1. リサイクル -死界-
《ネタバレ》 パン兄弟はもう相当やばいかもしれない。 私はこれを見て、パン兄弟を見捨てる一歩手前まで来てしまった。 なんじゃこりゃ。 で、メイキングでパンのどっちかが「幽霊の出る映画は、一部の人にしか関心をもってもらえない。もっと多くの人に関心をもってもらいたいので、〝捨てたもの〟という普遍的なテーマなら…」なんて言っているのをきいて原因がわかりました。アホかおまえらは~。なんつーイージーな方向性だよ。 これではっきりわかるようにパン兄弟はCGに頼ってはいけないのである。むしろ極力使わないようにするべきなんである。そしてまた、〝幽霊〟を捨ててはいけないのである。 パン兄弟の魅力は、身近な恐怖、なのだ。ありえないファンタジー世界を体験したいなら、誰でも別の作り手の作品を見るだろう。今から「ファンタジー職人」になろうったって、それは絶対にムリ。ムリといったらムリ。 彼らは幽霊職人に徹するしか生き延びる道はないというのに、全然わかっていないようである。香港に育てば色んな可能性があるように勘違いしてしまうかもしれないけど、それは違う。 内容については…あまりにお粗末なストーリー、少女が登場してすぐにオチ割れしてしまう底の浅さ、さらに驚かせたつもりかもしれないけどそれほどのものでもなかったラスオチなど、誉めるところがほとんど無い…。「捨てられたものたち」というテーマも、私にはそれほど身に詰まされて迫ってこなかった。それを言いたいならもっと良い別のアプローチがあったろうに。 パン兄弟はやばい。 [DVD(字幕)] 4点(2008-11-29 16:36:42) |
2. the EYE 2
《ネタバレ》 前作には感心しきりだったため、期待してレンタル。 結果…イカん。何がイカんて、転生は。それは、ホラーなのか。 ネタばれします。 途中までは、謎めいた感じでなかなかよいのですよ。さすがにパン、と思っていると。 愛人を恨むあまり、お腹の子となって生まれ変わるたー、そら、もはやホラーではない。 「ほらー、不倫なんかするから、バチが当たったのよー」という、「説教」の世界である。 それでまた、死んだ人間が妊婦の腹に入るというシーンを、サービスよく出しすぎ。なにも「エクソシスト3」ほど隠せと言っているわけではないが、こういうのははっきり見てしまうとかなり興ざめ。例の飛び降り連続シーンも、私には「いいかげんしつこい」としか思えず、「怖い」というのとは違う。ここらへん、かなりあざとく作っている気がする。 そして、よせばいいのに正妻の幽霊までくっきりと出してしまい、出したことにより「女の恨みは怖い」という肝心のところは、希釈されてしまう。 勧善懲悪に終わるホラーなど、つまらない。 だいたいが、「もともとの原因はタカが不倫」というのがショボい。火サスじゃないんだから。 「震える夜」からパンに関心を抱いてきた私にとっては、非常にがっかりさせられた作品であった。いったん「売らんかな」から離れて、ゼロから出直してもらいたい。 [DVD(字幕)] 3点(2007-04-21 22:32:41) |
3. the EYE 【アイ】
《ネタバレ》 やはり2度目に見ても、この手のホラーサスペンスでは群を抜いている。パン兄弟というのは本当にアイディアの宝庫だ。右脳の発想と思う。思考と記憶の作業を視覚で行っているように思える。 ただラストの爆発のところが個人的には気に入らない。「プロフェシー」とかぶっているし(どっちが先にせよ、話を収めるにあたってあまり洗練されたもって行き方とは思えない)それまでのストーリー展開からするとあまりにもイージーに過ぎる。 で、ここのところはトム・クルーズがプロデューサーとなって映画化した際には、きっとこうなると思われるので皆様にはどうでもいいでしょうがお伝えしたい。 まず、主人公は白人男性。そしてカウンセラーは美人の女医さん。まさかマッチョなトム本人が盲目男性を自ら演じることはないと思われるので、オーランド・ブルームあたりをもってくる。そして、ラストではオーランドはご本家と同じように、車の窓を叩いて逃げるよう説得するのだが、誰も耳を貸さない。そこで切羽詰ったオーランドは、後部座席にぬいぐるみを抱えて乗っている女の子を無理やり連れ出し(ぬいぐるみは絶対ですね)、走り出すのだが、それを両親が事故の交通整理の警官へ通報し、警官に追いかけられたオーランドは必死に走る。ここで警官が空に向かって発砲(子供が一緒なので)したりして危機感を煽る。その時まさに大爆発が!オーランドは女の子を守って自分が犠牲になり、再度失明したのであった。そんなオーランドをあたたかく迎える美人の女医さん。…こんなことだと思うのですがー。もうアメリカナイズするとどうなっちゃうかだいたい想像つくよね。そこがよりつまらなさを加速する今日このごろでした。 [DVD(字幕)] 7点(2006-10-09 21:16:51)(笑:1票) |
4. 悪夢の夜に震える事実
《ネタバレ》 どうしてこういう悪趣味な邦題つけるかね。ともかく、タイ映画界の星、オキサイドパンだ。これは「濃い」「グロい」。3つの話が入っているが、3人の女性が喫茶店で怖い話をしている設定もこじゃれている。2つめのヤリ○○女の話。すごいんだー、もう性欲旺盛で。「女豹」みたいに狙ってるし。あんな満員電車の中で体すりつけて痴漢する女、いるのかタイに。住んでる部屋はなかなかしゃれたインテリアだった。あの香水を手に入れたとしても、及川光博が現れない限り私は絶対につけぬ。3つめの話。なんですかこの「濃ゆーい顔」の俳優さんは。そんであの顔でものすごく足が短いのよ。なんてことだ。この3つめの話は、グロくて痛いうえに、自殺の設定に完全に無理がある。そんでつなぎが乱暴でよくわからなすぎてつらい。話としてはどうということもないのだが、とにかく、とにかくこの「濃ゆーい顔」の俳優さん、顔と足の長さのギャップについ見とれてしまいました。それが言いたかったの。 [DVD(字幕)] 7点(2006-02-11 01:37:32) |
5. オーメン~予兆~
《ネタバレ》 これはなんとも、不思議な雰囲気の作品なんですよねー。それぞれの出来事が、どういう関係にあるのか、それとも関係ないのか、途中まで全然わからない。タイの若者たちはけっこうリッチだったりするのね。(一部は?)そして女の子は信じられないほど超タカビーだけどあれでもフツーなのか?クレーン車が倒れるとこなんて、ものすごーく無利の有る強引な展開なのか?なんて思っちゃいますが、あらら。なんてこと。そんな破天荒なオチなんだ。これは初オチでしたねー。そういう意味で心に残る作品になってしまった。実は犬がとても好きなので。日本人ならすぐに「鶴の恩返し」と思うでしょうが、これは、「輪廻」なんですから「鶴の恩返し」とは違うんです。こんなとんでもない話を、なんで思いついたのかしら。それにしても、ああ、あのワンちゃんなんてかわいそーなの。けなげすぎ。 [DVD(字幕)] 8点(2006-02-11 01:17:40) |
6. THREE/臨死
《ネタバレ》 これはタイトルどおり3つの話が入っているけれど、投稿する動機となった最後の話(ピーターチャン香港)に絞って書きます。まず、大したことない話が2つ続いたそのあとに真打ピーターチャン登場。この最後の話のなんという力量の違いよ。インファナルアフェアのサムが出てるし、いい味出してるし。どんでん返しもあるし。あのオチにはみごとやられました。「ええええっ」(←私の叫び声。)「巧」の味がしました。もうあの死体フェチシーンの連続には、「どうするんだこんなもの延々と見せて」のヤバヤバ状態。あの変態夫も、そういうワケ(オチ)で必死だったのねえ。「生き返るのか?生き返らないのか?」と最後まで引っ張ること引っ張ること。ここからは見た人のみ。ところでなぜ失敗したのでしょうねえ。逆の時は成功したのにねえ。「ぴくり」くらいまでしかいかないなんて。うっとうしいくらいの夫の愛の力は、なぜ通じなかったのかしら。それはねえ、女の愛の力と男の愛の力の違いだと(ピーターチャンは言いたいんだと)思うのよ。女の愛は命を生んで育む力を有するけど、男にはそれが足りなかった、ってことじゃないかな。実は鑑賞中は「なんとか生き返ってくれい」と思いながら見てしまいました。このようにきちんと組まれたドラマ性を求めている私なのでした。ピーターチャンおそるべし。 [DVD(字幕)] 8点(2006-02-11 00:59:25) |