1. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
ラスト数分間の集中力は凄まじかったが、そこまではなかなか入り込むことができず。オチはびっくりというより、ぞっとしたという感じ。色んな主義者がいると思うが、自分の主義のために文字通り命がけになれる人は今の世の中そう多くはないだろう。そういった人を作品として描いたとき、リアルと感じるかまったく共感できないかは話の運び方その他諸々にかかっていて、作り手として非常に苦心するだろうが、それでもこの作品に関しては、主人公の心情が分からなくもないという程度のレベルには達している。それどころか、基本的に死刑廃止論に反対の自分にもそこそこ響いたということは、もしかしたらすごく構成が上手なのかもしれない。ただ、なんだかなあ。全体的に何か気持ち悪い。それも狙った後味ではなく、予想外に出ちゃった感じ。胸やけがするようで好きにはなれない。ビデオを観たときのケイト・ウィンスレットの無駄な嘆きっぷりばかり思い出しそう。しかし、邦題で無理にタイトルを訳したりひねったりしなかった潔さは素晴らしい。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-17 20:11:07) |