1. パパにさよならできるまで
《ネタバレ》 生意気な子供というのはむかつきもしますがかわいいものです。この映画の主人公は何故か生意気なだけでかわいくはありません。監督は「星の王子さま」のような子供と大絶賛しているそうです。たしかに顔立ちは「星の王子さま」みたいでかわいいのですが、やっぱりかわいくない。そのせいか父親が死んだのを理解できないで意地をはっている子供に同情できませんでした。もしかしたら、この子供は、大人目線で描いたかわいそうな子供かも知れないと思いました。こしゃまっくれて大人みたいな子供じゃなくて、ある種の大人が描くであろう子供なんです。いたずらして怒られたあげく「ライカ犬よりまし」とつぶやく「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」のしょうもない悪ガキでさえあれだけかわいいのに。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2008-07-10 16:44:36) |
2. こうのとり、たちずさんで
アンゲロプロスらしい詩的な映像、長回し、ミステリアスな味付け。どれをとっても文句の無いはずなのに、もの足りませんでした。普遍的なテーマであるが故に、もう少し感情移入できる部分が欲しかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-10-22 08:13:05) |
3. 蜂の旅人
《ネタバレ》 大好きなアンゲロプロスですが、この映画は入れませんでした。彼の映画にたびたび出てくるテーマ、損失と自分探しがわかりやすい作品です。自分的にはマストロヤンニがなぜ彼女にそこまで執着するのかがわからなかったです。車で店につっこむシーンの暴力的なところも何故?という感じでした。他のアンゲロプロスの作品と違って淋しさに同調できませんでした。こういう人間嫌いです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-09-27 20:53:06) |
4. 1936年の日々
《ネタバレ》 アンゲロプロスが大好きなので必見だと思っていたのだけど、政治映画が苦手なせいもあって、少し退屈で内容がわからない部分も多かったです。内容がわからなくても好きな映画も多いのですが・・。内容を調べてはじめてソフィアノスが政界要人と関係を持つ同性愛者であること知りました。他にも説明を読んでから納得する箇所も多々ありました。さりとて、もう一度見直す気にもなれなかったです。今まで見たアンゲロプロスの中では一番苦手な映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-08-29 05:39:26) |
5. ユリシーズの瞳
「霧の日だけは昔に戻る」と言うセリフと風景。流れてくる音楽。霧の中で静かに人間たちを追っていくと、そこは現実。決して取り戻せないものを取り戻そうとするかのように、幻のフィルムを探す男。アンゲロプロスにかかるとサラエボの街でさえ美しく感じてしまいます。 6点(2003-07-16 03:51:06) |
6. 永遠と一日
生きていく怖さと死に向かう怖さが出会って、静かで優しい思いが染みてきた気がしました。ブルーノ・ガンツの笑い顔がしあわせそうに悲しくて、こんな笑顔はひさしぶりに見たような気がします。最後まで名無しのままの少年の笑い顔とともに悲しいけれど癒されてしまいます。アンゲロプロスの映画に出会えて幸せです。苦しいほどのリグレット。逝く前に耳に響いてくるのは誰が自分を呼ぶ声なんでしょうね。 9点(2003-07-15 02:38:34) |
7. 霧の中の風景
抽象画のような映像に思い切り酔ってしまいます。少し生々しいところが気になって-1です。痛々しいだけで生々しくしなくても、いいのにと思ってしまいました。 9点(2003-06-03 03:29:20) |