1. 水の中のナイフ
静かに進むヨット、時には無風でまったく進まなかったり、また突然激しい勢いで進んだりもする。それがヨット上の三人の行動と心理状態と絡み合うかのようなおもしろさもある。だがその三人は個性的ではあるがどうも私には馴染めなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-20 05:59:23) |
2. 故郷よ
今から27年前に起こったチェルノブイリ原発事故、映画は事故そのものではなく、故郷を離れた人たちや避難命令に逆らって残った人たちを描く。どちらも故郷を思う気持ちは同じだ。映画が製作された年に日本で起きた福島の被災者と重ね合わさざるをえない。ただ惜しむらくは、映画後半部のまとまりに欠けるような気がする。この映画で百万本のバラが聴けるとは思わなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2013-09-11 22:33:22) |
3. カティンの森
映画の冒頭で、ドイツ軍に追われた人々とソ連軍から逃げてきた人たちが橋の上で遭遇する。第2次世界大戦よりもずっと昔から侵略や分割など、大国にはさまれ苦難の道を歩み続けたポーランドをもの語る象徴的シーンだ。カティンの森の事件は、戦争終結以前に判明していながら、ナチスドイツの宣伝活動に利用されたり、逆にソ連がナチスの起こした事件とごまかしたりして、戦後も醜い争いが続いていたことも知った。脚色を加えず淡々と事実を物語る手法に驚く。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-13 21:20:13) |
4. ソハの地下水道
《ネタバレ》 ナチスのユダヤ人迫害をテーマにしながらも、シンドラーや杉原千畝のような英雄聖人ではなく、平凡どころか小悪党な男ソハ。そのような男が主人公だから、すごく真実味があり、映画のひとつひとつのシーンが実にリアルである。地下水道は暗く汚いし汚物だらけ、通常の人なら一時だってそんな場所にはいたくない。しかし迫害の手から逃れ生き延びるにはそこしかないというユダヤ人たち。そのユダヤ人たちを利用し金儲けを企んでいた男が、変わっていくのだからすごい。 生まれたばかりの赤ん坊を殺さなければならなかったのは辛すぎる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-03 08:32:55) |
5. 戦場のピアニスト
無抵抗のユダヤ人を跪かせ背後から射殺する、こういう非情なことが平然と行われていた事実を、感情を交えず淡々と描く。自ら経験を持つロマン・ポランスキーの思いが伝わってくる映画だ。 主人公のピアノに対する思いは、冒頭のスタジオ演奏で砲撃に遭ってもなかなか演奏を止めなかったことからも感じられる。それが隠れ家に潜むようになってから、ピアノがあっても音を出せず、まねだけで思いにふける。そしてドイツ人将校の前で弾く運命となる。あのときの将校はどういう心境だったのだろうか、そしてシュピルマンは・・・。 冒頭と最後に奏でられる哀愁に満ちた曲は、ショパンの夜想曲嬰ハ短調、遺作となった曲だが実に印象深い。 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-22 13:37:28) |
6. アンナと過ごした4日間
《ネタバレ》 前半は片手が出てきたり牛が流れてきたり猟奇的な臭いがプンプン。おまけに斧まで買ったりする。どうなることやらと思っていたら、ストーカー映画に早変わり。この前半部は思わせぶりか。 結果は目に見えているのだが、最後に女が「あなたは犯人でない」と言ってほっとしたが・・・。 会話が少ない分、流れる音楽が効果的。しかし何かもっと訴えるものがほしい。 [DVD(字幕)] 5点(2011-10-23 19:53:27) |
7. ショパン 愛と哀しみの旋律
以前に作られた「楽聖ショパン」より、事実に基づいて作られ真実に近い映画、ショパンとジョルジュ・サンド、そして彼女の子どもたちを中心に描かれている。いわば人間くさいショパンだ。 ショパンの曲を中心にたくさんのピアノ曲がちりばめられてはいるが、やや断片的で惜しい。その中でしっかり聴けるのはサンドとの愛のテーマにもなっている遺作のイ短調ワルツ、非常に哀愁を帯びた私の大好きな曲である。 [映画館(字幕)] 6点(2011-10-19 14:44:02) |