Menu
 > レビュワー
 > delft-Q さんの口コミ一覧
delft-Qさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 122
性別 男性
自己紹介 自分の感性は、きわめて平凡だと自分でもわかっています。ただ、ほんとうはよくわかっていないのに、「わかった!」「よかった!」というのだけはしないつもりです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 香港 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  さらば、わが愛/覇王別姫 《ネタバレ》 
夢がうつつで、うつつが夢……蝶衣にとっては、石頭とともに舞台でライトを浴びている時間が人生のすべて。幻想の劇世界のなかに生の証を求めようとする蝶衣の精神は倒錯したものではある。だが、倒錯の世界に埋没するしか、蝶衣は自分の愛を満たすことができない。なんと哀しく、純粋な愛か。そのありさまに気づくとき、観る者は、性差を超え、ノーマル・アブノーマルといった既存の枠組を超えて、激しく心を揺さぶられる。   時代背景は中国が歴史の波に翻弄され、大きく揺れ動いた時期。日本軍の進駐、文化大革命の洗礼……。波乱が訪れるたびに、人心は猫の目のように様変わりし、社会は変貌をとげる。そうした、あらゆるものが不定形で変転きわまりない一方、蝶衣の愛だけは岩盤のように不変なものとして描かれる。その対比が際立つ脚本は見事であり、これほど愛を貫ける人間の凄みといったものが胸に迫る。   最終的には蝶衣の愛は、蝶衣自身をも飲み込んでしまったということになろうか。決して実ることのない愛であったが、いや実ることのない愛であったがゆえに、それに殉じる道を選択した蝶衣の生きざま(死にざま?)は哀れを誘い、私はこみ上げてくるものを止めることができなかった。   レスリー・チャンの美しさはこの世のものとは思えぬものがあり、本作の妖しい魅力をより増していた。あの「ピャラ、ピャラ~」という京劇の切ない笛の音を聞くたびに、私はこの「覇王別姫」を思い出さずにはいられない。3時間があっという間に感じられた壮大な叙事詩に敬意を表し、フルマークを捧げたい。子役も大変素晴らしかったのは、いうまでもない。
[DVD(字幕)] 10点(2005-07-01 23:18:40)
2.  LOVERS 《ネタバレ》 
イーモゥ監督の前作『HERO』と比べると――という見方があるが、本作と『HERO』は異質。比較してもあまり意味がないのでは? この映画は、ギリシア神話以来の普遍のテーマともいえる「悲恋」の綾が、3人の主人公をめぐってどう紡がれていくか、そこに納得&没入できるかどうかが眼目だろう。その観点からすると、(後半は)なかなか練れたシナリオだった。金城クン、アンディ、チャン・ツィー、それぞれに「うんうん、オジサンはわかるぞ、その気持ち」と共感できた。また、ラストではどう“落とし前”をつけるのか最後までわからないのもよかった(悲恋が成就することはないのは分かっていても)。誰かを「悪者」に仕立て上げ、勧善懲悪で物語をすます単純な映画に比べるといいストーリーだった。  アクションシーンやさっきまで紅葉だったのにもう雪原かなど、「ありえねー」シーンは満載だが、一種のファンタジーと見れば、いちいち突っ込む必要もあるまい。また、梅林氏の音楽は素晴らしかった。  ただ、練れたシナリオだとは思ったが、見ていて「胸が締めつけられるような切なさ」といったものは感じられなかった。したがって、泣くこともなかった。「筋」はうまくつくったが、それをさらに生かす「心情」の見せ方という点では課題があるということだろう。このあたり、「悲恋」と「アクション」の両立をめざしながら、どちらも中途半端になったと指摘されてもしかたないかもしれない。チャン・ツィーの可憐さはとてもよかったということで、7点也です。邦題の「LOVERS」ってのはやめてほしい(苦)。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-13 10:32:03)(良:1票)
3.  HERO(2002) 《ネタバレ》 
純粋スペクタクルアクション系を想像していただけに、まったく異なる作品性格に驚いた。  この映画の白眉は、なんといっても始皇帝という存在に対する新解釈に尽きるだろう。トニー・レオンの残剣がなぜ「始皇帝は生かしておかねばならない」とこだわったのか。その理由を知ったとき、見る者は「あっ」となり、すぐ「そうかもしれない」と納得させられるものがあった。この1点によって、本作に一気に深みが与えられ、机上論的理想を追求するだけでは理想は実現しない現実の難解さを物語る深遠さを得た。  また、始皇帝にも始皇帝なりの正義があったと設定したところもよかった。彼が「結局、自分を理解してくれるのは、刺客の残剣だったとは」と嘆じるシーンは印象的。単なる勧善懲悪ものに終わらない魅力がある。  お決まりのワイヤーアクションもほどほどに楽しめ、あれぐらいでよかったという気がする。演出素材として水を活用してあったのも、私には効果的に思え、好感を抱けた。頭の中の戦いについては、あんなふうにできるのか、という声も聞こえてきそうだが、ま、あれはあれでええんでないかい、といった感じ。  別角度からの感想としては、中国・香港映画もここまで洗練されたか、という印象も残った。どこか荒削りでB級っぽいイメージはもはや過去のもの。そこに中国・香港映画の原点を求める人にとっては、決別の作品となったかもしれない。  
8点(2004-04-24 12:24:15)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS