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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  モロッコ、彼女たちの朝 《ネタバレ》 
モロッコに住む女性(大人2人、子ども1人)の映画である。場所は最大都市カサブランカとのことだが、屋内の場面が多いので市内の名所などは出ない。 物語としてはパン屋の主人のところに妊婦の居候が来て、その後の人生に影響を与え合った話である。境遇が違うので自分のこととして共感はできないが悪くない。一応モロッコ映画ということになっているが西欧寄りの感覚と思われる。 なお国内向け映画紹介では「感動作」と書いてあるが、実際はよくわからない終わり方のため娯楽映画タイプの感動作ではない。また字幕で「女の権利は限られてる」という、まるでこの言葉だけ憶えて帰れと観客に言っているような硬い台詞が出ていたが、これは原語でもこういう言い方だったのか。  主要人物としてパン屋の主人は娘1人、居候は息子1人のシングルマザーで、似た境遇なのかと思ったが実は根本的に違っていたらしい。現地の事情からすると、パン屋は未亡人であって再婚しても構わないが、居候は「未婚の母」だったため子の将来が絶望的とみなされていたようだった。このことから映画のメッセージは「未婚の母の子」が「後ろ指をさされて生きていく」社会を変えなければならないという点に集約された形になっている。 居候が新生児に名前を付けたので、やっと自分の子として受け入れたのかと思ったら、その後になぜか窒息死させようとした?のはどういう心境なのかわからない。それでも新生児本人は死にたくはなく、生命力も強かったらしいのは幸いだった。新生児の名前は、人類の始原の時(中東の各宗教が分化する前)まで遡った上で、新しい人間の歴史を始めてもらいたいという願いだったかと思った。 なお劇中では携帯電話やスマホの類はなくカセットテープが現役だったので、少し昔の時代の話だったと思われる。今はどうなっているかわからない。  そのほかパン屋の主人は娘の教育に熱心だったようで、これは女性も学問を身につけなければという思いの表れかも知れない。娘は愛嬌があってなかなかいいキャラクターで、パン屋と居候の間をつなぐ役になっていた。 またパン屋が舞台のためパンを作って売る場面もある。「ムスンメン」というのが多かったようだが、特に目についたのが「ルジザ」というもので、麺類のようなのをつかんで食べるのでどういう味がするのかと思ったが、これもパンケーキの一種らしい。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-04-06 09:23:29)
2.  FUNAN フナン 《ネタバレ》 
カンボジアのポル・ポト政権時代(1975-1979)をくぐり抜けた親子の話である。題名のFUNANは古代の国名とのことで、「扶南」と書けばなるほど見たことはあると思うが漢字で書くのが正式ということにはならない。何でこの題名にしたのかは不明である。 基本はフランスのアニメのようで、フランスの俳優がフランス語で台詞を言っている。人物は素朴な絵のようだが、人間性や感情はしっかり表現されている。また土地の風物が美的に描かれていて、特に水田景観はカンボジアの原風景的イメージのようで印象的だった。まばらに立つ木は「オウギヤシ」という椰子であって、実を食用にする以外にも多用途に使えるものらしい。 この時期の過激な社会改造の企てにより全土で多数の死者が出たわけだが、映画では残酷な場面を直接見せていないのが良心的に思われる。革命勢力の一員が一般民衆同様の人情を見せたりする一方、自死した人物を追い込む発言をしたのが主人公の母だったりしたのは、一般民衆の内部でも加害・被害の関係があったことの表現と思われる。ただ密告の場面がなかったようなのは、人々の間に今も残る心の傷を刺激しないようにとの配慮かも知れない。  この時代の出来事について、人類史的な悲劇とはいえ異国の昔の話だからと突き放すこともできなくはないが、こういうことが21世紀の現代に起こるはずがないともいえない。勝手な思い込みで世界を作り変えようとし、そのためには一般民衆にどれだけ被害が出ても構わないと思う連中が今はいなくなったわけではない(その辺にもいるので困る)。 また親子の物語ということとの関連で重要なのは、世界を作り変えようとする連中はまず子どもを狙うことである。20世紀にはカンボジア以外にも複数事例があったと思うが、現代でも親のいない場所で子どもらの頭の中を作り変えようとし、さらには家庭を解体して親から子を引き離そうとする連中がいないかどうか見ていた方がいい。個人的にはこの映画で、主人公の息子が見ていた水鳥とその子どもらの姿が、われわれの守るべきものを象徴していたように思われた。  その他雑記として、ヤモリが鳴いていた場面は嫌いでない。また最初にプノンペンの場面で流れた流行歌らしきものはエンドクレジットに出ていたように、当時「クメール音楽の王」と言われたSinn Sisamouthという歌手の「PROUS TEH OUN」という歌だった。その人物もこの時期の1976年に殺されたとのことで、別映画「シアター・プノンペン」(2014)の追悼場面に顔写真と名前が出ていた。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-16 10:00:44)
3.  ナイトメアは欲情する 《ネタバレ》 
リトアニア映画である。研究者が話す英語以外はリトアニア語だったのだろうから、変な医学の実験がリトアニアの医療機関で行われたという設定だったらしい。物語的には正直よくわからない話で、個別の出来事を一つひとつ解釈していくのは難しいが、わかりそうなところだけ適当につなぐと次のようになる。 【ここから解釈】 女性に関しては、当初ただ寝ていたところに主人公が来て、「眠れる森の美女」のように目覚めさせたのが運命の出会いになったらしい。しばらくは相手が誰かもわからないまま過ごしていたが、やがて薬の作用で前の男を思い出し、その男を主人公がちゃんと殺したことで、昏睡に至った現実をしっかり受け止めたと思われる。主人公の献身によって人の心を取り戻し、主人公を恋人として受け入れた上で、ちゃんと現実世界で目覚めてから死んでいったというハッピーエンドかも知れない。 主人公の男は何を考えていたのか不明だが、女性の死期が近いことは初めからわかっており、それまでの間に、劇中で実際にやったことをやろうとしていたと思われる。研究者としての立場も恋人も捨てて、女性の魂を救うことに賭けたということか。あるいは自分が現実世界で得られなかった、心が直接つながる恋人を得る体験をしたのかも知れない。 【ここまで解釈】  ところで予告通りエロい場面は多少あったが(ボカシだらけだ)、観客が見るだけなのは当然として、もしかして主人公の男も性欲が亢進するばかりで充足していなかったのか(実験中に放出するとまずいので?)。物理的な行為を伴わない精神世界の性愛だったのかも知れないが、女性としてはこれで満足だったのかどうか。 またその精神世界の映像は結構面白い。女性の家は木材を積み上げた/崩れたような建物(障子窓のようなものがある)で、アートっぽい風景の中に変なグロいものが生成されているのがファンタジックな印象だった。また泳いでいる自覚はあるが周囲は見えていないとか、車で走っていた道がいつの間にか劇場の階段になり、その劇場で何を見たかはわからないがとにかく彼女と一緒にいた、といった、いかにも夢に出そうなことをまともに映像化していたのはよかった。 個人的には特に共感できたわけでもないが、妙な邦題からイメージされる軽薄なエロ映画では全くないので、少しいい点を付けておかなければ済まない。
[DVD(字幕)] 7点(2020-09-05 08:26:45)
4.  アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲 《ネタバレ》 
シリーズ2作目になるが、今回もまたとりあえず作ってみた的なものができている。全編パロディで構成されているようなのが特色だろうが一生この作風で行くつもりなのか。 今回は宇宙戦争の場面は限定的で、代わりに地球空洞説とか恐竜とか実は全部が爬虫類型宇宙人のせいだったという趣向を盛り込んでいるが、映像的にはどこかで見たものを再現しているだけで新鮮味はない。物語としても、思い付きの設定をもとにして適当な流れを作っただけで、それ自体を面白がるほどのものにはなっていない(前回もそうだったかも知れない)。ちなみに前回のヒロインも出ていたはずだが、どこにいるのか最後までわからなかった…というか外部情報を見れば簡単にわかるわけだが、キャラクター性で記憶しているので役者が同じということ自体に意味はない。 前回と似た印象の場面として、人類史に破壊と堕落をもたらした古今東西の英雄が一堂に会する場面があり(夕飯かと思ったらその後に昼飯もあった)、チンギス・ハーンやKim Jong-Unといった偉人の姿も見えたが、アル中ケッコネンとかいう何だかわからないのを出すのは場違い感があった。有名人を茶化すだけで笑えると思うのは、精神年齢を低く抑えた制作姿勢が成功をもたらすとの確信があるらしい。 ラストの映像を見ると、次回は人工衛星スプートニクが破壊兵器として蘇って宇宙戦争を展開する映画と予想されるが全く期待しない。  ちなみにネット上の評価も割れていると思うが、どこまでも内輪受けを狙ったようなものにそのまま乗れる観客ならいいかも知れない。自分としては、前回は御祝儀っぽい感覚でそれなりの点を付けたが毎度同じことはできない。 そのほか、動物が可哀想な目に遭わされる場面が結構あったのはよろしくない。NOKIAもゾロトニクзолотник(4.266g)も面白くはなかったが、ルービックキューブの本当の意義が忘れられた世界というのは少し笑った。
[インターネット(字幕)] 3点(2020-05-30 10:26:09)(良:1票)
5.  レッドタートル ある島の物語 《ネタバレ》 
いわゆる異類婚姻譚というものらしい。鶴女房ならぬ亀女房ということになるが、あるいは浦島太郎の話だとすればこの島自体が竜宮城のようなものということになる。 竜宮城といっても現世から隔絶した異世界ではなく、文明世界の産物が流れつくとか、はるか彼方の大地震による津波が大洋を渡って来るからにはこの地球のどこかであって、何者か(カメ?)がやっている邪魔だけが外界との間を隔てていたらしい。浦島太郎は元の世界に帰って一気に加齢してしまったが、この映画の主人公は帰ることなくそのまま過ごしたことになる。 また亀女房として見た場合、女房の方から押しかけて来た理由の説明はなかったようで、ここは“彼女が彼に恋をした”という解釈でいいのかも知れないが、あるいは旅人に妻や娘を差し出して子種をもらう風習のようなものかとも思う。「おおかみこども」とは男女が逆になるが、実際に主人公の一人息子はカメの世界(海の世界?)に引き取られて行ったように見えた。 悪くいえば主人公は絶海の孤島に幽閉され、死ぬまで牢獄で過ごすよう強いられたともいえる。ただ、もしかすると本来は遭難して死んでいたはずのところをこういう形で生かされたのかも知れず、それで結果的にでも心の充足を得られたのなら幸福な一生だったということか。自然の中で生かされて自然の中に子孫を送り出し、最後は型どおり自然に還って終わる(死体はカニが食う)という物語として個人的には納得した。 なお基本的にはファンタジーだが、生物としてのウミガメの寿命が実際に長いことがこの話に真実味を加えていたともいえる。  そのほか視覚的には、天候や時刻によって変わる景観の彩度を抑えた色彩感が好ましい。月に照らされたほとんど無彩色の夜はかえって世界の広がりを感じさせた。また各種生物がそこら中に生息していて、多様性の面ではそれほどでもなかったようだが、カニの動きが終始ユーモラスだったあたりはジブリアニメっぽいといえなくもない。
[DVD(邦画)] 7点(2017-03-25 22:54:41)
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