41. ツーフィンガー鷹 -Two Finger Fist-
《ネタバレ》 オニクマという殺人鬼が、出てくるたびにハァハァしてるただのアブないおっさんです。獅子舞やら黄飛鴻の火を使った治療やら殺人鬼との追い駆けっこやら、軟弱なユン・ピョウが強くなりたいために黄飛鴻に弟子入りするものの、結局修行する間もなくそのままラストバトルへなだれ込み、友達を殺されて最後の最後にやっと本領発揮、洗濯で覚えた自前の拳法でオニクマを倒す─という盛り沢山な内容ですが、その分いったいメインはなんなんじゃ、という感じです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-25 21:58:35)(良:1票) |
42. ドラゴン電光石火 '98
フィリピンを舞台にした低予算刑事モノ。破天荒な刑事が異国の地で捜査という定番ストーリーだけに、あとはドニーがアクションをどれだけ見せてくれるか―なんですが、銃撃シーンはそこそこ激しいものの、とりたてて褒めるほどのものでもなく、クンフーシーンなどはカット割りが細かすぎ。ドニーがパンチを繰り出す―パンチのアップ―敵が吹っ飛ぶ、というようにいちいち区切って見せるので、一つの流れとしての技の応酬みたいなものを引いた視点で見られるシーンはほとんど無し。/ドニーがバスローブになってくつろいでいるところへ殺し屋が襲ってくるシーン。バスローブ姿で格闘するドニーはちょっと滑稽です。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-24 15:04:43) |
43. 九龍の眼/クーロンズ・アイ
前作は「不正はゆるさーん!」という熱い思いがジャッキーを動かしていたのに、この作品ではバトルに至る理由が薄弱で、私情でレストランめちゃくちゃにしたり、挑発されて公園で乱闘したり、犯人グループに動かされたりするジャッキーなんですよね。だから見ていて気持ちのいいもんでもないし、爽快さもあまり感じない。/ラストの舞台も味気ない工場だし、敵とはいえアパアパにパーム弾を投げつけて優位に立つジャッキー。 やりようによっては名勝負になりえたのに、アパアパの強さとジャッキーの反則勝ちみたいな印象だけが残って終わってしまう。前作の派手さ、ストーリーの良さに比べたらあらゆる点で劣っていることは否めません。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-23 16:59:39) |
44. サイクロンZ
ジャッキーがベニー・ユキーデと対峙した時、体中に漲る気迫がビリビリ伝わってくる。細い足場に難なく側宙決めてしまうユン・ピョウの高所アクロバットやスタントマンの高所からの二段落ち、ガラス激突落ちも見事。/タイトルの「サイクロンZ」とは、倒れ際のユキーデに決まるジャッキー(じゃなくてチン・カーロッ)の旋風脚の技名なんだ!と無理矢理解釈。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-23 14:51:16) |
45. 天使行動
香港映画は、日本の当時のトップスター・西城秀樹にも容赦しない! 「インターポールの優秀なエージェント」という、一見楽そうな役に飛びついた自分自身をさぞや恨んだことでしょう。代わりにムーン・リーと長いことネチっこいキスできたんだからよかったじゃないか、うらやましいぞ。いや「ムーン・リーとキス」が契約に入ってたから飛びついたのか?うん、分かるよ、秀樹の気持ち。/内容は、よくできた、よくある香港アクションもの。ラストバトルでムーン・リーが大島をぶん回して鉄板にドガン!と打ちつけるシーンがすごすぎ。脳裏に焼き付きます。黄正利vs西城という、二度と見られない夢の対決(短いけど)もあります。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-20 16:36:03) |
46. ハード・ブラッド
91年のワンチャイで復活を遂げたリンチェイにあやかって、89年の作品を「黄飛鴻92之龍行天下」とした、黄飛鴻とは何の関係もない作品。/リンチェイがアメリカで働いている師匠(ユン・ワー)の元を訪れ騒動が起こるというお話ですが、西洋人が東洋武術の構えをとるとどうしてもこけおどし臭がただよってきます。構えをとる前にいかつい顔して無意味に蹴りなどを披露するから、さらにぷんぷんしてきます。そしてそんな筋肉バカ共がリンチェイにスピードで追いつけるはずもなく、なんともちぐはぐで間抜けな格闘シーンを展開。/褒めるべきところのない低予算映画ですが、DVDには黄飛鴻とその弟子達の足跡を、実際近くにいた人のインタビューをもとにたどる―という特典がついていて、こっちの方が数倍面白かったです。これも本作品とは何の関係もないけどね…。 [DVD(字幕)] 2点(2006-02-17 14:19:56) |
47. クローサー(2002)
映画としては純粋に面白かったと言えますが、やはりCGバリバリのマトリックス系表現方法に「あぁ、これもか…」と思ってしまう。スー・チーvsカレン・モクのシーンも格闘というよりダンスだし。もう香港は「生身でもここまで表現できるんだ」というアイデンティティーを失いつつあるのかなぁ、と寂しくもあります。倉田保昭がネオのような弾丸避け体勢から元に戻るとこなんて見たくない…。 [DVD(字幕)] 7点(2006-02-07 12:00:24) |
48. タイガー刑事
ハードボイルド系刑事もので、クンフーシーンは中盤のドニーvsウッズくらいです。ドニーが気のいい兄ちゃん風キャラなのが新鮮。シリアスなストーリーに不釣り合いなジャッキー・チュンのコミカルな顔が終始気になった。 [DVD(字幕)] 6点(2006-01-31 14:38:14) |
49. タイガー・オン・ザ・ビート
《ネタバレ》 いい加減で女好き&真面目でマッチョの刑事コンビもの。前半~中盤までのクンフーシーンは打撃音がスカスカで迫力もイマイチ。しかしラストバトルだけはものすごい気合の入ったデキで、劉家輝vsコナン・リーのチェーンソーを持っての激しいぶつかり合いは、手に汗握ります。/壁際に隠れた周潤發がショットガンに紐をくくり付けて、隠れたまま壁の向こうの敵を撃つトリックもカッコいい。 [DVD(字幕)] 6点(2006-01-06 22:50:50) |
50. レッド・リベンジ -復讐の罠-
《ネタバレ》 ほんとに関係ないところから「ちょっと待ったぁ!」という感じで飛び込んできて、騒動を大きくするユン・ピョウの役が、ストーリーにアンバランスさを加えているような気がする。/中盤のバトルでユン・ピョウがビリー・チョウの尻に尖った物を突き刺して、それに全体重がかかってしまうシーン、観てる方も痛たたたた…。ラストバトルはイマイチ爽快感無し。/お坊っちゃんのようなコリン・チョウがかわいいです。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-12-27 16:29:20) |
51. 神鳥聖剣
チープなBGMと共に雪山で一人演舞をするアンディを空撮すると、ここまでマヌケな絵づらになるのか。オープニングからして「安っ!」という感じで、マンガちっくな演出(ツッコミに100tハンマー出てきたり、手が巨大化したり)は、ジャッキーの迷作「シティハンター」とか、90年代初頭のマンガのようなバブリーなノリですな。リチャード・ンの魔王役もなにがなんだか・・・。/クリスマス・イブにこんなものを観てしまった自分が憎い!地雷です。 [ビデオ(吹替)] 1点(2005-12-25 02:38:11) |
52. クライム・キーパー 香港捜査官
メインキャストが出会ったらとりあえず戦う!。クンフー、アクションシーンの合い間に話の筋の部分──というくらいアクション偏重な作品ですが、破綻せずにまとまってるあたりは、他監督が撮ったシリーズの3、5に比べるとさすがユエン・ウーピン。/若き日のドニーのアクションですが、ズド!とソバット入れてキュッ!と戻る時の速さや、ぐるぐるズドン!パンチ、細かいフェイントなど見てて実に面白く、実戦で使えそうな気がして(気がするだけ)、真似してみたくなります。シンシア・カーンも、走るワンボックスの屋根や、鉄筋の階段での格闘シーンはマジですごいです。とにかくクンフーアクション詰め合わせのようなこの作品、ストーリーにこだわらない人にはオススメ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-12 23:41:13) |
53. プロジェクト S
『ポリス・ストーリー3』から派生した作品で、よくある刑事アクションものですが、アクション+コメディ超特急のような『3』に対して、こちらは、恋人に「お願い、自首して!」的な泣かせようとするストーリー。/ルンが犯人を尾行した時に、犯人から丸見えの位置でチラ見、犯人としっかり目が合ってからわざとらしく辺りをキョロキョロしてごまかすが、逃げられる──というありえない馬鹿らしいシーン(ルンがドジな刑事を演じてるわけじゃなくて、ストーリー進行上)があるのが気になった。/あとジャッキー&エリック・ツァンが女装して出てくるシーンは、このシリアスな内容の作品にストーリー上なんら関係なく、完全に蛇足です。/ということで、損はしないが特に・・・という感じ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-04 17:47:04) |
54. 少林寺・激怒の大地
《ネタバレ》 緩急のつけ方、盛り上げるべきシーンになった時の勢いはこの監督らしい。少林寺が乗っ取られるまでの流れ・引き込み方はうまく、館長が火だるまになるシーンでは多くの門弟の叫び、悲壮なBGMと相まって、観てる方も「館長ーー!」と叫びたくなります(笑)/遊牧民の馬の群れが逃げ出して草原を駆け回っている場面を、なぜか延々と撮り続けるわけ分からなさもあったり、悪役を演じるユー・ロングァンに比べて、「もしや本物の僧なのか?」と思ってしまうほど主人公の俳優としてのオーラの無さがもったいない。遊牧民の長役の人が目黒祐樹にそっくり。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-01 15:46:37) |
55. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ V/天地撃攘
なりゆきで海賊退治をするストーリーで、並んだ壷の上で戦ったり、重力を無視した戦闘が展開する辺りはワンチャイテイストなんですが、我らが黄飛鴻も西洋化の波に抗えず、とうとう拳銃を使用してしまいます。ちょっと使うどころではなく、弟子も含めてバンバン海賊を撃ち殺します。いくら相手が悪者でも、黄飛鴻に女性の目玉を銃で撃ち抜かせるとは、なかなか思い切った演出です。/その違和感さえ乗り越えれば、内容的には他のシリーズ作品と同じくらい(『天地大乱』は特別として)の面白さかな。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-29 21:39:30) |
56. 香港極道 野獣刑事
コーリー・ユン主役の刑事ドラマ。万年巡査でうだつの上がらない父親(マ)と、同じ職場で父親を尊敬しながらも反発し暴走してしまう息子(ダン)の物語。顔をあわせりゃ喧嘩ばかりだが、陰から息子を案ずる父親をウー・マが、また尊敬の気持ちを素直に出せない不器用な男を哀愁のある顔でコーリー・ユンが好演しております。/と、あくまで父子ドラマ的側面が強く、アクション面では殴り合いやガンアクションに重きを置いていて、クンフー要素は薄いです。/この父子の設定はユン・ピョウの「Mr.ハー」で演じていて、そこからエピソードを膨らませて一つの作品にした感じですね。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-18 22:22:17) |
57. ドラゴン・イン 新龍門客棧
バサバサバサ、ヒュンヒュン、キンキン、バサバサバサ・・・もう暗い部屋のなかでどんなことになってるんだかまったく分かりません。結果が映って「あぁ、こんなことしてたんだな」と薄々分かる。いや明るい場所でさえ、どうなってるのか分からないシーン多数。とにかくこのアクションシーンは受け付けなかったです。/一つの宿屋に集まった4つの勢力が息詰まる駆け引き─ってのはすごく興味をそそる設定なんですが・・・。一筋縄ではいかない顔したそれぞれの人物の描写や人間の生々しさみたいなものは、後の「ブレード/刀」に繋がってるようにも見えますね。(ラストバトルでのやりすぎなほどの逆光も) [ビデオ(字幕)] 4点(2005-11-16 20:40:32) |
58. 十福星
《ネタバレ》 これ、けっこう大笑いしながら観られました。いままでの福星シリーズでは、必死に笑わせようとしているのが見え見えでスベってたり、いつまでもぐだぐだとしゃべりで笑いをとってる場面でも、字幕では伝わりきらずに何のことやらさっぱり分からないことが多々ありましたが、この作品は格段にテンポよく、軽妙な掛け合いは字幕で観てても十分笑えます。新しい5人のメンバーのまとまりも良かったし。(ビリー・ロウはちょっと大人しめか)/作品中格闘シーンを一手に引き受けているアンディ・ラウはかなり大変そうですが、ラストの松井哲也とのクンフー対決も見応えあり。が、最後の最後でサモ・ハンがジャジャン!と出てきて倒しちゃうのは「そりゃあんまりだ」と思った。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-10 02:42:09) |
59. 香港・東京特捜刑事
《ネタバレ》 目の前で部下の命を奪った強盗犯に復讐を誓った日本の刑事・フジオカが"東京のカタキを香港で討つ"ために香港に乗り込むのですが、周囲の迷惑顧みず復讐のターミネーターと化すフジオカ。いくら犯人を追うにしても、異国の地で一般車両を誤射して大炎上はマズイだろ。/そんなフジオカもラストバトル直前に自己犠牲精神を発揮してあっさり絶命。レイチェルに「復讐の誓い」を託すとか共有するようなシーンがあったならまだしも、ほんとに「ラストバトルに邪魔だから」という香港映画らしい死に方により、今まで積み上げてきたストーリーがすべて"おじゃん"に。エンディングを迎えても、この報われない感はなんだろう…。/シンシア・カーンの、車に挟まれた狭い場所でのディック・ウェイとの格闘や時折見せる三角飛び蹴りなどは見所なのですが、ラストの格闘シーンはカットごとの繋がりが合ってなくて、一方を倒したと思ったら次でいきなり攻撃されてるカットから始まるなど、かなり雑な感じです。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-10-31 20:28:53) |
60. 鬼喰う鬼
《ネタバレ》 『鬼打鬼』『人嚇人』『霊幻道士』等を作ってきただけに、それらの要素をうまくミックス、ストーリーを練り込み、さらに一段高い傑作に仕上がってます。/魂が抜けて何もできなくなったサモ・ハンに女の霊が乗り移って悪徳道士と戦うシーンは、『鬼打鬼』『人嚇人』で見せた設定をさらにうまく使っていて、霊が体から出たり入ったりという複雑な状況を見事に撮りあげています。/そして、なんといっても悪徳道士の使ってくる術のおぞましさ。ゴッキーの詰められた壷に手を突っ込み、グワシっとつかんで取り出すわ、ゴッキーで蘇生した死体の首を引っこ抜くと中からゴッキーがボロボロボローっ、仰向けのまま動けなくなったサモ・ハンに、首からゴッキーを垂れ流しながら這い寄ってくるなど、ゴッキー尽くしのシーンがあるので、ゴッキー嫌いの方は失神覚悟で観てください。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-23 20:51:36) |