1. プレステージ(2006)
《ネタバレ》 おもしろいと思う、個人的にはハマッた作品。「SF要素がリアリティがない」とか「マジックのタネが読める」とかは本質ではない(だから、その点は観衆に読みやすく意図的に作ったのだろう)、主人公2人がどのようにして自身を複数化していったのか、そのある意味で異常な過程の中でどんな感情や心の痛みがあったか、まさにラストシーンの2人の会話にテーマが集約されていたと感じた。脚本はさすが!と感じた。伏線もどんでん返しも緩やかに仕上げており、奇をてらう感がないのも良かったと思う。メメント以降の作品にはキレがなく、「バットマン・ビキンズ」では、単なるメジャー監督に成り下がったかとガッカリしていたが、ノーラン監督カムバックの印象を受けた。フィンチャーたちにも頑張ってほしい。 [DVD(字幕)] 9点(2008-03-08 01:51:41)(良:2票) |
2. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 退廃的描写でけだるい近未来物・・・好きなジャンルである。しかし、近未来を感じさせる映像や工夫は非常に少なく、「なぜ子供がいなくなったか?生まれなくなったか?」もわからず、また「なぜあの黒人女性だけに生命が宿ったか?」も謎であり、近未来ミステリーとしては消化不良である。この作品は、むしろ「生命」にテーマがあったのであろう。赤ちゃんの姿・鳴き声に感動し、戦闘すらやめた兵隊さんの描写に象徴されていたように思う。期待した方向とは違ったが、見応えのある作品であった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-07 01:29:46) |
3. カオス(2005)
《ネタバレ》 キャスティングは良く、それぞれに味があったが、プロットが何とも薄っぺらい。どんでん返しを何度も織り交ぜる意図があったのであろうが、いずれも予測可能であり、サプライズはなかった。しかし、どこがカオス理論なのか?ただのアクション映画として見れば納得できたかもしれないが、題名に騙された作品である。 [DVD(字幕)] 4点(2007-05-05 03:13:07) |
4. サイレントノイズ
ラストシーンでは興ざめ、何とも印象に残らない映画である。だいたい霊自身が正面からビデオに写るのはおかしい(霊が見たものが写るならまだ理解できる)、一体だれの視点からの画像なのか?着ている洋服はいつ時点のものか?等々・・・細かい点をつっこんだらきりがない映画である。 [DVD(字幕)] 3点(2007-05-05 03:03:57) |
5. すべてはその朝始まった
《ネタバレ》 米仏の名男優(?)を二人も揃えて、いささか出来が良くないと言わざるを得ない。相棒がいきなり射殺され家族の身が危ないのに警察にも通報しない危機感のない主人公、そしてオカネを取り戻すためと最後には自分でカタをつけに行くがオカネが戻ってきたのもただの偶然、加えてラストシーンは取って付けたような展開でありあのままなんのお咎めなしなんてありえない。製作者サイドが訴えたいのは、結局は家族のために戦う強い(不倫しかけた)父親像?サスペンスとしては、あまりに矛盾も多く工夫も少なくプロットも崩壊しているお粗末な作品であろう。私にとっては本年度ワースト。 [DVD(字幕)] 2点(2006-09-28 03:09:18) |
6. 聖なる狂気
《ネタバレ》 軽い気持ちでレンタルした。自由奔放な女性、良く見るとアシュレイ・ジャッドじゃない?口のきけない大雑把そうな男性、ヴィゴ・モーテンセンじゃないか?なんとも体当たりな演技であった。登場人物が少ない作品であるが、出演者は、皆いい味を出しているし、キャラが浮き立っていたのは良いアクセントになった。独特な雰囲気の中で物語は進行していく。舞台は森の中で、作品を通してその森から出ることはない。この閉鎖的状況における各登場人物の心の変化を見事に描写していると感じた。ストーリーとしてはありがちかもしれないが、各キャラの濃さと独特な演出表現は見ごたえがあると思う。怖い映画である。 [DVD(字幕)] 6点(2006-08-22 23:10:45) |
7. Vフォー・ヴェンデッタ
《ネタバレ》 悪くない。悪くないのではあるが、期待をしていただけに、ちょっと単調に感じられた。サプライズもなく、どんでん返しもなく、奥の深いプロットがない、いわゆるアクション映画の域を出ていない。主人公の悲哀も薄っぺらく感じられた。ちょっと辛口となったが、何の事前知識・期待もなく見れば、娯楽大作としては充分に合格点であろう、期待しすぎちゃいました。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-06 23:22:40) |
8. 秘密のかけら
《ネタバレ》 淡々と描かれてはいるもののエグいテーマの作品である。サスペンスとしては、ヒロインのジャーナリストが名探偵となり謎を解くところは非現実的であると感じた。真実を明かす手法としては、謎が解かれるより、ただ回想シーンの描写のみで終わらせた方がすっきりした感がある。ケビン・ベーコンは、相変わらずすごい。どんな役でも演じる姿勢とその演技力には脱帽したい。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-31 05:05:01) |
9. ギャンブル・プレイ
《ネタバレ》 ニール・ジョーダンらしくないですね。ニック・ノルティの声は渋い、雰囲気のある名優ですね。レイフ・ファインズがチョイ役で出てたのには驚きました、この監督とは「ことの終わり」で組んでるから友情出演ですかね。ニック・ノルティと刑事は、確かに「ルパンⅢ世と銭形警部」みたいな関係でおもしろかったですが、全体的にダラダラした感があり、また強奪計画がいったいなんだったのかを考えると純粋な泥棒物でもなく、ラストのカジノでのギャンブルにもイマイチ迫力なく、すべてにおいて中途半端な感じを受けました。音楽のセンスはなかなかでしたが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2006-05-02 01:23:17) |
10. スイミング・プール
《ネタバレ》 妄想か現実か意見が別れてますが、出版社のラストシーンで(本物の)ジュリーとのすれ違い方を見ると、妄想(といううよりは、新作本「スイミングプール」のネタ)が描写された映像だったと思います。しかし、①どこまでが本当か?(少なくとも、フランスには言ったんでしょう。)⇒ジュリー登場後がフィクションとすれば、男と出会ったカフェがキーポイントでは?作家=ジュリーであれば、男を本当に殺しているかも知れません。プールで寝そべるジュリーを男が見下ろす(謎の?)シーンがありましたが、主人公=ジュリーとの関係をサジェストしているのでは・・・。②何がきっかけで作風を変えたのか?(以前から不満はあった様子でしたが、フランスできっかけがあったんじゃないでしょうか?)⇒(本物の)ジュリーの母親の書いた小説を別荘で見つけたのではないでしょうか?最後に「(新作は)あなたは気に入らない」と出版の男に断言してましたし・・・。と、いろいろ考えてもしょうがなく、雰囲気を楽しむ映画なのでしょう。フランス映画らしいエスプリを効かせながら、幻想的かつ大胆に仕上がった良作だと思います。しかし、出てくる男たちは、全員がグロで汚かったのが印象的でした。主人公が男をどう見ているのか、を示しているのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-25 02:31:16) |
11. 0:34 レイジ 34 フン
《ネタバレ》 「密閉された地下鉄の駅」というロケーションはおもしろいが、確かに突っ込みどころ満載!細かい部分は置いといて、ストーリーにおいてイントロダクションは大事、設定に至る必然性を考えると、「終電5分前に居眠りして駅に閉じ込められる」「終電が終わって無人の駅に突然きた電車に駆け込んで乗り込む」ようなバカな人間はいないでしょう?導入部で主人公の閉じ込め方ぐらいはもう少し考えてもらいたいですね。とはいっても、評価できる点もある。①モンスター物ながらCGを使っていない(予算がなかったんでしょうが・・・)②モンスターの生い立ちについては、いろいろ考えさせられる→あの高い鳴き声はねずみから学んだ?何の実験ベービーだったんだろう?医師のマネをして子供の取り出しゴッコをしていた、実験を見ていたから生物を檻の中に入れるのが好き?等々③エンディングは良い→結局生き残った犬が良かったし、乞食に小銭を上げなかった主人公がお恵みされていまうのは欧州らしいエスプリが効いている。退屈しのぎや突っ込みあいたい人には良い映画かもしれない。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-06 02:00:55) |
12. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
《ネタバレ》 まあまあですが、ちょっと崩しすぎの感あり。重い男と軽い男を比較対照しながら展開する話は、教科書どおり重い男に軍配が上がるが、この二人の「お約束」のケンカはいかにも情けなく現実的で良かったです。しかし、ブリジットは太りすぎでちょっと気持ち悪かったし、続編としてはイマイチでしょう。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-03 00:16:34) |
13. 銀河ヒッチハイク・ガイド(2005)
《ネタバレ》 まったく期待していなかったが、おもしろい。馬鹿げたストーリーながら、これだけの繊細かつ大胆な映像は見事。CGが少なく臨場感もあった。現代風刺的なシニカルな描写も興味深かった。実はネズミは地球の支配者だった等の発想もなかなかだったが、最もおもしろかったのがディテール。手続にうるさい異性人、その異性人の拷問が詩の朗読、その異性人の星ではハエたたきが地中から出てくる等々・・・。見て損はない。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-31 00:31:15) |
14. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 すばらしい映画でした。この1年で見た映画では、分野は違うものの「バタフライ・エフェクト」と同程度の評価をしたいです。まずは、ジョニー・デップ。この人は決して2枚目スターではなく個性派俳優です。表情、表現ともこだわりを持って演技している。ティム・バートンとのコンビでは一段と引き立つ。次にテーマが良い、子供にも見せてあげたい。加えて、ティム・バートンらしさが随所に出ていたところも良い、歓迎の演奏をした人形たちがグロテスクに燃えていくシーンはいかにも、と感じました。後味もいいし映像もきれいだし、久しぶりに見て良かったと思える映画でした。 [映画館(字幕)] 9点(2006-03-19 23:53:50) |
15. ザ・インタープリター
《ネタバレ》 実にフツーなよくある映画でした。テーマが大きいだけに臨場感を持つのが難しく感じた。ニコールは、オスカーをとってから、一皮むけた感じがする、ある意味で今回も汚れ役であるが違和感なく演じていた。ショーン・ペンはさすが!マトモな役(常識的人間)を演じても、存在感はすごい、年齢とともに大物になっていく。デ・ニーロにも通じるところがあると思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-03-16 01:53:05) |
16. イン・ザ・カット
《ネタバレ》 メグ・ライアン、どうしちゃったの?自らを終わらせる気なのか?外見が売りのスター女優、ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマンが、体当たり演技でオスカーを取り、どちらかというと身体が売りのモデル出身シャーリーズ・セロンまで受賞する中、いつまでもラブコメをやっているわけにはいかないだろうが、方向が完全に違う、中年女がやることじゃない。映画自体も、展開はダラダラなのに内容はエグい・グロい・エロいに加えオチが完全に読める。ある意味でせつないぐらいつらい映画である。 [DVD(字幕)] 2点(2005-05-22 02:12:15) |
17. ナイン・ライブス
《ネタバレ》 密閉された屋敷の中でロールプレイングゲームような展開。設定もストーリーもセリフも行動も無理があり、滑稽ですらあった。誰がどう考えても、「雪がやみ朝が来るまで皆で一緒にいる」べきだったろう。ただし、閉鎖された場所で「殺せば乗り移られる、殺さなければ殺される」という選択肢のないゲーム感覚はなかなかだし、場面場面では緊張感があるところもあり、最後まで見てしまいました、バカにしながらも。思うツボかもしれなのが悔しいけど、その点を認めて6点。 [DVD(字幕)] 6点(2005-05-14 15:31:26) |
18. ファウスト(1994)
《ネタバレ》 心地よい疲労感を残す映画。独特の世界の創造は評価に値するだろう。独自性の高い描写は、古いのか新しいのかどの時代の映画なのかもわからなくさせる。題材をファウストにし操り人形をからませた発想も見事、一段とシュールな雰囲気を作り出した。好みは分かれるだろうが、一度は見て欲しい映画。 [DVD(字幕)] 8点(2005-05-08 00:20:47) |
19. dot the i ドット・ジ・アイ
《ネタバレ》 むなしい映画。主演の三者三様にむなしい。残った二人はどの段階でグルだった?何のために殺した?復讐のため?それとも映画の話題づくりのため?邪魔だったから?二人は愛し合っていた?どの段階で?二人が最後まで騙されていたのかすら考えさせられる。脚本がよくできていたし、脇役の男優コンビもキャラがなかなか。見て損はない。 [DVD(字幕)] 8点(2005-05-05 15:56:05) |
20. Re:プレイ
《ネタバレ》 評価が難しい。中盤までの展開は実に巧妙で引き付けられた、さすがに脚本は見事だし、俳優のキャラもマッチしていたと思う。オチを考えると、「シックスセンス」、「アザース」より設定は良いと思うが、「記憶の扉」「ジェイコブスラダー」の方は一枚上か。 [DVD(字幕)] 6点(2005-04-29 23:55:49) |