1. マッチ工場の少女
《ネタバレ》 タンゴが好きですねぇ。なんでタンゴなんだろ?北欧でラテン音楽、なんか意味あるのかな? まず少女というには歳いってすぎに感じた、妙齢といったほうがいいような。 孤独で友人もいなさそうでモテないし、家に帰れば自分の給料をアテにしている母親と同居人の男、弟はとっくに家を出てそれなりに生活しているようなんですが、イリスはなぜか家から出ず、まだ世話が必要とはいえない年齢の母親と同居人の食事の用意までする。なんでこの選択なんだろ?自分の意志など全くない感じで無表情で淡々としてまして、ナンパされていろいろあってから気に入らない人間を次々と。 しかし、変わらず無表情で淡々としていてセリフもほとんどないのでこちらも淡々とどうということもなく観れてしまいました。 アレ、無味無臭なんですかね?なんか刺激臭とか苦みとかないんですかね。 「敗者三部作」のひとつということなんですが、観終われば誰が敗者なのかよくわからないと私は感じました。 イリスが敗者とはなんだか素直に思えなくてね。 とにかくこの映画を退屈することもなくラストまで観れてしまうというのはかなり凄いことだと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-05 13:07:14) |
2. 希望のかなた
《ネタバレ》 難民問題とワサビとジミヘンと横一列。 そして犬のコイスティネンでした「街のあかり」のコイスティネンがレストランの厨房でこっそり世話をしてるっていうのがいいですね。 カウリスマキ監督の映画はどれもシュールさが心地よいです。 カーリドが無表情で淡々と語る内容は想像もつかないほど悲惨で、生きる気力がなくなってしまう人がいても不思議じゃないと思えるんですが、カーリドはまっとうに生きることしか考えていないんですね、シャワーの場所を尋ねたストリートミュージシャンに投げ銭をするカーリド、なけなしのお金の中からだと思うんです、このシーンでカーリドの誠実で真面目な人間性がわかります。そしてそんなカーリドを支援し助ける人々。ああ、今回もいい話だとほっこりしてたのに。。。そうかネオナチっていうのがいるわけだ。あのラストに強いメッセージ性を感じました。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-12-15 19:28:46) |
3. コントラクト・キラー
《ネタバレ》 ジャン=ピエール・レオっていうのに驚き、もっと驚いたのはクラッシュのジョー・ストラマーの登場です。いや~ほんとにびっくり仰天で私にとってはとんでもないサプライズでした。 そして舞台はイギリスで言葉は英語でイギリス在住の死にたかったフランス人なんですね、雰囲気といい花売りとかいったい年代はいつなのかと不思議でもあるんですが、花売りのマドンナとか自殺を試みる人とか「街の灯」を思い出し、花売りのマーガレットはヒッチコックの映画に出て来る主人公と恋に落ちる ワケあり女みたいだし、いろいろと思い出しました。 いちばん笑ったのは「フレンチ・バーガー」何がフレンチなのかと思えば、その店の主人はなんとセルジュ・レジアニでして、フランスを代表する俳優二人のバーガー屋だからフレンチなんですかね、笑いました。いつもダークスーツのアンリがサングラスをかけたら一気にフィルム・ノワールを醸し出すとこもいいです。イギリスが舞台のフィルム・ノワール的なブラックコメディですかね。 このフランスの名優二人をロンドンの酷い背景の中で撮影したのか。。。とにかく最初から最後まで皮肉満載と感じる映画でした。 プレスリーの肖像画が飾ってある店で軽快に歌うジョー・ストラマー、彼は先天性の心臓疾患を抱えていたらしく50歳で亡くなっている。本人はそれを知っていたのかどうかはわからないんですが、死にたい、死にたくない、死が迫っているという登場人物の映画にジョー・ストラマーが出演してることが、今だから言えることだけどなんだかズキンときてしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-11-14 13:49:46) |
4. 街のあかり
《ネタバレ》 「浮き雲」「過去のない男」ときて、本作は映像が格段によくなったなと感じました。 フィルムが違うのかなんなのかよくわからないんですが、画質もくっきりしていて艶っぽい。相変わらず色彩もいいですね、特にオレンジの色がいい。 レトロな色彩も小道具もきっちり拘りを感じます、電気スタンド・ソファに無造作に置かれているクッション・・・雑貨類が私の好きな物で溢れている。 そしてやっぱり健気なワンちゃんが登場、このワンちゃんのために闘おうとするも返り討ち、コイスティネンはいつも返り討ちになるという哀しさ。 でも見た目はニヒルな男前ですしマフィアやギャング役もサマになりそうなルックスというギャップにユーモアを感じてしまいます。 コイスティネンは何をどう考えて感じてるのか、そういうとこはよくわからないんですがラストで遂に信頼できる人は誰かということに気付けたのかしらね。どん底でも希望は必ずあるんだと思えてそこが良いです。 焼きたてのベーグルを用意してもてなすっていうのがとても意外でして、私としてはコイスティネンの人柄が唯一わかるようなシーンでした、なぜかベーグルがアップになるカットも印象的。フィンランドでベーグルっていうのがまず意外だったんです。 カウリスマキ監督の作品は私の秋の夜長映画に決定です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-11 14:35:29) |
5. 浮き雲(1996)
《ネタバレ》 かなり厳しい状況なのに淡々とクールでユーモアもあり、全体的に優しさに溢れていると感じます。 どん底な状況でも人間関係が良いんですよね。仲間、信頼というものが確かにあって、やっぱり人間最後は人柄なのかなと思わされる。 室内の壁の色や配色が独特で、これも悲壮感をあまり感じない要因かもね。 オープニングは黒人がピアノでジャズ弾き語りだったんですが、レストラン閉店時は日本で言ったらムード歌謡曲って感じでして、 まだ小さかった頃の昭和を思い出した(笑)あんなような曲がよくTVから流れてきてたと思う。 あれ、ジャンルで言ったら何になるのかしら、タンゴ?ルンバ? 夫婦の部屋に子どもの写真が飾ってあってイロナが見つめるシーンがあるんですが、てっきり子どもを亡くした夫婦なのかと。ワンちゃんをすごく可愛がってるのもそんな経験があるからなのかと勝手に想像したんですが、あの写真は急死したマッティ・ペロンパーの子供の頃の写真だと鑑賞後に知りました。ラストにもクレジットが出ていましたね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-10 12:00:11) |
6. 過去のない男
《ネタバレ》 30年くらい前かなあ、すごく話題になってた監督なんですが一度も観たことがなかったんです。最近映画専門チャンネルで特集が組まれて何作品か録画しました。この独特の雰囲気、まったり映画を観たい時にハマるかもね、ちょっとクセになりそうというか。 この季節、秋の夜長に観るのにいい映画という感じです。 記憶が無くなり、自分の名前すら思い出せない。自分を知っている人もいない。 かなり絶望的な状況なのに彼はそれを受け入れて淡々とその日を過ごし、恋までしちゃうんですね。 なんか普通に受け入れ過ぎでそこがちょっと不思議で違和感なんですが、てことは捨てたい自分や人間関係、それまでの人生だったということかしら? 人生のやり直しが可能になったというようなポジティヴな話でした。でも別人になる必要があるわけですね。 そういえば突然蘇生したんですよね、一旦は死んだってとこが重要なのかしらね。 嫌いな人はかみ殺すらしいけど、どう見ても愛らしく利口そうなハンニバルが良いです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-31 15:32:38) |
7. かもめ食堂
ヨーロッパってなんであんなにキレイなんだろ、子どもの頃に見ていた童話の挿絵そのものの街並みが大好きです。そして話の内容よりも目に入ってくる全てが好みです。特にレトロなプリントと色使いの衣装がすごくいい、片桐はいりの着てたTシャツ、私もほしい。 食堂の店内、自宅、キッチン用品と食器とか・・・「クロワッサン」の世界かな?w だからリアルではないんだけど、小林聡美、もたいまさこ、片桐はいり、この3人の女優がどこにでもいそう、道ですれ違う人によくいそうな感じというのがそのへんのバランスをとっているのかもしれない。 「親しき仲にも礼儀あり」みたいな人間関係が心地よい。この三人はどちらかというと過去を捨てた、捨てるためにフィンランドに来たわけで、小林聡美の「やりたくないことはしないだけです」だったかなぁ、このセリフだけで彼女のそれまでがどんなものだったのかがなんとなく想像できた。知人も友だちもいない知らない土地で自分を大事に生きていくことを選ぶ。物凄く憧れるんですけれども、これができる人はそうはいないんだよね、心情はやけにリアルな疲れた大人のためのファンタジーかな。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-09-14 09:19:17) |
8. GO!GO!L.A.
ジョニーが出てるってことで見てみたんですけどね。ジョニーが出てなかったら途中で挫折してたと思う。一応我慢して観てよかった。もう出てこないのかと思ったジョニーが出てきたし。 3点(2004-11-02 16:39:38) |