド…)。ルックスはフツーにかなりの美形で、見たダケなら「綺麗で瀟洒なお姉さん」みたいな感じなのですが、特に序盤は十八九の女のコか!的なキャラの浅さマデが見え透いてしまうホドで。。終盤付近は、流石にちょっと好くなった気もするのですが、もっともっと好くなってくれないと元が取れない…みたいにも(やや)思われてはしまいましたですかね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-02-14 09:25:39)
17.  みなに幸あれ 《ネタバレ》 
「上っ面」と言ってしまうと非常に聞こえは悪いのですが、私も決して表層的・物理的には出来の悪い映画ではないかな…と思いながら実際に観てたと思いますし、かつ全く内容が無い様な映画でもなかった⇒だからその意味でも少なくとも悪い映画とまでは言えないかな…とは思うのですね。ただし、その「内容」が悪くなかったコトとゆーのは、私の率直な意見としては「ホラーとして」では(また)決してなくて、あくまで「風刺劇・ブラックコメディとして」てコトなのですよね。端的に、私の個人的な感覚としては、本作って全く微塵も怖くはなかったのでして(多少なり怖かったとしたらソレはも~ド初っ端のみですね)、ソレは何故かと言ったら作中に「現実世界と地続きな部分」が一箇所たりとも存在していないからだ、と思うのですよ。  まずその、メタファーを効かせた奇妙な話・寓話としても、例えば昨今のジョーダン・ピールの諸作品とかと比べると、逆にその舞台が「日本のフツーのありふれた田舎」とゆーのが、我々日本人にとっては却って効果的でなかった部分もあるかな…と思ったりもします(⇒この感覚は、少し言語化が難しい・ややこしいのですケド、私の場合は「好い様で悪い様で⇒でも好い様でやっぱ悪い」みたいな感じで観てる間ずっと頭にモヤモヤこびりついてました)。んで重ねて、私としてはハッキリ、今作はホラーとしては「質が低い」と言いたいのですケド、そう思う最たる理由は結局、どだいホラーに為り得ないモノを⇒案の定終盤で「無理に」ホラーに仕立てて来たな…と思っちゃったってコトなのですよね。まずはあの薪割りのシーンが顕著で、アレは流石に私も「ホラーをやりたいんだったら好い加減ここらでスプラッタぶち込むしか無いんじゃね?」てコトにしか見えてませんでしたし、あとはその先の婆ちゃんの妊娠・出産(らしきモノ)の辺りも、コレはもしかしたら此処にも何らか比喩的な意味が込められている…のかも知れないのですケド、にしてもコレも私にはどーにも「グロい・エグい描写を唯々入れて置けば勝手にホラーになる」くらいの安易な選択にしか思えなかったのですよね。その辺りの軽薄さが(=その様に軽く見えてしまったコトが)私にはちょっと受け容れられるモノではなかった(=諸々と悪くはない作品だとは思えど、少なくともホラーとしては受け容れ難かった)というコトなのですよね。     ※余談:もう一つ、私は別に、ホラーにおいてソレが重要な評価軸になるとは(実は)ほぼほぼ思って居ないのですケド、今作に関しては何となくその「テーマ」というトコロにも、率直にあんまり共感ができなかったのでこの評価に為っているワケです。ヒトの幸福は「奪うモノ」であって、だから「奪われる」のが怖いんだ(或いは「奪わなければいけない」のが怖いんだ)てなコトを言いたいって話なのかと思うのですケド、ソレってホントにそーなのですかね??そリャ、世の中って部分的にャアそー見えるトコロがあるってのは私も承知はしますケド、本質的には私は、ヒトの幸福とは「与えてそして共有するモノ」である、と最近は信じて已まないのですからね(⇒だから正直、ソコにも全然ピンと来てなかった=だから尚更怖くも何ともなかった、としか言えねーのですよね)。
[映画館(邦画)] 5点(2024-02-03 02:11:17)
18.  少女は卒業しない 《ネタバレ》 
前半は雰囲気というか、いつもの学校よりも尚ちょっと明るい様な気もするけれど、一方でやはり淡くて、そもそも少し密度自体が昨日までとは異なる様な空気の中で…というのが、実に卒業式って感じだなあ、と思いました。その分、最終的に4つに収束してゆくというお話そのものの方は、4人個々が抱えるモノの具体的なトコロが見え始めるのも含めて中盤以降に動き出す…という感じでもありますかね。全体を通してもごくまろやかなテンポで、後半は特にそのまろさが個々のシーンの演出としても効いていた…という感じもあります。その意味では、書いたとおりごく淡い空気感で始まったワリにも、それら個々のドラマというのは思いの外結構ハッキリとしたモノだったな、と言いますか、思ったよりその勘所が明快に分り易いモノだったな、という感覚もあります(特に、河合優実ちゃんのお話は、率直に意外なまでに重いモノでもあったし)。私としては実は、中井友望ちゃんのお話位のささやかな方が好きだったりもしますね(この4つの中でも一番好みではあります)。  上で書いたコトともやや被りますけど、今作の4つのお話(4人の女の子)というのは、比較的チャンと決着をつけて卒業してゆくコトが出来た…というコトだとは思ったのです、があくまで個人的には、大概ってそれが出来ずに卒業してゆくモノだから…というコトだと思ったりもしますよね(⇒端的に、一つ位はソッチの方の話でも…と)。まあ、負け続けた・逃げ続けた者の単なる戯言だと思って頂いても一向に構わんのですけれど、結局、何だかんだ「やり残した」コトというのが人生で最も愛おしい(或いは、それがそう成ってゆくコトこそが人生の妙味だ)な~んて、最近はとみに好く考えたりもします。
[DVD(邦画)] 7点(2024-01-27 13:19:41)
19.  LOVE LIFE 《ネタバレ》 
いや~~~コレまた、極めて高度に辛い主題(+しかもそーいうのが最初から最後まで結構テンコ盛り)とゆーか、少なくとも娯楽映画的なナニかでは全く・完全に・微塵も無い…としか言い様がありませんよね。んで同時に、私が監督の過去作を観て来た印象のワリとそのまんまに、今作もまた相当に「行間を読ませる」作風だとゆーか確実に意図的に説明を省いている箇所がそこら中に在って、でソレがこのネガティブな空気感の中でともすれば全て「逆側」に倒れてったりなんかしちゃうと⇒モ~「奈落」にまで堕ちてゆくしかない…という様な映画ですら在るかも知れませんね。参考に他の場所をちょっと覗いてみる限りでも、鑑賞者個々に依って極めて評価が割れているという、その手の作品のよーです⇒ソコには(評価が分れる様な作品であるというコト自体には)私も100%同意できるってトコロではありますね。  でもそーは言っても、テーマ自体はシンプルかつ普遍的な「コミュニケーション・愛するコトの難しさ」というトコロではあるでしょーかね⇒だから、根本的に共感が難しいという様な作品では決してない…とも思うのです。好きな人にだからこそ、言うべきコトを言えない⇔言わなくても好いコトを言ってしまう(・言い方を間違えてしまう)とか、愛しているからこそ踏み込めない⇔却って立ち入り過ぎてしまう、とか或いは、唯々優しく接するコトが(真の)優しさだとは限らない、とか、そーいう類の話なのではねーかな…と。でも、やはり例えば端的に、登場する二組の男女のその「恋やら愛やらの感情」の部分なんかには、特に極めて曖昧・どっちつかずな描かれ方のモノが含まれてるとも思うのですし、個人的にはもう1シーン、ラス前のあの豪雨の結婚式でフラフラ踊ってる木村文乃が一体どーいう表情をしてたのか…なんて、私なんかモ~気になっちゃって日も暮れやしませんよね(「コレもやっぱ映さないんだ!」と+「行き届いてんな~」と、正直流石に感心したとゆーか呆れたとゆーか…)。  結論、私は全然面白い・興味深い映画だと思いましたし、観て好かったとも思います、がソレでも他方で相っ当に観る側の「歩み寄り」が必要な方の作品であるコトも間違い無い…とも思います。寧ろ、その傾向が益々強くなって来ている…とさえ(⇒率直に、この解釈で好いんだよな?と私もやや不安になってまうとゆーか)。ちょっと、若干ながら本当に少しダケは、監督の今後が心配になっちゃう様な気もしてたりなんかもして…(⇒ゆーてまあ、大丈夫だと信じては居ますケド、万一にもラース・フォン・トリアーみたいにダケは為らないでね、と本当にほんの少しバカリは…)
[DVD(邦画)] 7点(2024-01-27 13:02:33)
20.   《ネタバレ》 
それこそ、30年くらい前に初めて観て(僭越ながら)こんなの今まで観たコト無いな…と思った記憶がありますね。それは特に「時代劇としては」という意味だったのですが、今だに強烈に印象に残ってるのは(中で)とにかく「血の表現」だったと思います⇒最高レベルってのはココまでやるのか…と。でも、今今に観直すとコレって、別に全然「リアルな血」ではないよな…とも思うのですね⇒あんなに河みたいにドロドロ流れないだろ…と。で、そもそもこの映画、よく観ると何処も彼処も全然「リアル」ではないとも思うのですよ。狂い果てた幽鬼の如き仲代達矢の有様(or メイク)と言い、諸々の地形もチャンと観るとなんか変なトコばっかですし、異様に煌びやかな衣装や具足・それも含めて全体的にも隅々まで「画が綺麗すぎる」とだって思ったりします(単にリアルな時代劇だってなら尚更に)。  何より、今回観たらコレ、時代劇は疎かドラマにだって皆目成ってないな…て思っちゃったとゆーか、登場人物も総じて全然リアルな人間には描かれてないのですよね⇒前述の仲代達矢や狂阿彌は勿論、息子三人だって一人として血の通ったキャラには全く見えて来ない。ある種、私原田美枝子さんって大好きなんですケド、今作にのみ関して言うなら寧ろ彼女ダケがひとり「間違えている」という風にすら見えます⇒「人間」過ぎる・「人間」としての感情をリアルに+ハッキリと表し過ぎている…と。結局、私が思うトコロの一番に来るコトとしては、見た目の印象やごく重々しい・重苦しい特大の見応えとは全く裏腹に、実に抽象的な表現で抽象的なモノを描こうとしている映画だ、と⇒だからやっぱり(私が他に観たコトあるモノの中では)何より「能」に一番近い…と思わずには居られないと言いますかね(ココまで表現が「ある意味で」抽象的だと、コジツケぽく思われるのは(私も)重々承知ですがモ~致し方無いかな…と)。  とは言え、そりゃ映画なんだから当然、本来の能よりは全然(全っ然)分かり易いとは思うのですよ。でも、逆にコレくらいはしてあげないと現代人には(最早)伝わらないんだよ!てコトにだって思えたりするのですよね⇒ソレはもう、現代人が「想像力」を致命的なまでに喪失してしまって居るからだ…と。今作で言えば、鶴丸が笛を唯々奏でる(というテイで笛の音が唯々流れる)中盤とオーラスの2シーンとゆーのが、私にとってはその「抽象的なモノを抽象的に伝える」シーンとして極致に到っていた…と感じられたのですね。小林正樹監督の『怪談』で、平家琵琶のシーンを観た時にもその様に感じられたコトではありますが、重ねて、嘗ての人々にとっては音曲・舞踊ダケでも伝わっていたソレとゆーのが、今や即物的に為り過ぎ&心の瞳を失い&退化し切った現代人にはこの程度の映画(映像)表現でアシストしてやらないと伝わらないのだろう…と(率直に)思われるのです。そして、今作もまたその意味では、そーいう古のテーマを古の技法に(部分的にも)則って垣間見るコトが出来るという点で、実に日本的で、そして優れた映画だったと思うのですね。傑作だと思います。
[ブルーレイ(邦画)] 9点(2024-01-14 13:04:47)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS