1. 導火線 FLASH POINT
ベースはカンフー映画ですが、飛びつき式腕ひしぎ逆十字やら、三角締めやら、総合格闘技風味が加えられております。新日本プロレスのかつての迷走が、ここにも伝染していたか、と。ジャーマンスープレックスみたいな技も出てくるので、格闘技風プロレス式カンフー映画。 概ね、登場する若い男性はムキムキで、若い女性は美人で、どんな大怪我をしても顔だけはかすり傷で済む、というシステム。安心印ですね。そんなことでいいんだろうか。敵は、タコ殴りにされるとそれなりにヒドイ顔にはなります。 ドニー・イェンが「若い男性」の部類に入るかというと、当然入らないはずなのですが、一番ムキムキしてます。いや、さすが。 で、彼が演じる主人公、日頃は冷静に見えるけれど、「怒りの導火線にいったん火が付いたら大暴走、我を忘れて敵を叩きのめす」という役どころ、らしい。ここの描写がもう一つ弱くって、イマイチ狂気が感じられないんですね・・・というか、本格的なマーシャルアーツに見せようとすればするほど、冷静に見えてしまうんだから、しょうがないのです。中盤で一度は見せた狂気も、だんだん薄まってしまう。 あの、チキン爆弾のくだりも、何だか妙で、もう一つ盛り上がりに欠け、演出にも問題ありかも。いやそれ以上に、音楽がうるさいばかりでどうもセンスが感じられず。劇伴音楽ってのが映画でなぜ流れるかというと、実は、「盛り上げるため」というのはあくまで副次的なもので、「効果音が最小限で済む」というのが一番大きいのでは。 とか何とか言っても、いざアクションが始まれば、いやさすが。銃を手にしても銃撃戦一辺倒にはならず、銃を抱えて走って見せる、追跡劇。これはなかなかにスリリングでした。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-11-17 18:46:17) |
2. 続・片腕必殺剣
邦題が「続~」となっていたとて、どうせ無関係の映画なんでしょ、と思いがちなところですが、ご安心ください、これは間違いなく『片腕必殺剣』の続編。いや、続編を作るほどの作品かと言われると、返す言葉も無いのですが。。。 すでに右腕を失ってしまい、すでにそのハンデをものともしない剣の達人になってしまい、すでに剣の道を引退し農夫として妻とひっそり暮らす主人公。もう続編を作る余地も無さそうなところ、そうはさせじと、新たな強敵たちが登場します。まず、怪しげな白装束と黒装束の二人組が主人公のもとを訪れ、怪しげな招待状(というのか、はたまた挑戦状というのか)を届けるところから。 この白黒二人組も充分に強いらしいのですが、招待先であるところの覇王城には、この二人を上回る、8人の刀王ってのがおり、ええと確か、千手王、地蔵王、大力王、毒龍王、転輪王、無相王、あと二人はゴメン、漢字が難しくてよくわからんかったが、とにかく、強敵ぞろいの8人衆。それぞれが個性的かつ凶悪な必殺技をもっており、彼らが持つ武器も、空とぶギロチンみたいなヤツとか、柄の無い鎖鎌とか(使いにくそう・・・)、なかなかに多彩。なんかこう、忍法帖みたいなノリですかね。どうせ、一人また一人と斃されていくんだし(笑)。刀王の中にはちゃんと女性もいて、くノ一みたいなもんです。さあ、続編の準備は整った、ということで。 この八人の刀王たち、よくわからんが狙いは一種の世界征服(?)ということらしく、主人公のみならず、巷の各武術道場にも挑戦状を送り付け、さらにはその師範たちを誘拐して人質にとり、弟子たちに対し、自ら右腕を切断して我らの軍門に下れ、との無茶な要求。 行き違いもあったりしたもんで、この争いには距離をおいていた主人公、しかし、敵のあまりの横暴、さらには弟子の一人が右腕を切断するにいたり、さらにはさらには愛妻のプッシュもあって、ついに立ち上がる。というワケで。 例によって、小規模なスタジオセットの撮影が多く、いくらなんでもそりゃないでしょと言いたくなるショボ過ぎな書き割り背景のシーンもあったりして、多少ツラいものはありますが、敵キャラの充実ぶりもあって、まあ、楽しめます。それなりに。 敵地に乗り込む主人公のとる、ブラックユーモアというか殆どギャグのような非情なる作戦、ここは見どころでしょうか。主人公の「片腕」という設定が、めずらしく機能しているという・・・。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-03 06:53:47) |
3. 片腕必殺剣
《ネタバレ》 スタジオでの撮影のシーンが多く、こぢんまりした印象は拭えないものの、一方ではセット撮影ならではの趣きのようなものもあって(香港版「時代劇」らしさ、とでも言いますか)、必ずしもマイナス要素ばかりではありません。雪が降る描写など、実にいい雰囲気。スタジオに作られた川に二羽の白鳥が泳いでたりして、なかなか手が込んでます。 片腕必殺剣、な訳ですから、主人公が片腕になってしまうのですが、他の方も書いておられるようにその経緯があまりにもあんまりなもんで、正直、爆笑してしまうのですが、それでも何でも作品の雰囲気がしっかりしていてブレないもんで、見ながら爆笑しつつも物語をしっかり受け止めてる自分がいる。これが最後まで持続するので(逆に一部のヘンテコなシーンが絶妙なスパイスとなって?)、作品に対する満足感に繋がります。ラストシーンは屋外ロケで、もうちょっと良さそうな撮影場所は無かったのか、とか思っちゃうけれど、中盤の祭りのシーン、特に主人公が因縁ある兄弟弟子たちの様子を茶店から伺うシーンなんてのは、サスペンスもあって実にいい。 主演はもちろん、ジミー・ウォング。彼の出世作ということで、まだ20代前半、若い! 端正な顔立ちにスラリとした体格、スターの片鱗を感じさせます。ただし、無精ヒゲが生えてるとやたらビンボー臭く見えてしまう。。。 『必殺「剣」』とあるように、主に剣劇、ですね。正直、スピーディでアクロバットなアクションが堪能できる映画、という訳にはいかず、発展途上感はあるものの、その点は日本のチャンバラ映画だって大差無く、要は、剣を振り回す動きがもたらす迫力。見応えとしては充分でしょう。殺陣が始まると場違いな音楽が流れ(おもに「春の祭典」、一部「展覧会の絵」)、ああ、香港映画だなあ、と。 右腕を失った悲運の若者、彼の師匠の身に迫る魔の手。敵は妙な形の武器を持ってて、なかなかにセコい攻撃を仕掛けてきます。実にセコい。で、どう考えても片腕のない主人公には最も対処が難しそうな敵のこの攻撃を、主人公はやたらアッサリ破ってしまう。片腕であることのハンデをどう克服して敵の攻撃を打ち破っているのか、神業過ぎてイマイチ判然としませんが、どうやら、敵の攻撃のセコさを事前に知っていさえすれば、打ち破るのは大して難しくないのでは?という気もいたします。ここに、伝説の片腕剣士、いや、ジミー・ウォングの片腕商法は、生まれたのであった・・・。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-14 07:46:49) |
4. 燃えよデブゴン
この邦題を考えた人はマジで偉いと思います。後から考えれば「これしかない」という邦題なのですが、これを自分で思いつけと言われても、なかなか、できることではありません。言い得て妙、語感も良く、聞いてしっくり、見て納得。サモハンと言えばデブゴン、どころか、デブゴンってホントはサモハンって言うらしいぜ、ぐらいの定着度合い。この邦題が、日本におけるカンフー映画受容史に一定の影響を与えたことは、間違いない!と思うんですが、どうでしょうか。 とか何とか、力説するほど、内容は大して面白くはないんですけどね。チンピラとのゴタゴタやらしょうもない誘拐事件やら、とりとめのないオハナシに、演出の方もあまりこなれていない印象。ちなみに監督・武術指導もサモハンがやっており、武術指導の方はすでにかなりこなしてますが、映画監督としてはキャリア初期ですね。 せっかくの笑わせどころ(と思われる部分)も、あまり見せ方がうまくないもんで、もう一つピンと来ないんですよね。バナナのくだりもよくわからんし、サングラス買う際のポスターのネタも、もうちょっとうまい見せ方がありそうなもの。 しかし、終盤のタクシーに乗りそびれるあたりからは、絶好調。ようやく映画が活き活きとしてくる。でもって、待ち受ける3人の敵との対決の場所は、倉庫。殺風景ゆえに、かえって盛り上がるところです。 デブゴンと言うからには(本人が自ら名乗った訳ではありませんが・・・)役作りでもう少し体重を増やして欲しかった気もしますが、体形や顔立ちのコミカルさと、キレのあるスピーディな格闘の動きとのギャップ、まあ、充分ではないでしょうか。 チョイ役で、ユン・ピョウの姿も。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-04 16:49:18) |
5. デッドヒート
西欧人の悪党にこれでもかと理不尽なイヤガラセを受けたジャッキーが、ついに怒りを爆発させる、という点、同年の『レッド・ブロンクス』の同工異曲といった感もあり(海外への意識とか、スポーツカーへの愛着とかも。あと、意味も無くボールをばら撒くとか)、じゃあ、あのくらい面白いのかというと、共通点があるだけに正直、見劣りする印象は否めません。 が、あくまで見比べてしまうからであって、基本的にこの路線、面白い。 パチンコ屋は見るからにウソ臭いけれど、要するにコレ、セットな訳で、ロケ撮影ではできない派手なシーンを展開してやろう、ということ。通路も実際のパチンコ屋より広くとって見通しよく(単にパチンコ台の数をケチっただけだったりして?)、しっかり暴れ回る。トランポリン風のアクションなど、工夫も盛り沢山。 クライマックスのカーレースでは、露骨な早回しもあって撮影上の制約も感じさせ、苦しさが垣間見えますが、それでもチェイスシーンやクラッシュシーンもたっぷり取り入れて、総じていえば迫力あるレースシーンになっています。 気になった点としては・・・まさか加山雄三、この程度の出演の仕方で、ギャラ受け取ったりしてないだろうな!ということですかね。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-07-22 07:20:08) |
6. 霊幻道士2/キョンシーの息子たち!
あははは、何ですか、あの、動きが遅くなってしまう薬。はははは。つまらん(笑)。 相変わらずキョンシーの動きってのはユニーク、というか、意表をついてて、イイんですけどねえ。不思議な動きからくる、不思議なアクション。 ベム、ベラ、ベロの3人キョンシー構成。今回は子供のキョンシーが売りなんだろうけど、ちょっとET風味が入ってしまってるのが、イマイチ面白味に欠けて。まあ、ベビーキョンシーに罪は無いとは思うんですけど。 あとはクドさが売り。ちょっとクド過ぎ。でも一番楽しめるのはそういうところだったりします。全部じゃないけどね。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-26 23:05:39) |
7. ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門
《ネタバレ》 ジョン・ウー作品、ということですが、まだ白いハトとかは登場せず、かの御大も昔はこんなの撮ってたんだなあ、と。武術監督は、敵役で出演もしている、サモ・ハン。顔は丸いが、まだデブという程では。一部、様式美(?)に走ったヘンな格闘シーンもありますが、全般的にはハイレベルなアクションが展開されます。 邦題に「ジャッキー・チェンの」という文言が入っていることから薄々は警戒してしまうのですが、やはりというか何というか、主演はジャッキーに非ず。クレジットは三番目で、名義は陳元龍。 物語の進行に従って、武術に心得のある面々が集まり、トレーニングを積み、敵に反旗を翻す、という流れはやはり魅力的。特定のスターに寄りかからない、集団抗争劇風のカンフー映画。 敵の統領が的を弓で射るが、矢はヘナチョコな軌道で飛んでいく。従者に矢を取りに行かせ、その直後に凄まじい勢いの矢を放って従者を射殺してしまう、なんていうシーンが、ウマいですね。この射殺されるヤツが、顔を見るとどうやらこれも若き日の、ユン・ピョウ、らしいのですが、直前に微妙にアヤシげな素振りを見せていて、微かに「オヤ」と思わせた直後にブチ殺されてしまい、その驚きと同時に、彼が刺客であったことが発覚する、という流れ。いや、スバラシイ。 終盤の戦いにはたっぷりと時間をとって、これでもかとアクションを見せてくれます。一人、また一人と斃されていく味方。ジャッキー・チェンが刺されるシーンで仰々しく流れる音楽は・・・あちゃ、これはメシアンのトゥランガリラ交響曲。どうせ、無許可で使用してるんじゃないかと思いつつ。 味方の犠牲の上に掴む勝利、もしジョン・ウーのカラーがすでにここにあるとしたら、そういう悲愴感漂うヒロイズム、でしょうか。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-06-26 13:45:37) |
8. レッド・ドラゴン(1976)
『ドラゴン怒りの鉄拳』よりもコチラの肩を持つことは、自分でも非合理だとは思うんですけどね、どうしたらいいんでしょうね。 どうせデタラメな日本人が出てくるデタラメな作品なんだったら、多少コミカルなジャッキー・チェンの方が似合ってるかな、と。曲がりなりにも主人公の成長物語、に出来るところが、ブルース・リーにはない持ち味。にしては、中盤の「今、成長過程です」感が乏しいですが。 例によって日本人が悪役のストーリー、しかし、日本人役らしき登場人物たちの日本語らしきセリフは、ほぼ聴き取れないので、「いや、これは日本人じゃないんだっ」だと思いながら楽しむことも可能かと。 とは言え、敵の岡村先生、基本は功夫スタイルの格闘だけど、ちょっとカラテ風味を感じさせるキックとか、「なんちゃって柔道」風の投げとか、やっぱり一応は日本が敵、ということで。 終盤の格闘アクションは量・質ともに充実してて、これが無けりゃ私も褒めないんですけど、本作、なかなか盛り上がりました。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-25 10:46:48) |
9. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー
ワンチャイの外伝、と銘打ってて、リー・リンチェイも出演してませんが、要するにウォン・フェイホン先生の少年時代のオハナシ。父親役がドニー・イェンなのでこちらが主人公か、と思いきや、少年時代のフェイホン先生も大活躍してます。このキレのある見事なアクション、演じてるのが実は女の子、というのに驚きつつも、そう言われてみれば確かに、という感じもして、何だかイイ話。 子供の頃からこんなに優秀だったフェイホン先生、してみると『酔拳』に登場したのは、あれはニセモノだったのか、、、 勿論、ドニー・イェンを始め、皆さん、素晴らしいアクションを次々に披露してくれます。おかげで、ストーリーなんて無いに等しいくらいですが、「鉄猿」なる義賊を巡ってひたすら格闘アクションが展開されます。出演者の身体能力に加えて、ワイヤーアクションに早回し(逆にスローモーションも活用)、これらを組み合わせれば、人間に出来ないコトなんて、この世に存在しないんじゃないのかなあ、と。 マキビシみたいなヤツが投げつけられて鎖が切れると火花が飛び散ったりする、芸の細かさ。 ラストの炎の上での死闘まで、目が離せない!! [インターネット(字幕)] 8点(2022-06-25 10:22:52) |
10. 狼/男たちの挽歌・最終章
敵多過ぎ、撃ち過ぎ、ヒト死に過ぎ。無限に弾丸が出る銃をチョウ・ユンファが乱射しまくる、バイオレンス巨篇。ってか。 やり過ぎるくらいやってナンボ、とは言え、「やり過ぎ」をやり過ぎるとギャグになってしまう。そこがジョン・ウーらしさ、とも言えるんでしょうけど。 しかしまあ、自分のせいで視力を失ったという「守るべき女性」がいて。 本来なら敵である刑事との間に生まれた友情があって。 あの今ではお馴染みになった白いハトもいて。 必要なものは揃ってるので、いいんじゃないですかねえ。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-19 14:10:25) |
11. ラスト・ソルジャー(2010)
ジャッキー・チェンらしい体を使ったアクションもある程度は取り入れられてるし、そこにはコミカルな工夫もこらされてるけれど、この作品におけるジャッキー・チェンはあくまで名もなき一兵士、という位置づけなので、そういう「らしい」アクションは抑え気味。 という、ちょっと新境地を目指したようなところがあって、それはそれで結構なのですが、まずそれ以前に、ただ機械的にカットを細切れにしました、といった感じの演出が、気分を削いでしまします。最近よく聞く言葉で言うなら、「ハリウッドの劣化版コピー」というヤツでしょうか。似せても同じモノにはならないので、劣るしかない。 あと、どの国でもこの形で公開されてるのかは知らないけれど、こういう物語の映画でも最後にNG集をつける神経は、正直、ワカリマセン。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-06-19 10:08:59) |
12. 新ポリス・ストーリー(1993)
最後まで見ると、コレが実際の事件をベースにした映画らしいことがわかるのですが、それもあって、シリアスな内容。これがどうも、ジャッキー・チェンという人に、イマイチ合わない。 いや、シリアスな中でも、アクションにいくつか変わったシチュエーションを持ち込んで、工夫を凝らした場面が取り入れられてるのはわかるんですけど、もともとオーバーなアクションに持ち味があるジャッキー・チェンには、いささか窮屈な作品となっている印象。爆破シーンなどでブッ飛んだ演出もなされてたりはするんですけどね。でも全体を通じて見ると、もう一つノリがよろしくないかなあ、と。 単に、メチャクチャ強い敵とタイマン対決して欲しかった、というだけのことかも知れないけれど。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-06-12 22:52:21) |
13. SPL狼たちの処刑台
娘がタイで誘拐され、父親である香港の刑事が行方を追い求める。 節々で格闘アクションが展開されるのはいいんですが、それも細かいカットを積み重ねてキレのいいアクションを見せてくれるのはいいんですが、どうもそのカットがひたすらコマ切れ過ぎて、見てて次第に魅力が薄れてくる。印象として、カット割りでゴマかしてます、という感じ。主人公以外は結構、いい動きしてくれるんですけどねえ。トニー・ジャーの役どころなど、「動けるところを見せるため」以外には何も存在意義が無さそうな。そういう登場の仕方ってのも、悪くないけどねえ。 内容的には、何とも暗いオハナシ。ちょっと狙いすぎか。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-03-31 22:41:16) |
14. スキップ・トレース
「ジャッキー・チェンの世界進出は、アメリカのコメディアンとのバディムービーで行く」って、もしかして誰かが決めたんですかねえ。困ったもんです。 かつてのスピード感溢れるジャッキー映画からすると、相棒の存在が映画にブレーキを掛けているようにしか思えんのだけど。 とは言え、若い頃のような無茶は、体力的にもコンプライアンス的にも、難しいでしょうし。これも一つの答え、ではあるのでしょう。もちろん、アイデアを凝らしたアクションは、今回もしっかり盛り込まれてます。 ストーリーはあるような無いような、意味も無くモンゴルに行って、モンゴル相撲。割り切ってデタラメな展開になってます。こういうのも自由でいい。 で、監督がレニー・ハーリンって・・・? [インターネット(字幕)] 6点(2022-03-13 12:57:23)(良:1票) |
15. レクイエム 最後の銃弾
潜入捜査ものにハズレ無し!かどうかは知りませんが、割と打率が良いジャンルだと思ってます。例えば、本作。 えらく盛り沢山の内容で、細かいエピソードまで拾っていくと、三部作くらいに仕上げられそうな内容が詰まってます。 それも、一作品ごとに監督が交代して前作をブチ壊しにしちゃうような、そんなタイプの三部作を、彷彿とさせます。ちょっと、「え~!?」という展開もありますが、ガンバって、ついていくべし。 物語の中心となる三人の俳優さんが、それぞれ個性的な顔立ちで、ちゃんと色分けされている。ちょうど、『男たちの挽歌』の三人の顔立ちが明らかに異なっていたように。こういうキャスティングからすでに、映画の魅力というものは始まっています。 上述のように、ストーリーはちょっとトンでるところもあるのですが、これを一本の映画に惜しげも無く押し込んでみせたのもアッパレと言えばアッパレ、中盤にはかなりド派手なアクションもあったりして、なかなかのサービスぶりだと思います。どうでしょうか?ダメですか?やっぱり? [インターネット(字幕)] 7点(2022-02-07 23:12:19) |
16. ナイス・ガイ
何やら重大な証拠物件らしきビデオテープの争奪戦。とか言うのはもうどうでもよくって、映画開始早々から、ひたすら追い掛けあいが続き、アクションが続いて。 ほぼ、ストーリーらしきものは無く、それ以上に辻褄らしきものはもっとありません。 これぞ、ジャッキー映画のエッセンス、とも言えましょう。かつて程には体を張っている感じはしませんが、それでもやっぱりアブないことやってるし、敵役のスタントマンはさらに身を挺してアクションやってます。 ちょっとスローを多用し過ぎの印象ほありますが、ラストの巨大ダンプカー(?)は圧巻。 ストーリーがテキトーで、その分、純粋にアクションが楽しめます。それにしてもテキトーだけど。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-10-21 22:26:24) |
17. 008 皇帝ミッション
謎の一味に狙われているワガママ皇帝のみを守るべく、ポンコツ発明家が奮闘する。という、何だか分かったような分からないようなオハナシですが、見たら分かる通り、何だかよく分からないオハナシです。ハイ。 パロディの連続、デタラメの連続。あまりにデタラメな展開に、もはやついていくのは不可能かと思ったら、そこにちゃんとオチがつく。素晴らしい。です。 と、あまりのナンセンスぶりに感心させられつつ、圧倒されつつ、呆れまくってしまうのですが、そうは言っても、この主人公の夫婦ほど素敵なカップル、映画でもなかなかお目にかからないです。素敵です。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-10-19 22:17:19) |
18. レヴェナント 蘇えりし者
ディカプリオも本当にガンバってるのはよくわかるんですけどねー。しかし何と言ってもあの、クマですよ、クマ。あのクマに何か賞をあげて欲しいですねえ。CGであったとしても。。。思えばあの、クマが人間を襲う映画のはずなのに全く襲ってる感の無かった『グリズリー』(76年米)。せっかく一部のシーンで本物のクマを登場させても着ぐるみクマさんが映画の印象を一変させてしまう『リメインズ 美しき勇者たち』(90年日)。死屍累々たるクマ映画の世界に、ついに驚くべき作品が誕生し(クマ映画じゃないけど)、これまでの数々の無念を晴らしてくれました。 このクマシーンに加え、驚かされるのが長回し撮影。そんでもって、被写体に接近して舐めるように撮影するカメラの肌感覚に、ゾクッとさせられます。 でまあ、そこまでの映画、というか、復讐のためのサバイバル、舞台は壮大ながらオナハシは小さいもんで、ちょっと収まりが悪いのですが、それでも観る者を圧倒するには、充分な作品と言えるでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-12 16:46:15) |
19. 龍の忍者
真田サンが主演、ということになってはいるものの、開始から30分近く待ってようやくオハナシに絡んできます。それまではジャッキー・チェンの偽者みたいなヤツの活躍を見せられ続けてしまうのですが、このヒトがなかなかの腕前で、悪くないんですね。もしかしてアチラにはジャッキーレベルのヒトが沢山いるんですかね。 もちろん我らが真田サンも負けてはおらず、日本代表のニンジャとして、素晴らしい身のこなしを披露してくれます。とは言っても、ちゃんと顔が写ってないシーンはやっぱり代役なのかなあ、とも思いつつ。それでも何でも、真田サン頑張れ~とついつい力が入っちゃうし、真田サンもそれに応えて大活躍。大活躍するにつれ、ストーリー性もどんどん希薄になっていって、最後の方はもう、どうでもよくなってくるのですが。もはやニンジャなんだかどうなんだかもよくワカランけど、それはすなわち真田サンのアクションが本場カンフーの中に完全に溶け込んでいる、ということで。 しかしラストにあんなオチが待っているとは。悔しい、実に悔しいけど、大笑いしてしまいました。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-11 21:45:55) |
20. ゴージャス
ラブロマンス路線、ではありますが、ジャッキーもそこそこのお歳なもんで、ちょっと「父と娘」のような関係も感じさせます。片や、プレイボーイと言うにはあまりに落ち着いた金持ちのオッサン、片やこちらはあまり落ち着きがあるとは言えない、庶民の代表みたいな娘。 物語の上では、そこに多少アクションが絡む、という程度で、「危機一髪、絶体絶命」みたいな要素はあまり無い(悪人と呼べる人もいない)のですが、しかしそのアクションシーン自体は、スポーツライクにとことん展開されて、たっぷりと楽しむことができます。 主人公がトレーニングして強くなる、というのはカンフー映画の定番ですが、本作ではそれを、恋愛模様の中に自然に溶け込ませているのが、ユニークなところ。 それにしても、発泡スチロールだけじゃなく、ビンを海に流すのも立派な不法投棄だろ、と思ってしまうのですが、映画の中ではそれが重要なモチーフになっているから、まあ、よしとしましょうか。変に表面だけの環境問題を映画で取り上げるから、こちらもつい不粋なコトを言ってしまうのです。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-10 10:19:36) |