1. 紅夢
あの呪いの人形はぞ~~っ。冷徹な美しき画面はホラー映画の雰囲気を纏ってますね。そしてこの映画を支配するのは「四」。四人の姉妹、四季=春夏秋冬、麻雀=東西南北、死者の数・・・。春夏秋冬で無限の円環時間を、東西南北で全方位空間を表し、邸宅に入りこんだカメラが二度とそこから抜け出さないことで、その邸宅こそが彼女たちの時間空間の全てであることを語り、その四人姉妹が無限の時間空間そのものであると分かる時、見る者は悠久の哀しみに迫られるのです。ロングショットでしか写りこまない主は“四”の中心で、ただ哀しさを浮き立たせる存在です。エンドロールで、四女がひたすら同じ場所を虚ろにさまよう姿に、夢幻で無限な時空に浮遊する“紅”という悲哀が見えるのです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-29 12:19:39)(良:3票) |
2. LOVERS
チャン・ツィイー、アンディ・ラウ、金城武、この3人のクローズアップの嵐、嵐、嵐・・・。ロングショットでちらっと惹かれるような構図を見せたかと思うと、すぐにクローズアップ。これだけ徹底してクローズアップで語られると、さすがに不快指数がどんどんアップ。そしてアクションがなければ20分で語り尽くせそうな陳腐な脚本。アクションもCG過多で、なんらのスリル、臨場感もなく、退屈なだけでした。よかったシーンは、草原でのラブシーンの後、金城武とチャン・ツィイーが空を見上げているところ。ここは2人の思いが、無言のうちに流れ行く雲に託されており好感がもてました。それでは私も風にまかせてこのへんで退散といたします。うっ、私の胸にも飛刀剣が・・・。 4点(2004-08-31 22:31:42)(良:2票) |
3. インファナル・アフェア
《ネタバレ》 これは、タイトル通りに無間道をさまようことになるラウよりも、ヤンのせつなさが、演じるトニー・レオンの雰囲気から実によく伝わってきました。それだけにヤンの絶命シーンはもう少しなんとかならなかったものか。いきなり正体を現しやがったサムのイヌなんかといっしょの箱の中で同列に並べるなんてヤンに失礼じゃないかなー。母親にわざと年齢を間違われていたヤンの娘、知らないだろうけど父親はこんなに立派に生きたんだよ、と誰か教えてやってはくれないだろうか。ラウはあの娘を命を張って守るのが、無間道に生きる義務だと思う。あの娘がヤンの娘だ、と誰かラウに教えてやってはくれないだろうか。母親しか知らないのであるが・・・。 8点(2004-03-25 00:46:35) |
4. チャイニーズ・ゴースト・ストーリー
このミュージック、このホラー、このラブストーリィ、このゴースト。まさしくこの世界観は、ジャパニーズでもアメリカンでもなく、ましてやジャマイカンではなくてチャイニーズだ!香港映画碑的作品。 6点(2004-03-23 21:19:59) |
5. ラヴソング
《ネタバレ》 背中のミッキーマウスの刺青、背中にテレサテンのサインの入ったシャツ。シウクワンとパウはレイキウに背中を向けること、同じ方向を向くことによって物語にキーとなるシーンを刻む。そしてマンハッタンのラスト。テレサ・テンというこの物語のモチーフを媒介に、2人がまさしく同方向を見ることで再会するというのはなんとも象徴的である。そして、偶然だが最初は全くの正反対を見ていた2人がさらりと付け加えられることも心憎い。 8点(2004-03-20 18:17:50)(良:2票) |