1. アデル、ブルーは熱い色
《ネタバレ》 やっぱりダメですねー、別れた恋人と未練たらたらのままで会うのは・・・。男女間でも同性愛者でも、あのような結末になってしまうのは必至。 新しい恋人とのセックスに満足できていないというわずかな心の隙間に、アデルのひたむきな気持ちと過去の快楽が突き刺さり、一瞬心が揺らぐエマですが、「今は別の人がいるの。分かるよね」と、まるで自分自身をも諌めるように、そして「でも死ぬまで思いは抱き続ける」とアデルを思い遣るやさしさ。 ここを機に、アデルも一歩前に進める気配がわずかでもあれば救われるのでしょうが、ラストの、気持ちの整理がつかないまま展覧会に来てしまい、最後はあの切ない後ろ姿・・・。 でも映画としては素晴らしかったですね。同性愛を強調したり理解を求めるような作りではなく、恋愛の本質がまっすぐに描かれていて、安っぽいテレビドラマとは比較にならない、骨太の映画表現を楽しむことができたと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-30 19:50:23) |
2. ヒドゥン・フェイス
《ネタバレ》 キャ~!女ってコワ~い!(笑) オトコや嫉妬が絡むと、女性の心には悪魔が棲みつくようですね(^^; 何気なく見始めたら、面白くて目が離せなくなりました! アイディアやそれを構成するセンス等、素晴らしいと思います。もしこの映画を観る機会があったら、レビューや解説などは読まずに、まずは前知識なしで鑑賞することをオススメします! この映画の面白い要素、意外と日本との共通点が多いと感じました。 ◆最初は怪奇現象が起こるホラー的な雰囲気で、実はこういう真相が・・・の雰囲気は、ちょっと「世にも奇妙な物語」っぽいかなと思いましたが、でも作品レベルは格段にこちらが上でした。 ◆構成は、「何気ないシーンのウラではこういうことが繰り広げられていた」という、内田けんじ監督の「運命じゃない人」のような作り方になっています。前半、その伏線がところどころに散りばめられていて、後半は「おー、こういうことだったのか!」が楽しめます。例えば、平井堅似のおっさんが帰ってくると、ファビアナに「独り言を言ってるの?」と尋ねます。何気ないシーンで見過ごしがちですが、実は「洗面所の水」と会話していたんですねー(笑) ◆また、部屋の様子を本人たちに気付かれずに観察している様子や、閉じ込められて出られない恐怖感は、江戸川乱歩の小説(屋根裏の散歩者・人間椅子・白髪鬼など)のようで、この話を作った人、乱歩ファンなのかな?と思ったほどです。 ◆そして女同士のコワ~い応酬、まるで、小沢真珠のドロドロ昼ドラのようでしたね(笑) ベレンが陥った状況は最初、心底、恐怖感を覚えました、閉所恐怖症の方は絶対見ない方がいいですよ。でも二人の様子やファビアナに毒づくところは笑えたので、ちょっとホッとしましたが、でもそのあたりから「きっと、鍵を持ってドアを開けた人が、ベレンの代わりに・・・」という展開が容易に想像できてしまえたので、それが少しもったいない感じでした。 女の嫉妬絡みの話って、その原因であるオトコも、ロクでもない目に遭うのが定番ですが、世の中の男ってだいたいこんなもんで、悪いことしてる意識はかなり薄いかも(笑)。 でも、いなくなったと思ってた彼女に、まさか他の女とエッチなことしているとこ見られてるって、死ぬほど恥ずかしいですよね(^^; こういう事態にならないとも限らないので、彼女や奥さんのいる人はたとえどんな状況でも、他の女性と関係を持つのは控えましょう^^ [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-08 14:05:29)(良:1票) |
3. ある愛へと続く旅
《ネタバレ》 戦争絡みで、出生の真実を知らされない子供と母親・・・。「実は・・・」という終盤、その意外な真実に驚かされましたが、よく似た印象の「灼熱の魂」に比べると、ちょっと弱いかなぁという感じでした。また、わかりにくい描写が多くて、いまひとつ感情移入できず、せっかくのいい映画なのに、ちょっともったいないかも・・・。 人類の歴史から、戦争というものが無くなる日は来ないのかもしれませんが、アスカを診た医者のセリフだったか「同じ人間であることが恥ずかしい」ような真似は、許されるものではありませんね・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-04 20:30:55) |
4. ミツバチのささやき
《ネタバレ》 まるで詩のような映像、メタファー的な表現、説明的過ぎないセリフなど、すべてが素晴らしくて、心から「あぁ、良いもの観たなぁ・・・」と思える作品でした! 少し精神的成長をみせるイサベルと無垢な少女のアンとのやりとりや会話がかわいらしくて、決して明るいテーマではないのに、BGM同様、長調的なムードに包まれます♪ 印象的だったのは、線路沿いに立つ2人の横を汽車が走り抜けるシーン。解釈はいろいろあるんでしょうけど、ここは理屈じゃなくて、映像としての高い芸術性を味わえればそれでいいんだと思えました。 父親の「ミツバチは巣の中で報われない努力を強いられ、幼虫の運命は過酷な労働が待つ・・・」みたいなセリフが最初の方とラストの2回出てきますが、これはきっと当時のスペイン国民の声を代弁しているんでしょうね。 この映画は、ただ雰囲気を味わうのではなく、しっかりとしたメッセージを、レベルの高い手法によって表現した、観る人の「鑑賞力」を磨いてくれる作品だと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2015-10-25 07:18:29) |
5. エル・スール
ツタヤで借りたDVD、パッケージと中身が違っていて、間違って借りてきてしまったのがこの映画でした(笑)。というわけで、前情報もまったくなく見始めましたが、少女の可愛さにひかれ、最後まで鑑賞。地味ながら、ある秘密を持つ父親と、それを知った娘の関係がセンス良く描かれていて、いい映画だったと思います♪ 映像も美しく、説明し過ぎない、でしゃばり過ぎない演出とうまく合っているように感じました。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-18 19:11:09) |
6. パンズ・ラビリンス
残酷で痛々しい現実、そして現実逃避の妄想世界も見ていて楽しいものではなく、救いようのない話でした。映画として高いレベルであることは間違いありませんが、見終わったあと、ドヨヨ~ンと暗い気持ちになってしまいました。 一般的な「ファンタジー映画」を期待していると、ひどい目にあいます。間違ってお子様と一緒に観たりなんかすると、無垢な子供の精神に心的外傷を残してしまうかもしれないのでご注意を。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-08 16:41:09) |
7. 恋のロンドン狂騒曲
《ネタバレ》 いろいろな人たちの恋愛模様・人間模様をコミカルに描いた作品で、そんなに大した話でもないのに、最後まで飽きることなく楽しめました。最後、「いろいろあったけどめでたしめでたし」にしないところがいいですね♪ 普通のハッピーエンドだと、すごく凡庸な印象にしかならなかったと思います。この映画、ひと言で表すなら、「軽妙」という言葉がピッタリですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-03-09 09:35:16) |
8. あなたになら言える秘密のこと
《ネタバレ》 ん~、いい内容の映画で、個人的にはこういう雰囲気の映画は大好きなのですが、なんだかちょっと引っ掛かる・・・。戦争を持ち出すんなら、終盤は恋愛路線に走らないで、ジョゼフはハンナを探すけど見つからない・または探してはいけない的な内容で締めてほしかったです。ビターなチョコレートも美味しいなと思って食べ続けていたら最後の一個だけ甘ったるいミルクチョコで「それはそれで美味しいけど、ここまできたら最後もビターな味で終わりたかったのにぃ~!」という感じでした。でも海の上の掘削所という、一般生活から隔離された独特の空間の雰囲気を表現するカットや、それに合う音楽の選曲センスは素晴らしかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-07 09:46:46) |
9. 星の旅人たち
まるで、自分の心もひとつ成長したような、見終わった後の充実感や清々しさは、言葉ではうまく表せません。内容もカメラワークも素晴らしいし、映像や風景が圧倒的に美しいです。先日、NHKのドキュメンタリー番組で、この巡礼を特集していました。それを観て、この映画の寺院内のシーンは、荘厳な雰囲気を表現するために過剰な演出は避け、できるだけ聖堂のムードを忠実に再現しようとしているのがよくわかりました。また最後の、遺灰を海に撒くシーンも秀逸。普通の映画なら、撒き散らした瞬間に遺灰が舞い上がり、海に向かって飛んで行く・・・というようなシーンになるのでしょうが、安易な映画的演出を使わず、灰は足元付近に散乱・・・というのが、逆にリアル感を高めていると思いました。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-04-12 01:24:36) |
10. それでも恋するバルセロナ
う~ん、どうも好きになれない映画です。正直「何これ?」といった印象で、これといった見どころもなく、早く終わらないかと時計ばかり見ていました。唯一、ヴィッキーの婚約者→ダンナの何も知らない滑稽さだけは面白かったです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-02-14 21:40:37) |
11. 暴走特急 シベリアン・エクスプレス
巻き込まれ型サスペンスというと、ついヒッチコック作品と比較したくなりますが、これは比較の対象にすらなりません。単純で面白くない上に、過剰ともいえる拷問シーンが不愉快だし、おまけにラストのオチもすぐにわかってしまって・・・。ほめるところを探すのも難しいですが、日本の2時間ドラマより少しはマシということで2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-01-10 21:49:27) |
12. カルラの歌
《ネタバレ》 重苦しい内容で辛かったですが、でも観て良かったです。理由はカルラがとても魅力的だったこと。辛く悲惨な話だっただけに、最後のカルラの歌がとても素敵に聴こえました。政治絡みで人々が苦しむ話はあまりにもやりきれないので、おそらくこの映画は2度と観ないでしょう。でもニカラグアの事情についてはもっと知りたいと思いました。血を流すことに賛成するわけではありませんが、そうした中からでしか得られないものがあるような・・・ [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-10 21:55:10) |
13. エリックを探して
なんとなく気持ちが入り切らないまま終わってしまいました。いい映画だとは思いますが、紙一重で自分の守備範囲外といった感じです。エリック・カントナのことやサッカーのこと、もう少し知っていれば印象が違ったかもしれません・・・ [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-12-09 21:53:55) |
14. ローマ、愛の部屋
《ネタバレ》 ローマのバーで出会ったロシア人女性とスペイン人女性が一夜を過ごし、朝を迎えるまでの話です。ホテルの部屋で、最初は少しお互いを警戒しながらも、悩みや苦しみを打ち明けながら徐々に心を開いていき、気持ちが通じ合うとレズ行為を繰り返し、そして朝・・・・。ほとんどのシーンがホテルの部屋で、登場人物もずっと裸の女性2人だけ。そんな単調な話なのに退屈しないのは、意外としっかりした脚本ととてもきれいな映像、そしてなんともいえない雰囲気の音楽のおかげだと思います。あの音楽がなければ、きっと途中で観るのをやめていました。でも残念だったのは、朝を迎えてからのシーンが長過ぎること。爽やかな朝日とともに、もっとスカッと締めくくってほしかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-26 20:43:09)(良:1票) |
15. マルティナは海
《ネタバレ》 最初のうちは、内容はよくわからないけど、画がきれいだったのでなんとなく見ていましたが、元の夫が現れてからは、途端にしょーもない話になってしまいました。まったくトホホな映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2012-07-15 23:59:15) |
16. 瞳の奥の秘密
《ネタバレ》 見応えある、いい映画だったと思います。前半は、いまひとつ入り込めないところも多かったですが、後半にかけてテンポもよく、意外な展開で楽しませてくれました。また、画面全体が独特の色調で、それがとても心地よかったです。でも最後、殺さずに閉じ込めているシーンはゾッとしました。いい映画だとは思いますが、たまたま観た時の気分と作品の内容が合わず、ちょっと残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-06-17 00:30:56) |
17. サルサ!
主役の男女が、出会って魅かれてケンカして最後はめでたしめでたしというベタな展開、実はこの人とこの人が・・・という都合のいい人間関係、セックスする女の声とイビキとハンモックの軋む音をヒントに新曲を作曲等、ストーリーや演出等は稚拙ですが、そんなことはどーでもいい!サルサ最高!! 音楽がバツグンにいいので、サルサ好きにはたまらない映画です♪ よく行くサルサバーで踊っている人たちの9割は、この映画を観てました(笑) でも映画としてのレベルはかなりキビしいので、サルサという音楽に興味がない人にはツラい作品かも・・・(^^; [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-10-02 18:43:09) |
18. 娼婦と鯨
《ネタバレ》 現在を生きる女性が、過去に生きた男女の人生をなぞるようなストーリーで、とても素敵な映画でした。バンドネオンの音色、情熱的なタンゴが、いい具合に絡んでいますね。裸の女性など、エロティックなシーンが次々と出てきますが、これが全く下品ではないところに、作り手のセンスを感じます。特に「お前の匂いは"シ"だ。ロ短調の匂いがする」というセリフが印象的でした♪ 話の内容からすると、男性よりも女性に好まれそうな作品です。こんなに素敵な映画が、日本では劇場未公開。映画館で観たい作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-07-20 17:25:09) |
19. そして誰もいなくなった(1974)
原作は読んでいないので、普通に「こういう話か」と思って観ていました。「サファリ殺人事件」に比べたら、よくできている方だと思いますよ。 [ビデオ(吹替)] 6点(2011-07-10 00:16:26) |