1. サラーム・ボンベイ!
《ネタバレ》 ボンベイの路上で這いつくばる様に生きるストリート・チルドレンの日常を淡々と描いた、ミーラー・ナイールがカンヌでカメラ・ドール(新人賞)を受賞した出世作。幼い少年が途方に暮れた時、諦めて野垂れ死んだり何かに頼ったりするのではなく、自分の力で生きていくことを選択するのが凄い。しかし、路上は少年に僅かな希望を持つことさえ許さない。彼の周りには売春、麻薬、盗み、死等が蔓延り、公的機関も破滅しかもたらさない。登場人物が全て離散し、少年が再び独りぼっちになってしまう救いの無いラストがインドの現実を表しているのでしょうか…、6点献上。 6点(2004-07-22 17:37:25) |
2. カーマ・スートラ/愛の教科書
監督がミーラー・ナイールということなので、本作も純粋なインド映画ではありません。そして、スタイルが西洋的なのはいつも通り(と言っても、他には「モンスーン・ウェディング」しか観てませんが…)だとして、本作は何と完全英語劇になってます。また、カーマ・スートラによって成り上がったり身を持ち崩したりといったことがテーマではなく、ストーリーはもの凄くありふれた時代物のメロドラマ。そこにインド風の装飾を施し、「カーマ・スートラ」という、人(主に男)が興味をそそりそうなタイトルを付けただけの代物でした。とにかく人間の描き方が弱過ぎて全く面白くありません、4点献上。 4点(2004-06-17 23:04:29) |
3. モンスーン・ウェディング
まず興味を引くのは物語ではなく、スクリーンに映し出されるインド(の、たぶん相当な上流階級)の文化。言語もヒンディ語とパンジャブ語(らしい言葉)と英語のチャンポンなら、生活様式も伝統と西洋化されたもののチャンポン。それらが融合することなく同時に存在している奇妙さ。そして相変わらずの、女優陣の過剰な妖艶さ。ホント不思議な国だと思います。本作は完全に西洋スタイルで作られており(資本も西洋)、話も決して珍しい内容ではなく、また、女流監督の良さと悪さが同時に出てしまっている様にも感じました。そんな訳で、6点献上。 6点(2003-04-02 07:02:35) |
4. ストーミー・ナイト
(注:思いきりネタバレしてます) 登場人物僅か3人、舞台は一軒の屋敷内、そこで起こる一晩の「発狂寸前」の出来事を描く、インド製の正統派サスペンス・ホラー映画。設定が設定なので印象は舞台劇。恐怖を煽ろう煽ろうとする映像と音楽・音響は、まるで「サスペリア」。古臭いとか目新しくないと言うよりも、どことなく懐かしさを感じさせるのは流石インド映画です。ヒロインの狂人演技も懐かしい感じがしますが、こういうオーソドックスな演出はかえって怖い。基本を忠実に守っている真面目さすら感じさせてくれました。ということで、6点献上。 6点(2002-10-06 18:39:52) |
5. ムトゥ 踊るマハラジャ
キスも撮しちゃいけないようなのに、女性の仕草や振付の扇情的なこと。女神の如く美しい主演女優をはじめ、出てくる女性が全員(バック・ダンサーも含めて)フェロモン出しまくり。ヒンズー教ってこういうことには意外と寛容なのね(「愛の神にベッドの上で税を払おう」って普通じゃ歌えないような歌詞も凄い)。内容はとにかく馬鹿馬鹿しいし、やたら長いし仰々しいし、10億の民を抱える国だけあって人出すぎ。でも、なぜか全編大笑いできる。これだけ懐かしく感じさせる映画を90年代に(しかも大量に)作ってる映画大国に敬意を表して、6点献上。 6点(2002-01-04 17:26:17) |