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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1922
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  シック・オブ・マイセルフ 《ネタバレ》 
芸術家を目指し、都会で長い下積み生活を送る若い女性シグマ。だが思うような結果が残せず、いまだカフェでバイトしながらただぼんやりと毎日をやり過ごしていた。周りを見れば友達誰もがみんな楽しそうで、SNSでは充実した毎日を送る人がそんな自分を見せびらかしている。同棲している同じく芸術家である彼氏も、近々個展を開くことが決定している。自分だけ、どうしてこんなにも上手くいかないんだろう――。そんな思いに捉われた彼女はある日ネットで、副作用から皮膚に強い疾患が起こるという違法薬物を目にするのだった。原因不明の皮膚病を発症したもののそれでも困難に負けず活動する若手アーティスト。そんな自分をSNSで発信すれば、自分はもっと注目を集めるかもしれない。そう直感したシグマは、誰にも内緒でその違法薬物を手に入れ、密かに服用し始めるのだった……。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、いやはや、なんとも人をイヤ~~~な気持ちにさせる映画でしたね、これ。映像はすごくキレイで洗練されていてクラシカルな音楽も品が良いのに、語られるエピソードはどれも不快感マックスなものばかり。そのギャップが人をなんとも言えない気持ちにさせる。なんなんですか、この感じ(笑)。色んなとこからモノを盗んできてそれを勝手に作品にして芸術だと言い張る彼氏も意味不明だし、犬に噛まれた人を助けた時の返り血を浴びたままバスに乗って帰る主人公も訳わかんない。人から注目集めるためだけに顔中できものだらけになった主人公が嬉々としてネットに画像をアップしまくり、後で反応を確かめてうっとりするとかシュール過ぎて…。この監督、そうやって人を不快にさせながらも何故か人を惹き付ける絶妙なラインの画作り、お話作りがすごく上手い。彼女と専属契約する障碍者専門のモデル事務所の社長が、あえて雇った目の見えない秘書をこき使うシーンなんて、そーゆーことに最近やたらうるさいポリコレ信者を爽快にぶっ飛ばしてます(笑)。んで後半、いよいよ顔面が崩壊し、もはや周りがドン引きしてるのにそれでもまだ認めてもらいたいと嘘を重ねる主人公。アホやなと思いながらも、どこかちょっと気持ちが分かるように描いてるのも良いセンスしてる。そんな中、主人公が夢見る理想の自分をときどき妄想で描くのも、このイヤ~~な感じをますます増幅してますね。この監督、性格悪すぎだわ。でも、このキレイな映像と胸糞なお話のギャップがクセになって、最後はもはや心地良くなってる自分がいました。監督はこの後、同じく胸糞映画界の俊英アリ・アスターに見出され、ニコラス・ケイジ主演でハリウッドデビューを果たしたとのこと。今度はどこまで嫌な気持ちにさせてくれるやら。胸糞映画界の新たなる才能の出現を素直に喜びたいと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2024-11-12 11:12:16)
2.  わたしは最悪。 《ネタバレ》 
彼女の名は、ユリヤ。今年で30歳。高校卒業後、何となく進学した医学部を自分のやりたいこととは違うと途中で退学、新たに心理学を学びカウンセラーを目指すも相変わらずの詰め込み教育に嫌気がさし、これまた途中で退学。書店員をしながら今は直感的に向いていると感じた写真家への道を目指している。彼氏もその場のノリと勢いで付き合ったために上手くいかないことばかりですぐに破局。今は偶然知り合った漫画家の彼氏と何となく同棲している。それでも子供が欲しい彼とまだいらない自分との意見の違いから揉め、最近はなんだかギクシャク。何もかも中途半端に人生をぼんやりとやり過ごしていたら、気づけばもはや30歳。自分はいったいどうなってしまうのだろう――。本作は、そんな何処にもでいるような拗らせアラサー女子の日常を、序章と終章、そして12章からなる短い断片で切り取ったポートレートだ。とにかくこの主人公ユリヤのトホホ感に満ちた日常が魅力的でした。変に美化するわけでもなく、極端に自虐的にみせるわけでもない、彼女の生活を一歩引いたところから見つめるスタンスがなんとも心地良い。偶然紛れ込んだ知らない家のパーティーで出会う、のちの彼氏とのエピソードもすんごくトホホ感満載。お互い一線を超える勇気はないけれどそれでも酒で気が大きくなって思わずしたこと、それはお互いのおしっこしている姿を見せあうことでした。「これって浮気じゃないよね」って、いやそんなん浮気以前に人としてアカンやろ(笑)。そんなどうしようもないリアルな日常を延々描いていたかと思ったら、まさかの世界の一時停止!人々が動きを止めた街で惹かれている男に会いに行くシーンはもうこの監督のセンス爆発!空想の世界で彼とのデートを堪能し、そして元の彼氏との日常へ戻るところは大人の女心を繊細に描いていてすんごく良かったです。その後、彼氏に別れを告げるシーンはリアルで切なく、お互いの気持ちが分かる分、自分は過去の色んな思い出が蘇ってきて思わず泣きそうになっちゃいました。そして後半に明かされる元彼の現在……。実は末期癌に犯されていたという普通の映画だとお涙頂戴展開になりそうなところを、あくまでそうしなかった監督の絶妙な匙加減が素晴らしい。そんな場合じゃないのに、過去の浮気の真相を聞こうとする元彼の心理が何ともリアルでシニカル。最後、そんな2人が迎える切なくも哀しい別れ。でも、主人公の日常は続いてゆく…。1人の女性の人生を通して、生きることの辛さと幸せを優しく見つめた、なかなかの良品だったと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2023-10-02 09:08:12)(良:1票)
3.  アイダよ、何処へ? 《ネタバレ》 
1995年、冷戦終結により勃発した民族紛争が泥沼化していたボスニア・ヘルツェゴビナ。ムスリム勢力の町スレブレニツァはセルビア側の激しい攻撃の末、とうとう陥落してしまう。2万5千人におよぶ町の住民たちはたちまち難民化、安全を求めて国連平和維持軍が駐留していた基地へと一斉に雪崩れ込んでくる。当初は住民たちを受け入れていた国連側も余りの数の多さに途中で受け入れを拒否。結果、基地の周りには行き場を失くした町の住民たちが大勢なす術もなく立ち尽くすことに――。国連の通訳として働く元高校教師アイダは、そんな難民の中に自分の家族も含まれていることを知るのだった。夫と2人の息子だけでも基地に入れてほしいと上官に懇願するアイダ。だが、更なる混乱を恐れた上官は彼女の要望を拒否する。到底納得できないアイダは、何とかして家族を安全な基地内に引き入れようと画策するのだが、さまざまな手続きの壁に阻まれどうにもうまくいかない。そんな折、セルビア側の司令官ムラディッチ将軍から住民を安全な場所に移動させるので速やかに引き渡せとの要請が国連側に届く。何か信用できないものを感じたアイダは、家族とともに逃げようとするのだが……。デビュー以来、一貫してボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争を題材とした映画を撮り続けるヤスミラ・ジュバニッチ監督の最新作は、そんな過酷な運命に翻弄される一人の女性を通して戦争の不条理を冷徹に見つめたヒューマン・ドラマでした。この監督の作品は今回初めて観ましたが、全体を覆うひりひりするような緊張感がとにかく真に迫っておりました。この時代、この地で実際に撮られたドキュメンタリー映画なんじゃないかと思えるくらい。そんな中、ただ家族を救いたいがために奔走する主人公。国連にたまたま通訳として現地採用されたというだけで、軍人でも実力者でもない単なる一市民のエイダに出来ることなんてたかが知れている。それでも愛する子供たちをなんとしても救おうと駆けずり回る彼女には胸が締め付けられる思いでした。でも、そんな過酷な現実は彼女だけのものではなく、ここに押し寄せた2万5千人の全ての人々にそれぞれの事情がある。そう思うとやはりやり切れない思いにさせられます。みんな普通に生活していただけなのに。そして最後に辿り着く悲惨な現実――。戦争の愚かさをこれ以上ないくらい痛感させられてしまいます。過去を乗り越え、気丈に振る舞っていたエイダがそれでも最後に辿り着いた場で泣き崩れてしまった姿に自分も思わず涙してしまいました。最後に表示される、「スレブレニツァの女性たちと殺害された8372名の息子・父・夫・兄弟・いとこ・隣人に捧ぐ」というテロップが重い。ただただ最後、彼女が育てた教え子たちがいつまでも平和に過ごせることを祈るばかり。人間の愚かさと悲哀を鋭く捉えたなかなかの秀作と言っていい。
[DVD(字幕)] 8点(2023-02-10 08:33:06)
4.  トロール 《ネタバレ》 
北欧の神話や民間伝承に登場する恐ろしき怪物、トロール。人間などひょいと摘まみ上げて食べてしまうそんなモンスターが、山地開発をきっかけに現代に蘇ってしまった!前例のない驚くべき事態に人々は右往左往するばかり。政府や軍幹部、そして怪物を調査する古生物学者は果たしてこの危機を乗り越えられるのか?という、極めてシンプルなモンスターパニック映画。まぁバカバカしいっちゃバカバカしいんですけど、それでもCGで描かれたトロールの造形はけっこうお金がかかっていて暇潰しで見る分にはそこそこ楽しめました。このトロール君の見た目が何処か間抜けで、こいつが都会を破壊しながら練り歩くシーンは大真面目に作ってある分、なんか笑けてきちゃうのが本作のミソ。ただ、お話の方ももっとおバカに振り切っても良かったんじゃないかな。ところどころクスリとさせられるものの、中盤からはいまいち盛り上がりに欠けたまま終わっちゃいました。同じくノルウェー&トロールで言えば、今やハリウッドの第一線で活躍するアンドレ・ウーヴレダル監督の知る人ぞ知るカルト作『トロールハンター』があるけど、笑いも物語もあちらの方が一枚上手でしたね。以下余談。いかつい軍幹部がオタクっぽい首相補佐官に軍歴を聞いたところ、「あるよ。コールオブデューティだ」って答えたところが個人的にツボでした。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-01-23 06:15:25)
5.  MORTAL モータル 《ネタバレ》 
北欧神話に登場する雷神、トール。雷を自在に操り、人の身体に触れるだけでその者を焼き殺してしまうという、恐るべきその力を手に入れたある男の悲劇をダイナミックに描いたSFドラマ。監督は『ジェーン・ドゥの解剖』というフェティッシュ・ホラーの快作を撮った、ノルウェーの俊英アンドレ・ウーヴレダル。という訳で、かなり期待して今回鑑賞してみました。なのですが、残念ながらさっぱり面白くなかったです、これ。とにかくストーリー展開がまだるっこしい!!『ジェーン・ドゥの解剖』で魅せた、低予算密室ホラーでありながら手を変え品を変え、じっくりと最後まで見せきったその演出の冴えは何処へやら。髭もじゃの冴えないおじさんが追い詰められて人を殺し、そのせいで苦悩するという代り映えのしない映像が最後まで続いてもうほんと退屈!そんな主人公を何故か自分の身を顧みずに助けてくれる女性心理学者も、どうしてそこまでこの主人公を献身的にサポートするのかもよく分からない。恐らく恋に落ちたと言いたいんでしょうけど、出会ってまだ1日しか経ってないし、そこまで心変わりするエピソードも全くないのに、さすがにそれは説得力なさすぎです。挙句、何故か後半、そんな彼を熱狂的に支持する民衆が大勢駆けつけてくるというぶっ飛び展開。いつの間にそこまで話がおおきくなっとんねん。なんか全てにおいて演出の詰めが甘過ぎで、僕は最後までさっぱり楽しめませんでした。ウーヴレダル、ちょっとヒット作連発し過ぎて疲れてたのかな?でも、この人の才能は確かだと思うので次作に期待して待っております!!
[DVD(字幕)] 4点(2021-06-07 05:30:33)
6.  7月22日 《ネタバレ》 
2011年、7月22日。それはノルウェーの人々にとって、忘れられない悪夢の一日となった――。ネオナチに感化された一人の極右青年によって、凄惨極まりないテロが実行されたのだ。まず首相官邸の近くで車爆弾を爆発させた犯人は、現地の混乱を尻目にそのまま保養地として有名なウトヤ島に向かった。そこではちょうど労働党青年部によるキャンプが開催されており、多くの若者たちで賑わっていた。島に辿り着いた犯人は持っていた自動小銃を構えると何の躊躇いもなく、たまたまそこに居合わせただけの若者を次々と襲い始める。数十分にも及ぶ凶行の結果、77名もの何の罪もない市民が犠牲となるのだった…。本作は、そんな実際にあったテロ事件を背景にその日、その島でいったい何が起こったのか、犯人は何故そんな残虐な犯行を実行したのか、そして事件はノルウェーの人々にどのような影響を与えたのかを丹念に描いたものである。監督は臨場感あふれるリアルな作風で知られるポール・グリーングラス。かつて911同時多発テロで唯一自爆攻撃を阻止した旅客機の乗客たちを描いたこの監督らしく、冒頭のリアルなテロ描写には目を見張るものがある。全く躊躇することなく、目に付いた若者たちをただ淡々と銃殺し続けるこの犯人の底なしの狂気には戦慄させられるほかない。いったい何があれば、ここまでの憎しみを心に宿すことが出来るのだろう。物語はその後、この犯人の裁判の過程と彼を弁護することになった弁護士の心の葛藤、そして事件によって瀕死の重傷を負い一生消えない後遺症を負わされた青年のドラマを丁寧に描いてゆく。そこで炙りだされるのは、犯人の思想の脆弱性である。大言壮語なだけで中身は空っぽ、自身の不幸な境遇を全て社会のせいにして、テロを実行した自身を英雄視する気持ちの悪いナルシズム。見れば見るほど反吐が出そうになるこの犯人の薄っぺらい実像とは対照的に、次第に明らかとなる弁護士と生存者である青年のその信念の強さには心揺さぶられるものがある。特に最後、犯人の前で自らの想いを力強く述べる被害青年の言葉には思わず涙してしまった。「僕は生き残った。だから、生きる。仲間や家族のため、そして殺された親友たちのために」――。世界に蔓延する憎しみの連鎖はこれからも続いてゆくのだろう。不寛容の精神は、これからも人々の心に壁を築き続けるのだろう。だが、彼のような言葉があればこの世界に絶望することなく生きていける。そう思わせずにはいられない、切実な希望に満ちた秀作であった。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-05-07 01:44:10)
7.  ウトヤ島、7月22日 《ネタバレ》 
2011年、7月22日金曜日。ノルウェーの保養地ウトヤ島において、銃乱射事件が発生。警察に扮装した犯人は、当時開催されていた労働党青年部のキャンプ参加者をただ黙々と襲い続けた。72分間にも及ぶ凶行の結果、77名もの尊い命が奪われることになった。本作はその実際にあったテロ事件を背景に、ただ現地に居たというだけで悲劇に巻き込まれた若者たちを描いたものである。何より特徴的なのは、実際の犯行時間と同じ72分間、ひたすらワンカット編集なしの映像が続くところだろう。ある一定の臨場感と緊迫感を生み出すことに成功している。だがこれは僕の個人的な感想だが、本作の見るべきところはそれぐらいしかないのではないか。何処にでもいるような若者たちがただひたすら逃げ惑う映像が延々と続き、肝心の犯人の姿は一瞬画面に出てくる程度、あとはずっとパーンパーンという銃声が機械的に鳴り響くだけ。このワンカット映像をいったい何度撮り直したのかは分からないが、構成も物語展開も非常に稚拙。初めてこのキャンプ場で知り合ったという学生と将来の夢をひたすらだらだらと語り合ったり、中盤に出ていた少年が最後唐突に何の脈絡もなく死体になっていたりと伏線も起承転結も何もあったもんじゃない。同じくワンカットで撮った作品に日本の『カメラをとめるな』があるが、あちらは緻密に考え抜かれた構成でしかも四度も撮り直したと聞く。対して本作、どうにも行き当たりばったりでカメラを廻しただけのようにしか思えず、物語としては底が浅いと言わざるを得ない。誤解を恐れずに言えば、一編の物語としてただ単純につまらないのだ。実際に起こった悲劇を基にするのなら、何より優れた物語に昇華させるのが表現者としての最低限の礼儀――被害者や遺族に対して――ではなかろうか。最後のテロップによるとこれは監督の完全なる創作とあり、それならばより表現者としての覚悟が必要になると思うのだが、この監督にそれはあったのだろうか。事件の被害者を利用した、この監督の売名行為のようにさえ思えて僕には不快感しか残らない作品であった。
[DVD(字幕)] 4点(2020-01-21 02:47:09)
8.  ダウンサイズ 《ネタバレ》 
いまや危機的状況にある環境汚染を劇的に改善させるために編み出された、究極の手段。それは人間の身体を10センチ程度のミニサイズに縮めてしまうこと。そうすれば人口爆発も食糧危機も地球温暖化も全て根本的に解決されるはず!そんな理想(妄想?)を掲げた科学者が、研究に研究を重ね、ついにその方法を実現したのだった。主人公であるポールは経済的な理由もあって、妻とともにそんなミニサイズ化を決断する。だが、無事に施術が終わりミニ人間となって目覚めてみるとそこに妻の姿はなく…。文字通り小人サイズとなってしまった人々が巻き起こす様々なドラマを軽妙に描いたヒューマン・コメディ。前半、ミニサイズとなってしまった人々が直面するであろう様々な問題をあくまで科学的経済的な視点でリアルに描いた部分は、全体的にクスリとさせられるユーモアもあってなかなか面白かったですね。全身の毛を抜いたり、歯を抜いたりしてようやく小さくなった人々を大きいままの人間がスコップみたいなものですくっていくとこなんて思わず笑っちゃいました。そして、髪の毛全そり眉毛が片方だけしかない妻からの電話で彼女の裏切りを知った主人公の半狂乱ぶりなんて凄く面白かったです。このまま「ミニサイズになった夫とでかいままの妻の痴話げんか」とか、なかなか面白そうな展開になりそうじゃん!とワクワクしながら観ていたのですが、本作の残念なのはここから大幅に迷走しちゃうところ。こんなに面白そうな素材なのに、どうしてこんな展開にしちゃったんでしょう。正直、ベトナム人女性とのラブロマンスやカルトと化したノルウェー人のコロニーでの話なんて興味ないですって!『アントマン』みたいなハチャメチャな展開にしろとまでは言わないですけどさ、このミニサイズ人間という設定をもっとこう活かせなかったんでしょうか。ミニ夫とデカ妻の泥沼離婚裁判劇とかにしてくれたら絶対面白くなったはずなのに、後半の展開があまりにも勿体ない。あと、全体的に長すぎ!さすがのこのお話で二時間越えは途中でダレます。うーん、前半がすこぶる良かっただけに残念!
[DVD(字幕)] 5点(2019-08-13 23:30:39)
9.  触手 《ネタバレ》 
日本が世界に誇る変態エロジャンル、その名も「触手モノ」。これまで幾つかの映画の中でちょこちょこっと扱われてきた(僕が知る限りでは、ケビン・ベーコン主演の『スーパー!』やポール・バーホーベン監督の『エル』などでフューチャーされてました)、この変態ジャンルが満を持して海外で実写化されることになりました!最初に断っておきますが、僕はちょっと興味があるってだけでそこまで好きではないですよ、念のため。このジャンルは実写化は金がかかるので、これまで主な表現媒体は漫画やアニメと相場が決まってましたが、今回海外の変態がお金を出し合ってCGで触手を再現!「これで今までハリボテのちゃちい触手を使って女優自らがちまちま動かすだけというイタイ実写版触手モノと違う、本物の映像が見られる!!」と今回鑑賞してみました(もう一度言いますが、僕はそこまでこのジャンルは好きではないですからね!笑)。結果は……、98分あるこの映画の中で肝心の触手が暴れまわるシーンがトータル1~2分だけってありえんだろ!!いつになったら触手が大活躍するんだと我慢に我慢を重ねてずっと、このホモ旦那と欲求不満妻のどーーーでもいい不倫話を延々見せられて、結果がこれってもう怒り狂いそうになっちゃいましたわ!!看板倒れもいいところです。もうこれは日本の本家変態に期待するしかないですね。誰かちゃんとお金を集めて、ハイクオリティなCGを駆使した本物の触手映画を誰か真面目に作ってください(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2019-07-21 20:32:53)(良:3票)
10.  テルマ 《ネタバレ》 
厳格な両親に過保護に育てられた少女、テルマ。大学進学とともに大都会オスロで一人暮らしを始めた彼女は、生まれて初めて体験する様々な事柄に戸惑いを隠せない。初めての友達、初めての自炊、初めてのパーティ、初めてのお酒、そして初めての恋――。自分なりに折り合いをつけ、新生活にも少しずつ馴染んでいくテルマ。そんな中、彼女は学校で原因不明の発作を起こし倒れてしまう。偶然居合わせた同級生の女の子に助けられたテルマは、次第に彼女と仲良くなってゆく。やがて自分が彼女に恋をしていることに気付いてしまうのだった。そして、そのことをきっかけにテルマの回りで不可解な現象が起こり始め…。ノルウェー発、そんなミステリアスな若い女性の隠された真実を巡るサイコロジカル・ホラー。いかにもヨーロッパ的な静かで淡々と進むアーティスティックな作品なのですが、この監督の研ぎ澄まされた感性はなかなかのものですね。孤独な少女テルマの宗教的な葛藤がやがて説明できない不穏な事件を引き起こすまでを、北欧的な乾いた空気の中で先鋭的に描き出すことに成功しています。身体に纏わりつく蛇の悪夢や明滅するストロボ、氷の張った湖の底で泳ぐ魚など印象的なシーンも多く、特にプールで溺れかけたテルマが水面めがけて泳いでいったらそこが水底だったというシーンは忘れがたい印象を残してくれました。また、ストーリーの宗教的なバックボーンの扱い方もうまく、個人の感情と社会の倫理観の相克など深いテーマをさらりと開陳させる手腕の鮮やかさも見事。テルマは現代のキリストとして新たな価値観を作り出すのか?奇跡の力を手にした、そんな彼女の今後を想像させるラストなども深い余韻を残してくれます。調べてみると監督はデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアーの親戚だとのこと。なるほど、この神経病資質な感性は血筋なのですね(笑)。若干思わせ振りが多すぎて、幾分か冗長な面もなきにしもあらずだけど、このシャープで研ぎ澄まされた感性は一見の価値ありです。
[DVD(字幕)] 7点(2019-05-12 22:54:02)
11.  アクト・オブ・キリング 《ネタバレ》 
1965年、インドネシア。軍部によるクーデターが発生し、軍事独裁政権が誕生した。政府に逆らう者は共産主義者として告発され、西側諸国の支援のもと、100万人を超す“共産主義者”が1年足らずの間に殺された。虐殺や拷問の主な実行者は〝プレマン〟と呼ばれる、ほとんどヤクザと変わらない民兵集団だった。当時、彼らは権力者として敵対するものを容赦なく迫害。驚くべきことに、彼らは今も罪に問われることもなく国民的英雄として幸せに暮らしているのだった。今回、取材に応じたそんな殺人者たちは、かつて自らが犯した残虐行為を誇らしげに語り始める。どうして彼らはそんな鬼畜にも劣る行為を嬉々として実行できたのか――。その理由を知るため、本作のスタッフたちは、彼らに当時の拷問や虐殺を自由に再現し撮影して1本の映画として完成させるよう依頼する。本作は、その過程を追い、そんな殺人者たちの形成過程を記録したドキュメンタリーである。主な出演者は、当時プレマンと呼ばれ残虐の限りを尽くしたものの、今では地元の権力者として住民から英雄視されている初老の男たち。つまり当事者自らが当時のことを再現してみせるのだ。例えるなら、本物のナチスが多くのユダヤ人をガス室に送った工程を自ら演じてみせるようなもの。こういう今まであり得なかった手法で撮られた本作は、もうそれだけで観る者の知的好奇心を否応なく刺激してくる。映画を撮るために、久々に集った当時の仲間たちが、まるで学校の同窓会のように抱擁を交わし、そして当時の虐殺の様子を楽しそうに語り始める姿は観客の倫理観に挑戦状を叩きつけてくるようだ。「俺たちは当時正しいと信じられていたことをやっただけだ。それを言うなら、アメリカだってイラクで同じようなことをした。戦争犯罪は勝者が規定するものさ。殺人を責めるなら〝カインとアベル〟からやれ。俺たちは勝者だ、自分の解釈に従う」と主張する彼らに、真に有効な反論をいったい誰が有しているだろう。人間の倫理観の規範となるべき根拠の脆弱性を鋭く問う本作のテーマは、なかなか深いものがある。ただ、後半における「そんな彼らも当時のことを再現する過程で罪悪感に目覚めていった。きっと人間の本質にあるのはやはり〝善〟だ」という既存の道徳観に(無難に)収めていく展開は、残念ながら監督の“逃げ”と捉えられても仕方ないだろう。日本が世界に誇るカルト・ドキュメンタリーの怪作『ゆきゆきて神軍』における奥崎謙三が放っていた真の狂気性には到底及ばない。監督には彼らの心にいまだ眠っているだろう真の闇に、徹底的に肉薄して欲しかった。そうしたら、歴史に残る傑作になり得ただろうに。惜しい。
[DVD(字幕)] 7点(2015-07-28 16:02:14)
12.  奇跡の海 《ネタバレ》 
僕の思想信条に多大な影響を与えたと言っても過言ではない傑作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った、暗黒の虚空に燦然と輝く天才映画作家ラース・フォン・トリアーによる哀切極まりない人間ドラマ。そんな本作を語る前にあらためて「ダンサー~」で描かれたテーマについて述べたいと思う。それは結局人間の幸せは全て相対的なものでしかなく、自分がいま幸せかどうか、自分の存在に本当に価値があるのかどうかを判断するのは最終的には自分の主観でしかないということだ。もしそんな自分の主観では到底受け入れられないような不幸な境遇に追い込まれたり、あるいは自分の幸せを守るために取り返しのつかない罪を犯しそうになったとき、人の心は果たしてどのようにその危機を回避しようとするのか?きっと、自分以外の第三者によって自分の挫けそうな心を補強してもらいたいと願うはず。そう、その第三者こそが〝神〟に他ならない。ではもしこの世に神が居なければ、この残酷な出来事で溢れ返る醜い世界で、人はどのようにして生きていけばよいのか。また、キリストの如き真の心優しき人間は最終的には人々の悪意によって十字架に掛けられ襤褸布のように死んでゆくしか道がないのではないか?ドストエフスキーが「白痴」などの大作群で追求したそんな深甚なるテーマを、トリアーは映画という手法でもって現代に受け継いでいる。「ダンサー~」では、神を持たなかった女の悲劇を追及していたが、本作の主人公ベスは見れば分かるとおり、冒頭からはっきり神へと縋り付いている。セルマもベスも宗教的に言えばどちらも〝聖なる愚者〟。だが、トリアーはこの世に神など居ないということを、ベスが完全なる善意でもって売春婦となる過程でつぶさに炙り出してゆく。〝神〟とは人間が造り出した生きる為の、そして数々の罪から目を逸らす為の理由付けに他ならないとでも言わんばかりに。そんな残酷な現実を突きつけながらも、トリアーは最後に鳴り響く鐘の音に「それでも人間は生きるために神へと縋りつくしかない」という人間本来の普遍的な切なさをぎりぎりのところで肯定している。「この世に神が居ないなら、どうして人は自殺しないで生きていけるのですか?」これはドストエフスキーの「悪霊」の中の言葉だが、本作にはそれへの答えが――完璧ではないにせよ――提示されている。その後、トリアーは「ダンサー~」を撮ることでその思想を根底から覆してしまうのだが…。正直、「ダンサー~」が僕に与えた影響があまりにも大き過ぎて、その姉妹編とも言える本作を観ることでその影響に揺るぎが生じるのではないかと懸念し、今まで鑑賞してこなかったのだが、それは僕の杞憂に過ぎなかった。こちらも人間の愚かさと美しさを冷徹に見つめた傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 9点(2015-03-14 22:02:26)
13.  隣人 ネクストドア 《ネタバレ》 
都会のアパートで恋人とともに平凡な生活をおくる青年ヨーン。だが、些細な喧嘩をきっかけに彼は思わず暴力をふるってしまい、当然のように恋人は部屋から出て行ってしまうのだった。まだ彼女のことが忘れられない失意のヨーンはある日、偶然エレベーターに乗り合わせた怪しげな隣人である若い女性に声をかけられる。「あなた、未だ彼女のことが忘れられないんでしょう?壁が薄いからずっと聞いていたわ…」。そう話す彼女に隣室へと招き入れられるヨーン。そこには、かつて3人の男たちに暴行されたという哀しい出来事をきっかけに引きこもりとなったという彼女の妹も居たのだった。何もかも分かったような怪しい言動を繰り返すそんな姉妹たちに、次第に心を掻き乱されるヨーン。まるで深い迷宮に誘われるように、彼はどんどんとその淫靡で怪しげな隣室へとのめり込んでゆく……。この後、「チャイルドコール-呼び声-」という、オチはちょっぴり残念賞だったもののその全編に横溢する暗鬱でミステリアスな雰囲気と全く先の読めないストーリーとでなかなか見応えのある作品を撮ることになる監督のデビュー作。こちらも低予算ながら、いかにもこの監督らしい練られた脚本と随処にセンスを感じさせる映像とで不穏な雰囲気が濃厚に漂うダークミステリーの佳品に仕上がっておりました。いやー、良いですね、これ。いったいこのアパートは何LDKやねん!ってくらいあり得ないほど部屋がいっぱいあるこの隣室で繰り広げられる、過去と現在、愛情と性欲、サディズムとマゾヒズムが複雑に交錯するストーリーは今回も見応え充分でした。良い意味で、嫌~な余韻が残る胸糞悪いラストシーンもグッド!ただ…、オチはやっぱり今回も容易に読めてしまう凡庸なものだったのが少々残念でしたけど。この監督さん、風呂敷を拡げるのは物凄く上手いのに、それをたたむのがちょっと下手みたい(笑)。でも、このデビット・リンチを分かりやすくしたような、この監督らしいシュールな世界観は今回もなかなか堪能できました!次はオチをもっと頑張ってね!!
[DVD(字幕)] 7点(2014-07-28 09:11:30)
14.  チャイルドコール 呼声 《ネタバレ》 
夫の激しい暴力から逃れ、支援者らの協力のもと、小さなアパートへと越してきた親子アナとアンデシュ。新たな地で生活を立て直そうとする彼女たちだったが、異常なほど心配性のアナは、もう8歳になる息子のためにチャイルドコールを購入するのだった。ところがある夜、そんな無線機に息子とは違う子供の虐待される悲痛な叫び声が混線してしまう。当然のように困惑するアナ。そしてそのことがきっかけで、ようやく手に入れた彼女と愛する息子との安穏な生活は次第に壊れ始めてゆくのだった。忍び寄る夫の影、いつの間にか息子の身体に出来ていたあざ、何度も失われるアナの記憶、そして虐待していたと思しき隣人の怪しい行動…。冒頭から、そんな謎に満ちたストーリーと画面に横溢する常に何かとてつもなく嫌なことが起こりそうな不穏な雰囲気とでなかなか惹き込まれましたね、これ。こういう謎が謎を呼ぶミステリアスでダークな作品、もろ自分の好みっす。登場人物誰もがみんな怪しい悪意を隠し持っていそうな感じとか、けっこうじっとりとした怖さでゾクっときちゃいました。これでオチがしっかりしていれば傑作になるぞ!とワクワクしながら観ていたのですが、残念ながら最後に明かされるこのオチはさすがに強引過ぎますって(真相は実はお母さんの〇〇だった。でもだとしたら、これとあれの辻褄が合わんと思ったら、実は子供は△△だったのだって、おい!笑)。と、オチがちょっぴり残念賞でしたけれど、この全編を覆う不穏な空気と鑑賞後の(良い意味で)後味の悪~い余韻とかは充分堪能できました。大マケして7点っす。
[DVD(字幕)] 7点(2014-05-04 20:01:22)
15.  15歳、アルマの恋愛妄想 《ネタバレ》 
Hなことにとっても興味津々、思春期真っ只中の女の子、アルマ。一人になったらすぐにHな妄想ワールドへと突入し、色んなものを股間へと擦り付けハアハアしちゃう。そんな彼女が、友達のパーティーで前から気になっていた男の子に突然おち〇ちん(何故かでっかくなってる!笑)を突き付けられたからさあ大変。閉鎖的な小さな村の中で〝チンチンアルマ〟というあだ名を付けられるわ、みんなから無視されるわ、お母さんはヒスをおこしちゃうし、これからどうなっちゃうの、あたし?という思春期ラブコメだと思って鑑賞してみたら、まさかの普通の青春ドラマでした。恐らく、ハルストレムの初期作品のような世界をちょっぴりお下品に描いてみたかったという狙いは良いと思うのだけど、主人公アルマにあんまり魅力を感じず僕はいまいち乗り切れませんでした。うーん、こんな女の子居るかな~。これってもろ思春期童貞男子の発想じゃん。思春期女子はもっとうれしはずかし系の妄想に走ると思うんだけど。なんだか、きっと女の子だっておれたちと同じくエロいに違いないというドブロック「もしかしてだけど~」的男目線で描かれた、童貞男子のエロ妄想映画だと僕には思えました。それならそれでもっと無茶苦茶してくれても良かったと思うんだけど、最後まで中途半端に抒情的という、なんともどっちつかずな作品でありました。もしかしてだけど~、もしかしてだけど~、女もオナニーしまくってんじゃないの!そうゆうことだろ!←いや、違うし(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-13 22:19:56)
16.  テール しっぽのある美女 《ネタバレ》 
近所のゲオで準新作・旧作一週間50円キャンペーンというのをやっていて、これは借りとかなきゃあかんやろー、と調子に乗っていっぱい借りすぎちゃって(おかげで今週はたくさん映画を観なければならなくなった…)、そんななかに含まれていた、普段は絶対に借りないであろうB級感満載のエロティック・ファンタジー。パッケージに描かれていた尻尾のある全裸の女がもっと活躍するのかと思いきや、意外にエロ要素は低め。代わりに、画面に横溢するチープな低予算感と、恐らく時間稼ぎと思われるスローモーションの多用に終始睡魔が…。もっとおっぱい見たかったよー。あと、尻尾女の女優さん、お腹出過ぎで妖精感がかなり減じてるんですけどー。看板(パッケージ)に偽りあり過ぎ!でもまあ、50円だと思えばそんなに腹も立たないかな(劇場で1800円払ってこれを見せられたなら、獅子奮迅の怒りが湧き起こってきただろうけど笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2013-10-02 23:27:51)
17.  ヘッドハンター(2011) 《ネタバレ》 
予備知識ほとんどなし、ただ15禁の映画だという情報だけで観た。最初のほうはまだ映画作りに慣れていないのか、とても説明不足のまま進んでいくので「うーん、これははずしたかなぁ…」と思ったものの、途中からの逃亡劇へと移行するあたりから、どんどんとそのソリッドな演出が効いてきて、ユーモアとシュールさが絶妙なバランスで配合されたよく出来たエンタメ映画に仕上がっていた。面白い。もっと、映画としての基礎が整っていれば、完成度の高い作品に仕上がっていただろうに、そこがちょっと残念だったかな。
[DVD(字幕)] 6点(2013-07-16 12:57:02)
18.  トロール・ハンター 《ネタバレ》 
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』以来、延々と作られてきたよくあるフェイク・ドキュメンタリーだとほとんど期待もせずに観たのだけど、これが意外に面白かった。その手の映画にありがちな過剰な悲愴感や見辛い画面のブレもなく、上質なユーモアさえ漂わせているところがいい。トロールが太陽の光を浴びると石になる理由を科学的に説明してみせたかと思うと、今度はキリスト教徒の血を嗅ぎ分ける理由はなにも説明なしとか、そんな設定の詰めの甘さがB級感溢れていて素敵。そして、何よりボヤキながらトロールの駆除をするベテラン・ハンターが、普通に親戚に居そうな何処にでもいるおっさんなのが笑っちゃう。
[DVD(字幕)] 7点(2013-03-31 18:16:21)
19.  エッセンシャル・キリング 《ネタバレ》 
映画を純粋にアートとして撮るという意識で創られた作品を否定はしないが(そいいう映画のなかにこそ記憶に残る作品が多い)、それでも大前提として必要最低限の面白さがなければ僕は駄目だと思う。監督の前作がその意味において、なかなか良作だっただけに、それに比べれば今作は残念ながらぎりぎり鑑賞に耐えうるレベルに達していない。ぶれない姿勢やこだわりの映像美は確かに認めるけど、正直良い作品とは思えない。
[DVD(字幕)] 4点(2012-06-06 14:23:40)
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