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1.  レッドクリフ Part I
子供を背負っての奮戦から逃げ帰った趙雲に追いすがる魏の大軍に対して長坂橋で立ちはだかる張飛の一喝で馬から転げ落ちると言う講談で有名な一席を期待したのに橋など影も形もなくて残念。吉川英治本では清盛や曹操はかなりに肯定的な描き方をしているけれど、あちらでは曹操は帝位簒奪と横恋慕を企む血も涙もない極悪人としか描かないようですね。米国資本が入ると女性の扱いや性描写などやはり売れることのためにか表現方法が違いますね。公開する国によって編集も違うからいいのでしょうが。関羽など神様扱いの国ではそれ相応の編集にもなるのか興味があります。鳥瞰的な戦闘の描き方は理解には非常な助けにはなるけれど、逆の意味で臨場感が乏しくなる面があって必ずしも賛成はできかねます。
[映画館(字幕)] 6点(2008-11-05 17:59:04)
2.  ラスト、コーション 《ネタバレ》 
結局は最後まで演劇部のテロリストごっこに振り回されたための悲恋物語ですね。その集団の中でのスターであるワンに対する仲間の男性と女性のそれぞれの視線の違いなどがお約束とは言えうまく表現されています。ワンに好意を持ち続けながら集団の結束を乱すことを恐れてか一番最後にやっとの表現を「どうして3年前に」と言われてしまうあたりに、この演劇部的な部分への明確な非難がこめられています。それにしても隠れ家に単身乗り込んできて脅迫する相手のボディガードを殺すのに大勢が声ばかりで一向に片がつかず、ワンが失望して立ち去るのだけれど、その仲間と再会後には指導者についての本格的な実施かと思ったら皆がやはり口先だけで、体を張っての行動の報告に対しても逃げてばかり。最初の行為においてはワンのほうもその覚悟であったのだけどガーターに手を回すことで猜疑心の強いイーが武器を隠しているのではと疑っての暴力沙汰になるのだけれどレイプとはいえないプレイのようです。双方がそのように感じたのでなければその後の濃密な展開にはならなかったはず。それにしても素人組織の駄目ぶりはワンがやっとイーをボデイガード無しに宝石店に連れ込んでも監視するばかり。ワンの警告により起こしたイーの果敢な行動に対して誰も手出しすることなく一網打尽とは余りに情けないです。最後の好意で拷問こそ免れたにしても処刑場でのワンの毅然とした態度と、泣き崩れる仲間、また部下のワンについての報告に無表情に処刑の裁可を署名するイーを対比させるときとても手の及ぶ相手ではなかったことが明確に示されています。この女優は今後も多くの作品に登場できるのかが少し気がかり。熱演に一点おまけ。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-22 08:28:24)
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