5.《ネタバレ》 大規模な原発事故という未曾有の事態を、あくまでも個々人の視点から見た作品という時点で、作品の基本的価値は確保されていますし、安易に感傷に流されない作り方にも好感は持てるのですが・・・それにしても一方で全体が薄味で、ここぞという場面でもさらさら流れてしまいます。主人公の故郷への想いに軸足を置きたいのであれば、例えば、タジキスタン難民との衝突の場面なんかは、もっといろいろ深められたと思うのですが。●今気づいたのですが、これ、時系列順ではなく、現在のヒロインの仕事とか恋愛とか旅とかから入って、実は彼女にはこういう過去が、という構成の方がよかったのではと思った。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2018-04-24 01:42:08) |
4.放射能で汚染されとるとこへ観光に行きたいとは思わんなあ~。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-02-09 19:50:40) |
3.《ネタバレ》 ヒロインの仕事はチェルノブイリの観光ガイド。それだけでもこの映画を観る価値はあります。人の住めない場所に観光客が来るの?いずれ福島も観光名所になるの?不謹慎じゃないの?と思う人がいると思いますが、これをダークツーリズムと言います。ユダヤ収容所のアウシュビッツや、私がつい先日訪れた広島の原爆ドームも同じです。今も広島の平和祈念館は、崇高な目的を持った外国人観光客や、物見遊山な外国人がたくさん観光に訪れる場所です。天地開闢以来、人間は常に愚かな行為を繰り返してきました。その人災を語り継ぐことは、高遠な意義があると思います。ただし、ヒロインは長年その場所にいるせいで髪の毛が抜け落ちる後遺症で苦しんでいます。目に見えない放射能の怖さが伝わってきます。この放射能とは、空気感染するウィルスと似ている。今はまだ痛くもかゆくもないのに、北斗神拳のケンシロウに秘孔を突かれた時のように、おまえはすでに死んでいると宣告されるに等しい。映画の中で、男が傘をまとめ買いして、黒い雨を浴びる住民に配るシーンがありました。俺はもう死ぬのか?それともまだ生きられるのか?その不安な状態が一番こわい。即死のほうがマシに思えてくる。それほど放射能は怖い。放射能の汚れを落とすために観光客がシャワーを浴びるシーン。デブなおばさんの裸体がずっと映されていましたよね。あれは意味がないようで、おぞましいということを、隠喩として伝えたかったのでしょう。のんきに結婚式をやっている光景とは裏腹に目に見えない放射能の恐怖が迫っている描写も巧い。また、ゴーストタウンと化した街並みの映像は、あたかもゾンビ映画の世界のようだ。日本の場合、マスコミたちが、絆、絆と、事故のことを、能天気に感動物語にしている。やはり日本が現実を見つめるには時間が必要です。負の遺産を、負の遺産として描くことも改めて大切だと感じました。 【花守湖】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-23 21:59:30) |
2.原発で人生が変わってしまった女性の10年後を描いた本作。どこへ旅立っても必ず故郷に戻ってしまう主人公。「人生は一度きり。過去が私に取り付いてる。振り払えない。決して逃れられないの……」。この言葉はきっと福島に住む人々も背負うことになるんでしょうね。人々の辛い状況が痛いほど伝わってきました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-23 09:36:52) |
1.今から27年前に起こったチェルノブイリ原発事故、映画は事故そのものではなく、故郷を離れた人たちや避難命令に逆らって残った人たちを描く。どちらも故郷を思う気持ちは同じだ。映画が製作された年に日本で起きた福島の被災者と重ね合わさざるをえない。ただ惜しむらくは、映画後半部のまとまりに欠けるような気がする。この映画で百万本のバラが聴けるとは思わなかった。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-09-11 22:33:22) |